波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
コメント欄はほとんど見ていないので御用のある方はメールでご連絡を。
波屋山人

ロオジエ

2007-11-24 03:27:57 | Weblog
先日朝日新聞に記事があったけど、ちょっと苦笑。
まだ飲食店の知識のない、趣味も少ない新入社員に取材をさせたのでしょうか。
でもほんとうに何も知らない貧乏な人だと、1杯2~3千円程度のワインを2杯ずつも注文したりしないでしょう。水で我慢します。
それに、ディナーは避けてランチにするでしょう、
何年か前、貧乏な私は高級店でのランチで友人女性に1杯2~3千円のワインを勧めましたが、自分は飲みませんでした。(at オテル・ドゥ・ミクニ)

私も朝日新聞に知りあいはいますが、年収1千万は軽いし、部屋にワインセラーも持っているし、いいもの食べてますよ。お酒にも詳しく、かなりの趣味人。
もちろん、進歩的文化人的な面もありますが、庶民というよりはブルジョワ。すてきな生活をしています。

「普段は社員食堂の定食や丼もの、コンビニ弁当など500~700円程度の食事が多い」って言っても、それは昼食のことではないですか?高給取りなのに昼食は社員食堂で安くすませて、夕食はけっこういいもの食べに行ってないですか。しかも忙しいから社員食堂でさっと食べているだけで、べつに倹約しようとか思っていないでしょう。

ちなみに私はロオジエは行ったことがありませんが、ソムリエの方は有名ですね。
友人のライターは昨年取材したときに絶句していましたが。
取材を受ける人は気をつけたほうがいいかもしれません。ライターは傲慢だと感じた取材対象者について、その印象をいろんな編集者に話したりしますから。

朝日新聞にはプロ並みにワインに詳しい人もいます。資格を持っている人もいるじゃないですか。そういう人を取材に行かせてもよかったですね。でもそうするとブルジョワな感じになってしまって反感を買うかもしれないから、わざと何も知らなさそうな若手に取材に行かせたのでしょうか。

一緒に行ったのは同僚なのか、学生のときから付き合ってる彼女なのか、飲食費は経費で落としたのか、自腹だったのか、それだけのお金を払うのが残念だと感じなかったか、納得がいったのか、どこに価値を見出せるのか、少し気になります。

料理が値段に見合っていないと思えば、二度と行かなければいい。
でも、多くの高級店は店の設備、サービス、素材、料理のステップがそれだけの価値があるものとなっている。
バブル終焉以降、そんなにへんな店は多くない。高級店だとディナーで2人5~6万円というのは普通といえば普通。

庶民的な店でちょっと高く見えても、熱海の「天匠」の漁師丼は2千円でも安い。
江戸川橋から牛込中央通に移った「生粉打ち亭」のせいろ蕎麦漬け丼セットは千円程度だけど倍の値段をとってもおかしくない。
池尻の「やっちゃば」では魔王や百合といった質のいい焼酎が倍の値段でもいいくらい安値で売られている。
朝日新聞の人はそんな庶民的な店にあまり来ないと思いますが。

私も一度ロオジエに行ってチェックしてみたいものです。
その前に、白金のカンテサンスに行ってみたいけど。


http://www.asahi.com/life/update/1122/TKY200711210415.html?ref=goo
ミシュラン東京版発売 星150店「納得」「疑問」の声
2007年11月22日11時45分
(略)
●記者が初体験 うまい…でも2人で5万円

 三つ星を取った8店に記者と名乗らず電話してみた。どこも予約が取れなかったが、急に空席が出たフランス料理「ロオジエ」(東京都中央区)に夜、2人で出かけた。

 玄関で女性スタッフが迎える。やや緊張しながら2階へ。案内されたのは12卓のこぢんまりした部屋。客は40~50代、スーツ姿が多い。外国語の会話も聞こえる。

 最も安い「季節のディナー」(1万8000円)を恐るおそる注文した。

 まずは、赤いほおずきのようなパプリカのゼリー。前菜はマダイのカルパッチョなど。魚料理はウナギ。メーンはよく見る薄切りと違って分厚く肉汁たっぷり長さ12センチのカモのローストだった。

 初めての三つ星体験。値段はペリエとエビアン(計2200円)とワイン2杯ずつを含め、2人で計5万1744円。普段は社員食堂の定食や丼もの、コンビニ弁当など500~700円程度の食事が多い。一夜でその約35~50回分を食べた計算になる。夢見心地のひとときだったが、会社に戻る道すがら「でもこのおいしさは値段に釣り合っているのか」と話し合った。フランス料理の素人には答えは出なかった。
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アラン(Alan)四川省出身のチベット人歌手

2007-11-24 02:06:03 | Weblog
さっきテレビを見てたら、2007年8月に日本に来たばかりだと言う中国美人谷出身歌手、alanが紹介されていた。

なんと、四川省のチベット民族らしい。
普通語が母語なのかな。中国語が流暢。だけど、歌は高音部分などで民族音楽的な発声方法を感じる。

カム(四川省西部地域のチベット名)はがっしりしたチベット人が多いという話を聞いたことがある。
また、四川の人はもともとチベットの影響が強いのか、人々の顔も北部中国のモンゴル顔と違い、濃い顔の人が多い気がする。
興味津々。

2年前にシュエリエン(雪連)という美人チベット三姉妹グループが日本デビューして、HMVで試聴したことを思い出すけど、シュエリエンはなかなかブレイクしなかった。けっこう歌唱力もあったけど。
Alanのブレイクを願います。
エイベックスだし、がんばればある程度なんとかなるかも。
どんどん学園祭にも出演してください。
テレビでも、外国人キャラ枠は来年はちょうど空きがあるかも。そろそろインリンも一線を退くかもしれないし。
ライブイベントがあったら行ってみたい。

・アランの圧倒的歌唱力
http://jp.youtube.com/watch?v=wNPXxK1Y_FY
・解放軍姿
http://jp.youtube.com/watch?v=xwst9gQ9Xgw&feature=related
・デビューシングル
http://jp.youtube.com/watch?v=2h7gHRbo-54&feature=related

■アランのブログ
http://ameblo.jp/alan-avex/
(さっそく台湾の外省人から「同じ中華民族だから応援しています」という書き込みがあったけど、微妙でしょうね。台湾の本省人はチベット人の独立を認めている人も多い)

■アランのプロフィール
http://alan-web.jp/profile/
1987年7月25日、中国四川省で公務員である父と元歌手である母との間に生まれる。チベット民族であるalanは、中国・美人谷で育ち、幼い頃から唄と二胡を習う。
9歳でテレビドラマの準主役に抜擢されるも、俳優への道は進まず、音楽大学付属中学で二胡の専門訓練を受けた後、16歳で北京にある中国最高芸術レベルを誇る、解放軍中国藝術学院声楽科に入学。先輩には女子十二学坊もいる。
2005年、中国星文レコードよりインディーズとしてカヴァーアルバム『声声酔如蘭』を発売し5万枚のセールスを誇る。
2006年には「第9回上海アジア音楽祭」に出演、アジア17ヵ国の新人歌手が出演する中、2位にあたる銀賞を受賞する。
2007年7月、解放軍中国藝術学院声楽科を優秀な成績で卒業する。

コメント (3)
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見たことのある有名人

2007-11-23 23:15:11 | Weblog
たぶんいろんなところで芸能関係の人とすれ違っているんだろうけど、めったに有名人だとは気づかない。
あまりにも小柄な人や大柄な人、やせすぎの人や太りすぎの人は視界に入り、芸能関係の人だと気づくことがある。

新宿アルタ前で見かけたカラテカの矢部太郎、
下北沢の本多劇場近くで見かけた猫ひろし、
渋谷円山町のユーロスペースで見かけたなべやかん、
彼らはかなり小柄なので目立っていた。

今年の4月に白金台の小さなビルのエレベーターで陣内智則とすれちがったけど、168センチもないように感じた。
神楽坂の裏通りを日常着で歩いている峰竜太はとてもつかれているおじさんに見えた。(二日酔いだったのかな)
10年前にロンドンのカムデンロックの古着屋さんでナカノヒロミチさんを見かけたことがある。
やや小柄で、金髪が目立っていた。

数年前恵比寿で見かけたクリエイターの高城剛も160センチ台前半だろうか。帽子と大きな目が目立つ。
6年くらい前に下北沢の小さなクラブですれちがった元ヒステリックブルーのナオキはプロフィールでは171センチだけどもうちょっと小さく見えた。
本人主催のイベントだったので見間違えることはない。
当時すでに逮捕されるようなことをしていたんでしょうか。最低でもあと5、6年は塀の中。あんな細身で強姦なんかできる力があったのだろうかと疑問に思う。小柄な子をねらっていたのかな。

昨年末に伊勢神宮で見かけた上祐史浩さんは、大きくはないけどちょっと太って見えた。何を食べているんだろ。

そういえばあるクラックのコンサートで、後ろの席に知り合いと来ている姿を見たのは日テレをやめる前の魚住りえ。
インド洋大津波被害者支援関係のクラブイベントでは鶴田真由さんをお見かけしたこともあったっけ。お二人とも目がぱっちり黒目大きめ。

飯田橋駅を出たところで見かけた宮崎駿監督はヒゲが印象的なのですぐわかった。
ロンドンブーツの淳はでかい車の窓を開けてケータイで調子良くしゃべっていたけど、大きな歯が印象的だった。

先月、三軒茶屋と下北沢の間の代沢十字路近くで、ほしのあきに良く似た人を見かけた。
帽子もかぶってたけど、唇が似ていた。かなり細く、けっこう背が高かった。
テレビで見ると大きく見えないけど、ほしのあきさんは165センチもあるらしい。意外に背が高い。
倖田來未が154センチなのに意外に大きく見えるのと逆パターン。

六本木のアマンドの前で見かけたモデルのはなさんは、細かった。
渋谷や神楽坂で見かけた小沢真珠や梨花や田中麗奈や、その他の女優もみんなかなり細い。

女優になるには細いことと小顔なことが必須なのだろうか。
顔だけでいうと、女優さんに負けないくらいきれいな編集者やライターもけっこういるんだけど。

先月渋谷から梅が丘に行くバスに乗ったとき、一番後ろの席の隣にいた人はMINMIとその彼、湘南之嵐の若旦那だったと思う。
本人としか思えない会話内容だった。

世田谷区内のあるスーパーでは、時々帽子にサングラスという不自然な姿で歩いている細い人を見かけることがある。
もしかしたら有名な人なのかもしれない。
私はあまり女性のことをきれいだと言わないけど、たまにすごく美形だなと思って聞いてみると、読者モデルに毛が生えたようなことをやっていたとか、マイナーなキャンペンガールをやっていたという場合が多い。
町の中で誰か知らないけど素人とは思えないな、という人を見かけることがあるけど、モデルか何かの世界では有名な人ではないかと思う。

以前田崎真也さん、野田幹子さん、羽田元首相、村山元首相などはワインバーやレストランでお見かけしたことがある。
野田さんにはCD知ってる、羽田さんには選挙に行ったことはない、とちらっと言ったことを覚えている。

他にも仕事関係や飲食店、サイン会やイベント、ライブハウスやクラブなどで何人か有名な人を見たことはあるけど、私はあまりミーハーなほうではないと思う。
なんだか、有名な人も意外に普通の人だ、という感じがする。
心の奥底で芸能人に期待しすぎているものがあって、どこかに拍子抜けしているところがあるのかもしれない。
あるいは、べつに最初から何も期待しているものがないのかもしれない。

まあ、どっちにしても東京にいると、、私みたいな引きこもり気味の人間でも年に何回かは有名人をお見かけする機会がある。
地方出身の人にとっては有名人は珍しい存在で、印象に残る出来事になるみたいだけど、東京で生まれ育った知り合いの女性は、あまり有名人に驚かない。藤原竜也とバーで飲んでるから来ないかというと電話が来てもかけつけたりしてなかったし。

そういえば昔父親が永田町で橋本龍太郎に会った、と言っていたことを思い出す。単に歩いている姿を見たっていうだけの話なのに。会ったとは言わないだろう、という感じだけど、ときどきそう言う人がいる。苦笑。


今、一番生で見てみたいのは、はしのえみさんと、百瀬博教さん。それから中沢新一さん。
乙葉さんや山川恵里佳 といった内心すてきだなと思っていた人が芸人の人と次々と結婚した。
はしのえみさんもそのうち結婚するんだろうか。もてないふりしてるけど、すごくもてるのでは。魅力的。
百瀬博教さんには、6月の鳥越祭に行けば姿を拝見することができるかな。かっこいい人だと思う。
ずっとむかしから中沢新一をすごいと思っているけど、プライベートではどんな人なんだろ。

昨年はサイン会で、会いたかった鴨志田穣さんと西原理恵子さんにお会いできた。
今年はあるイベントで楳図かずおさんの姿を見て、直筆イラスト入りサインをいただくことができた。
また、ある会で会いたかった岸田秀先生に会えて、肩まで組ませていただいたのがいい思い出。

来年もいいことがありますように!いい刺激をうけますように!


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レッテリストとかレッテラーとか

2007-11-23 12:54:19 | Weblog
頭の回転の速い、リーダーシップのある人はあだ名をつけるのが上手なことが多い。
あだ名も一種のレッテル貼り。
優秀なコピーライターがつくるコピーも一種のレッテル貼り。
言霊の国というか論理よりも空気読めの国である日本では、印象的な言葉が力を持つ。

言葉に肯定的なイメージを持たせるのはあまり問題も生じないけど、否定的なイメージを持たせると問題となることが多い。

シロガネーゼ(もう死語でしょうか)とか神楽坂ママン(すみません、造語です)とかポジティブなレッテル貼りというかカテゴライズは新たな視点の創出、という意味もあるのかもしれません。

でも、疫病神とか藪医者とかニートとかDQNとかアカとか歴史修正主義者とか人種差別者とか反日日本人とか極右とか、価値を見出せない者とか意見の異なる者に対する否定的な言葉は、叩く相手の姿を際立たせるためのレッテル貼りとも言えるのではないでしょうか。

ただ、ふと気付いたのですが、レッテル貼りをする人に対するレッテル貼りというのはあまり目にしません。

試しにGoogleで検索すると、11/23現在、「レッテリスト」は9件だけヒット。
「レッテラー」はもっとヒットしますが、病名(レッテラー・ジーベ病)をのぞくと20数件だけ。

さすがに、レッテリストとかレッテラーというレッテル貼りはあまり行われていないようです。
レッテルを貼って何かを否定することをあまり論理的ではない安易な方法だと感じる人は、安易に他の人に対してレッテル貼りを行わないのでしょうか。
レッテラリストとかレッテラーという言葉を乱用すること自体がレッテル貼りのようなものかもしれませんから。

だからレッテル貼りをする人たちが周囲の人からあまりレッテルを貼られないという状況は、けっしてレッテル貼りをしている人が真っ当で優れていているということではありません。

似たようなことは他にもあります。
他人のことをすぐバカだアホだと言う人は、あまり自分のことはバカだアホだとは言われていないかもしれません。
しかし、それはバカだアホだと言っている人が優れていて正しいと思われているからではありません。

自分の感覚や価値観に合うか合わないかですぐバカだアホだと言って否定する人のことを、安易にバカだアホだと評するのがつまらないことに思えるから、言う人がいないだけ。
バカだアホだという言葉を乱用すること自体がバカでアホなことかもしれませんから。


以上のようなことを書くと、レッテリストとかレッテラーとかバカだアホだという言葉を私が否定している、と思う人もいるかもしれません。
だけど、私はべつに否定しようとは思っていません。

私だって知らず知らずのうちにレッテル貼りをしているだろうし、第一、まったくレッテル貼りをしないで生活することは難しいでしょう。
みんなどこかに価値を見出し、形を見出し、カテゴリーを見出し、それを元にいろんなものを感じ取り、思考を行っています。

レッテル貼りの多い人やアホだバカだと言う人とは付き合いにくさを感じるけど、そういう人はそういう人で結構です。
いろんなものを楽しめる人もいれば、いろんなものに文句を言う人がいる。それはそれで世界の多様性を示しているかも。
マルクス系社会科学の影響を受けた人は、社会は発展する、人間の心も発展する、などと思っているかもしれませんが、私は社会も人間の心も複雑化したり単純化したりいろんな動きがあって、多様化していくのではないかと思っています。

あっちに行ったりこっちに来たり、波打ち際の波のようにいろんなことを考えていると、いつかは新たな海の輪郭線にたどりつくかもしれません。



<参考>アホバカ発言が連発される「上郡タイムズの」掲示板。関西ではアホよりもバカのほうがきつい表現だと聞いたことがありますが、実際どうなんでしょうね(もうかなり他人事。。。)
http://bbs1.sekkaku.net/bbs/kamigori.html

No.2621 投稿者:町民 投稿日:2007年11月08日 (木) 09時50分 [返信]
兵庫県が破綻寸前となったことでますます町は苦しくなりますね。たぶん半数以上の建設業者が倒産するんじゃないかな。それと西播磨ゴミ処理場と地上デジタル放送改正工事はまえまえから多額の費用がいることが分かってたんだから、合併特例債は絶対必要だったんです。それが分からない安則のようなバカが町長になったせいで町民は10割負担を強いられてしまいます。

No.2620 当然の結果 投稿者:播磨人 投稿日:2007年11月07日 (水) 18時35分 [返信]
そもそも合併に積極的でなかった赤穂を合併相手にすること事態が、これらの人物がAHO、BAKAといわれる所以であり、つくづく消えてほしいと思う今日この頃。

No.2619 5ばかを消せ 投稿者:町民a 投稿日:2007年11月07日 (水) 00時59分 [返信]
5ばかはいて百害しかない。いないほうがましだね。

No.2618 5バカに言われたくない 投稿者:町民 投稿日:2007年11月06日 (火) 12時22分 [返信]
 合併不成立となったことで住民の負担が増すことは仕方がない。バカな連中に任せたのがミスだったのだ。バカな連中にまんまと騙されたのがミスだったのだ。結果を甘受しなくてはならない。しかし、だ。5バカにだけは言われたくない。先日のチラシ。「単独町政になったので住民への負担が増しますが理解して下さい」だと・・・。殺人犯に説教されているようなものだろう。

No.2617 5にん 投稿者:町みん 投稿日:2007年11月06日 (火) 00時11分 [返信]
5人は、私らは阿呆です、馬鹿です、恥知らずですとみんなに分かってほしくて書いているのでしょう。読んだみんなは、そんなにしか取らないでしょうよ。

コメント (4)
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弱者を切り捨てない社会と、台湾を切り捨てる国際社会

2007-11-22 21:56:22 | Weblog
たまに海外のメディアをチェックする。特に韓国、中国、台湾などの日本語版新聞サイトは読みやすいので見ることが多い。

朝鮮日報(韓国)
http://www.chosunonline.com/
中央日報(韓国)
http://japanese.joins.com/
東亜日報(韓国)
http://japan.donga.com/
北京週報(中国)
http://www1.neweb.ne.jp/wb/cno/enter/index-pekinshuho.html
台湾週報
http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/
朝鮮新報(北朝鮮-朝鮮総連)
http://www.korea-np.co.jp/sinboj/

久々に台湾週報を見た。
これは、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当する)のニュースサイトなのでしょうか。

日本では全然ニュースになりませんでしたが、台北駐日経済文化代表処による「台湾の国連加盟が必要である10の理由」という文が載っていました。

台湾は中国に押され、世界に仲間が少なく、弱い立場にいます。
判官びいきの人が多い日本の人も、中国に遠慮してか、台湾の肩を持つ人が少ないように思います。

もう10年も前の話ですが、ロンドンの語学学校にすこし通っていた時、台中大学の女子学生が2人在籍していました。
授業中にテニス選手のマイケル・チャン選手の話題に先生がふれたとき、彼女たちが「彼はチャイニーズアメリカンじゃない!タイワニーズアメリカンだ!」と抗議したことを思い出します。

中学校の頃に、「国家」は主権、国土、国民が存在しなくてはいけない、と学んだ記憶があります。
でも台湾は主権も国土も国民もちゃんと存在しているのに、国連に加盟できません。ほんの少しの小さな国しか台湾を国として認めてあげていません。

結局国際政治の世界は力の強いものが勝って官軍となり、弱いものは蹂躙されて歴史から抹殺されるのかもしれません。
それが厳しい自然の摂理でもあるのかもしれませんが、「弱者に優しい社会を!」「弱者を切り捨てるな!」という日本の政治家さんや弁護士さんたちは、「弱者に優しい国際社会を!」「台湾を切り捨てるな!」などとは言ってくれないのでしょうか。

