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昔我が家の庭にいた虫が、今や絶滅危惧種

2016-01-06 07:00:07 | 日記
ミノムシは芸術家

 冬枯れの庭でハナミズキの幹にぶら下がっているミノムシを見つけました。
正確にはミノムシが潜む蓑ですね。
下がると言うよりも幹にしがみ付くように小さな蓑がへばり付いていました。
 ミノムシはバラやサツキなどの葉を食べて寒くなる頃に繭を造ります。
その際木の葉や細い枝などを絡めますが、それが昔の人が使っていた蓑の様に
見える事からこの名前が着きました。

 小学生の頃に庭で捕まえたミノムシを取り出して、毛糸や紙片の中に入れて
巣を作らせた事を思い出します。
大事な蓑を壊されたミノムシは、毛糸や紙で覆われた色鮮やかな繭を作り上げました。
 小さな虫が織りなす予測不能な秀逸なデザインに心を奪われました。

 ミノムシの雄は悲しい存在です。
成虫になり交尾をすると直後に力尽きて死んでしまいます。
 ミノムシの雌はもっと悲しい存在です。
成虫になっても蛾の姿にはなれず、一生を蓑の中で過ごします。
交尾の後に蓑の中に1000個もの卵を産み、それが孵化した頃には死んでしまい、
やがて干からびて蓑の底の穴から地面に落ちて行きます。

我が家にもいたミノムシが今はもう

 日本には20種類以上のミノムシの仲間が生息しているそうですが、今日見つけた
物は1cm程の随分小さな蓑でした。
昔素晴らしいデザインを披露してくれた仲間は小さくとも3cmはあったでしょう。
奴らはどうしてしまったのか、気になります。
 どうやら以前は全国どこにでもいたオオミノムシは1990年以降激減し、今では
絶滅危惧種になってしまった様です。
理由は中国原産のヤドリバエの仲間のオオミノガヤドリバエが増えた為。
このヤドリバエはオオミノムシの猛烈な食害に悩んだ農業従事者が駆除の為に導入。
それが思いの他に威力を発揮して、今や種を根絶させる勢いだそうです。
 ここにも外来種と在来種のせめぎあいがありました。

 思うに好きで日本に来た外来種はいないでしょう。
何らかの目的の基に、あるいは意図せぬ混入等の果てに、無理やり連れてこられた
彼の地で生き延びる為に必死で適応したのでしょう。
 それが結果として人の為になれば有益とされ、害を及ぼせば目の敵にされる。

 人間の都合に左右される彼らの運命に関心を持とう。
注意力と忍耐力を養って観察をしよう、寒空の下でそんな思いに至りました。
コメント
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