ランニングおやじの野望!

50歳を目前に突然走り始めた鈍足おやじランナーのトレーニング雑記です。

『ありがとうのゴルフ』

2007-05-31 22:17:41 | 本・漫画・映画など

60歳でプロゴルファーとしてデビューを果たした「還暦ルーキー」古市忠夫(ふるいち ただお)氏による、心打たれる手記である。(ゴルフダイジェスト社 2006年)

ゴルフを多少ともやっている方なら先刻ご承知の著名人であろうけれど、ゴルフ門外漢のワシは残念ながら全然存じ上げなかった。

1940年神戸市生まれ、ゴルフが趣味でカメラ店を営む「写真屋のおっちゃん」だったが、1995年阪神淡路大震災で被災、家も店も失う。奇跡的に焼け残った車のトランクからゴルフセットが出てきて、「これで生活せいと残してくれたんや」とプロテストをめざす。
2000年、1800人が受験し上位50人程度だけが合格するプロテストに41位で見事合格! 2002年には関西プログランドシニアでプロ初優勝を果たす。

「震災前まで私は『努力の人』でした。人生もゴルフも、積極的な心だけで突き進んできました。震災ですべてを焼失してみて、気づいたんです。自力で成し遂げたと思えば、必ずそこにおごりが生じ、いつか慢心につながり奈落の底に落ちていくだろうと」

ずっしりと重い言葉である。

「私がプロゴルファーになれたんは、努力したからでも、才能があったからでもありません。私は『心』で、20代のエリートたちに勝ったんです。
私が本書でお話したいのは、『ゴルフは心の格闘技』である、ということです」

どういうことだろうか?

「若者たちは合格したい一心で、300ヤードのティショットを打ちながら50cmのパットを外してしまいます。極度の緊張のために手が震えてよう打てんのです。そやけど私は、飛距離260ヤードが精一杯でも50cmのパットは絶対に外さんかった。
なぜなら私は、合格したい、なんてことは考えんかったからです。大震災で無一文になった絶望を乗り越え、今こうしてゴルフで最高の試練に挑んでいることに感謝して、一打一打『ゴルフできてありがたい』気持ちで打っとったから。
若者たちは、合格できへんかったらどないしようという『絶望』におびえながらゴルフしとったのに、私のほうは生き抜いてゴルフができるという『希望』に喜びを感じてプレーしとったから。結果が悪くても、落ち込んだり怯えたりしません。ボヤかないし、嘆かないし、グチりません。その差が出たんでしょう」

うーん……。そうか。「仙台」に出られるだけでもありがたいのに、いつの間にかワシの中でそれを当然のように思う驕りと慢心が生じ、ありがとうの心が足りなかったのか。
そもそも無事に元気で故障なく日々ランニングできるだけでも感謝しなければならんのに。

本書のサブタイトルは、「感謝の気持ちで強くなる、壁を破る」。
まさに心してめざしたい道標である。


雨上がりの朝、地下足袋でクロカン走40分(約6km)、心拍150。
夜、風雲急を告げ雷雨。室内でステップ運動など。

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負けないで

2007-05-30 21:06:25 | ことば・歌

できるだけ「明るい話題を」と心がけているのだが、多くのランナーの方々のサイトを拝見して、改めてZARD・坂井泉水さん急逝の衝撃の大きさを痛感している。

ほとんど年中無休で走っているリンク走友の大先輩も、ここ数日「走れない」と喪に服しておられる。
逆に、いつも以上に激走する方や、出張帰途の列車で車窓をぼんやり眺めながら『揺れる想い』を聴き涙する人も。
さまざまに追悼を。

とくに、名曲「負けないで」を自分への応援歌として励みにしてきたランナーは数多いだろう。


♪負けないで もう少し 
  最後まで 走り抜けて
    ……追いかけて 遙かな夢を 

  ……負けないで ほらそこに
  ゴールは 近づいてる 


朝、走休。体操のみ。
夜、「ロッキー」同好の士D-01さんから貸与いただいたDVD『ロッキー』のを観ながらステップ運動45分。

★セラティ・きょうの言葉 (22)

残念ながら今まで一度だって規則が選手を自由にし、その希望の羽を十分に伸ばしてやったことがない。

どの規則も“取締まり”の傾向が強く高圧的であり、選手の能力を解き放って今以上の力を発揮させるというよりは、進歩向上の足を引っぱっていると言っても過言ではない。

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腰回しダイエットがブーム?

