波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
コメント欄はほとんど見ていないので御用のある方はメールでご連絡を。
波屋山人

旅する理由

2012-09-29 10:55:06 | Weblog
多くの人は自分のことを、普通で、正常で、肯定されるべき存在だと思っている。

だけど、その視点を元に世界を解釈すると、自分の存在を守るための一方的な視点になりがちだ。

「自分は被差別者で、時には一般的な世の中のルールに抵触する思考や行動を行い、守るべき自分の形なんてたいした価値はない」、などと考えている人は、簡単に自分を正義の側には置かない。

謙虚な人はあまり声高に主張しない。
意見の異なる相手を見下さず、侮蔑の言葉を投げかけられ、暴力で威嚇されても、憎しみの心を持たない。

そんな平和的な人は過去にもたくさんいた。
だけど、自己肯定的な、暴力的な人たちの圧力によって、存在を抹殺されてしまう人も多い。
知的で優しくて恥じらいを知る人が、世の中の人々に評価されるとは限らない。

いつまでたっても、武力や言葉の圧力によって自分の意見を通すことはなくならない。

ため息を隠し静かに苦笑いする避難民は、強者によって奪われた故郷に戻ることはできない。
自分の利益が大事な強者は、経済力や武力を背景に、自分の行為を正当化する。


ぼくはせめて、自分の正当性を声高に叫ぶ人の陰で、声を上げることもなく滅びていった人たちの知性と、悲しみと、やさしさに同調したい。

滅びた人たちのことを懐かしく思えば、彼らもうれしく思ってくれるだろう。
彼らの知性は忘れ去られることなく、静かに伝わっていると想像する。

組織や生命を存在させ続けることは、絶対的に肯定されがちだ。だけど、存続しなかった、勝ち残らなかった人にも際立つ知性がある。

何かを排除したり、どこかに矛盾を隠したり、強引に境界を決めたりしないと、強力な組織を作ることはできない。
強力な組織を作ることは、知性から遠ざかることにつながりがちだ。

強力な組織化から距離を置く思想家や宗教家は、考えかたの異なる人を排除しない。
意見が異なる人を暴力的に排除する民衆や政治家すら排除しない。
暴力的な勢力のほうが現実世界で勢力を増すのは目に見えている。

形とか秩序とか組織とか排除とか価値の比重などにからめとられる世界を脱して、混沌に向き合い、世界のしくみを考える人はむかしから存在した。

だからぼくも旅をする。
さまざまな価値観の人たちとの出会いは、自分の輪郭を自覚させてくれる。
ぼくは決して正しい側とは限らない。


戦後民主主義者は、新保守主義者を批判する。
旧メディアは新メディアをなかなか評価しない。
暴力的な政府は、抵抗する政府を恫喝する。
劣等感を隠す創作的な歴史を隣国にも共有させようとする人々。
高給の金融マンと薄給の弁護士の対話には思想や芸術の話がなかった。お金と名誉の話ばかり。

そんな世界の中で、堂々巡りは続く。
どこに価値を置こうが、自分を正当化しようが、砂上の楼閣。幻のようなものかもしれない。

幻を幻だと自覚してこそ、妙な執着心や不満、わだかまりや見下し、目くらましなどを越えて行けるのではないだろうか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

香港中国医学研究院の博士号はニセモノ?

2012-09-14 23:59:12 | Weblog
前エントリ「■■■■研究所の■■■■博士は何者なのだろう」の補足説明。

今年4月末に、このブログが強制的に閉鎖された。
goo事務局に問い合わせると、「■■■■さんから『ニセ博士』のように書くのは名誉毀損だ」と削除の要求が来たとのこと。

私は記述内容や表現に問題点を見出せなかったので、
具体的にどの表現が名誉毀損にあたるのか質問したが、具体的な説明はいただけなかった。
修正すれば運営事務局で再開を判断する、とのことだった。

修正をしないままでの再開を依頼しても、説明も無いまま拒否。
困った私は該当ページを削除してとりあえずブログを再開させてもらった。

私はgooブログの有料サービス(アドバンス)を申し込んでいるので
せめてブログが閉鎖されていた3週間分は返金してほしいと希望を述べた。
論理的な説明も無く閉鎖することはgoo事務局の不当な行為で、表現者の不利益になる。
ところが、これも事務局は理由を説明しないまま、返金はできないとの一点張り。

