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腐葉土は不要?

2016-09-10 06:25:07 | 日記
さあ定義をしてみましょう

 秋祭りが近づくと毎年の事ながらお宮の掃除当番が回って来るので、今年も
境内の掃き掃除をしてきました。
今はまだ少ないけれど来月になれば大量のケヤキの葉が落ちて、掃除の後には
落ち葉を詰めたポリ袋が山積みになります。
 うまくしたもので、腐葉土を作るから、とそれを軽トラで持ち帰る方がいて
きれいに片付いてしまいます。
 あんなに大量の葉っぱを腐葉土にして一体どう使うの?腐葉土ってそんなに
必要な物なの?

 毎週土曜日は生活の中で生じた極々小さな疑問を取り上げていますが、今週は
「腐葉土の基礎知識を学ぶ」です。

 先ずは自分の言葉で腐葉土を定義して、使う目的を考えてみましょう。
「落ち葉が土の中で腐った物。畑の土に漉き込んで土壌を改良する」
一見正しそうな私の答えですが、正答と比べると大きな間違いがありました。
 「腐葉土とは植物の葉が堆積し虫や微生物の力を借りて分解されて土の様に
なった物」を指し「粘土質の土に有機物を漉き込んで、作物を作るのに適した
黒土に変える」為に使われる、とあります。
 つまり葉っぱは腐ったのでは無く発酵したのであり、栄養分は僅かながら通気性、
保水性、保肥性を高める重要な働きをする物なのでした。

無くなったら大変な理由

 全ての植物の葉が腐葉土に適しているかと言うとそうではありません。
イチョウ、カキ、サクラなどの仲間、あるいはスギ、マツ、ヒノキなどの針葉樹は
除外です。
これらの葉は油分や水分が多かったり、腐りにくい成分が含まれていたりして
腐葉土には不向きです。
最も適した葉はクヌギとナラでケヤキ、ポプラ、カエデ、クリ等が続きます。

 腐葉土はあるのが当たり前、その価値が顧みられる事などほとんどありません。
もし無くなってもあまり騒がれないかもしれません。
 実際代替品も登場しています。
それはパーク堆肥と呼ばれ、樹木の皮を意味するパークを発酵させて作られています。
土壌の改良効果は腐葉土と同程度、敢えて違いを言うならば、パーク堆肥は炭素が
多いので花や実の成長を促し、腐葉土はチッソが多いので葉の成長を促す点くらいです。

 腐葉土が無くてもしっかりと代わりを務める存在はありますが、もしも気候が大きく
変わって腐葉土ができない環境になったら大変です。
日本では常緑樹の葉も平均して1、2年で寿命が尽きて落ち葉になっています。
落葉樹などを含めると国全体では毎年1ha当たり数トンの落ち葉が生まれると
推計されています。
 これらの膨大な量の葉っぱが分解されず、カラカラに乾いて粉々になって空中に
漂う様になったらどうなるでしょうか。
中国のPM2.5を遥かにしのぐ大気の汚染物質が誕生してしまいます。
 腐葉土も大事ですが、腐葉土を当たり前のように作り出してくれる現在の日本の
気候や風土は掛け替えの無い大切な物です。
 お宮の掃除をしていたらケヤキの葉がそんな事を教えてくれました。
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