2019年1月頃、コロナ禍はまだ中国に限られた話だった。
友人宅で旧正月を祝いながら、重慶での危機的な状況をスマホで見せてもらったことを覚えている。
3月にもなると日本でも緊迫感が強まって来たので、私もオーストラリア旅行をあきらめた。
コロナ禍での自粛生活はもう1年半になろうとしている。
不安を抱えたり、ストレスを溜めたりしている人も多いのではないだろうか。
だが、イラついたり攻撃的になったり鬱々としたりあきらめの気持ちになっても、状況は改善しない。
暗い気分になるだけ損するようなものだ。
お金がなくても、笑顔の絶えない楽しい生活をしている人だっている。
お金があっても、不平不満の多いつまらない生活をしている人だっている。
もちろん、お金がなくて、不平不満の多い生活をしている人だっているだろう。
しかし、嘆いても怒っても何も状況が改善されないのであれば、同じ状況なら楽しい生活をした方がお得ではないだろうか。
そういうわけで、コロナ禍で世界中たいへんな状況だけど、日々の中に、楽しみを見つけるのもいいと思う。
状況の改善は、着々と試みればいい。
人ごみに立ち寄らず、ワクチンを打って、手洗いやうがいを励行すればいい。
できることを淡々と進めながら、日々の生活を楽しむことも可能だ。
その上で、コロナ禍のよい面に目を向けてもいい。
「コロナのおかげ」というと不謹慎かもしれないが、コロナ禍によって生活様式が大きく変わったことを肯定的にとらえることもできるのではないだろうか。
私なりに、コロナ禍の肯定的な面もいくつか挙げてみたい。
■コロナのおかげ
1.新型コロナ以外の感染症の激減
マスクが日常化し、それとともにインフルエンザや風邪の感染者が激減した。感染症による死者が激減したこともあり、日本人の平均余命は長くなった。
2.テレワークの普及
この利点は多い。満員電車の息苦しさからの解放。社内のパワハラ的言動からの逃避。もちろん、社内の近くの席の人のゲップ・体臭・独り言などを気にしなくてもいいのは助かる。女性社員を「お前」呼ばわりする声や、科学リテラシーの低い「マイナスイオンを感じる」「ファイテンが効く」などといった言葉も聞かなくて済む。
3.キャッシュレスの推進
最近現金を使うのは、コインランドリーぐらい。ほとんどカードで済ませている。社会全体でキャッシュレスが進んでいるので、スーパーでの待ち時間も短くなっている。汚れた紙幣やコインを触る機会が減るのもありがたい。
4.飲み会文化の低迷
日本酒やワインは好きだけど、人工的な安酒を飲みながら騒ぐのは好きではない。ノリのいい人たちや一部の押しつけがましい人たちにとっては、みんなで集まって飲む機会が激減したことは残念だろうけど、静かに少人数でおとなしく過ごしたい人にとってはとてもありがたい。
5.静かな観光地
コロナ禍の前は、田舎の観光地にも多くの観光客があふれていた。コロナ禍により海外から人が来れなくなったこともあり、沖縄の海も北海道の大地も各地の温泉街も静かさを取り戻している。ゆっくりたたずめるのはありがたい。さすがに緊急事態宣言が出ているうちはどこにも出かけたくないけど、落ち着いたらまたひっそりと観光地に滞在したい。以前より安く旅行できるのもありがたい。
6.産業構造の変化
コロナ禍によって、オンラインでの会議・清算・申請など、新たな技術の活用が進んでいる。その変化は、日々の暮らしをより快適に過ごすことにつながっている。コロナ禍がなければ、このように速やかに新しい技術の利用が浸透することはなかった。
7.硬直した組織のあぶり出し
コロナ禍において、たいへんな思いをしている人は少なくない。困難に直面した時は、生き延びるために変化が必要だ。変化に対応できない硬直した組織は滅びることが多い。行政、メディア、医療、輸送、等々、さまざまな業界で硬直化して現状に対応できない面が表面化し、変化が進んでいる。より強靭で柔軟な社会を作ることにつながる。
8.「正しいこと」を考えるきっかけ
コロナ禍においては、さまざまなデマも流れている。何が正しいのか、何が信用できるのか、自分なりに情報を集めて考え、安易に流されないように気をつける人が増えている。
自分の頭で考えるきっかけとなっている。
9.マスクで容姿を隠しやすい
私の住んでいるエリアは、芸能人が少なくない。道端やスーパーでときどき見かける。
マスクに帽子、サングラスといった格好の小顔女性がいると、芸能人かもしれないけど誰なのだろう、と少し気になる。
現在では、マスクをしないで出歩いている人の方が珍しい。芸能人や自意識強めの人にとっては、マスクやサングラス、帽子などで顔を隠しても不自然ではない、過ごしやすい時代だと思う。
一般人も、ひげを伸ばす人が増えた。毎日剃るのは手間がかかるし、肌にもよくない。マスクで隠せるのはありがたい。
10.資産の増加
コロナ禍の影響で、海外旅行に行けなくなった。飲食店にも飲みに行けなくなった。
国内旅行に行ったり、お酒を買って自宅で飲むことはあるけど、それでも海外旅行や外食に比べたらかなり支払いは少ない。出費が減ると、その分貯金は増える。
コロナ禍当初の2020年3月頃には、株価が大きく下がった。私の持っている株の評価額も何百万というレベル以上に下がった。
だけど、その後は逆に大きく評価額が上がっている。コロナ禍のなかでも業績を大きく伸ばしている企業は少なくない。社会構造が変化するときに、大きく伸びそうな会社の株を狙うのもいいかもしれない。
自分なりに、コロナ禍のよい影響について考えてみるのもいいのではないだろうか。
コロナ禍をありのままに受け容れて観察すると、気づくこともあるかもしれない。
とは言っても、コロナ禍のよくない面もある。
突然失われる命の多さ、経済的困窮、行動の制限など。
状況は刻々と深刻化しているのに、ぐだぐだな対応がまかり通る、というのは大きな問題だろう。
ぐだぐだでもその場をやり過ごせばなんとかなるという意識は人間の成長をさまたげる。
いっそのこと、社会が壊れるような大きな変化があってもいいのではないかと感じている人も増えているのではないだろうか。
追記
欧米の生活様式がなかなか変わらないのもよくない面だろうか。
土足で部屋に入らない、部屋に戻ってきたらうがいして手を洗う、などといった習慣に移行してもいいのではないかと思う。
欧米は保守的な人が多いのだろうか。
思想的には寛容を主張していても生活習慣が変えられない人は多そうだ。
追記
11.平日の昼間に住宅地をうろうろしていても不審に思われない
も加えておきたい。
コロナ禍以前は、平日の昼間に近所を歩いていると、少し人々の視線が気になった。
ところが、テレワークが一般化してからは、自営業者や平日が休日の人だけでなく、一般的な会社員が平日の昼間に私服で出歩くこともめずらしくなくなった。
平日にふらふら住宅街を歩いていても不審者を見るような目を向けられなくなったのはありがたい。
友人宅で旧正月を祝いながら、重慶での危機的な状況をスマホで見せてもらったことを覚えている。
3月にもなると日本でも緊迫感が強まって来たので、私もオーストラリア旅行をあきらめた。
コロナ禍での自粛生活はもう1年半になろうとしている。
不安を抱えたり、ストレスを溜めたりしている人も多いのではないだろうか。
だが、イラついたり攻撃的になったり鬱々としたりあきらめの気持ちになっても、状況は改善しない。
暗い気分になるだけ損するようなものだ。
お金がなくても、笑顔の絶えない楽しい生活をしている人だっている。
お金があっても、不平不満の多いつまらない生活をしている人だっている。
もちろん、お金がなくて、不平不満の多い生活をしている人だっているだろう。
しかし、嘆いても怒っても何も状況が改善されないのであれば、同じ状況なら楽しい生活をした方がお得ではないだろうか。
そういうわけで、コロナ禍で世界中たいへんな状況だけど、日々の中に、楽しみを見つけるのもいいと思う。
状況の改善は、着々と試みればいい。
人ごみに立ち寄らず、ワクチンを打って、手洗いやうがいを励行すればいい。
できることを淡々と進めながら、日々の生活を楽しむことも可能だ。
その上で、コロナ禍のよい面に目を向けてもいい。
「コロナのおかげ」というと不謹慎かもしれないが、コロナ禍によって生活様式が大きく変わったことを肯定的にとらえることもできるのではないだろうか。
私なりに、コロナ禍の肯定的な面もいくつか挙げてみたい。
■コロナのおかげ
1.新型コロナ以外の感染症の激減
マスクが日常化し、それとともにインフルエンザや風邪の感染者が激減した。感染症による死者が激減したこともあり、日本人の平均余命は長くなった。
2.テレワークの普及
この利点は多い。満員電車の息苦しさからの解放。社内のパワハラ的言動からの逃避。もちろん、社内の近くの席の人のゲップ・体臭・独り言などを気にしなくてもいいのは助かる。女性社員を「お前」呼ばわりする声や、科学リテラシーの低い「マイナスイオンを感じる」「ファイテンが効く」などといった言葉も聞かなくて済む。
3.キャッシュレスの推進
