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飛行と伴侶に全ての力を注ぐ鳥

2016-01-28 07:00:28 | 日記
そこには大人の事情が

 毎週木曜日はウォーキング中に目にした野鳥を取り上げていますが、アホウドリを
選んだのでは「どこで見たのじゃ、アホ」と言われそうです。
たまたま絶滅危惧種のこの鳥のニュースを目にしたのでタイムリーな話題として書きますが、
実は毎週出会った鳥の話も50週も続くと対象が無い、そんな大人の事情もあると
お察しください。

 絶滅危惧種のアホウドリが小笠原諸島の聟島(むこじま)で繁殖しているのが確認された、
とYHOOニュースで報じられていました。
この島で親子のアホウドリの姿が見られたのは戦後初めてだと言います。

 その昔、ほんの130年程前までは小笠原諸島近辺には天地を覆いつくす群れが繁殖
していました。
羽毛の価値が知られて捕殺の対象とされると、累計で630万羽が殺されてしまいました。
 一時は絶滅の瀬戸際に立たされたアホウドリでしたが、保護活動の成果が実り現在では
2570羽の繁殖が確認されています。
 不名誉な名前は、陸上での動作が緩慢で警戒心が薄く、容易に捕まえられる事に由来しています。

飛行原理を熟知した鳥

 翼を広げると2メートルを超える大きな鳥です。
飛び立つ映像を見ると、下りの斜面を頼りない足取りでよちよち走り、必死に羽ばたきを
して何とか地面を離れて行きます。
そんな姿もドンくさい鳥のイメージを与えます。

 しかしアホウドリはとんでもない飛行能力を持った鳥です。
その力は人間が科学の知識を駆使して作り上げた最新式のグライダーを凌ぐレベルです。
 海の上には陸上の様な上昇気流が吹いていないので、巨大な体を持ち上げるのは容易
ではありません。
そこでアホウドリは向かい風と追い風を上手に利用します。

 先ず風に向かって羽ばたいて、向かい風の力で体をどんどん上昇させていきます。
ある程度の高さまで上がったら今度は風を背中に受けて滑空を始めます。
その後はほとんど羽ばたかずに長い距離を滑るように飛行して行きます。
1メートル降下する間に40メートルも進み、時速は120kmを超え、1日の移動距離は
800kmにも及びます。
これは東京から北海道までの距離に当たります。

 飛行能力だけではありません。
最も大切な自然の摂理である子孫繁栄の為に、自分はどうあるべきかをしっかりと
悟っています。
熟年離婚が言われる人間とは大違い、生涯を同じパートナーと添い遂げます。

 進化の為のエネルギーの全てを飛行と種の保存に注いでいるアホウドリ、賢い鳥です。
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