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身近な生き物:不思議な生き物

2024-06-12 06:29:49 | 日記
白い毛糸

 世の中には不思議な生き物がいるものです。
先日森林公園を歩いていたら、茂った樹木の間の薄暗い空間にふたつの
白い輪が浮かんでいました。
毛糸が枝に絡んでいるのかと思ったけれど、よく見ると両端は樹肌に密着し、
長さ5~6センチ太さが2~3ミリほどのそれは毛糸の質感とは別物
。検索するとヒモワタカイガラムシの名前が出て来ました。
 白い毛糸に見えたのはこの虫の卵嚢でした。
メスの成虫がロウ状の物質を分泌して卵嚢を作り、中に産卵をするのだそうで。
驚くのは卵の数、たった数センの毛糸の中に3000個も産み付けると
wikipediaには書いてありました。

 てっきり卵嚢だけが木にへばり付いているのかと思ったら、実際には一方の
端がメスの体なのだそうで。
 実物を見ても全く気付かなかったけれど、毛糸の先端には一見すると
貝殻の様な物があり、それがメスの本体なのだとか。
 毎年5月が産卵の季節、その様子を捉えた奇跡の1枚がネットにありました。
接写をした画面に映っているのは薄黄色をした植物の種の様な物と、それに
隣接する白い泡の様な物。(趣味の自然観察、デジカメ持ってお散歩 より)
黄色がメスの体で、白っぽい物がメスの体内から押し出された始めた卵嚢でした。

薄汚れた毛糸

 6月は孵化の時季。
<幼虫は0.5ミリしかないが小さな体には6本の脚がある。
枝先の若葉まで移動すると葉裏に定着し、触覚や脚を畳み体は半透明の
目立たぬ姿になる。
秋になって落葉し始めると幼虫は枝に移動して越冬する>(倉敷昆虫同好会 より)
 無事に冬を越した幼虫は翌年成虫になりますが、ヒモワタに比べると随分と小さめ。
メスでも3~7ミリしかなく、オスに至っては僅か1~2ミリの姿です。

 ところで孵化した幼虫が旅立ち捨て置かれた卵嚢はどうなるのか。
そんな物に興味を持つお方はいないかと思ったけれど、検索したら奇跡の
1枚がネットにありました。
 それは樹肌に密着していた一方の端が切れて垂れ下がった姿を写した写真。
ぱっと見は枝に掛かった鳥の糞、もしくは千切れた白い毛糸が枝に絡みついた
末に薄汚れた姿。
 もはや3000個もの卵を護った威容の面影はありません。
子育てを終えた定年後のうらぶれた己の姿と重ね合わせ、いかんいかん
自虐的な発想は止めようと頭を振るのでした。
 ヒモワタカイガラムシの用済みの卵嚢の前で頭を振るホモサピエンスのオス。
世の中には不思議な生き物がいるものです。





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