尖閣諸島における中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突状況を海保が研修用として編集したものが、4日(木)「ユーチュウブ」によって流出しそれを直接または一部をテレビで誰もが見る事態になっている。
それを流出させた海保の主任航海士が、10日(木)上司である船長に告白したため、警視庁による任意の取調べが続いている。国家公務員の守秘義務違反の、刑事事件として逮捕起訴の裏づけを取るためである。
この事件をめぐってメディアは、連日取調べの事態の進展と識者といわれている人たちのコメントを報道している。インターネットで流出させたということから、ネットでも意見が飛び交っているという。また、海保には流出させたことへ賛意のコメントが多いという。
現在問題になっている主な点は、次のようなことである。
①守秘義務に違反にあたるか。
②政府が秘匿情報にしていることへ海保が義憤を募らせての行為だ。
③情報を渇望していたので、国民の知る権利にこたえたものだ。
④ジャーナリストとしてもリーク情報として必要だった。
⑤内部告発であった。
⑥海保の情報管理の甘さとその責任。
①については、捜査当局場合によっては裁判所の判断によるところとなろう。②③④⑤は
まったく正統性はない。⑥は業務上映像情報を共有または研修に使用する慣行があったというが、今回のビデオは、捜査の証拠物であることと外交上の影響等から検察と政府では秘匿指定が遅かった(10月18日)にせよ、当初から公開せず秘匿扱いだった。
わたしは今回の海保の航海士の取った行動は、刑事罰の根拠となる守秘義務に当たるかどうかの問題もあるが、より大きな問題を含んでいると考えている。海保というのは、船舶に重火器を備え捜査逮権を持ち領海警備にあったている重要な政府機関である。その者が、単独で「ユーチューブ」という手段を通して、しかもAPECという重要な国際会議主催国として開催直前、さらに国会が補正予算すら滞っている時期におこなった、ということである。政府機関の職員による内閣に揺さぶりをかける、情報テロといってもいいのではないかと、とらえている。ハンドルネームのSenngoku38は、「せんごくさんパー」と読み解ける。
現に流出以降、野党自民党を中心に内閣の責任問題に焦点当てており、国会審議の渋滞は続くだろう。これまでの通常国会を見れば、自民党の戦略は論戦というよりは、内閣に心理的圧力をかけ民主党政権が無能だということを作り出そうというシナリオで動いているのではないだろうか。自民党の質問は、一部の週刊誌のように辛らつな言葉の揚げ足取りが圧倒的に多いことからも推察できる。
海保など政府機関に、公務員としての職務を逸脱して内閣を無力化するグループ等が存在しなてほしくないと思いたいほど、わたしは危険な状況を感じている。
外交問題は偏狭なナショナリズムで沸きたちがちがゆえに、「知る権利にこたえた」などと賞賛してはいけないのである。
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それを流出させた海保の主任航海士が、10日(木)上司である船長に告白したため、警視庁による任意の取調べが続いている。国家公務員の守秘義務違反の、刑事事件として逮捕起訴の裏づけを取るためである。
この事件をめぐってメディアは、連日取調べの事態の進展と識者といわれている人たちのコメントを報道している。インターネットで流出させたということから、ネットでも意見が飛び交っているという。また、海保には流出させたことへ賛意のコメントが多いという。
現在問題になっている主な点は、次のようなことである。
①守秘義務に違反にあたるか。
②政府が秘匿情報にしていることへ海保が義憤を募らせての行為だ。
③情報を渇望していたので、国民の知る権利にこたえたものだ。
④ジャーナリストとしてもリーク情報として必要だった。
⑤内部告発であった。
⑥海保の情報管理の甘さとその責任。
①については、捜査当局場合によっては裁判所の判断によるところとなろう。②③④⑤は
まったく正統性はない。⑥は業務上映像情報を共有または研修に使用する慣行があったというが、今回のビデオは、捜査の証拠物であることと外交上の影響等から検察と政府では秘匿指定が遅かった(10月18日)にせよ、当初から公開せず秘匿扱いだった。
わたしは今回の海保の航海士の取った行動は、刑事罰の根拠となる守秘義務に当たるかどうかの問題もあるが、より大きな問題を含んでいると考えている。海保というのは、船舶に重火器を備え捜査逮権を持ち領海警備にあったている重要な政府機関である。その者が、単独で「ユーチューブ」という手段を通して、しかもAPECという重要な国際会議主催国として開催直前、さらに国会が補正予算すら滞っている時期におこなった、ということである。政府機関の職員による内閣に揺さぶりをかける、情報テロといってもいいのではないかと、とらえている。ハンドルネームのSenngoku38は、「せんごくさんパー」と読み解ける。
現に流出以降、野党自民党を中心に内閣の責任問題に焦点当てており、国会審議の渋滞は続くだろう。これまでの通常国会を見れば、自民党の戦略は論戦というよりは、内閣に心理的圧力をかけ民主党政権が無能だということを作り出そうというシナリオで動いているのではないだろうか。自民党の質問は、一部の週刊誌のように辛らつな言葉の揚げ足取りが圧倒的に多いことからも推察できる。
海保など政府機関に、公務員としての職務を逸脱して内閣を無力化するグループ等が存在しなてほしくないと思いたいほど、わたしは危険な状況を感じている。
外交問題は偏狭なナショナリズムで沸きたちがちがゆえに、「知る権利にこたえた」などと賞賛してはいけないのである。
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