ランニングおやじの野望!

50歳を目前に突然走り始めた鈍足おやじランナーのトレーニング雑記です。

『秀吉の枷』

2006-05-09 20:41:52 | 本・漫画・映画など
上下2巻、700ページを超える長編歴史ミステリー。
昨年、『信長の棺』で75歳の老新人作家としてデビューした加藤廣氏の第2作である。(日本経済新聞社刊)

自らを信長になぞらえ、改革の旗手気どりの現首相の「愛読書」として喧伝され、ベストセラーになった前作の続編にあたる。

おもしろいことは、おもしろい。だが、いかんせん冗長すぎる。


前作も「謀略史観の決定版」であり、「全編を通して謀略のオンパレード」と評される謀略小説ではあった。 (『信長は謀略で殺されたのか』洋泉社新書)
ただ、前作では語り部に伝記作家・太田牛一を配したのがストーリー展開に重層的な興味を加えていた。作家の心理と行動を作家が描くのだから、いやが上にもリアりティーに富み、ホントの話らしく読めた。

今回も前作の内容とほぼ重なる謀略説を秀吉の側に即して描いている。
秀吉が心理的に信長を超えていき、現実にも光秀の謀反に乗じて信長を謀殺するくだりまでは緊迫感があり、ひきつけられる。

だが、その後、後継者に恵まれず、ひたすら子作りに狂奔する一方、諜報戦で秀吉の上を行く家康に謀殺の証拠を握られ恐怖に怯える秀吉の姿は、あまり読みたくもないほど、くどい。

歴史学者から見て荒唐無稽であろうと、史実に反していようと、ワシら読者はエンタテイメントとして読んでるんであるから、いっこうにかまわない。
しかし、今回の作はストーリー展開の必要上からとはいえ、オヤジ読者への過剰なサービスが行き過ぎて、いささか辟易したオヤジであった。残念。


朝11km 1:10'40"、心拍160。
夜、おんぶスクワット、素振り200回、腰割りなど。

妻と小4息子は昨夜、オーストラリアから無事帰る。
コメント (3)
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