2007-05-29 22:51:18 | 健康法

このところ、当ブログへのアクセス数が倍増している。
何事かと思ったら、「腰回しダイエット」ブームの余波のようである。

Yahoo検索サイトで「腰回しダイエット」と入力すると14万件以上ヒットするなかで、その最初のページの4番目になぜか「オヤジランナーの野望」が登場。
「腰回し」と入れても、ヒット10万件以上で7番目に出てくる。

昨年11月9日以来、何度か腰回しダイエットについて触れてきたが、いよいよ大ブーム到来だろうか?  オヤジとしては、「納豆」のようなことにならないことを願うのみである。

ちなみに、オヤジは朝晩の体操のなかに腰回しをしっかり取り入れて続けており、おかげでメタボリックとは無縁のスッキリ腰回りをキープ。
朝はテンポよく、夜はゆったりと大きく回している。
意識としては、「腰を回す」というよりも「股関節を回す」感じで。
腰割りを先にやった後に腰回しをすると、一段と快調に回せる(気がする)。

いつぞや昼間のTVで偶然、考案者 SHINOさん の実演を見る機会があり、47歳でウェスト56cmの見事なプロポーションに目が釘付けのオヤジであった。

朝、芝生で地下足袋ジョグ30分(約4km)。中間とラストに流し3本ずつ、心拍152。
夜、木刀素振りなど。


★セラティ・きょうの言葉 (21)

馬の研究から私の得た結論は、ストライドを伸ばすことにあまり気を配るな、ということであった。

1フィート
(約30cm) か2フィートの短いストライドでゆっくり走ろうとしても、1ヤード(0.91m)以上ものストライドで緊張したスローモーションの調子になって走ってしまう人がいる。

ゆっくりしたテンポで走ることのできない選手は、その基本的な身体の動かし方が自然そのままの技術の原則に基づいていないことは明らかだ。

 

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位置について

2007-05-28 23:16:37 | ことば・歌
土曜の早朝、小5息子の運動会当日。
体操しながらラジオを聴いていたら、「きょうは何の日?」というコーナーで面白い話が。

昭和3年(1928年)のこの日5/26に東京・神宮で開催された全国陸上競技大会で、スタートのかけ声として「位置について」「用意」……ドン!が用いられ、現在に至っているのだそう。もう80年近くになるわけだ。
それ以前、明治時代には「いいかー、ヒー、フー、ミー」や、「よろしいか」「したくして」などが使われ、定型化されていなかったらしい。
大正デモクラシーの時代になると、"On your mark! Get set! Go!!"と英語そのままも。

そういえば今年の本屋大賞受賞作『一瞬の風になれ』全3巻の各巻サブタイトルは、それぞれ「イチニツイテ」「ヨウイ」「ドン」だった。

本日走休、体操とその場運動のみ。
夕方、土曜運動会の代休で囲碁特訓中(今週末に重要大会予定) の小5息子を迎えに行く。100m走「1位記念」でバッティングセンターに寄って特打ち。

★セラティ・きょうの言葉 ⑳

私の初期の研究は、動物に関するものであった。
幾年間も優秀な競走馬のわきにつき添って観察を続け、名馬の骨格を研究したものである。

競走馬の研究から学び取ったことは、まず何よりも、馬は皆同じ身体の動かし方をするということ。
すなわち、疾走している1頭の馬のシルエットは、そっくりそのまま他のどの馬のシルエットにも重なるということであった。

もうひとつ興味のあったことは、猛烈な勢いで駆けている時にも、馬の体幹部は頭と背中のところで非常に小さい波を見せる程度のリズミカルな動きしかしていないので、小柄な人間がその上に「あぐら」をかいて乗っていられそうなくらいに安定していることだった。
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東京ストリート陸上

