イタリアより

滞在日記

タベルナ・アル・レメール(ベネチア)

2012年01月12日 | ベネチア

Taverna del Campiello Remer


繰り返しになって恐縮ですが、私が今回ベネチアでどうしても行きたかった場所…一つは前述しましたが、映画「旅情」の撮影場所になったサンバルナバ広場。そしてもう一つが、ベネチアの隠れた名所、このカンピエッロ・デル・レメール(この名前は、あくまで広場の名前です)でした。実は、ここを目指した理由がもう一つあります。この小さな広場にあるレストラン、「タベルナ・アル・レメール」です。日本では食通の方達が、「カンピエッロ レメール」と呼んでいます。

あっ又も食い気ですねぇ(^^)勿論、この広場を知ったことも感動的でしたが、今年は、新鮮な魚料理を食べさせてくれる、それこそ地元っ子しか知らないお店でベネチア料理を味わうのを楽しみにしていました。

こうした地元の方達が通うお店は、そのほとんどがクリスマスの前後お店を閉めてしまいます。このレストランも例外ではなく、滞在二日目に訪ねて行くとクリスマス明けの12月26日まで閉店と書いたお知らせがドアに貼られていました。私は28日の朝帰国予定ですが、27日ならどうにか行けそうです。いや、なんとしても行きたい!(笑)そんな訳でこの日、夜の予約を取ろうと広場にやって来て、件(くだん)の若者達に出会ったのでした。


てきぱきと働くスタッフ。人気のお店は従業員の動きも違う。


M君達に、食事の予約を取りに来たことを話すと一様に驚いた様子で、私は、やっぱりなぁと苦笑が漏れました。日本の女性が一人で、それもちょっとディープなお店に予約までして夜の食事に行くとなると大抵「えっ?」という反応をされます。特にイタリアでは、食事は家族や友人・知人とするのが当たり前なので余計に奇異に思われるのでしょう。でも、一人だから仕方ありません。一人旅で一番苦労するのが食事だといつもいつも思います。けれど、そんなことで引いていては地元の美味しい料理にはありつけない。それよりも、ベネチア料理を食べたいっという気持ちの方がうんと勝りました(^^)。


家族連れや常連客でにぎあう店内


昼の間に予約を入れて指定された午後8時に入店しました。店内はほぼ満席。皆それぞれワインを傾けながら談笑しています。私には壁際の小さな席が用意されていましたが、入口に近いしカウンターからも目が届いて寂しくなく安心できるテーブルでした。

それにしても、次々に来店する客たち、例え一人であっても、予約をしていなければとても入れなかったなぁ…そういえば、昼間に会ったイタリア人の男性が、「ここは老舗で、ベネチアでも人気の店なんだ」と言っていたことを思い出しました。


カウンターもすぐに人だかりが出来る


このお店のある場所、カンピエッロ・デル・レメールは、昔、ベネチアの有名なゴンドラのオールを作っていた場所なのだそうです。それが建設倉庫にもなって、しかし、やがて、この素晴らしい空間を背景にしたレストランによみがえったと地元紙に紹介されていました。そういえば、店内は意外に広い堅牢な石造りで、なかなか歴史のある風情を醸し出しています。更にこの地元紙には、グランドピアノの演奏も時にはあって友人のパーティを素敵に演出するともありました。今日はピアノの演奏はありませんでしたが、ギターの弾き語りが奥から聞こえてきて、成る程、と思いました。外では店内に入りきれない客が、思い思いのスタイルで飲んでいます。これがベネチアの「タベルナ」(食堂の意味)の姿なのですね。

さて、オーダーしたお料理~出て来ましたよ(^o^)-☆



insalata di frutti di mare


メニューを見せて貰いながら~

私:「海の幸のアンティパストとスパゲティが食べたいのですが、何かお勧めはありますか。
   魚のスープやリゾットも味わってみたいです」
スタッフ: 「ち、ちょっとお待ち下さい…今支配人を…」(なんちゅう客や。一人やろ。プリモもかぶってるし、ったく‥)


それらしき人がやってきて~

支配人:「あの…アンティパストはOKです。し、しかし、¢£%#&*@§☆¢¢£%#&*~」

と各料理の説明が長々とあって、私はところどころしか聞き取れませんでしたが、支配人のアドバイスは、一皿の量が多くて、あなたにはとてもとても食べきれない、オーダーのし過ぎだとのことでした^^;

そうだった!この手のお店は一皿2~3人分出てきて、それを各人がシェアして食べるのだった、と、私はやっと正気を取り戻しました。いつもなら、半分にして欲しいとか、量を減らしてほしいとかお願いをするのですが、まっいっかっ~(^o^)。

それから、ゆうに30分は待たされたでしょうか。出された海の幸の前菜。量の多さに覚悟はしていましたが、さすがにびっくり。しかし、それよりも何よりもなんて美味しい…言葉が出てこないほど、もう絶品でした。イカやタコ、ホタテに海老、鰯のマリネの味も品がよく、まさに私が食べたかったそのものでした。恐らく、このお店の一番の料理だろうと思います。そして…



これも海の幸のスパゲティ^^;。内容がかぶってしまうのを承知で、それでも味わってみたかった一品でした。スパゲティは自家製らしく、少し細めです。とろみのあるスープが熱々の麺にからまって磯の香りが広がります。これでもか~と言うくらい乗っけてくれた魚介類たちは、どれも新鮮で、白ワインにほんとによく合いました。このパスタは個人的には、少し塩味が強かったように思いますが、次回は「poco sale perfavore」(塩味を控えめにして下さい)と言おうと思います(^^)

(感激だったのは、このメニュー、私が海の幸のパスタは、スパゲティで食べたいと言ったので、特別に作ってくれたようでした)

あっ、これだけの量(多分4人前くらい^^;)、勿論全部は食べ切れませんでした。先程、説明をしてくれた支配人らしき人が、時々私の目の前にやって来て、「どうですか?」とにっこり笑って、顔をのぞきこみます。そのたびに、「とても美味しいです」(いやぁ、ほんとほんと、お世辞抜きで)と答えますが、もっと気の利いたことが言えたらな^^;。それでも、満席になった忙しいさなかに、こんな気配りをしてくれた「AL REMER」、私のお気に入りになったことは言うまでもありません(*^_^*)。

次回は、この広場に行く道順を綴っておこうと思います。知れば何と簡単。リアルトからこんなに近かったとは…。
コメント (2)
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