もしかしたら、goo事務局は、おざなりな運営を行っているのではないだろうかと疑念を抱いた。

goo事務局の姿勢については「やや日刊カルト新聞」なども問題視しているようだ。
  ↓
http://dailycult.blogspot.jp/2012/09/blog-post_6046.html
http://blog.goo.ne.jp/fujikiyo_1971/e/eaff7a319c732900c7383a9fee3302f7#comment-list


NTTレゾナントは、香港中国医学院で博士号を得たと称する者が入社すれば、博士号取得者として遇するのだろうか。そんなことはないだろう。

事実関係を確認することなくブログの再開を拒むことは、
表現者に対する言論封殺行為ではないか。

通信業者は、水道や電気を止めるようにネットも事務的に止めるのだろうか。
ジャーナリストや芸術家や思想家は、批判や攻撃が来てもすぐ圧力に屈することはない。
言論を封殺することの危険性をよく知っているし、自分なりの考えを持っているからだ。

gooブログ運営者は、多くの人々に表現の場を用意しているという自覚は無いのだろうか。
面倒を避ける事なかれ主義で、表現者をサポートすることはできるのだろうか。
gooブログ運営者は、ジャーナリストに場を提供する編集者としての意識も持つべきだろう。
そうすれば gooブログの評判はもっと良くなるはずだ。

NTTレゾナントが発想力のあるクリエイター的な体質を目指すのであれば、
表現する者の立場をきちんと理解することも必要だろう。


それはともかく、入稿や校了に追われてあまり時間がなかったけど、少し調べてみた。

■■■■氏は、サイト上にご自分の「学位認定証」を公表している。
http://homepage3.nifty.com/■■■■■■■■e/■■■■■■e1990PhD.html

それによると、「香港中國醫學研究院」というところで博士号を得ているらしい。

そこで、香港特別行政区政府教育局に問い合わせてみた。
香港における文部科学省みたいなところだ。
するとしばらく経ってから、
「Neither 香港中國醫學研究院 nor 香港中国医学研究院 is a registered institute in Hong Kong」
と返事が来た。

★香港には「香港中国医学研究院」という公的な教育機関は存在しない。

それが、香港特別行政区政府教育局の答えだ。

ではどこから香港中国医学研究院という名称は出てきたのか。
調べてみると、日本中医学院という団体があった。
学校法人ではなく、任意団体か、会社組織の一部門。
「日本中医学院」で通信教育コース(60万円)を修了すると、「香港中医学院」の中医資格(公的な資格だとは思えない)を取ることができるのだそうだ。
さらに進むと博士号ももらえる。

日本中医学院のパンフレットを見ると、博士号取得者として、
■■■■さんのガウン姿も紹介されている。ビンゴ!

■■さんは日本中医学院という団体にお金を払い、
1年間の通信教育(スクーリング2回)で中医資格(公的な資格ではない)を取得し、
さらにお金を払って審査を受け、博士号(これも公的なものではない)を手に入れたのではないだろうか。違いますか?

日本中医学院のサイトには、下記のような記述がある。

http://nimt.jp/yakugaku.html
> 日本中医学会認定 日本中医学院
> 募集学科 中医中薬学科(年1回、1月より募集開始、5月下旬開講、修業年限1年)
> 募集人員 5名
> 入学資格基準[2013年度より]
> 1) 本学院卒業の日本中医学会正会員の紹介
> 2) 日本音楽療法協会正会員
> 特典
> 1) 所定の単位を修得し、出席日数を満たし、且つ卒業試験に合格した者に、
>    中医師有資格者としての卒業証書(中英文)並びに中医師證書(中英文)を授与します。
> 2) 中医師は所定の手続きに依り登録され医籍番号が記入されます。
> 3) 日本中医学会々員資格が得られます。
> 4) 卒業生は尚一層高度な独創的研究を目的とした中医学博士コース(Ph.D.)に参画する資格を得られます。
> 5) その他、日本中医学会の会則が準用されます。
> 〒541-0045
> 大阪府大阪市中央区道修町三丁目3-10


日本中医学院の所在地は「大阪屋道修町ビル」という貸しオフィスだ。
ドメイン名を確認すると、「有限会社 医生堂(いせいどう)」で登録。学校法人ではない。
「日本中医学会認定」ともっともらしく書いてあるけど、日本にある2大「日本中医学会」はどちらも日本中医学院とまったく関係がない。証拠資料もある。