2007-05-27 20:03:05 | その他の雑記

「東京ストリート陸上」を見に行った。
11時頃、会場の丸ビル前に到着すると、すでに黒山の人だかりで騒然たる雰囲気が漂う。
かろうじて沿道の「観覧エリア」内に入れたが、ラッシュ時の満員電車並みの状況。

東京駅の赤れんが駅舎のすぐ近く、丸ビル前の道路の1区画を封鎖してマットを敷いて走路を作ってある。幅3m×長さ75m。レーン2本の50m特設コース。

午後1時すぎから「メイン・イベント」の為末選手、朝原選手らのパフォーマンスがあり、午前中はその「挑戦者」を決める小学生スプリンター15人による選抜戦50m走が行なわれた。
1位となって、為末選手への挑戦者に選ばれたのは7秒35をマークした女の子。
2位の男の子が朝原選手に挑戦することになった。

午後の最初に有木選手の棒高跳びが行なわれ、バーの向こうに見える信号機よりも高い5m20cmをクリア。大喝采が湧いた。

朝原選手の50m走は、挑戦者が10mのハンディをもらい40mで勝負。ほぼ本気で走った朝原選手がさすがに10m差をあっという間に逆転して先着。
為末選手は50mハードルを跳び、挑戦者はフラットな50m走での勝負。
本気で凄味のあるスタートダッシュで為末選手がいきなりリード、切れ味鋭いハードリングで6秒台の先着ゴール。
挑戦者の女の子も50m7秒32の自己新が出て大喜びであった。

マラソンなど長距離走以外で、こうした路上レースが開催されたのは日本初とあって、マスコミや見物客が殺到し、ずっとごった返していた。(初モノは珍しくて好まれる)
ニュース映像も各局から流され、話題づくりとしては大成功だったといえよう。

それにしても3時間にわたり、窮屈な姿勢で立ちっぱなしはけっこうつらいものがあった。後ろのほうから背伸びして前の人のすき間からチラチラ見える程度だったので、心身ともに疲れたオヤジであった。

丸の内から皇居を周回して帰宅ジョグ約2時間(約18km)、心拍112。

AM、月例川崎マラソン(多摩川) に参加。3km13分18秒/5km21分52秒。
ラスト3種目めの10kmはパスして丸の内へ急ぐ。

 ⇒ 東京ストリート陸上公式HP

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5/26 刀水AC練習会

2007-05-26 23:17:45 | トレーニング

夏のような日差しの暑い一日。
PM、埼玉・越谷の健康福祉村コースで刀水AC練習会に若干遅れて参加。

Fコーチから指導話。
「市民ランナーのかなり多くが、1年中フルマラソンのことを考えているような練習をしている傾向が強い。
そうではなく、たとえば今の時期であれば比較的短い距離でのスピードアップを図る練習に重点をおいて一段上のスピードを身につければ、秋以降のフルマラソン練習からレースに向けての土台づくりとなる。
そのためには、いつも練習会で取り組んでいる補強運動などで、正しいフォームと必要な筋力の養成が欠かせない。
スピード練習といっても、やみくもにタイムを追うのではなく、ふだんのジョグよりも大きなフォームで気持ちよく駆け抜けるイメージで」

というわけで、準備体操のあと、軽く1kmジョグ~補強運動~流し100m×5本(間を100mジョグまたは歩きでツナギ)×2セット。
流しの延長でタイムを気にせずに1km走。
とはいえ、ほとんど全力走になってしまい、3分41秒。心拍172。
各人のペースでのスピード練習の後、ダウンジョグは全員でそろっておしゃべりしながらコース(1.8km)2周で終了。

わりと時間厳守のワシが練習会に30分ほど遅れたのは、小5息子の運動会の日だったため。(以下、親バカ話題)
昨日の冷たい雨から一転、朝から夏のような強い日射し。
午前中の騎馬戦や八木節演舞を無事に終え、家族でお弁当を食べた後、いよいよ5年生全員155名の100m走。各6人組で息子はいきなり第1組。