構造としては、似ていると思うんですけどね。

わけへだてなく弱者を支援することよりも、主義主張、思想信条のほうを優先するというのは、少し悲しく感じる。

複雑な背景もあると思うのですが、台湾の立場に同情します。


http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=45327&ctNode=3591&mp=202
■台湾の国連加盟が必要である10の理由(前半)
発信日時:2007/11/15

 台湾は国連に加盟する資格があるのはもちろん、台湾は国連に加盟しなければなりません。なぜなら、台湾は成熟した国であり、国際的に発展する必要があります。グローバル化時代に、対外的に発展しなければ国は萎縮してしまいます。政治、経済、社会、科学、教育、文化、芸術等、さまざまな国際交流活動は、国連およびその他の付属組織のプラットホームを通じて進められているのです。

 成熟した国となり、活力に満ち溢れた台湾が、国連加盟国でないことは、成人になっても身分証明書をもらえないようなものです。免許証がないのと同様に、手足を伸ばすことができず、各分野の発展においてきわめて大きな制限を受けているのです。

 以下は、台湾の国連加盟が必要である理由を示した例です。

1.台湾が国連に加盟しなければ、経済問題が突破できない

 台湾の国際ビジネス誘致や事業の世界展開のためには、経済をレベルアップさせなければなりませんしかしながら台湾は国連加盟国でないために、国際投資・貿易の重要会議に参加することができません。

 例えば、京都議定書で定められた温室効果ガスの削減についても、今後各国はさらに高い基準をもって輸入製品を審査することになり、台湾製品の輸出にも影響を与えることは必至ですが、台湾はこの話し合いに参加することができません。

 京都議定書の署名国でなくても、製品の輸出のために、削減の義務は負わなければなりません。しかし署名国でないため、コスト削減のための国際協力体制を通すことができないのです。これは産業競争力に影響を与えるだけでなく、全国民の福祉も損なうことになるのです。義務だけ負わされ、権利はない。国連に加盟していない不公平さは、これほどひどいものはありません。

・国際標準化機構(ISO)に参加できないため、台湾は製品規格の制定に参加できない

 台湾国内で開発した先端技術(LEDモジュールや燃料電池)も、外国企業と協力するしかなく、新しい技術は開放を迫られ、貴重な水が他人の田んぼに流出してしまうようなものであり、実に惜しいこです。

・国際電気標準会議(IEC)に加盟できないため、製品の認証や相互承認の権利を取得することができない

 台湾の電器製品(家電、映像音楽、情報通信)は世界で第三位の地位を占めていますが、直接輸出することができません。必ず余分に権利金を各国の認証機関に支払わなければならず、このコストの負担増は、実に不公平なことです。

 台湾の産業を向上させるためには、自己の製品の主宰者となることが必要であり、台湾の国連加盟は、自己の運命の主宰者となることであり、本来このように関連しているのです。

2.台湾が国連に加盟しなければ、金融の安全が保障されない

 国際金融の秩序は、あたかも高速道路の交通と同じようなものであり、利益と危険が隣り合わせとなっているものです。1997年の金融危機は、タイから蔓延しはじめ、アジア各国は逃れることはできませんでした。近年の中国株式市場、米国のサブプライムローン問題等は、全世界の株式市場に影響をもたらし、台湾もこの世界から外へ出ることはできません。経済の起伏は、グローバル的要素が国内要素より大きくなっているのです。

 アジア金融危機の時、韓国の暴落が最も悲惨でした。幸いにも国際通貨基金(IMF)が資金協力を提供し、なんとか建て直すことができました。

 そのとき、台湾は運良く、代償が少なく済んだため、影響は比較的少なくて済みました。このような危機を再び演じないために、国際金融組織は協力体制の構築を議論していますが、台湾はこれらの討論に参加することができない上に、これらの関連する体制を享受することができません。万が一、再び波及したとしても、国連や世界銀行の加盟国ではないため、救済の道がありません。

 政治的であれ、経済的であれ、いずれにせよ台湾は国連に加盟してこそ、危機が訪れたときに、国際支援を得ることができるのです。

3.台湾が国連に加盟しなければ、反薬物、反テロ、反汚職の穴ができてしまう

 ナイロビ条約では不法な薬物、武器、核廃棄物等の運搬をいかにして防ぐかのルールが定められ、さらに中央情報システムが設立され、署名国は相互に情報のやりとりができ、摘発効果が高められました。台湾は国連加盟国ではないため、ナイロビ条約に調印することができません。孤軍奮闘するしかなく、世界の反薬物体系の抜け穴となりかねないのです。

 9・11事件後、反テロは世界各国の共通の課題となりました。台湾は国連の国際テロリズムを抑え込む措置に参加することができないため、非公式の方法で各国と協力するしか国際犯罪を抑え込むことができず、国際反テロ防護ネットの効果に影響を与えることは免れません。

 重大な汚職事件も次から次へと発生しています。以前のラファイエット艦購入事件をはじめ、近年の陳由豪、王又曽、朱安雄、劉松潘、曽正仁などの事件は、犯罪を働いた後に国外へ逃亡し、預金をスイス銀行に預けていますが、台湾は国連加盟国ではないため、国際反汚職条約に参加することができず、国際協力を通じて偵察、引渡し、汚職財産の回収を行うことなどができません。

 国境は低くなり、犯罪はグローバル化しています。反薬物、反テロ、反汚職はいずれも国際協力があってこそ捕らえることができるのです。台湾が国連に加盟できないことは、台湾に対して不公平であるだけでなく、世界の反薬物、反テロ、反汚職の防護ネットに必要のない抜け穴が生じてしまうのです。

4.台湾が国連に加盟しなければ、対外投資のビジネスチャンスを喪失してしまう

 台湾は国連加盟国ではないため、世界銀行(WB)、国際金融公社(IFC)、国際開発協会(IDA)等に参加できず、これらの国際開発機関の技術支援、人材訓練、情報サービスを利用することができません。

 世界銀行または米州開発銀行(IDB)が開発援助計画を実施する時、大きなビジネスチャンスをもたらしますが、台湾企業は望んでも及ばず、ただどうすることもできないのです。

 台湾は世界銀行に属する多数国間投資保証機関(MIGA)に加盟できないため、台湾企業はMIGAが実施する投資保険や保証業務に参加することができません。

 台湾は世界銀行の国際投資紛争処理センター(ICSID)にも参加することができないため、台湾企業は対外投資の際に現地政府と投資紛争が発生した時にICSIDの国際仲裁制度を利用することができず、公平で合理的な解決を得ることが難しくなっています。さらに、当該国の裁判所に対して、ニューヨーク条約に従って国際ビジネスの仲裁結果を強制執行することを要求することもできません。

 台湾が国連に加盟できないことは、企業の対外投資や世界各地での努力にも影響をもたらします。国家の尊厳のためだけでなく、国民の経済のためにも、国連に加盟しなければならないのです。

5.台湾が国連に加盟しなければ、衛生・防疫が保障されない

 2003年の新型肺炎(SARS)が発生した時、台湾は世界保健機関(WHO)の加盟国ではなかったために、速やかに国際防疫情報を獲得することができず、WHOは7週間遅れで専門家を台湾へ派遣したものの、結局346人がSARSに感染して、73人が死亡しました。

 中国は台湾の国連加盟を妨害するために、WHOにまでも関与を許さず、WHOが台湾と協力するときは中国を通さなければならないなどという立場を堅持していることは、完全に人命の重さや、一分一秒を争う疫病の現実を顧みないものであります。WHOの世界中の人類の健康を守るという主旨は、中国によって破壊されたのです。

 事態は何も変わっておらず、台湾は依然WHOの疫病通報システムの枠組みに組み込まれていません。台湾からの会議への参加は依然として制限され、さらには中国の呉儀代表から侮辱を受け、WHOの訓練カリキュラムには参加できず、WHOの情報共有ネットにも加わることができません。万が一、今後新たな世界的伝染病が発生した場合、再び同じ轍を踏みかねません。台湾2,300万人の衛生人権は充分に保障が得られないのです。

 台湾はWHOに長年参加を求めてきましたが、いまだ成功していません。問題の源は国連にあります。台湾が国連に加盟すれば、WHOの問題はすべて解決できるのです。


http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=45328&ctNode=3591&mp=202
■台湾の国連加盟が必要である10の理由(後半)
発信日時:2007/11/15

6.台湾が国連に加盟しなければ、海運や漁業の発展に影響がある

 台湾は世界で第10位に入る海運大国ですが、国連加盟国でないために、国際海事機関(IMO)に参加することができません。

 IMOの会議に出席できないため最新情報を得ることができないうえ、台湾政府が発行した国際条約による検査証明書が認定されなかったり、海員証明書が疑われたり、余計な手間とコストがかかることは、海運業の発展に不利であり、国際海運の場も徐々に失われていきます。

 国際的な海事紛争が発生した時、協調、仲裁、賠償等において、台湾船隻はいずれも不平等な待遇を受けています。

 世界の海域の共通安全のため、台湾は海上臨検安全体制の責任を負い、海上救援業務を行っていますが、平等互恵の待遇を得ることができず、外郭団体として共同作業に参加することしかできません。

 台湾は世界で第6位に入る遠洋漁業大国ですが、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)、ミナミマグロ保存委員会(CCSBT)等に参加することができません。正式会議に参加することができず、義務だけ負わされ、権利は与えられていないのです。分配量が他人の手に握られ、漁業権の交渉では不利な立場にあるのです。これは遠洋漁業の発展に影響し、多くの漁民の権利を損なうものです。

 政治は政治、経済は経済と言う人もいますが、台湾が国連に加盟できないことは、明らかに国民の生活に影響を与えているのです。

7.台湾が国連に加盟できなければ、航空機の安全も確保できない

 台湾は台北飛行情報区に位置し、北東アジアと東南アジアの間の航路の中心となっており、毎年航空管制は154万機を超えています。しかしながら、国連加盟国ではないために、国際民間航空機関(ICAO)に参加することができません。

 ICAOが定めた民間航空安全の基準は、各国の民間航空法規の基礎となっています。台湾は米国の連邦航空局(FAA)を通じて間接的にしか関連する情報を得ることができず、不完全であり、しかも時間のズレがあり、飛行安全計画の推進に与える影響はきわめて大きいのです。

