週末を原村で

非日常性のユッタリした時の流れを信州は原村で。音楽を聴きながら星を眺め!最近は海外の旅の記事もアップします。

§ 日本から逃げていくグローバル企業

2019年10月03日 00時00分11秒 | たわごと(少し硬派に振って)

I ある意味、日本ほど自然災害の多い国は世界を見回してもそれ程多くないかもしれない。地球温暖化と相まって台風などの雨&風の被害は増々巨大な災害をもたらす。自然界に於いて、海の水かかき回し、地球の大気を攪拌することは重要な事である。でも、そこに棲む動植物にとっては恵みでもあると同時に災いでもある。地球の裏側のチリで起きた巨大地震の津波も拡散して再度反対側の日本で集積して甚大な被害をもたらす。東アジアの諸国にとっては日本は、そんな太平洋で起きる津波などの災害の防波堤である。環太平洋火山帯に位置する日本自体が地震を惹起する震源地でもある。フィリピン沖で発生する台風の進路の上に位置している日本。以前は秋になると偏西風が南下(北極の勢力が強まる為)してくることで、台風は日本に上陸する前に太平洋に曲がっていっていた。日本近海の海水温も高くなり、もろに日本を直撃する台風が増えてきた。台風の勢力も海水温の上昇で、日本近海に来てもエネルギーの補給を受けて増々巨大化し勢力を伸ばします。

II 地震の被害は、言うに及ばす、一度に降る降水量が増すにつれて水害や土石流の被害を大きくする。ヨーロッパ大陸やイギリスで長閑に川を旅する川船も、日本ではありえない存在です。日本における川はヨーロッパから見たら滝であり激流です。急峻な山地から短い距離で一気に河口に流れ下る地形はまさに滝そのものです。ヨーロッパ等その他の国々の川の如く、とうとうと流れる穏やかな大河ではありません。山に雨が降れば地中に浸透する地下水は別にして、短い時を経て海に流れ込むのです。台風の項目で述べた如く、海水温の上昇で大量のエネルギーを受けて海の水を上空に運ぶ力が増せば増すほど一度に大量の雨を降らせます。急峻な山地を抱える日本列島ですから、大量の水を包含した空気が上昇すれば山脈にあたり大量の雨を降らせます。高い位置に降った水は位置エネルギ―となり土砂などを巻き込み流れ下り災害を引き起こすのです。

III 地震が小さなエネルギーの蓄積の内にそのエネルギーの放出を繰り返してくれれば幸いですが、何十年・何百年に亘り貯め込んだエネルギーを確実に放出する事を過去の歴史が示してくれています。それでも、事前予測で正確な場所も、正確な時期も知る事が叶わないのが現実です。だからと言って悲観してする必要はありませんが、無いに越したことはありません。地球上には地震など皆無な安定したプレートの所の方が多いのです。世界から賞賛される地震や災害等の後の日本人の素晴らしい対応だとしても、その人的・経済的損失は計り知れません。今の科学で推測できる対策などに関して、法的にも公的にも企業的にも個人的にも立てる必要があります。政治的に国土強靭化なるものが叫ばれてひさしいです。自分が疎いのかもしれませんが、その掛け声の先の計画の進捗状況はいかにです。とんざしたのでしょうか。それとも着々と進んでいるのでしょうか。

IV 今回の千葉県の台風被害の電力のダウンの問題は東京電力の初期発表の見込み違いが大きな原因を占めていると思っています。そのために全ての対策が後手に回りました。しかし、ある意味大切な教訓を残してくれました。「喉元過ぎれば熱さを忘れる。」で高を括ってはいけません。生きるためのライフラインと電気の重要性を知らしめてくれたのです。電気が無ければ灯りがつかないだけの大正や昭和の初期のお話ではありません。今では、電気は全てのライフラインの中の基本の基本の大元締めです。水も配給できず、情報も伝達できず、医療機関も機能せず、21世紀に享受できている文化的な生活を総て失うのです。ガソリンスタンドでポンプを回す事も出来ず、病院で人工透析も出来ず、ATMで現金も下ろせず、携帯電話の電源の補充すらできません。数え上げれば数限りない近代的なシステムが全てダウンするのです。電気信号の依って動いているシステムは全て使用不能になるのです。現在の社会システムは電気によってすべてが依存する経済社会になっているのが現実です。文化の進歩の脆弱性を示す結果でもあります。総ての機能が稼働していれば何でもない現在社会ですが、一歩歯車が狂えば予備の備えが有ったとしてもその被害は甚大です。その事は、今回の千葉県の停電が証明しています。