これまで4年間、4位より上になったことがなく、「3位以上になりたい」との本人の希望で、この前の日曜には「高野進・かけっこ教室」で特訓。
今週も「世界卓球」をTV観戦しながら父子でFコーチ推奨の「その場腿上げ」をするなど、それなりに頑張ってきた。その成果や如何。
(100mのタイムは事前に計測してあり、この組では息子は4、5番手)

本人よりもオヤジのほうがドキドキして妻に笑われる。
スタート。よし、ドンピシャのタイミングで前に出た。
隣のレーンの子が迫る。ゴール手前で並んだ、抜かれたか?
いや、ゴール寸前でまた抜き返したようだ。
「1位係」の上級生が飛んできて息子の手を引いていく。
うおー、やった!!

いつもスタートは速いのに、その後、顔が横を向いたり上を向いたりムダな動きが多くて抜かれっぱなしだった。
今回は「まっすぐ前を見て、まっすぐ膝を出して」と、まっすぐ前に進むことだけを強調。
また、見ているとゴール直前にスピードを緩める子が多いので、「ゴールと思わずに突き抜けるんだ!]とだけ言葉をかけて送り出した。

その通りの走りを実行できて、事前の計測で19秒台だったのが2秒くらい速かったようだ。上出来。
予想外の結果に興奮状態のまま、刀水練習会へ急ぎ向かうオヤジであった。


※Fコーチ お訊ねの孔子の名言は、

「朽木はエるべからず、糞土のショウはヌるべからず」(『論語』公冶長 こうやちょう
(カタカナ部分は難漢字。残念ながら出せません……)

きゅうぼくは えるべからず/ふんどのしょうは ぬるべからず

「エる」は彫刻するの意。「糞土のショウ」は腐った土塀。
腐った木には彫刻できず、腐った壁には上塗りができないのと同じように、素質の悪い人間に対しては教育の方法がない、教育してもむだであるというたとえ。孔子が、弟子の宰予(さいよ)がなまけて昼寝しているのを見て言ったことば。
   (『成語林』 旺文社 より)

基本的には性善説、人間信頼の立場に立つ孔子さまも、よほどアタマにきてのご発言のようです。

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イチロー選手

2007-05-25 22:56:03 | その他の雑記

イチロー選手が日本人選手として初の大リーグ通算1000試合出場を達成した。
本人は「1000試合? もちろん知りませんでした」と淡々としたもの。

野球にはほとんど縁のないオヤジであるが、野球漫画とイチロー選手には関心あり。
今も、この自宅PCの前には、ある方からプレゼントいただいた「イチローTシャツ」が飾ってある。

ちょうど『イチローの流儀』(小西慶三著/新潮社 2006年)という本を読んでいるところでもあった。
この本によると、イチロー選手の手のひらにはバッター特有の固いマメがないそう。
野球選手らしからぬ「しっとりとした手のひら」が、バランスのよい体の使い方を象徴している、とオリックス時代以来の担当記者である著者は書いている。

本人の弁「力が入ると、マメだけでなく無駄なものができやすい。インパクトの瞬間にはもちろん力を入れるのですが、大事なのはそれ以外のときにどうなっているか、ですから。
マメは野球選手の勲章という人が結構いるでしょう? でも、マメがゴツゴツいっぱいできているのに打てなかったらカッコ悪いし」

いかにもイチロー選手らしいコメントぶりである。

明日の運動会が終わったら、「またバッティングセンターに行こうね」と小5息子。
実際はともかく、父子ともに打席での理想のイメージはイチロー選手なのである。


朝から雨降り、走休。体操とその場腿上げ10分、玉のような汗がしたたり落ちる。ゆっくりジョグよりもずっとハード。
夜、プールへ。まだ雨が降り続き、ガラガラにすいていて気持ちよく泳ぐ。平・クロール各500、約30分。、

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世界卓球

2007-05-24 21:18:40 | その他の雑記

世界卓球が始まり、中学卓球部以来ヘタの横好きオヤジも夢中でTV観戦中である。

「愛ちゃん」を含め、現在のトップクラス選手は圧倒的にシェークハンドのラケットグリップ。(テニスラケットと同じ握り)やはり可動域の広さ、とくにバック側の強さと安定感では、もう一方のラケットグリップであるペンホルダー(箸と同じ持ち方)に比べ有利と言わざるをえず、主流を占めているのもうなづける。

