小学生の頃、児童向けの本を読んでいたら、「洋梨のような形をした何々」という表現があった。
親に聞くと、球形ではなく、ちょっと突き出た崩れた形だというような説明があったと思う。
中高の頃は、秋になると毎年山形からラ・フランスが1箱送られてきていた。
リビングにつながるピアノの部屋に置かれたラ・フランスの木箱から、繊細で甘い、心地よい香りが漂ってきたことを思い出す。
80~90年代の頃、ラ・フランスは高級品だった。
すこし柔らかくなりかけた頃を見計らって食べるそのラ・フランスは、繊細な果肉の歯ざわり、香り、みずみずしさ、何をとってもすばらしく魅力的なものだった。
大事に大事に、薄く皮をむいた。
もったいなくて、むいた皮を紅茶に入れて香り付けにしたこともある。
時にはやわらかい果肉と皮をいっしょに口に入れて、皮だけ出した。
ラ・フランスはその飾らない外見からは想像のつかない上品さを醸し出していた。
10年くらい前にロンドンの労働者階級の質素な家にホームステイした時、ホストマザーは毎日サンドイッチといっしょに果物をおべんとう箱に入れてくれた。
一番多かったのは、高級種ではない洋梨。
小さくてちょっと硬い。バートレットという品種かな。
ラ・フランスではない洋梨もあるんだということを初めて知った。
それも懐かしい思い出。
今もぼくの食卓にはラ・フランスが度々並べられるけど、かつてのような香りや甘さを感じない。
なぜだろう。
明らかに香りがなくなっている。
大量生産によって何らかの過程が省略され、香りが失われたのだろうか。
品種が少し変わったのだろうか。
保存状態がわるいのだろうか。
今、手元にあるLサイズのラ・フランスも、作り物のように匂わない。
私は、何十種類もの果物を食べてきたけど、ラ・フランスはトップクラスにおいしい果物だと思っている。
その思いを、裏切らないでほしい。
幼い頃に食べたラ・フランスはほんとうに香り高くてやわらかくて甘くておいしかった。
桃やブドウやメロンなど、他にも魅力的な果物は多いけど、本来の洋梨、ラ・フランスはその魅力に決して負けない。
なんとかラ・フランスに復権してもらいたいと思うこの頃です。
親に聞くと、球形ではなく、ちょっと突き出た崩れた形だというような説明があったと思う。
中高の頃は、秋になると毎年山形からラ・フランスが1箱送られてきていた。
リビングにつながるピアノの部屋に置かれたラ・フランスの木箱から、繊細で甘い、心地よい香りが漂ってきたことを思い出す。
80~90年代の頃、ラ・フランスは高級品だった。
すこし柔らかくなりかけた頃を見計らって食べるそのラ・フランスは、繊細な果肉の歯ざわり、香り、みずみずしさ、何をとってもすばらしく魅力的なものだった。
大事に大事に、薄く皮をむいた。
もったいなくて、むいた皮を紅茶に入れて香り付けにしたこともある。
時にはやわらかい果肉と皮をいっしょに口に入れて、皮だけ出した。
ラ・フランスはその飾らない外見からは想像のつかない上品さを醸し出していた。
10年くらい前にロンドンの労働者階級の質素な家にホームステイした時、ホストマザーは毎日サンドイッチといっしょに果物をおべんとう箱に入れてくれた。
一番多かったのは、高級種ではない洋梨。
小さくてちょっと硬い。バートレットという品種かな。
ラ・フランスではない洋梨もあるんだということを初めて知った。
それも懐かしい思い出。
今もぼくの食卓にはラ・フランスが度々並べられるけど、かつてのような香りや甘さを感じない。
なぜだろう。
明らかに香りがなくなっている。
大量生産によって何らかの過程が省略され、香りが失われたのだろうか。
品種が少し変わったのだろうか。
保存状態がわるいのだろうか。
今、手元にあるLサイズのラ・フランスも、作り物のように匂わない。
私は、何十種類もの果物を食べてきたけど、ラ・フランスはトップクラスにおいしい果物だと思っている。
その思いを、裏切らないでほしい。
幼い頃に食べたラ・フランスはほんとうに香り高くてやわらかくて甘くておいしかった。
桃やブドウやメロンなど、他にも魅力的な果物は多いけど、本来の洋梨、ラ・フランスはその魅力に決して負けない。
なんとかラ・フランスに復権してもらいたいと思うこの頃です。