 最近ICAOは電子パスポートの専用鍵配信システム(PKD)を計画しています。台湾はPKDの会議に参加できないため、今後それが実施されると、外国パスポートの審査に不便が生じることになります。

 民間航空システムは日を追うごとに複雑となり、国際反テロのテーマにも関わってくるため、台北飛行情報区の安全基準を確保するためにも、放っておくわけにはいかないのです。一つの国による圧力のために、台湾が国連に加盟することを認めず、国際飛行の安全に影響が出ることは、実に不道徳であり、賢明ではありません。

8.台湾が国連に加盟しなければ、電気通信産業の発展に影響する

 台湾は電気通信大国であり、GSM携帯電話の普及率が世界一であるだけでなく、携帯電話および通信設備の主要な製造国でもあります。しかしながら国連加盟国でないために、国際電気通信連合(ITU)に参加することができません。

 ITUはグローバル電気通信周波数の分配使用、電気通信標準および規格を定めています。台湾は衛星通信周波数の調整会議に参加することができないため、電気通信周波数がたびたび外国の衛星電波による干渉を受けることがあります。台湾の海域を通過して東アジアと欧米の国際海底ケーブルを連結していても、関係国と海底ケーブルの安全に関する話合いや協力体制を構築することができないのです。

 台湾は先進電信科学技術を持ち、強固な設備を製造する実力を持っていますが、ITUによる電気通信に関する新たな科学技術標準の制定に参加することができず、業者の研究開発・製造を先取りする機会を逃すことになりかねません。

 台湾の電気通信産業をさらに一歩発展させるためには、国連に加盟することが先決であり、それによって効果が倍増するのです。

9.台湾が国連に加盟しなければ、農業優良品種が保護できない

 台湾は国連加盟国でないため、国際自然保護連合(IUCN)に参加することができません。国立公園、自然保護地域および国際条約の情報を間接的にしか知ることができません。国際的な交流ができず、IUCNの技術指導または資金援助を受けることもできません。

 国連に属する国連食糧農業機関(FAO)に参加できないため、高技術の台湾農業新育品種(ランの花など)が品種権の保護を受けられないのです。盗作者が勝手に外国で登記したりしており、台湾農業の発展に影響があるだけでなく、農民の収益にも影響を及ぼしているのです。

 亜熱帯の台湾は、豊富で多様な生物があります。しかし生物多様性条約の締約国ではないため、種源の交換および登記がいずれも保護を受けられません。心無き者が台湾で新品種生物を持って帰ったとしても、台湾は国際体系を通じて罰することができません。

 台湾の農業科学技術は世界一流で、緻密農業で優勢を維持していますが、優良品種の流出を防ぐためにも、国連加盟を遅らせるわけにはいかないのです。

10.台湾が国連に加盟しなければ、国家と全国民の尊厳が傷つけられる

 オリンピックのテコンドーで陳詩欣選手と朱木炎選手が金メダルを授与されたときのことを覚えていますか? 掲揚された旗は国旗ではなく、耳に入ってきたのは国歌ではなく、チャイニーズタイペイ(中華台北)という名称もまた国名ではありません。

 あなたは卒業式で違う名前で呼ばれたら同じように腹がたちませんか?

 壮大で美しいタロコ峡谷は世界遺産の登録を拒否され、アン・リー(李安)の「ラスト・コーション(色、戒)」は中国の作品にされてしまう。李肇星(中国・元外相)は陳水扁総統の名前を聞いて「そいつは誰だ?」と言い、呉儀(中国・元副総理)はWHOの参加を求める台湾に向かって「誰がオマエを相手にするものか?」と言い、WHO総会では台湾記者の取材が禁止されました。彼らがこのように台湾を否定することに、あなたは腹がたちませんか?

 921大地震のとき、新竹サイエンスパークの生産が止まり、米国の半導体株価が震撼しました。台湾は世界で第16位の貿易大国、第18位の経済体、20位以内にランクされる対外投資国であり、自由度ランキングはアジアで第1位、民主化は全世界から称賛され、こうした国が国連から門前払いされて、あなたは腹が立ちませんか?

 台湾はただ支払うのみで、何の立場も見返りもないような状態を続けるわけにはいきません。台湾は不公平な「政治的アパルトヘイト」を打破しなければなりません。

国連加盟は台湾の権利である!
台湾を加盟させることは国連の義務である!
台湾の国連加盟要求が、いま始まったことを、全世界に知らせよう!

●数字で見る台湾

・面積:3万6,000平方キロ。オランダより少し小さく、ベルギーより大きい。
・人口:2,300万人。マレーシアより少し少なく、オーストラリアやオランダより多い。
・台湾は面積から言えば小さな国であるが、経済的には大国。
GDP:世界194カ国中第18位の経済体。
貿易総額:世界で第16位の貿易国。
・半導体産業は世界第4位で、中でもウエハ・ファンドリ産業は世界第1位。
ICパッケージ産業は世界第1位。
ICテスター産業は世界第1位。
IC設計産業は世界第2位。
・映像表示TFT-LCD産業は世界第1位。
・米国特許批准件数中、台湾は米国、日本、ドイツに次いで第4位にランクされている。
・携帯電話普及率は106%で、世界第1位。
・大学の女性比率は51%で、アジア第1位。英国、ドイツ、日本より高く、ニュージーランド、米国、フランスよりやや低い。
・国会での女性議員の比率はアジアで第1位。英国、米国、日本より高く、スウェーデン、ドイツ、スイスより低い。

・社会保険制度:構築中…
1995年 国民健康保険をスタート(主要国歌中第2位の健康国家と称賛されている)
2002年 雇用保険がスタート
2006年 労働者退職金制度がスタート
2007年 国民年金制度が通過

・全国南北の時間的距離:短縮中…
台北~高雄 90分(一年前は5時間)

【行政院新聞局 2007年10月23日】

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柳美里さんが新著表紙でフルヌード

2007-11-21 08:51:30 | Weblog
「男」「命」「魂」「生」「声」などといった小説の単行本の表紙でも自分の写真を使用されてきたということも伏線としてあるんでしょうけど、ヌードとはまた大胆な。

本を売るためのパフォーマンスではなく、作品の性格からヌードになった、というのも熟考されてのことでしょう。著者の意思を尊重したい。

ただ、この本を書店のカウンターに持って行くのは、私はちょっとはずかしい。臆病でもうしわけない。
タフな柳美里さんを尊敬するけど、読者はタフでない人も多いかも。


老舗文芸出版社「パンダ舎」(仮名)の方の書かれている人気ブログでは今回の件についてはまだコメントされていない様子。
http://pantame.blog61.fc2.com/



柳美里さんが新著表紙でフルヌード(日刊スポーツ) - goo ニュース

>柳美里さんが新著表紙でフルヌード
>2007年11月20日(火)09:26
>
> 人気作家柳美里さん(39)が、30日発売の新著「柳美里不幸全記録」(新潮社)
>の表紙で、フルヌードを披露している。写真集以外で女性作家がヌードになるのは異例。
>写真は篠山紀信氏が撮影した。
>
> 柳さんは同書の後書きに、タイトルも表紙も、信頼する編集者のアイデアだとし、
>「同書を真剣に考えた上での提案だったので同意しました」と記している。
>
> 同書は、柳さんが月刊「新潮45」に、02年から5年半にわたり連載した「交換日記」
>をまとめたもの。新聞連載の打ち切り騒動や、韓国人女性をモデルにした処女作「石に
>泳ぐ魚」が最高裁から出版差し止め命令を受けたこと、子供に手を上げてしまう育児、
>さらに15歳年下の男性との共同生活などが、赤裸々に書かれている。同社編集部は
>「表紙は、著者自身、それも、著者のありのままの姿以外にない」と考えたと説明。
>柳さんも本を売るためのパフォーマンスではなく「作品の性格からヌードになった」
>としている。
>
> 柳さんは、篠山氏とは15年前から、約20回ほどカメラマンと被写体の関係にあった。
>後書きには「篠山紀信の構えるカメラの前に立つと、死を強く意識します」。「カメラ
>とわたしは、まばたきするたびに、生きることと死ぬこと、幸と不幸が入れ替わる気が
>します。篠山さんとわたしは、撮影という行為を通して、お互いの生き死にに触れ合って
>いるのだと思う」と紹介している。39歳の人生を写しだす表紙の反響が注目される。


http://www.shinchosha.co.jp/book/401709/
>処女作の出版差し止め、新聞連載打切り、止められぬ折檻、そして新しい家族との生活。
>ミリオンセラー『命』の成功後、著者とその息子に降りかかった酷薄な日々のつれづれを、
>余さず描く八百ページの極私的文学。「新潮45」連載『交換日記』五年半の軌跡が一冊に!
>
>発行形態 : 書籍
>判型 : 四六判
>頁数 : 808ページ
>ISBN : 978-4-10-401709-6
>C-CODE : 0095
>発売日 : 2007/11/30
>
>2,940円(定価) [発売予定]
>
>柳美里/著
>ユウ・ミリ
>
>1968(昭和43)年、神奈川県生れ。高校中退後、「東京キッドブラザース」を経て、
>1988年、劇団「青春五月党」を結成。1993(平成5)年、『魚の祭』で岸田國士戯曲賞、
>1996年、『フルハウス』で野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞受賞。翌年『家族シネマ』で
>芥川賞受賞。著書に小説『石に泳ぐ魚』『ゴールドラッシュ』『女学生の友』『男』
>『8月の果て』『雨と夢のあとに』、エッセイ・私記『水辺のゆりかご』『言葉は静かに
>踊る』『世界のひびわれと魂の空白を』『響くものと流れるもの』(福田和也氏との共著)
>『命』『魂』『生』『声』『交換日記』、戯曲『魚の祭』『グリーンベンチ』などがある。
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平和なニュース(卒業式の国歌妨害教諭への懲戒処分取り消し確定)

2007-11-19 20:48:12 | Weblog
北海道倶知安町立中学校での卒業式での出来事。

関心のないニュースなんだけど、ふとチベットで殺された人のことを思い出した。合掌。


外国で、その国の国旗を引きずりおろしたり国歌の演奏を妨害したりしたら、撲殺されても、銃撃されても文句は言いにくい。
だからこそ、植民地の人や占領地域の人は支配者の国旗を引きずりおろす時、決死の覚悟で行動している。

