サン・ダミアーノ修道院へは
ヌォーバ門を出て、矢印の方向に下りていくのが正しい順序
町の東にある大きな駐車場からサン・ダミアーノに向かう私でしたが、エスカレーターを見つけたことから、もしかしたら新発見が他にもあるかも知れないと、広場を横切り車道へ下りて行きました。頭の中に入っていたはずの地図が少しづつずれていくのにも気付かず、愚かにもこの道もサン・ダミアーノに続くだろうと勝手に思い込んでいたのです。
しかし、どの道をたどっても中心地に着く旧市街と違って、ここはもう郊外です。車の専用道路も通っていて、道路一つ間違えると裾拡がりにとんでもない方向へ行く。ついに私はオリーブ畑の中に入り込み、やっと道を間違えたことに気が付きました。しかし案内を乞うにも周辺には人っ子一人居ません。お天気のいい日中だったからさほど不安感はありませんでしたが、畑のど真ん中でただ一人、これが日の暮れていく夕方だったらどんなにか心細かったことでしょう。
サン・ダミアーノから望む迷子場所^^;
如何に方向が違ったか…
やがて道路の先に車が止まっているのを見つけ、その方向に歩いて行くと大きな建物も見えてきて、その前にはバス停と駐車場も現れました。ここが病院だと分かるのにさほど時間もかからず、やっと人心地付くことができたのでした。
アッシジの病院
病院から出て来た、年の頃は70歳~くらいのご婦人に、「サン・ダミアーノに行きたいのですが、道を教えて下さい」と話しかけると、「あっらーそれは大変、遠いわよ」と言われてしまいました。そして、このご婦人を迎えに来たらしいご主人とおぼしき人を呼んで何やら話した後、私に助手席に乗るよう手招きをして車のドアを開けました。どうも送ってくれるらしい…。私は一瞬躊躇しましたが、アッシジには悪い人はいない、という確信の元、ご好意に甘えることにしたのです。
しかし、車は、どんどん訳の分からない方向へ走っていき、ぐるぐると林の中に入って行く…歩いて来た道のりを思い出しても、覚えてきた地図を頭に描いても、何でこんな方向になるのかだんだんと不安になっていきました。おまけに、以前見たアメリカのホラー映画、人の良さそうなお年寄りの車に乗ったばかりに林の中の一軒家に連れ込まれ、身体をバラバラに切り刻まれる…も思い出し、あーもしかてぇー\(>o<)/
いやいや、なんと失礼なことを考えたことか、この親切なご夫婦のお陰で、オリーブ畑にいた迷える旅人は、無事にサン・ダミアーノ修道院のそばにたどり着くことが出来たのです。私が居た場所は全く以て見当違いの方向で、そこから車でサン・ダミアーノへ行こうと思ったら、ちょっとした峠をぐるりと回らないと行き着けない。私は御礼の言葉だけでは感謝し尽くせず、車が見えなくなるまで、ずっと頭を下げ続けていました。