ところが、先日たまたま見た、ある卓球大会では圧倒的に、わがペンホルダー派が多数派で驚いた。
よく見ると若い人はおらず、中高年だけのシニア大会であった。日本が「卓球王国」として世界をリードしていた頃には、中高校の卓球部でもペンホルダーが全盛であった。

あれから幾星霜、あまりにも強すぎる中国をなんとか抑え込もうと度重なるルール変更にもかかわらず、依然として中国の王座は揺るがないようだ。

30~40代にかけて卓球とはしばらくご無沙汰だったワシが2001年(ランニングを始める1年ほど前)に、久しぶりに地域の卓球講習会に出てみたら、ルールが根本的に変わってしまっていて心底驚いたものだった。
「これが、21世紀の卓球か!」と。
(2000年) 従来のボール直径38mm(25g)から、40mm(27g)に変更
 (2001年)  73年間不変だった1セット21点制から11点制へ

翌2002年には、サービスの際の「ハンドハイド」「ボヂィハイド」が完全禁止され、サーブへの規制が一段と強化された……。

あ、始まったので今夜はこれにて。

朝、地下足袋クロカン走40分(約7km)、ラストに流し3本、心拍162。
夜、これから世界卓球見ながらステップ運動など。


……残念ながら3回戦で敗退。勝機があっただけに惜しまれる。

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『日本人の足を速くする』

2007-05-23 22:49:26 | 本・漫画・映画など

400mハードルのメダリスト・為末大選手の新刊。(新潮新書)
非常に面白く読めて、しかも「実利」がありそうな内容である。

この前の日曜、国立競技場で関東インカレを応援・見学した際にFコーチから「もう読んだ?」と手渡されたのがこの本。
観戦の合い間にパラパラ読んでみると、つい読みふけってしまいそうになるほど引き込まれる。
で、帰途ジョグの途中、本屋さんに寄って購入し、じっくり読むことに。

焦点は、「第1章 だれでも足は速くなる」と「第2章 速くなるトレーニング」である。

速く走るには骨盤の角度が重要で、やや上を向いている日本人は不利であり、正面を向いている欧米やアフリカの人々は体を直立させて速く走るのに適した骨格を先天的に持っている。
したがって、日本人は日本人に適した走り方が必要となる。

「走り方を変えれば速くなるんだ―― 私が明確にそう体感できたのは、2003年の冬でした。筋力ではなく、技術で足が速くなる、と確信したのです」

為末選手が体感した確信とは。

「今までとはまったく違った感覚でした。今までなら着地した時に地面から跳ね返ってくる圧力は膝にきていたのです。それが、膝を通り越して股関節にきました。
あたかも、下り坂を走っていてどんどんスピードが出てくるような加速感を感じました。極意の切れ端をつかんだような気がしました」

極意とは。

「速く走ろうと思っているうちは速くならない。自分の体に向いた走り方さえできれば、ひとりでに速く走れる――。それが極意です」

具体的には。

車で言うと日本人の体は、サイドブレーキを少し引いたような状態。
(骨盤の角度が、スピードを減速する役割を果たしてしまう)

⇒サイドブレーキを解除する必要あり

⇒骨盤を、前へ、そして下へ、傾ける意識を持つ

「つまり、上へ逃げがちな推進力をムダなく前へ持っていくためには、下へ押さえ込む意識が必要なのです。それくらいのつもりでちょうど、走っているときの骨盤の角度がようやく欧米人、アフリカ人と同じくらいになってくれます」

より具体的な身体操作としては。

「最大のポイントは、走る時の意識を変えることです。

走るというよりも、コケそうになるのをこらえる

という感じで走ると、速く走れます。
自然に真っ直ぐ立って、ほうきが倒れるように体全体を前に倒してください。重心が前に移動し、体重がつま先にかかって倒れこみそうになり、足がひとりでに前へ出るはずです。
この動作を連続して速く行なうのが『走る』ということです。
意識を変えて、骨盤がいい角度の状態で走ることができるようになれば、だれでも足が速くなります。
日本人が速く走るために必要なのは、筋力よりもむしろ、技術なのです」