外国の人が隣国の国旗を燃やすときは、頂点の怒りを表現しようとしている。

以前新大久保の地下のバーで会った韓国人留学生は、「日本人は旗を燃やされてもあまり文句言わないですね」と言っていた。私はにこやかに、「そうそう、国旗が大事だっていう教育を受けてきてないし。でも日本人はあんまり他の国の旗を燃やさないよ」、と言った。

いまだに私はとくに日本国旗に関心がない。
マラソン大会で朝日新聞の旗を振っている映像を見ると日本海軍の旗を思い出してしまうけど。
(でも朝日新聞はあの旗かっこいいから、デザインを変えようとはしないでしょうね)

日本の一部には日本国旗や国歌に敵愾心を燃やす人もいて、細々と活動をがんばっていらっしゃる。
教職員の組合も一種の圧力団体となって、学校の運営責任者に圧力をかける。もっともな主張もあるけど、自分のことを棚にあげた無責任な主張も多い。
責任を負う校長先生や教頭先生の苦労には頭が下がる。

ある教育関係ブログではこのように発言が見られますが、これは教職員組合とか革新系団体の視点からの意見です。
http://edugarden.blog50.fc2.com/blog-entry-799.html#more
>この問題は元をたどれば、生徒や教職員の同意なく、また式次第にも明記せずに、
>校長が独断でカセットテープを持ち込んで一方的にテープ再生を強行したことにあります。

教職員組合の方や学校長の方はよくご存知だと思いますが、組合の人たちは自分たちの意見に反するものがあると、「話し合いを」「意見を聞いてほしい」などと言って、自分たちの意見が通るまでなかなか引きません。
(しかも革新的な意見というより保身的な意見、自分が責任をとりたくない意見、他人事な意見が多いのでは)

校長に決断の権限があることでも、校長に決めさせない。校長先生がかわいそう。
校長が決定し、実行しようとすると従わず「同意がないのに強行するつもりか」などと言って糾弾する。
倶知安中学校にもそのような背景があったのではないでしょうか。


残念ですが、塾の先生ほどの教える力もなく、生徒をマネージメントする力もなく、上司の言うこともしっかりこなさず早く帰るのに、主張だけする先生は多い。
(教える力があり、生徒をまとめることができる責任感のある先生はだいたい管理職になります)

でもよほど甲斐性があるというかリーダシーップがあるというか、ヤクザやヤンキーの扱いに慣れた管理職でないと、組合に太刀打ちできません。(中には管理職に敵対的でない組合もあるでしょうが)

気の弱い管理職はノイローゼになったり体をこわしたりします。ほんとうにご苦労なことです。


それにしても、公務員は政府から給料をもらっているのだから、国旗は社旗みたいなものだとも言えるのではないのでしょうか。
仕事納めの日に、社旗を引きずりおろしたり社歌の演奏を妨害しようとしたら、会社員生命を無くす覚悟が必要でしょう。
好きなことを貫いてまで、会社(国家)にしがみつこうとする感覚がよくわかりません。


この教諭が息詰まる日本を脱出して、チベットに行って中国国旗を引きずりおろしたら、拍手しますよ。
ぜったいにそういうことはしないでしょうけど。


http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20071119wm02.htm?f=k
■卒業式の国歌妨害教諭への懲戒処分取り消し確定(北海道)

倶知安町の中学校卒業式で、男性教諭(51)がカセットテープによる
国家演奏を妨害した問題で、道人事委は16日、戒告処分を取り消した
裁決について、道教委が行っていた再審請求を、「再審事由に該当しな
い」として却下した。これで、教諭の懲戒処分取り消しが確定した。
 男性教諭は2001年3月、卒業式で国歌演奏用のCDデッキを持ち
去り、演奏を中止させた。道教委は同年7月、地方公務員法の信用失墜
行為に当たるとして戒告処分にしたが、教諭側が「卒業式での君が代強
制は憲法と教育基本法に違反する」などとして道人事委に不服を申し立
てた。
 道人事委は昨年10月の裁決で、教諭の行為は公務員の信用失墜行為
に該当するとした。しかし、「国歌斉唱などは教職員の共通理解を得て
実施する」とした後志教育局と北海道教職員組合(北教組)の小樽市、
後志両支部との「労使確認」を道教委が長年に渡って容認していたうえ、
校長が学校方針の正式な決定をせず、抜き打ち的に国歌演奏をしたのは
「手続き上の瑕疵(かし)があった」などとして処分取り消しの結論を
導いた。
(2007年11月19日 読売新聞)

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/archive/news/2007/11/17/20071117ddr041100008000c.html
■君が代妨害:処分取り消し 道教委の再審請求、人事委が却下

 後志管内倶知安町の町立倶知安中学校の卒業式で、君が代斉唱を妨害
して戒告となった男性教諭の処分を道人事委員会が取り消したのを不服
として、道教委が再審請求をした問題で、道人事委は16日、請求却下
の決定を道教委に伝えた。道人事委の稲垣利彰事務局長は「道教委は判
断に遺漏があったと再審を求めたが、すべての点で問題はないと判断し
た」と述べた。道教委の吉田洋一教育長は「却下したことは誠に遺憾」
との談話を出した。【千々部一好】
毎日新聞 2007年11月17日 北海道朝刊


http://www.tibet.to/tnd/tnd40.html#3
■中国国旗を引きずり降ろしたチベット人、暴行を受けて死亡
TIN News Update, 13 October 1999

8月にラサで開催された少数民族体育大会の期間中に、ポタラ宮殿前広場
の中国国旗を引きずり降ろしたチベット人が、逮捕された際に激しい殴打
を受けて、病院に収容された後に死亡した。30才代の建設業者であるタ
シ・ツェリンは、3、4日前にラサの警察病院で死亡したと、信頼できる
非公式情報筋が伝えている。彼は中国国旗を引きずり降ろし、チベットで
は禁止されているチベット国旗を掲げようとして逮捕されたものである。
タシ・ツェリンは、治安要員に拘束される前に、体に巻き付けた爆薬に点
火して自殺しようとしたが失敗した。

タシ・ツェリンは、4、5人の治安警察官によって拘束されたが、その際
激しい殴打を受けて、両手両足および腕も骨折した。信頼できる情報筋に
よれば、頭を車の後部に打ち付けられていたともいう。治安要員によって
警察車両に引き立てられる時には、彼は歩くこともできなかった。頭部の
怪我が原因で、彼は病院で死亡したと思われる。タシ・ツェリンの行動に
最初に気がついた交通警官は、治安対策に貢献した功によって、政府から
表彰された。


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シルクロードと被爆者

2007-11-19 20:18:17 | Weblog
ある保守系の人の情報メルマガを見ていたら興味深い記事があった。

何年か前に私も1人でシルクロードを旅し、24時間もバスに乗って砂漠を縦断し、南新彊(ホータンなど)を目指したことがある。
一面の砂漠だったけど、もしかしたらその中に放射能が含まれていたかもしれない。

日本のマスコミではあまり中国の暗部を報じない。中国政府への配慮があるのかもしれないけど、旅行する日本人の安全のことも考えてほしい。

ウイグル自治区ではこの10年で何十件もウイグル人による反乱やテロが起こり、何百人もの中国人が殺された。多くの独立派ウイグル人が捕らえられ、殺されているという。けっこう危険だ。
その話は日本に帰ってきてから知った。

現地では漢族の男女に「ウイグルのやつらは泥棒とか、悪いやつばかりだから気をつけろ」と言われた。
私は漢民族の人もウイグルの人も好きだったから、板ばさみ状態で心苦しかった。

ウイグル人ばかりの路地を歩いていると、不穏な視線を感じることもあり、中国人に間違われないように「地球の歩き方」を眺めて観光客っぽく行動することもあった。


下記のメルマガは保守系の人に人気のようだし、ちょっと中国に厳しい面はあるのかもしれないけど、革新系の人だって、特に広島や長崎の人はウイグルの人を応援してもいいのではないだろうか。
政治闘争ではなく、核の問題の深刻さを第一に考えるのであれば、日本やアメリカの政府に対してだけではなく、中国の政府にも堂々と主張していい。

相手がいやがることを言わないのが友だち、というわけでもない。

もう核実験は行われていないのか、核物質は残留していないのか、人々にどのような影響を与えているのか、私なりに手に入れられる情報があれば調べてみたい。

http://blog.mag2.com/m/log/0000000699/109167644.html
■■ Japan On the Globe(523)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■
The Globe Now: シルクロードに降り注ぐ「死の灰」

■1.『シルクロードの死神』■

 ある日本人青年がシルクロードを一人で旅をしていた時のこ
と、こんな体験をした。

 ローカルバスに乗って南新彊をめざしていたところ、突
然昼間なのにピカッと光るものを感じた。その後、バスの
中を見渡すと同乗者たちが皆、鼻血を流している。その光
景は滑稽にさえ思えた。そころが、鼻に手を当てると自分
も同じように血が出ているのに気がついた。バスの中は騒
然となった。あの時、私は被爆したのかも知れない。

 新彊ウイグル自治区の南部に広がるタクラマカン砂漠には、
中国の核実験基地がある。その風下に位置する西側の村々では、
直接、放射性物質が降り注ぐ。

 大脳未発達の赤ちゃんが数多く生まれ、奇病が流行し、ガン
の発生率は中国の他の地域に比べて極めて高い。その9割が血
液のガン、白血病である。中国政府の圧力のために、こうした
事実は公にされず、貧しい患者たちは薬も買えずに死を待つ。

 こうした状況を報道したドキュメンタリー "Death on the
Silk Road" 『シルクロードの死神』が1998年7、8月、イギ
リスのテレビ局で放映され、衝撃を与えた。この番組は、その
後、フランス、ドイツ、オランダなど欧州諸国をはじめ、世界
83カ国で放送され、翌年、優れた報道映像作品に送られるロ
ーリー・ペック賞を受賞した。

 弊誌で調べた範囲では、この83もの国々の中に、なぜか我
が国は含まれていないようだ。

■2.ウイグル人医師の苦難■

 このドキュメンタリー番組の制作に協力したウイグル人医師
アニワル・トフティのこれまでの人生が、中国に植民地支配さ
れているウイグル人たちの苦難をよく物語っている。

 アニワルは難度の高い手術を行い、国際学会にも幾たびか出
席するような優れた外科医だった。しかし中国内の民族差別に
耐えかねて、同じテュルク系民族の国で働きたいと、語学留学
を理由にトルコに渡った。そこで英国のテレビ記者に誘われて、
ドキュメンタリー制作に協力したのだった。