 V 今回の台風被害に拠る千葉県での送電網の破壊による教訓を肝に銘じたでしょうか。私は「喉元過ぎれば熱さを忘れる。」で認識していない人が殆どだと思っています。地球温暖化する現在の地球上のエネルギー関係で台風がますます強力で巨大化するのは自明の理です。その事をわきまえずに、あんのんと過ぎるがままに時を浪費して対策を怠ればそれこそ大変な事態を迎えるのです。これは地震などの確率的な問題ではありません。毎年、確実に日本を襲ってくる問題なのです。最近何度か渋谷にお邪魔する機会がありました。渋谷は宮益坂の青山方面からも六本木方面からも、そして山手線を挟んだ道玄坂の上から下って来ても本来渋谷川が流れていた谷底です。その谷底深く新たに地下に駅を造りました。電気が流れポンプが正常に稼働していれば何ら問題はありません。勿論、地下にはポンプの力を借りなくても水を貯める巨大な地下水槽ができています。しかし、そのキャパシティーを越える事で起きるのが災害です。巨大な貯水槽、排水するための自家発電など機能する事を願わずにはいられません。

VI そんな、巨大な都市空間の東京の危うさを認識しているとは思えないのです。渋谷は現在の英知を集結していますからそんな想定外の災害との言葉を使う事はないとおもいます。東京都内での電線の地中化率は都内23区内ですら、8%弱(H29年度末の国土交通省による調査)だそうです。東京で同じ災害が発生し電柱が破壊されて時は、今回の千葉県の電線復旧に伴う被害に比べるべきも無い被害を被る事は必定です。そんな地に、世界を股にかけるグローバル企業が本社あるいはアジア統括本社を構える事が有ると思いますか。

六本木ヒルズに国際的な企業をテナントとして誘致した時企業から問われたことは災害時の抵抗力即ち対応力でした。どんな災害が六本木ヒルズを襲おうが、オフィスビルとしての機能がシャットダウンしない堅牢な強靭さである事は建設時の設計思想として息づいています。

しかし、六本木ヒルズがどんなに頑張ろうが問題が生じるのです。建物が倒れるとか、書類が散乱するとかの話ではありません。どんな災害が来ても完全のオフィス機能が維持できるかにかかっているのです。それが企業たる経営者が考える点なのです。陸の孤島とかして六本木ヒルズのみ企業活動が出来たとしても、足元の東京が漆黒の闇で自宅にも帰る事が出来ず、衣食住もままならない難民では仕方がないのです。仕事が出来たとして人として東京で活動する事が叶わないのです。

自分がグローバル企業のCEOならそのような危険を背負いこむことはできません。災害の少なく、英語が通じ、生活空間が安全なシンガポールなどにアジアの統括本社機能を構えますのは致し方ない現実なんです。

5Gの通信インフラが整い始める時代です。総ての指令がシンガポールなどの安全な地から発信する事が出来るのです。交通、情報の遅い時代ではないのです、すべて情報を送受信でき機構が停滞することなく遂行する事が企業にとっては重要で利益の損失を防ぐ重要事項なのです。一時の遅れが企業活動の経営判断に影響を与えるグローバルな企業であればあるほど、日本の存在価値は薄れてしまうのです。

再度申しますが経済大国の日本の東京に本社機能を置く必然性はないのです。

その為にも、日本に居住する日本人の為にも日本の国土強靭化の第一歩として電線の地中化によるライフラインの強化に努めてほしいと願わずにはいられません。

次が、低地のおける洪水対策でしょうか。どちらも東京や大阪にとっても大問題です。

 

参考資料です。無電柱化率などが記載されていいます。無電柱化コラム

こちらの東京都のユーチューブ資料は対災害に対する強靭化については少し認識がうすいです。景観と災害時などの復旧や救助の妨げになる視点を強くうったえています。東京の無電柱化

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カウンター