そのような日本中医学院で公的な資格を取るのは難しいと考えるのが妥当だろう。
私が勝手に「日本チベット医学院」や「日本チベット医学会」を名乗ってチベット医学セミナーを運営し、「チベット医」や「チベット医学博士」などの内輪向け認定証(英文とチベット語で自主作成)を発行するようなものかもしれない。

goo事務局や■■さんはどのようにお考えだろうか。

私がここに記載した内容が事実ではなく、香港中国医学研究院なるものの博士号が公的なものであるとおっしゃるのであれば、
具体的に私の記述した文面のどの部分が事実と異なり、どの表現が名誉毀損にあたるおそれがあるのか、お手数をおかけするが教えていただきたい。

指摘があれば、その箇所の表現が名誉毀損にあたるのかどうかこちらでも確認し、法的に問題があるようであれば、お詫びし、その箇所を修正させていただく。


追記 実態の確認できない香港中国医学研究院にキャンパスが存在するのであれば住所を教えていただきたい。現地で調査を行う。



追記12/28 goo事務局から、利用規約に反するとの連絡あり。具体的説明は一切なし。とりあえず一部伏字にして対応。
追記1/7 研究所名も伏字にしろとの検閲あり。


追記4/9 goo事務局に問い合わせをしたが返答がないので伏字を復活。

追記2013/5/20 goo事務局の校閲により一部伏字。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■■■■研究所の■■■■博士は何者なのだろう

2012-09-14 23:28:10 | Weblog
「ロシア政治経済ジャーナル」というメルマガは、国際的な政治や経済について興味深い分析をしている。いつも楽しく読んでいる。
だけど、広告的な記事も多く、少し信頼性に疑問を持ってしまうときもある。
先日投資詐欺でつかまったバルチックカレーの広告記事も以前何度か掲載していた。

<参考>バルチックカレーの中国制覇プロジェクトについて
http://blog.goo.ne.jp/ambiguousworld/e/13b6605bc7a4551b13ef70dfd173e3b6

今日のメルマガの広告記事にも少しあやうさを感じた。
メルマガを発行している北野幸伯さんのメンターらしいのだが、そんなに信頼できる人なのだろうか。
速読や視力回復の業界で医学博士といえば、川■■■さんや中川和宏さんとか、ディプロマミルでニセ博士号を購入したと疑われている人が多い。

■■■■さんの博士号が正式のものなのかどうか疑いを持ってしまう人もいるだろう。
東北大学卒とは書いているけど、学部名は記載がない。大学院に進んだとも書いていない。
どこの大学で博士号を得たかということも触れられていない。

三笠書房や講談社やダイヤモンド社やソフトバンクパブリッシングなどから出した本の表紙には「医学博士 ■■■■」と書いてあるようだけど、担当編集者は肩書きが本当かどうか確認したのだろうか。
(■■■■さんのサイトでは、主要取引先に「ダイヤモンド社、三笠書房、日本実業出版社、河出書房新社、双葉社、徳間書店、PHP研究所出版、廣済堂出版社」とある。ニセ博士の本を出すことに躊躇しない出版社が多く含まれているのが気がかりだ)

もし、ニセの肩書きを前面に出して、書いた内容の信頼性が高いように見せているのであれば、誇大広告となるかもしれない。
法律に違反した行為であるという裁判所の判断があれば、ニセの肩書きの本をすべて回収する覚悟はあるのだろうか。
あるいは、ニセ博士号を肩書きにしている人の出版物に対して、誰かが発行差し止めを訴え出れば、各出版社の法務担当者はどう対応するのだろうか。

本を信頼している人は多い。
すぐれた才能のある人や、長年の研究に基づいて成果を出した人でないと本を出せないと思っている人もいる。
まさかうさんくさい人がもっともらしい顔をしていいかげんな話を書いているとは思いもよらない。
そういった人をだます行為は、法的に制約されてもいいのではないか。

■■■■さんのプロフィールには
「学校法人エール学園IMGS大学院大学教授」
とある。

それらしき学校のサイトを見てみると
「学校法人エール学園グループ
国際メンターシップグラジュエートスクール
(オランダI・O・Uから修士号を授けられる大学院大学)」
と掲載してある。
学校法人エール学園グループ内の任意団体だが、IOUという大学院大学?から修士号を得ることができる学校だから大学院大学を名乗ってもいいだろうという考えなのだろうか。