 中国の核実験による後遺症を世界に告発した「罪」で、「新
彊分裂主義分子」のレッテルを貼られたお尋ね者となり、「中
国に入境すれば禁固20年は免れない」という。家庭は崩壊し、
中国に残してきた二人の子供も出国は許されず、祖父母に養育
して貰っている。

 今はイギリスで、大勢のウイグル人亡命者とともに暮らす。
ここでは中国の医師免許は認められないので、外科医として働
くこともできない。慣れない生活と苦しい暮らし向きにもかか
わらず、彼は「決して後悔していない」と語る。

■3.「豚は彼らの先祖だから喰わないんだ」■
(中略)
■4.1949年、中国共産党の軍隊が占領■
(中略)
■5.職場での民族差別の壁■
(中略)
■6.あなたがた漢人は「偉大なる」民族だ■
(中略)
■7.核実験被害の潜入取材■
(中略)
■8.「お母さん、もう死にたい」■
(中略)

■9.「広島の経験を新彊で活かすことができれば」■

 今はイギリスで同様に政治亡命してきた大勢のウイグル人と
ともに狭い家で暮らすアニワルは、新彊での核実験被害につい
て「医者としてやりきれない」と頭を抱えながら、こう語った。

 中国では被曝者が団体を作ることも抗議デモをすること
も許されないし、国家から治療費も出ない。中国政府は
「核汚染はない」と公言し、被害状況を隠蔽しているので、
海外の医療支援団体は調査にも入れない。医者は病状から
「放射能の影響」としか考えられなくとも、カルテには原
爆症とは記載できない。学者は大気や水質の汚染調査を行
うことを認めて貰えないから、何が起きているのか告発す
ることもできない。このように新彊では、原爆症患者が
30年間放置されたままなのだ。

 さらにアニワルは、日本人に向けて、こう語った。

 被爆国日本の皆さんに、特に、この悲惨な新彊の現実を
知って欲しい。核実験のたび、日本政府は公式に非難声明
を出してくれた。それは新彊の民にとって、本当に頼もし
かった。日本から智恵を頂き、広島の経験を新彊で活かす
ことができればといつも私は考えているけれども、共産党
政権という厚い壁がある。



※追伸11/22
全く知りませんでしたが、ウイグル人の人権活動家?が、今日本各地で講演会を行っているんですね。

http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1469
■元「良心の囚人」ラビア・カーディルさん来日!11月からいよいよ全国講演会!

1999年、中国・新疆ウイグル自治区のウルムチ市内を訪問中の米議会代表団にウイグル人政治囚のリストを渡そうとして拘束され、不公正な裁判の末に懲役8年の刑を言い渡されたラビア・カーディルさん。
国際的な釈放運動によって米国に亡命後、ウイグル自治区内の人権状況を世界に伝えるリーダーのひとりとして活躍しています。
一方、米国で起きた2001年の9.11同時多発攻撃以降、中国政府は「テロとの戦い」を謳ってウイグル人社会への弾圧を正当化し続けています。
ウイグルで何が起こっているのか? ここ数年ノーベル平和賞にノミネートされているラビア・カーディルさんが日本に初来日し、全国各地で講演会を行います。


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森巣博さん、テッサ・モーリス=スズキ教授

2007-11-18 11:11:36 | Weblog
作家、森巣博さんはお元気かな、何か消息はないかな、と思ってふとGoogle検索をしたけど近況は不明。
体調がちょっと心配。また「非国民」みたいなワイルドな本を読みたいな。

奥さんのテッサ・モーリス=スズキさんを検索すると、このようなテキストを見つけた。

http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/715
論文がアップされているのはRMITのサイト?
RMITはオーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学ではなかったでしたっけ。

たしかここの大学の日本校が日本で最高レベルのカイロプラクティックの授業を行っている。
何回か4年生のインターンにRMIT新橋外来センターというところで、格安で診察してもらったことがある。
安くて良心的でおすすめ。でも生徒さんによってかなり技量のレベルが違う。

・RMIT大学カイロプラクティック学科日本校 新橋外来センター
http://www.chiro.jp/soc/


それはともかく、スズキ教授(モーリス=スズキ教授、と呼んだほうが適切なのでしょうか?正確なことを知らなくてすみません)は慰安婦問題にも取り組んでおられるようだ。
この問題に関してはさまざまな意見があるけど、教授はどのようなことを書かれているのだろう。
論文、と書いてあるし、学術的な内容が期待できる。教授はがんばり屋さんらしいし。


まず、日本語訳を読むとちょっとよくわからないところがあった。
学術書というのは宣伝文ではないから、厳密に「誰が」「いつ」「何を」「誰に対して」などといった要素をきちんと記すことが求められる。
だけど、訳者のレベルが問題なのだろうか、大事なことを中曽根元首相が「誰に対して」言ったのかが書かれていない。気になる。

誰に対して、慰安所の設置を認めたのか?
日本語訳がいいかげんなのかな。英語だったらこういう基本的な論理構成はしっかりとしているでしょ、と思った。
でも英語の原文を見たら、そこにも書かれていない。
http://nautilus.rmit.edu.au/forum-reports/0706a-morris-suzuki.html
Former Prime Minister Nakasone recalls in his memoirs authorizing the building of a "comfort station" on the island of Borneo for the use of men in his Naval Corps.

訳者は忠実に英語を訳してたわけですね。疑ってすみません。

軍人だった中曽根元首相は、遊郭業者さんに対して運営の許可を出したのか、日本軍の部下に対して運営の許可を出したのか、論文ではそういう基本的なことも判断できない。
なぜ調査して、はっきり書かないのか。

東京都の役人がソープランド経営者に運営の許可を出すのと、都の職員に許可を出すのとでは大違い。
ちなみに、戦後すぐには役人が自分の部下に慰安所(アメリカ占領軍向け)の許可を出したそうですが。
(東京都はソープランドを運営しているとは言えないけど、日本国はアメリカ占領軍向けの風俗店を経営していたと言える)

物事の構造を把握するには、雰囲気は必要ない。誰が誰に対して何をいつ行ったか、淡々と根拠を示して記すだけでいい。

歴史学の研究において一番こまるのは、いい加減なことを書いた研究書のせいでその研究全体がうさんくさく見られ、学問としての信頼性を落としてしまうことだ。
周囲の雰囲気や空気がかわるとすぐ否定されてしまう論文は弱い。
反対の意見を持つものに対して、いい材料を与えてしまう。

こういうテキストの論理に何の疑いも感じないで、そうだそうだーと同調する人は、何かを主張しても簡単に言い負かされてしまうかもしれないから、注意したほうがいい。
保守派にも改革派にも少なくないのかもしれないけど、空気に流されやすい人は、人を論理で説得するのがむずかしい。
学説というのは信じる信じないの問題ではなく、論理がしっかりしているかどうかが大切。


その他にも、概論的なのかもしれないけど、論文の中には重要な構造を明らかにしてないところが多い。
元慰安婦たちが証言したという「給料をもらわなかった」というのはどういう状況なのか。

最初から給与は全く記録もされず、支払もされなかったというのであれば、まさしく奴隷的だろう。
そうであればそうとしっかり厳密に書くべき。
奴隷貿易で大稼ぎしたイギリスで長く暮らした教授は、奴隷の定義についてもきっと詳しいだろうし。


「給料をもらわなかった」というだけでは、「給与の記録はあったけど戦後のどさくさとインフレでまったく金銭の価値がなくなった」、あるいは「給料はもらったけど飲食費や服代などが必要だったから全くお金を残すことはできなかった」、あるいは「あんな少ない給料では給料をもらわなかったのも同じ」などといったパターンもあったのかなと推測されてしまう。

そもそも、給料は遊郭業者のような人から払われたのか、日本軍から払われたのか、どういう仕組みになっていたのだろう。聞き取りは行わなかったのだろうか。

9割の人は給料をもらわなかったと証言しているそうだけど、具体的にどういうパターンだったのだろう。給料は全くなく、生き延びるだけの食事を与えられ、監禁状態だったのだろうか。それならそうだったときちんと書いたほうがいい。

保守的と言われる人も、革新的と言われる人も、どちらも「歴史の真実が明らかになればいい」と主張している。
おたがいに、自分たちこそが歴史の真実を主張していると思っている。責任感をもって活動を行っている。
言われるほど保守派の人たちが独善的で非を認めないわけではないし、革新派の人たちが社会をこわそうとしているわけでもない。
なんだか似ている。鏡合わせのように。


おたがいに、相手が否定しにくいくらいしっかりとした事実と論理を相手に見せてあげればいいのに。
そうしたら、いつか同じ景色を見ることもできるようになるのでは。楽観的すぎるかな。

仲間うちで敵を攻撃するような宣伝文を読み回しても相手の目には入らないだろうし、論理が足りないと相手に作用することもできないだろう。


また、へんに攻撃的にならず、落ち着いて意見を述べられている教授の名誉のために付け加えておきたい。
教授の論文はあるメルマガに下記のようなタイトルで紹介されていたけど、教授は「安倍の詭弁」とか「安倍の二枚舌」などといった扇情的な言葉は使っていません。
支持者が勝手に付け加えたものだと思われます。


>Date: 2007年4月11日(水) 午後10時37分
>Subject: 速報662号テッサ・モーリス・スズキ――従軍慰安婦、安倍の詭弁 070411
>
>迷走する安倍の二枚舌、真意はどこに?

