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1983年2月7日の蔵前生観戦

2016-01-22 07:00:32 | 日記
3対1の変則マッチ

 毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」をお届けしていますが先週からの
テーマは「昭和のプロレス生観戦」です。

 時は1983年2月7日、東京蔵前国技館で行われた新日本プロレスの興業です。
メインは悪名高き国際プロレス残党のラッシャー木村、アニマル浜口、寺西勇の3人を
相手にアントニオ猪木が単身臨む、3対1の変則マッチです。
この試合は前年に行われた同カードの決着戦として組まれ、これを目当てに超満員の
ファンが会場に詰めかけました。
 かく言う私も猪木の勝利を信じてドキドキしながら試合開始を待ちわびていた筈です。
しかし30年以上経った今、この日の記憶の中に猪木の雄姿はありません。
鮮明に残るのはあの男が放った強烈な一撃!その瞬間だけが蘇ります。

全ての記憶を破壊する一撃

 リングサイドの比較的前の方の席に座った私は見上げる姿勢でリングに向かっていました。
 試合はタイガーマスク対暗闇の虎・ブラックタイガー。
序盤は素早い攻めで優勢だったタイガーでしたが、ブラックのしつこい関節技に掴まって
から徐々にスタミナを奪われて動きが鈍くなっています。

 マットに転がったタイガーに容赦ない攻撃が続きます。
目の前で繰り広げられる戦いからは直に痛みが伝ってきます。
 タイガーが関節を捻じられると腕を振りほどきたくなり、寝そべった態勢でキックを
叩きこまれると反射的に体をよじって逃げ出したくなります。
 
 タイガー最大のピンチ、このままでは強烈なスープレックスか、受け身の取れない
パイルドライバーでとどめを刺される!
全身から力の抜けたタイガーをブラックが引きずり起こします。
とその時、タイガーマスクがその場跳びのジャンプ。
ブラックの頭を遥かに超える高さまで飛び上がったタイガーは後ろ向きに回転しくるぶしを
ブラックの後頭部に叩きこみました。
延髄ローリングソバットです!
 リング上のタイガーは重力の束縛を逃れて自在に宙を飛びました。
その時見上げる視界には天を駆けるペガサスが見えました。

 記録を調べるとローリング延髄を放った直後に原爆固めを決めて試合は終了しています。
しかしその場面はもはや記憶にありません。
そればかりか当日に行われたホーガンvsブラック・ジャック・マリガン戦や坂口・藤波
vs長州・カーン戦、などファン垂涎の試合も全く覚えていません。
猪木の試合ですら消し飛んでいます。
 タイガーが放ったあの強烈な一撃は、ブラックの延髄をえぐり取ったばかりか、私の中の
全ての試合の記憶をも打ち砕いてしまう強烈な物でした。
コメント
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