イタリアより

滞在日記

チェファルーにて

2019年12月29日 | チェファル


チェファル大聖堂
聖堂内結婚式が行われていました

私たち見学者も中へ入れて貰って



Tanti auguri!おめでとー


■2019年12月28日

いよいよ今回の旅行の最終日になりました。滞在しているホテルの朝食場所からは、パレルモの素晴らしい景色が望めて、朝日を浴びる教会の塔が輝いています。今日もお天気は良さげ。予定通り、近郊の町、チェファルへ行こうと外へ出ると、なんと雨が降っているではありませんか。嘘っー。(←この言葉が出るときはかなりマズイ状況)


ホテルの朝食場所からの眺め


大急ぎで部屋へ取って返し、と言ってもこのホテルのエレベータは、なかなかやってこないのです。貴族の館を改築したっぽいホテルは、ほんとやっかい。おまけに、自分で扉を開け閉めして、更に内扉もきっちり閉めないと、エレベーターは動かない。


ホテルのエレベーター
せいぜい三人乗るのが限度

扉は自分で開け閉めする


仕方がないので、階段を駆け上がって部屋に飛び込み、といっても、部屋のドアも、開けるのにコツがいるのです。先ずは心を落ち着けて、扉の前でおはようと挨拶して(ウソです)、コチっという音と共に、そっと銀色のノブを押す。隣の部屋の外国人は、いらついてドアを蹴りそうでした(見てしまった)そうして次は、カギをかけたスーツケースの中から傘を取り出して・・・と、出かけるまで随分時間を取られました。パレルモ駅発の列車に乗るのに、切符もまだ買っていなかったから、早くにホテルを出る算段をしていて良かったです。


チェファルー町の入り口

駅から徒歩5分ほど


チェファルは、パレルモと共に、世界遺産に指定されています。この町にある聖堂も、初代シチリア王となったルッジェーロ二世の命を受け、1131年に建てられました。ノルマン時代の優れたシチリア建築で、威風堂々、背後に迫る岩山と共に、目の前に迫るような圧迫感がありました。ここでも見事なモザイク画に仕上げられた「全能の神」キリストが大きく手を広げています。


町の大通りは二本平行に走っていて
とても分かりやすい

この広場の右側あたりにディアナの神殿に上がる道があります
お天気が悪いのでさすがに端折りました


ルッジェーロ二世は、この頃、既にパレルモの大聖堂で壮大かつ豪華な戴冠式を行っていて、誰もが認める新王の立場を確立していました。が、常に周辺諸国からの攻撃や反乱、更には裏切りもあって、心の休む日はなかったと思います。ちょうど時を同じくして、半島の東部で規模の大きい反乱が起き、ルッジェーロ二世は、自ら鎮圧に向かいました。しかし、思いも掛けず周辺のバーリやナポリなどの諸侯がこぞって反旗を翻したこともあって、ついに負け戦となり、命からがらシチリアに戻ってくるのです。


ルッジェーロ通りを突き当たり左折すると海岸に出る

ティレニア海が広がって
ずっと眺めていました


この聖堂は、しけに遭った海で九死に一生を得た感謝の気持ちを込めて、聖母マリアに捧げられたというから、この頃のことだろうなと勝手に想像しています。又、聖堂建築には、縁の薄かった実母、ルッジェーロ二世の政権を守る為、政略結婚をしたアデラシアへの思いも込められていたかも知れません。

そんな歴史が静かに流れる町を散策して、今年のイタリア旅行最後の日を過ごしました。



わたし:ルー王さま~、お会い出来て良かったです。明日帰りますね。 お元気で。
ルー王:kazu殿、今日は結婚式を執り行っており、お見送りが出来ず申し訳ないぃ


追伸:
チェファル-の回り方など、後日詳しくご紹介します。なお、FSパレルモ駅は、現在改修中のようで、本日現在、自動券売機は取り払われて、構内にはなかったです。切符売り場は二つ窓口が開いていましたが、しばらくすると片一方の窓口は閉じられてしまいました。近々にこの駅を利用予定の旅行者は、早めに駅へ行くことをお勧めします。あるいは、レッジョナーレのチケットでも、予定が決まっているなら、ネット予約した方がいいかも知れません。

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8 コメント

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王室礼拝堂の様式を具体的に (toma)
2019-12-29 07:23:56
ノルマン王宮内王室礼拝堂:わずか400平方メートルに満たないとはいえ、世界で唯一無比の礼拝堂である。(略)目に飛び込んでくるのは、壁面の上部を覆うビザンツ風の金地モザイクによる聖書絵巻であろう。19世紀末にここを訪れたモーパッサンは、それを「黄金の天界」と言い表したが、言いえて妙とはこのことである。その下の腰壁はすっきりとした白大理石で、アラベスク模様の帯状装飾で縁取られ、床や説教壇などは、アラブ風の幾何学模様を組み合わせた色大理石による多色モザイクである。ロマネスク彫刻が刻まれた、柱かと見紛うような太い復活祭用の燭台も名高い。だが、天井を仰ぎ見れば、このキリスト教の聖堂が世界に類をみないものであることを、たちまちにして理解できるであろう。それはすべて木材による鍾乳彫り(ムカルナス)と幾何学形の格間(ごうま)を組み合わせたアラブ建築である。小型望遠鏡などを準備していれば、そのような天井の表面にびっしりと描きこまれたラクダやドラゴン、騎士や後宮の女など、アラブ風の細密画や、クーフィクと呼ばれる古書体のアラビア文字を見分けることができるであろう。つまりこの礼拝堂は、ラテン的な長堂式プランを持ちながら、内装はアラブとビザンツの職人による合作なのである。(「シチリア歴史紀行」小森谷慶子著2003)

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Unknown (sachi)
2019-12-29 10:39:10
今頃、もうお空の上を飛行中ですか?

ホテルのエレベーターあるあるですねぇ(笑)
ガトゥーンとかいって動き出すんですね?笑
お部屋の鍵もコツを掴んだ頃にチェックアウトなんですよね(≧∇≦)

旅先で結婚式に遭遇すると幸せになれますね。

また来年も楽しみにしています^ - ^

NHK空港ピアノ見なくちゃ!
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ありがとうございました。 (toma)
2019-12-29 16:01:34
予告編の画像がパレルモだったので、モディカから始まったのには驚いた。
Kazuさんの、前回のミラノに続いて、今回のカターニア・パレルモをハブとする旅程はまったくお見事としか言いようがない。本当に効率的(日程的に)でコストパフォーマンスの高い(費用的に)組み方だと思う。このような日程を組める日本人は僅かだと思うし、Kazuさんの並々ならざるイタリアへの情熱と憧憬のなせる技だと感心する。私も見習いたい。
追伸
カテゴリーに「カターニア」もお願いします。

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かずさん、こんにちは。 (なおこ)
2019-12-30 19:04:14
そろそろ日本のお宅に無事到着されて、ほっと一息つかれているところでしょうか。

シチリアは、モンタルバーノや歴史番組で風景を見るたびに思うのですが、威風堂々とした建物が並び、けれども色合いが石の素朴な色を基調としていて本当に町並みが美しいですね。チェファルーの大聖堂も、外も内部もすばらしいこと。

かずさんはご旅行中、わたしはクリスマスや年末年始でばたばたしがちな時期ではありますが、またいつかお会いできる日をたのしみにしています。

お帰りになった後も、また年末年始で慌ただしいことでしょうし、お疲れもあることでしょう。どうかお体を大切に、よいお年をお迎えくださいね。新年もよろしくお願い申し上げます。
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sachiさんへ (kazu)
2020-01-02 22:01:29
sachiさん、明けましておめでとうございます。お返事が大変遅れてすいません。無事に自宅に帰っております。その途端、現実が(笑)そうそう、エレベーター、まさしくその音がします。ロンドンなんてこんなエレベーターだらけのような気がしますが、sachiさんも経験済みでしょうね。ほんと何でも慣れた頃に帰国です。あっ空港ピアノ、ご報告のとおりでして、でも一カ所だけでなく、各場所にピアノが置いてあったのには驚きました。そんなに沢山弾く方がおられるのですね。
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tomaさんへ (kazu)
2020-01-02 22:24:19
明けましておめでとうございます。お返事が大変遅れて申し訳ありません。こちらこそ、このたびも沢山のコメントを頂いてありがとうございました。そんな風にお褒めいただいて恐縮です。今回もバスがらみの失敗~スムースな旅はいつになったら出来るのか、お恥ずかしいです。それと、ノルマン宮ですが、ご紹介頂いた著者の方の言われていることなど、宮殿入り口に模型などを使った展示があって詳しい説明がしてありました。こんな時、入ってから見るか見てから入るかですが、やはり日本で予習しておくのが一番ですね。
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なおこさんへ (kazu)
2020-01-02 22:43:50
なおこさん、新年おめでとうございます。コメントをいただき、ありがとうございます。今期は、シチリアに渡りましたが、北イタリアと違って、先ず、暖かいのには驚きました。そして建物も雰囲気も違って、シチリアは面白いなと思いました。なおこさんにはお電話をしようかと思ったのですが、毎年一年で一番お忙しい頃だと分かっていたので失礼しました。イタリアに渡ってもなかなかお会いできませんが、いつか機会を見つけて又お目にかかれたらと思います。なおこさんも、お身体ご自愛になって、又良い一年をお過ごし下さいね。ブログも楽しみにしております。
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街も美しいですね (広島れもん)
2020-04-12 16:41:31
結婚式に会われるなんて、ほんとに幸運でしたね!
私が行く頃には券売機はあるかもしれないけど、サントステファノ・カマストラ駅に券売機があるかわからないし、朝のうちに3枚の切符を発券するのはドキドキするのでやっぱりネットでとった方がいいですね。そしたらホテルでゆっくりご飯が食べれるかも(笑)。
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