最近現金を使うのは、コインランドリーぐらい。ほとんどカードで済ませている。社会全体でキャッシュレスが進んでいるので、スーパーでの待ち時間も短くなっている。汚れた紙幣やコインを触る機会が減るのもありがたい。
4.飲み会文化の低迷
日本酒やワインは好きだけど、人工的な安酒を飲みながら騒ぐのは好きではない。ノリのいい人たちや一部の押しつけがましい人たちにとっては、みんなで集まって飲む機会が激減したことは残念だろうけど、静かに少人数でおとなしく過ごしたい人にとってはとてもありがたい。
5.静かな観光地
コロナ禍の前は、田舎の観光地にも多くの観光客があふれていた。コロナ禍により海外から人が来れなくなったこともあり、沖縄の海も北海道の大地も各地の温泉街も静かさを取り戻している。ゆっくりたたずめるのはありがたい。さすがに緊急事態宣言が出ているうちはどこにも出かけたくないけど、落ち着いたらまたひっそりと観光地に滞在したい。以前より安く旅行できるのもありがたい。
6.産業構造の変化
コロナ禍によって、オンラインでの会議・清算・申請など、新たな技術の活用が進んでいる。その変化は、日々の暮らしをより快適に過ごすことにつながっている。コロナ禍がなければ、このように速やかに新しい技術の利用が浸透することはなかった。
7.硬直した組織のあぶり出し
コロナ禍において、たいへんな思いをしている人は少なくない。困難に直面した時は、生き延びるために変化が必要だ。変化に対応できない硬直した組織は滅びることが多い。行政、メディア、医療、輸送、等々、さまざまな業界で硬直化して現状に対応できない面が表面化し、変化が進んでいる。より強靭で柔軟な社会を作ることにつながる。
8.「正しいこと」を考えるきっかけ
コロナ禍においては、さまざまなデマも流れている。何が正しいのか、何が信用できるのか、自分なりに情報を集めて考え、安易に流されないように気をつける人が増えている。
自分の頭で考えるきっかけとなっている。
9.マスクで容姿を隠しやすい
私の住んでいるエリアは、芸能人が少なくない。道端やスーパーでときどき見かける。
マスクに帽子、サングラスといった格好の小顔女性がいると、芸能人かもしれないけど誰なのだろう、と少し気になる。
現在では、マスクをしないで出歩いている人の方が珍しい。芸能人や自意識強めの人にとっては、マスクやサングラス、帽子などで顔を隠しても不自然ではない、過ごしやすい時代だと思う。
一般人も、ひげを伸ばす人が増えた。毎日剃るのは手間がかかるし、肌にもよくない。マスクで隠せるのはありがたい。
10.資産の増加
コロナ禍の影響で、海外旅行に行けなくなった。飲食店にも飲みに行けなくなった。
国内旅行に行ったり、お酒を買って自宅で飲むことはあるけど、それでも海外旅行や外食に比べたらかなり支払いは少ない。出費が減ると、その分貯金は増える。
コロナ禍当初の2020年3月頃には、株価が大きく下がった。私の持っている株の評価額も何百万というレベル以上に下がった。
だけど、その後は逆に大きく評価額が上がっている。コロナ禍のなかでも業績を大きく伸ばしている企業は少なくない。社会構造が変化するときに、大きく伸びそうな会社の株を狙うのもいいかもしれない。
自分なりに、コロナ禍のよい影響について考えてみるのもいいのではないだろうか。
コロナ禍をありのままに受け容れて観察すると、気づくこともあるかもしれない。
とは言っても、コロナ禍のよくない面もある。
突然失われる命の多さ、経済的困窮、行動の制限など。
状況は刻々と深刻化しているのに、ぐだぐだな対応がまかり通る、というのは大きな問題だろう。
ぐだぐだでもその場をやり過ごせばなんとかなるという意識は人間の成長をさまたげる。
いっそのこと、社会が壊れるような大きな変化があってもいいのではないかと感じている人も増えているのではないだろうか。
追記
欧米の生活様式がなかなか変わらないのもよくない面だろうか。
土足で部屋に入らない、部屋に戻ってきたらうがいして手を洗う、などといった習慣に移行してもいいのではないかと思う。
欧米は保守的な人が多いのだろうか。
思想的には寛容を主張していても生活習慣が変えられない人は多そうだ。
追記
11.平日の昼間に住宅地をうろうろしていても不審に思われない
も加えておきたい。
コロナ禍以前は、平日の昼間に近所を歩いていると、少し人々の視線が気になった。
ところが、テレワークが一般化してからは、自営業者や平日が休日の人だけでなく、一般的な会社員が平日の昼間に私服で出歩くこともめずらしくなくなった。
平日にふらふら住宅街を歩いていても不審者を見るような目を向けられなくなったのはありがたい。