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長野屋さんの試飲会 2007/11/17(土)

2007-11-18 10:43:02 | Weblog
昨日(11/17土)午後、西麻布の長野屋さんで試飲会があった。
主に飲食店の人が参加する会なのだが、私は出版関係の友人たちと参加してみた。

ワイン、スパークリングワイン、シングルモルト、バーボン、焼酎、梅酒、日本酒、ビール等々。
輸入会社、販売会社等、さまざまな会社が参加している。
長野屋さんの影響力を感じる。
社長の林さんはフレンドリー。飲んでおいたほうがいいお酒を説明してくれた。

ワイルドターキーの特別品、シングルモルトの特別品、グルジアワイン、エスプレッソビールなど、なかなか飲む機会のないお酒を試すことができた。ありがたい。
本田商店の名酒「龍力(たつりき)米のささやき」も試飲。さすがにおいしい。するすると飲める。
友人はシャトー・マルゴーを長年作っていた人が手がけたワインというものを12本まとめ買い。1本一万円の、樽のカスが入っているような無ラベルの特別シングルモルトも購入。お金持ちだ。


私はたくさん試飲してもういっぱいいっぱい。
究極の梅酒、月ヶ瀬梅酒の原酒を楽しみにして来たのだが、今年はちょっと糖分が強い印象。
一昨年のものがいちばん濃厚でバランスも良かった。昨年のはちょっと酸味が強い。
今年一番おいしかった梅酒は「星子」だった。

日が暮れた頃ミッドタウンの地下階に行き、友人おすすめの店でワインや生ハムを見てからミッドタウンガーデンのクリスマス用照明の中を散歩。静かな青い光が広がる様子は壮観。

夕食は焼酎がそろっている田がな(でんがな)で食べようかと思ったけど、閉まっていた。残念。
仕方なく、五行というラーメン屋へ。
とんこつラーメンはやや太麺。シークァーサー入りビールも大きな手羽先も、冷製のエビチリもなかなかおいしい。
ひさびさに飲みすぎた。

・田がな
気さくなマスターがすてき!
東京都港区西麻布1丁目4-50 沙梵ウエストワン2階
03-3479-2289
http://nobu32.com/dengana/top.htm

・五行
スタイルに凝りすぎてる感じもあるけど、たしかにおいしい。
東京都港区西麻布1-4-36 ロジマン西麻布1F
03-5775-5566
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/6438.html



私は、ワインや日本酒などの醸造酒が好き。スコッチやバーボン、焼酎などの蒸留酒も嫌いではなく、部屋に何本もストックがあるけど、ついつい手が伸びるのは手軽な日本酒やワイン、スパークリングワイン。

先日、半年間東京駅地下に設置されていた日本吟醸酒協会運営の「吟醸バー66」は終了し、閉店した。
今、日本で一番お手ごろで感じのいい日本酒バーは銀座数奇屋通りの「庫裏(くり)」ではないだろうか。

・庫裏
東京都中央区銀座6-4-15 トニービル2階
03-3573-8033
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kurisake/

11/16(金)にスタンディング、キャッシュオンスタイルの SAKE BAR が六本木にオープンしたらしい。
六本木交差点のアマンドの脇の芋洗坂を下りて、六本木郵便局の向かいあたりの地下1階。
昨日は試飲会で飲みすぎたので足を運ぶことができなかった。
近々足を運んでみようと思う。
日本酒の売り上げは年々減っているけど、質はどんどん上がっている。人気に関係なく、良質のものには根強い支持者がいる。

11/27(火)にはお酒と寿司と刺身が楽しめる SAKE LOUNGE もオープン。
こちらは六本木5丁目交差点の近く。

・SAKE BAR
〒106-0032 東京都港区六本木3-15-23 1F 
・SAKE LOUNGE
〒106-0032 東京都港区六本木5-1-10 B1 
http://glut.jp/sake

コメント (4)
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カニ大国

2007-11-17 12:02:05 | Weblog
昨日、神楽坂の「福智屋」さんで今年初めてセイコガニを食べた。
セイコガニはセコガニとも言う。松葉ガニ(ズワイガニ)のメス。
11月上旬から1月上旬までしか食べられない。

先日兵庫県でも松葉ガニ漁が解禁になったので、セイコガニも入荷した様子。
香住の蔵元、香住鶴のアンテナショップなので日本酒も肴も良心的価格。

日本海沿いの蔵元の作った吟醸酒と日本海でとれた蟹は相性がいい。

・福智屋(ふくちや)
東京都新宿区横寺町37
03-5261-8697
http://www.kagurazaka.com/mise/izakaya.vs
※大久保通り沿い。最寄は牛込神楽坂駅。


セイコガニは1パイ1500円。きれいにカットしてくれるので食べやすい。
上海蟹並みに小さなカニだけど、濃厚な味でおいしいですね。

先月、ベトナムのダナンで渡り蟹の親戚のような蟹を食べたけど、味はまあまあ。渡り蟹程度。
ズワイやタラバのほうが濃厚。日本は蟹の種類が豊富だな、と感じる。
日本ってカニ大国なのでは。
ズワイガニ、セイコガニ、タラバガニ、アブラガニ、花咲ガニ、毛ガニ、タカアシガニ、渡り蟹、モクズガニ、等々
こんなにいろんな種類のカニを楽しめる国は少ないと思う。
日本にいるうちにいろいろ食べておいたほうがお得かな。


今中国では上海蟹が旬のようだけど、上海蟹はそんなにおいしいものだろうか。
何千円も出すほどのものでもないと感じる。
上海蟹を食べるなら、同類なのに値段は何分の一、っていうモクズガニを食べてもいい。

日本の田舎の清流でとれたモクズガニ(ズガニ、ツガニなどの別称もある)は、中国の池で養殖された上海蟹(シナモクズガニ、チュウゴクモクズガニとも言う)よりもきれいな環境で育ってるし。


知人が先日上海で上海蟹を食べたという話を聞いてモクズガニのことを思い出し、すぐ四万十川産のモクズガニを山崎鮮魚問屋さんに注文した。
だけどもうモクズガニはシーズン終了らしく、オスだけしか手に入らなかった。
今朝届いた物は、特大サイズ。1パイ150g程度。大きいものでは200gくらいあるのでは。20パイで3キロ。それがなんと特別価格なのか、3千円。送料を入れても4千円。お得ですねー。
山崎鮮魚問屋さんも良心的なお店です。
来年は子持ちのメスも買いたいな。

・山崎鮮魚問屋
〒787-0002 高知県四万十市中村桜町2-23
http://yamasakisengyo.lolipop.jp/index.html

さっそく届いたモクズガニを5~6個の鍋に分けて入れた。17杯は生きていたけど、3杯は死んでいた。
死んでいるのはすぐ茹でて食べる。
生きているモクズガニはけっこう元気で、ハサミを振り上げて向かってくる。
けっこう足も長く、なんだかタランチュラのようにえぐい印象も受ける。
実家で食べたことのあるモクズガニはサワガニみたいに小さなやつだったのに。

このサイトではモクズガニの飼育方法も書いてある。
  ↓
http://www.zspc.com/mokuzu/pet/index.html


でも東京のアパートは狭いから、飼育するほどのスペースはないなぁ。
いつか、田舎の川を再現したような大きな水槽に、タナゴやメダカやフナや水草やモクズガニやカラス貝を入れて、眺めてみたい。
(田舎の小川は耕地整理事業によって破壊され、コンクリートの水路になってしまった)

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代官山フェスティバル2007 猿楽祭

2007-11-16 19:42:31 | Weblog
気がつけば、今年も猿楽祭がはじまった。
今日11/16(金)から18(日)までの3日間。

http://www.hillsideterrace.com/art/sarugaku2007.html
>代官山フェスティバル2007 猿楽祭
>会場 ヒルサイドテラス全棟
>日時 2007年11月16日(金)~2007年11月18日(日)
>代官山エリアの守り神「猿楽神社」の秋の祭礼(11月18日)にあわせて催される
>恒例の「代官山フェスティバル 猿楽祭」。今年も、魅力あふれるヒルサイドテ
>ラスのショップ、オフィス、クリエーター等、多彩な“住民たち”が、趣向を凝
>らしたイベントやセールを、ヒルサイドテラス全棟を舞台に3日間にわたって繰り
>広げます。テーマは「アーバンヴィレッジ代官山」。秋の週末、見て、歩いて、
>食べて、遊んで、ショッピングして、体験して、代官山の粋をお楽しみください。


ヒルサイドテラス全棟を使ってイベントが行われる。
代官山の落ち着いた住民たちによる、センスのいい、小さなお祭り。

少し肌寒い感じが毎年秋を感じさせます。
土のついた野菜を売る人や餅つきをする子どもたちの姿もありますが、ちょっとヒルサイドテラスの建物の中に入っていくと、絵が飾ってあったりハイセンスなものが置いてあったりします。
地元の人が多いのでしょうか、あまりがさついた感じはありません。


私は、旧山手通りが好きです。
特に、リストランテASOあたりの、ゆるやかなカーブが好き。
ゆっくり歩いていると、木々の緑や、犬を散歩させている婦人や、道の端にとまっている外国車が目に入ります。
代官山から、ヒルサイドテラスをすぎ、リストランテASOをすぎ、デンマークやエジプトの大使館をすぎ、高校をすぎ、バプティスト教会をすぎ、レストラン・トキをすぎ、モンスーン・カフェをすぎ、マレーシア大使館をすぎ、246に到達するまでの通りを何回歩いたことだろう。
尾根沿いの道なので、時折遠くに中目黒が見渡せる。
車の通りもそんなに多くなく、穏やかに歩くことができる。

いつか、旧山手通りの近くに住んでみたい。

リストランテASOのカフェスペースは絵になりますね。撮影に使われている様子を時々目にします。
(正確にはカフェ ミケランジェロの奥がリストランテASO)
http://nr.nikkeibp.co.jp/wedding/restaurant/aso_r.html

マダム・トキはこじんまりとしたすてきなレストラン。
スタッフも素敵な人が多い。商売っ気を感じさせないから、ゆっくりくつろぐことができる。
http://r.gnavi.co.jp/g283900/

特徴ある外観のマレーシア大使館は大山尚男氏の設計。
http://arc-no.com/arc/tokyo/tokyo-malaysia.htm


たしか邱永漢さんのご自宅も山手通りの近くだったような。

西郷山公園は、西郷隆盛の弟(西郷従道)が、兄の再起を願って購入した土地だったとか。


代官山には隠れた名店もあります。
ちょっと旧山手通りから離れているけど、マダム・トキさんとお付き合いのある花屋さん「代官山ガーデン」は派手な店名のイメージと違い、じつにひかえめで丁寧なお店。価格も良心的。誠実なおじさんとおばさんが、センスのいい飾り付けをしてくれ、イメージを伝えると希望に沿った色の花を見つけてくれます。
とても信頼できる店です。
おまけに、ここのおばさんは晴れ女で、結婚式などのイベントでもあまり降られたことがないとのこと!
すてきですね。

・代官山ガーデン
東京都渋谷区鶯谷町2-10
03-3770-5760
http://www.doko.jp/search/shop/sc165819/
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「注意の仕方」についてのコメントについて(1)

2007-11-08 20:32:06 | Weblog
些細なエントリに多くのコメントをいただいてしまったので、ちょっと振り返ってみます。
まず、最初に目に入った、前エントリのコメント欄に書かれた内容について。
(まだ他のコメントは見ていません。今日の仕事が終わったばかりでして)

>Unknown (Unknown)
>
>2007-11-08 17:56:59
>「自分が正しい、相手が悪い」はイカン、と書いておきながら。。何なんだ、この書き方は。。
>まさに自分の事を言っちゃった?w
>タバコは毒です。
>罪無き人にガンのリスクをぶちまける殺人兵器とすら思ってますよ。


おっしゃっている内容を正確には把握していないかもしれませんが、推測してみると、
「エントリの執筆者は、自分のことを正しいって思い込むのは悪い、って書いてるけどお前こそ喫煙所の外でタバコを吸ってる人に注意した人のことを否定的に書いてるではないか。そういう書き方はないのではないか。タバコは否定されるべき毒で、殺人兵器みたいなものだから否定されて当然!」
というようなことでしょうか。


気分を害されたようでしたら、恐縮です。
否定しているように思われましたら、申し訳ございません。
至らないところも多いものでして。

ただ、私は喫煙所の外でタバコを吸っている人に注意した人のことを侮辱したり否定したり非難したりする気はまったくありません。
暴力やテロの原因が何であれ、被害者に対しては痛みを共有したいと思います。

自分のことを正しいと思い込み、人が行動するのは当然のことで、その人の存在を否定するつもりはありません。
ただ、想像力を働かせ、注意の仕方に少し配慮すれば、その後に降りかかる災難のリスクが軽減することもあったのではないかと思った次第です。


私もタバコはかなり苦手です。カフェでも喫煙コーナーからの煙が流れてくると、血管が収縮するような違和感を感じ、苦しくなります。
歩道でタバコを手にしている人が歩いていても、息苦しくなり、小走りでその人を追い越します。
何人も何人も追い越さなくてはいけない日もあります。
道端に落ちているタバコの吸殻を見て暗い気分になるときもあります。

それでも、歩きタバコ禁止のエリアなのにタバコを吸っている人に対し、正義をふりかざし、どなりつけようとは思いません。
もし、必要に迫られて言うとしたら、すみませんが~、とお願いするでしょう。
タバコを吸って何がわるいのだ、と思っている人もまだまだたくさんいますから。


私たちだって、ふと電車の中でセキをしてしまったところ、
「なに密室の中でセキしてるのよ!ウィルスを撒き散らしてるじゃないの!生物兵器よ!電車降りなさいよ!」
と怒鳴られたりでもしたらどのような反応をしてしまうか、わからないのではないでしょうか。
ついつい、言い返してしまうかもしれません。
気の弱そうな相手に見えてもけっこう短気なハードパンチャーで反撃をくらってしまうかもしれません。


タバコを吸うのが当たり前の時代が長く続きました。
愛煙家の肩身はずいぶん狭くなりましたが、それでも養老孟司さんのような方もいらっしゃいます。

タバコを悪とみなして排除するのも結構ですが、一昔前の価値観に想像力を働かせることも、日々の生活を豊かにすることにつながるのではないでしょうか。
世の中を、ひとつの価値観で判断できれば楽ですが、世の中の仕組みはそう単純でもありません。
一つの価値観で判断することを保留することによって、広い世界を知ることもあるでしょう。
世界各地、あらゆる時代に、それぞれ様々な価値観が存在しています。

一つの価値観に沿って他のものを否定するのは、歴史上何度も繰り返された堂々巡りにつながる気がします。
いつか、そういった堂々巡りから脱することはあるのだろうかと夢想するこの頃です。

(べつに堂々巡りが悪いとか、そういうことは言っていません。念のため)

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注意の仕方

2007-11-08 13:27:09 | Weblog
人に注意をするときは、注意が必要だ。

「自分が正しい、相手が悪い」という意識で注意すると、注意されたほうは自分を否定されたように感じる。
全面降伏を強いられるように感じ、反発を覚える人もいるだろう。
中には、素直に自分が悪かったと認める人もいるだろうけど、むっとする人も多いはず。

34歳にもなればそういうことをわかっている人も多いと思うのだが、
殴られた人は、相手(=注意される人)を思いやれていなかったのかもしれない。
このように述べられたようだけど。
   ↓  
>市川さんは、これまでも禁煙場所での喫煙を注意して無視されたり、怒鳴られたりした
>経験があり、喫煙者のモラル低下に心を痛めてきた。「相手を思いやれない人が増えた。
>公共の場を自宅と勘違いしているのでは。今後も毅然(きぜん)とした態度を貫いてい
>きたい」と話している。


人に注意するときは、相手のことを意識するのも大事。
ときどき電車の中でもケータイを注意する人も見かけるけど、多くは注意ではなくて非難。
咎められるとそれに反発する人がいるのも自然。

相手のことも思いやるなら、「申し訳ないのですが」「すみませんが」などと、低姿勢にお願いしてもいい。
それなら、相手も自分が否定されていると感じないので、心を開きやすいだろう。
いきなり否定されても、どのように対応すればいいのか面食らう人が多い。
当然、自分の価値を認めず全面的に否定する人に対し、暴力的に反応する人もいるだろう。

「うるさいから黙れ」ではなく「申し訳ありませんけどもう少し静かにしていただけませんか」
「むこうで吸えよ」ではなく「すみませんがあちらの喫煙場所で吸っていただけないでしょうか」
「シルバーシートだろ」ではなく「お疲れかもしれませんけど、よろしければこちらの方に譲っていただけませんでしょうか」
くらいに言い換える配慮があってもいい。今回の件ではどのようなやりとりがあったのかわかりませんが。

悪いことをやってる人を注意するのは正義、という意識はシンプル。
現実はゲームとちょっとちがう。
正義や悪というのは相対的でしかなかったりするし。
殴られた人は、そういうことを考えないと、また同じような目に遭ってしまうかもしれない。
まるで、アメリカに全否定されたアルカイダの人たちがアメリカに対して何度も暴力をふるわれているかのように。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071108-00000011-mai-soci
<傷害>駅での喫煙注意され殴る 容疑の男逮捕 東京・府中
11月8日2時36分配信 毎日新聞


 東京都府中市のJR南武線府中本町駅で10月、禁煙場所での喫煙を注意した男性が、喫煙していた男に殴られ、顔面骨折で全治7週間の大けがをしていたことが分かった。駆け付けた警察官に傷害容疑で現行犯逮捕された男は「注意され、頭に来て殴った」と供述、傷害罪で起訴された。男性は「モラルを守れない人を注意してなぜ暴行されるのか。今後もルール違反には間違っていると言っていきたい」と話している。

 起訴されたのは、川崎市の無職、原田康秀被告(41)。起訴状などによると、原田被告は10月11日午前10時45分ごろ、府中本町駅ホームでたばこを吸い、川崎市の会社員、市川敦さん(34)から「喫煙場所で吸ってもらえませんか」と注意を受け立腹。市川さんを追いかけて顔や肩、腹を殴るけるなどし、顔面骨折などのけがをさせた。

 市川さんは、これまでも禁煙場所での喫煙を注意して無視されたり、怒鳴られたりした経験があり、喫煙者のモラル低下に心を痛めてきた。「相手を思いやれない人が増えた。公共の場を自宅と勘違いしているのでは。今後も毅然(きぜん)とした態度を貫いていきたい」と話している。【神澤龍二】

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女性の品格とブックオフ

2007-11-03 12:22:55 | Weblog
先日明治通りを歩いていたら、ブックオフ原宿店の看板を見つけた。
ひさしぶりに立ち寄ろうかと思ったら、9月30日をもって閉店となったとのこと。
人はけっこう入っていたと思うのに、坪6万1千円という高額なテナント料が痛かったのかな?(売上は坪あたり14万1千円)

2000年に原宿店がオープンしたとき、大きな話題となった。
近くの文教堂が万引きを警戒したけど、その後やはり万引き被害があったのか閉店した。
相変わらず書店はブックオフを敵視しているところが多いけど、ぼくはブックオフを愛用している。
不当に定価が高い本が増えた中、ブックオフでは千円もあればなかなかおもしろそうな本が8~9冊も変えますから。(105円コーナーを特に愛用)

原宿とか自由が丘とか三軒茶屋とか、なかなか趣味のいい人、センスのいい人が多い地域ではブックオフに集まってくる書籍も興味深いものが多い。
私は定期的に三茶のブックオフに立ち寄ってまとめ買いをしている。

ブックオフではときどき、掘り出し物を手にすることもある。


坂東眞理子さんの「女性の品格」はまだ爆発的に売れている。
7月に東京国際ブックフェアで坂東さんの講演会を聞いたときは、すでに100万部突破の大ベストセラーだったけど、10月いっぱいで実売200万部近いとか。

講演会の内容は印象的だった。
 自分を卑下しない。
 自分が求められているものを推測する。
 本物と偽者が見分けられればいい。
 役にたたないディーテイルをどれだけ楽しめるか。
 利害を第一に考えて行動するのは卑しい。
 お金をどう使うかによって品格が問われる。
 弱い立場の人に対してどう対するかに品格があらわれる。
等々、印象的な言葉が多かった。

講演のあと、さっそくPHP研究所のブースで「女性の品格」を購入し、読んでみた。
講演は本の内容と似たところもあり、本より掘り下げたところもあり、本を読んだ人もじゅうぶん楽しめるバランスのよい内容だった。


実は、私は6月に三軒茶屋のブックオフで、坂東眞理子さんの持っていた本を手に入れたことがある。
なぜ坂東さんの持ち物だったとわかるかって?

「明日の日本への贈り物」(毎日新聞社)という本を105円で買って表紙をめくったら、

「ニューシルバーの誕生」のお返しに
坂東眞理子様
   日野原重明
   二〇〇三、10、一五

と書いてあった。

たしかに、「ニューシルバーの誕生」(東洋経済新報社)という本を坂東さんは1989年に出されている。
おそらく、以前坂東さんは日野原重明先生に著書をプレゼントされたことがあり、お返しに日野原先生が坂東さんに当時最新刊だった著書を送られたのでは。
そして、昭和女子大学の学長である坂東さんは、蔵書の整理を行った際に、すぐ近くのブックオフ三軒茶屋店にこの本を持ち込まれたのでしょう。

それを買った私にとってはいい掘り出し物だったけど、坂東さんはブックオフに本を出す際に、サインの書かれた本のトビラくらいは切り取っておいたほうがよかったかも。ひとごとながら、せっかく日野原先生にいただいたものですし。

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