なるほど。さらに為末選手はこう書いている。

「生まれ持った骨格上のハンディのために足が遅い」という現実をポジティブに考えれば、
「その欠点を修正するだけでサイドブレーキが解除されるから、足が速くなりやすい」という明るい未来が見えてくる、と。

この逆転の発想こそが為末選手の特質であり、10代後半で決断した100mスプリンターから400mハードラーへの転向、あるいは今夏の大阪世界陸上と来年の北京で「銅より上のメダル」を取るためにあえて500日間近くハードルを跳ばないなど、本書の随所で語られる競技人生の軌跡に、その哲学がにじみ出ている。

本書は、日本人が速く走れるための実用書であると同時に、「為末大」という異色のアスリートの軌跡と近未来、さらには遠大な夢をちりばめた詩集でもある。
その渾然とした複合が、足の遅いオヤジの胸を打つ。
今、この本を読めてよかった。

 ⇒ 為末大選手オフィシャルサイト

今度の日曜5/27には、東京・丸の内で路上ライブならぬ「ストリート陸上」を開催されるそう。観覧無料とのことなので、ぜひ見たいものである。


朝、地下足袋で芝生ジョグ30分。上り坂ダッシュ5本、心拍152。
夜、世界卓球をTV観戦しながら、その場腿上げなど。

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公認大会

2007-05-22 21:53:19 | レース

「仙台」の本番レースで3度目の今回も制限時間(1時間35分) をクリアできなかった。
来年も出場するためには、どこか他のレースでいわば「追試」を受けねばならぬ。

どこでもいいわけではなく、公認記録が必要となる。(陸連登録者として公認大会に出場する)
ワシの場合、追試レースとして2年連続で10月開催の「高島平」20kmロードレースを走らせていただいている。(20kmの場合は1時間30分以内)

できればパターン化するのを避けたいと思い、他になるべく早期に開催される、かつ、あまり遠方ではない公認大会を探してみたが、意外となかなか見当たらない。
そもそも、「公認大会」であるかどうかが必ずしも明確になっておらず、結局は大会事務局に問い合わせして確認しなければならず。
(日本陸連の年間表に主要なものは掲載されているが、たとえば「静岡駿府マラソン」や「焼津みなとマラソン」などはれっきとした公認大会であるのに記載がない)

大会検索サイトに「公認大会」のカテゴリーがあれば話は簡単なのだが。
結局、今年も高島平で勝負か……。


朝、クロカンコースを地下足袋ジョグ30分(約4km)、ラストに流し5本で締める。心拍150。
夜、その場腿上げ10分など。

[追記・6/4] その後、数人の方から「公認記録の取れる大会」に関する情報をいただいた。感謝。
とくに、エン様! お心づかいくださって感激。ありがとうございます。
熟考の末に、①本命⇒9/23 岩手・一関ハーフ ②押さえ⇒10/21 高島平20km ③スベリ止め⇒1/20 千葉マリンハーフ(今度は距離大丈夫でしょ!?) の三段構えで臨むことに。

★セラティ・きょうの言葉 ⑲

走法研究に関し、わがオーストラリアに住む原住民は無駄のない身体の動かし方という点で、願ってもない良い指針を与えてくれた。

彼らが走るのを見ると、腿の上がり方が少ないことに気づく。腿は、ねらいとする目的とスピードに達するのに必要とするだけ、上げているように見える。
ほとんどまっすぐのまま下に垂らした腕を少し内向きに前方へ強く振り、膝をあまり上げずに走ることによって、力をセーブした効果的なストライドを生み出している。

観察を続けた末、ついに私は、最高の選手とは、「未開人」やカモシカのような直立した姿勢と動作を持ち、競走馬の力強さと迫力をもち、トラやヒョウのようなしなやかさと"キラー"の鋭い本能をもつものである、と確信するようになった。

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