あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

誤解に満ちたオオイヌノフグリ

2016-01-19 07:00:38 | 日記
冬の花?

 冬枯れの野道に咲く花は、ヨーロッパから伝わって日本の各地に根付いて年中
黄色い花を咲かせているセイヨウタンポポと、同じ様に明治の頃に日本に伝わってきた
この草くらいしか無いでしょう。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた山野草を取り上げていますが今週は、
オオバコ科 クワガタソウ属 オオイヌノフグリ です。

 水色の小さな花は他の植物が繁殖しないこの時期にはかなり目につく存在です。
田んぼの土手や歩道の隅でけだるそうに茎を広げ、薄緑色をした小振りの葉は頼りない
冬の日差しには少々不満足そうに見えます。
夏の盛りに日光浴をしたいのに何故に厳冬のこの時期に生まれてしまったのか、
文句のひとつも言いたいのでしょうか。

 オオイヌノフグリは春の花だと思っていました。
しかし生態を調べるとそれは大きな誤解でした。
 早春と言うにはまだ早いこの時期にたくさんの花を咲かせますが、春が終わる頃には
すっかり枯れてしまいます。
暑さの厳しい夏の間は種で過ごし秋になるとあちらこちらで芽を出して、ライバルがいない
冬に一気に根を広げて生息域を拡げます。
そして寒さの厳しいこの時期に早くも花を咲かせます。
 オオイヌノフグリは春の花ではありません。
春を先取りすると言うよりもズバリ冬に咲く花でした。

コートを着る草

 ところで厳寒の環境にどうやって耐えているのでしょうか。
虫眼鏡で観察すると茎や葉には短い毛がたくさん生えているのが分かります。
この毛がコートの役割をして雪や霜が触れるのを防ぎながら保温にも役立っています。

 思い違いはもうひとつありました。
小学生の頃に先生が「犬のフグリに似ている」と話した事を「花が犬のフグリに似ている」
と覚えてしまい、長い間可憐な花を見る度に「どうしてこれがフグリに見えるのか」不思議に
思っていました。
 最近読んだ本で「果実が同じ形をしている」と理由を知りました。
ふたつ並んだ小さな実を見ると確かに犬の後ろ足の付け根に下がっている物と同じ形に見えます。

 オオイヌノフグリは一番身近に咲く草のひとつですが、実は60年近くも長い間
大きな誤解を与え続けた植物でもありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする