ランニングおやじの野望!

50歳を目前に突然走り始めた鈍足おやじランナーのトレーニング雑記です。

サトル・ムーブメント

2006-05-10 23:39:04 | ナンバ・古武術・動き
能楽師で、『能に学ぶ身体技法』(ベースボール・マガジン社)の著者・安田登氏が、大腰筋を活性化させるための動き=サトル・ムーブメントについて詳述している。(『安心』6月号、マキノ出版)

[subtle movement] subtle ⇒ かすかな、微妙な、敏感な

体の奥にある深層筋(インナーマッスル) が注目されているなかで、とくに重要なのが大腰筋。歩く・走るなどの基本動作に関わるとともに、背骨を支え、骨盤や股関節のバランスを保つのに大きな役割を担っている。


「大腰筋など深層筋の重要性は、何百年も前から経験的に知られていました。伝統芸能である能も、深層筋を活用する技法を多く持っています。
能にはあまり激しい動作のイメージがないかもしれませんが、すり足やその場で垂直に飛び上がるジャンプなど、実際には想像以上に身体能力を要します。
能楽師は長年の稽古を通じて深層筋を大いに活用しており、それが高齢になっても衰えない身体能力を支えているのです」

ところが、大腰筋をはじめとする深層筋は体の内奥にあるため、手で触ることも意識することも難しく、ほとんど使わずに眠らせたままになりかねない。

そこで、深層筋を鍛えるためには、まず活性化させ、眠りから目覚めさせて、使える状態にする必要がある、と安田氏は強調する。その活性化の方法が、サトル・ムーブメントなのだと。

「かすかな動きと、それを感じる微妙な感覚が重要なのです。日常の動作にはない、静かで微妙な動きと感覚が、深層筋を使うためには大事なのです。
能の動きの多くも、サトル・ムーブメントにほかなりません」

誰でも簡単にできるサトル・ムーブメントで、とくに大腰筋の活性化に役立つエクササイズとして安田氏が推奨されているのが「足ふり」。
これは、『能に学ぶ身体技法』の中では「脚ブラ・エクササイズ」と呼ばれていて(66ページ)、こちらの名称のほうが適切と思われる。

「振る」といわれると、どうしても頑張って力を入れて大きく振りたくなってしまう。
そうではなく、できるかぎり大腰筋だけを動かすように、あくまでも小さい動きをゆっくりとするのが最大のポイント。


●脚ブラ・エクササイズのやり方

①高さ10cmくらいの安定した台を用意する。古電話帳2冊をガムテープで止め、バスタオルでくるめば足が当たったときも安全。

②台の上に片足を乗せて立つ。腕を壁につけて、上半身によけいな力を入れないよう注意しながら背をスッと自然に伸ばし、体をまっすぐに安定させる。正面から見て、骨盤の左右が水平になるように。

③浮いているほうの脚を股関節からゆっくりと静かに前後に動かす。振る、というよりも、揺らす感じで。歩くときの歩幅より小さいくらいの幅で、あくまでも小さく、ゆっくりと。(目安として、1分間に30往復くらいのテンポ)
片脚を1~2分揺らしたら、反対側の脚も同様に。ヒザには力を入れない。


ブラブラ揺らしているうちに、大腰筋が活性化して、下に向かって伸びていくのをイメージ。

この脚ブラ・エクササイズは、大腰筋を意識して動かすことで、その効率的な使い方を脳に覚え込ませるのが目的。筋肉に負荷をかけて鍛える筋トレとは目的がまったく異なるので、力を入れたり速く大きく振ったり、回数を多くしたりしても逆効果。

なお、腹筋ばかりを鍛えるのも、大腰筋の活性化にマイナスになるらしい。

「大腰筋と癒着して動きを制限するおそれがあるのは、腹直筋です。一般的な腹筋運動で鍛えられるのは、この筋肉です。腹筋を鍛えること自体はいいのですが、大腰筋が活性化されていない状態で腹筋ばかり鍛えると、ますます大腰筋の動きに強いブレーキがかかってしまいます」

なるほど。連休中からこの脚ブラを始めて、やっとかすかに大腰筋の存在と動きが漠然と感じられてきたような気がする、subtleではない鈍感オヤジである。


朝16km 1:38'57”、心拍158。(脚ブラを準備運動のひとつとして実施)
夜、プールへ。クロール1500m+平300m。25m水中走3本、28~26"。
おんぶスクワット/素振り200回/腰割りなど。
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