・国際メンターシップグラジュエートスクール
http://www.ehle.ac.jp/imgs/

だが、オランダのI・O・Uとは Intercultural Open University のことだろう。
非認定大学(ディプロマミル)として知られている。
専門学校(専門学校、予備校、日本語学校)を運営するエール学園は、海外のディプロマミルと交流を持っているようだ。
文部科学省から何か指導が入ったりはしないのだろうか。

・インターカルチュラル オッペン ユニバースティ(オランダ)
http://netsociety.exblog.jp/i35

北野幸伯さんは、自分のメルマガの読者を増やすために、■■■■さんのメルマガと相互紹介を行っただけなのかもしれない。
http://homepage3.nifty.com/■■■■e/025■■■■-page.html

それにしても、「心身健康・脳力開発分野の世界的研究者」「脳科学の専門家」と書くのは持ち上げすぎではないだろうか。

とても活力があり、おもしろい有能な人だとは思うけど、研究者とは言いにくい。
■■■■さんの所属している学会は、研究者でなくても入会できるものばかりだ。

・■■■■論文・随想集ブログ
http://homepage3.nifty.com/■■■■■■■■e/0506■■■■■■-mokuji.htm

上記の文章を見ると、科学的分析に興味のある大学の研究者というよりも、空想力豊かなトンデモ本作家を想像する人が多いかもしれない。

今後、北野幸伯さんは国際政治評論家として評価を高め、大学の先生になるかもしれない。
そういった人が、あやしげな非学術的な世界にからめとられてしまうことを阻止することこそ、「誤った方向に行かない」ことなのではないだろうか。
分析力のある優秀な人がどうしてディプロマミル業界周辺の魑魅魍魎の世界に疑問の目を向けないのか不思議だ。


追記 ついでに言うと、北野さんのメルマガでときどき取り上げられる小林正観さんも、Dr.コパやDr.中松と同じく、ニセ博士として有名だ。
http://degreemill.exblog.jp/9310905/


追記12/28 goo事務局の圧力により一部伏字にして対応。
追記1/7 goo事務局の検閲により研究所名も伏字にして対応。
追記4/9 goo事務局に問い合わせをしたが返答がないので伏字を復活。
追記5/20 goo事務局の検閲により一部伏字。


<参考>
> RPE Journal===================================================
>
>
>        ロシア政治経済ジャーナル 号外
>
>                          2010/8/26号
>
> =================================================================
> ★北野のメンター■■■■先生の、世界一簡単な能力開発法
> 全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
> 北野です。
> 今回は、私もいろいろアドバイスをしていただいている、メンター
> ■■■■先生をご紹介します。
> すごいですよ。
> まず先生の経歴をごらんください。
> <1940年、山形市生まれ
> ■■■■研究所(旧称 株式会社 健康能率研究所) 所長、
> 医学博士、
> 東北大卒業後、武田薬品工業にてビタミンと脳科学の研究開発
> を経て現職。
> 日本綜合医学会常任理事、日本健康科学学会理事を夫々20年
> 務める。
> 学校法人エール学園IMGS大学院大学教授(メンター:指導者、
> 助言者養成校)を歴任。
> 著書:健康医学、脳力開発分野で42冊、累計82万部発刊
> 論文「西洋医学と東洋医学の調和・融合」で医学博士学位取得
> 心身健康・脳力開発分野の世界的研究者
> 脳科学の専門家として、テレビ出演、(みのもんた司会「脳細胞
> はぐんぐん若返る」など)
> 研修、講演実績:東京電力、JR東日本、東芝、NEC、富士フィル
> ム、住友化学、中部電力生産性本部、京都大学、JETRO(日本
> 貿易振興会)など大手企業、教育機関で研修講演実績>
> ↑すごいですね?。
> なんでテキトー・イイカゲンな私は、世界的研究者・■■先生を知
> っているのでしょうか?
> 実は、■■先生はRPEを読んでおられ、感想メールを送ってくださ
> ったのです。
> 以後、テキトーな私が誤った方向に行かないよう、さまざまなアド
> バイスをしてくださっています。
> 世界的に有名な先生ですが、えらぶるところが少しもありません。



2010-08-27 23:18:22 に掲載、2012年4月末に削除したテキストを再掲載。
(次エントリに補足説明あり)


コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする