世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●MH17便撃墜を奇禍とし 米国はロシアをイラクの二の舞に

2014年07月20日 | 日記
21世紀はどんな世界になるのか――国際情勢、科学技術、社会の「未来」を予測する (岩波ジュニア新書)
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●MH17便撃墜を奇禍とし 米国はロシアをイラクの二の舞に

 時事通信はマレーシア機撃墜の情報戦がロシアとウクライナの間で起きていると報道するが、まったく違う。アメリカ、オーストラリア、日本の主たるメディアとの情報戦になっている。それが、現状の西側諸国のメディアの論調だ。冗談でも、ウクライナ対ロシアなどと云う矮小化された枠組みの問題ではない。こういう日本メディアのピント外れな論調が、安倍のピント外れの集団的自衛権に関する衆参両院の予算委員会における質問議員をコケにするような態度を見逃すのである。

 今や、環太平洋軍事同盟化しつつある{日米豪軍事同盟}はNATOにおける、各国の独立意思の尊重という概念を取り払った、“アメリカ教”軍事同盟に変貌しつつあることが最大の課題だ。このかなり強引な結びつきを強める日米豪同盟的状況が、NATOの結束の弱さを補完するように大きな枠組みで動いている。この動きと、ウクライナ東部上空で起きたマレーシア民間機の撃墜事故宣伝戦は、「911同時多発テロ事件」と同様の構図を持って、西側諸国のマスメディアを躍起とさせているのだ。EU(NATO)諸国などそっちのけである(笑)。

 ここ数日の米国メディアのロシア共犯説は、イラク大量破壊情報同様に、米国情報当局の好き勝手な確証的ではない証拠の連鎖によって、世界世論を己の味方に引き入れ、「イラク・フセイン」と「ロシア・プーチン」のデジャブに持ち込もうとしているのは確実だ。冷静に世界の情報戦を眺めていても、米日豪の突出した、見込み報道が目立ち過ぎる。環太平洋の軍事同盟の流れと、ウクライナ・マレーシア機撃墜事故報道が一致していることは偶然ではないだろう。この大きなトラップを見る限り、マレーシア機が、どこの誰に撃墜されたのか即断は到底できない。まるで、わが国の冤罪捜査を、警察検察リーク報道で、世論形成するのに、そっくりだ。

 バラク・オバマにとって、世界広しといえど、ウラジミール・プーチンほど、バラクの顔に泥を塗りまくっている男がいないのは事実だ(笑)。シリア化学兵器問題では、世界の恥さらしになったのだから、その恨みは深いだろう。ブッシュのように短絡的にチェイニーのシナリオで踊ったのとは異なり、自らウクライナで、ウラジミールに反吐を吐かせてやると云う計画性すら感じさせる。その為であれば、イデオロギーを封印して、国内のネオコンやウクライナのネオナチと結託するのも厭わぬ異様さが垣間見えるのも納得である。おそらく、バラクの今回の動きは、ウラジミールへの私怨と言っても過言ではない。結果論だが、マレーシア機の惨事もバラク・オバマが惹き起こした惨事と見ることさえ可能なのである。

 ≪ 第三国の犠牲、宣伝戦に躍起=撃墜事件でロシアとウクライナ
 【キエフ時事】ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派支配地域でマレーシア航空機が撃墜された事件で、政府軍と親ロ派の戦闘が続くウクライナ情勢は大きな転換点を迎えた。第三国の子供を含む298人が 犠牲となったことに怒りが広がる中、国際世論を味方に付けようと、ロシア、ウクライナ双方は宣伝戦に躍起になっている。
 ウクライナのポロシェンコ大統領は19日、死亡した乗客乗員の出身各国の首脳に哀悼の意を表明した。ロシアのプーチン大統領も18日に、犠牲者が最も多いオランダ、マレーシアの両首脳に弔意を伝えている。
  今後は撃墜の経緯の解明が焦点となるが、調査は長期化が避けられない。ウクライナ当局は管制記録を確保する一方、ブラックボックスを親ロ派に奪われたとの情報がある。親ロ派は国際調査団の現地入り前に、証拠隠滅を図っているもようだ。地対空ミサイルを発射した側は、国際社会から厳しく糾弾されることになる。
 オバマ米大統領は「東部の親ロ派支配地域から発射された地対空ミサイルで撃墜された証拠がある」と明言。プーチン大統領はウクライナの政権に責任があると非難しつつ、国際的な調査結果を待つべきだとの立場だ。ポロシェンコ大統領は「テロ行為」だと糾弾している。
  ロシア、ウクライナのメディアも相手国の批判に終始し、第三国の犠牲自体を取り上げた報道は少ない。ロシアの数少ない独立系メディア「ドシチ(雨)」は、 交流サイトに涙を拭うオランダ人、マレーシア人とみられる写真を投稿。「少しでも非難合戦をやめ、死者のことを考えよう」と異例の呼び掛けを行った。 ≫ (時事通信)

 バラク・オバマは、何が何でもロシアの地対空ミサイルシステム“ブーク”のミサイルが、親ロ派の支配下にあるウクライナ東部ドネツク州地域から発射されたのだから、撃墜したのは親ロのテロ集団だと語って、プーチンのフセイン化宣伝工作に躍起なようだ。ウクライナ親ロ派のスポークスマンは、あまり訓練を受けていないようで、ホワイトハウスのような手練手管は苦手なようだ。悪の枢軸リーダーのように名指しされているプーチンも、オバマのようにヒステリックに叫ぼうとはしていない。極めて抑制の利いた論調で、今回の問題に対し発言している。オバマがミュージカルで歌って踊っているとすれば、プーチンは歌劇の舞台で、目力で演技している老俳優のように見えてくる。まあ個人的には、パフォーマンス好きの西側よりも、東側の受け身な強靭さの方が好みであるので、バラクとセルゲイのどちらが好ましいかと云う趣味の問題でもある(笑)。


 ≪ ウクライナに墜落したマレーシア機は軍に撃墜された
  ロシアは、マレーシア機の墜落に関する状況を客観的に明らかにするために、できることを全て行うよう呼びかけている。ロシアのプーチン大統領によると、この悲劇の責任はウクライナ政府にある。
 外国人298人が、ウクライナでの戦闘の犠牲となった。ウクライナ南部・東部の上空を飛行していたアムステルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空のボーイング777が墜落し、乗客乗員合わせて298人が死亡した。今回の悲劇では、大規模な戦闘行為が行われている地域の上空が、なぜ民間機の飛行ルートとなっていたのかという疑問もある。だがプーチン大統領は、犠牲者の家族に哀悼の意を表し、もしウクライナ政府が南部・東部で軍事作戦を実施しなければ、間違いなく、この悲劇は起こらなかったはずだとの確信を示し、次のように語っている。
  「私たちは起こったことの客観的な状況が、ロシアの世論、ウクライナの世論、そして全世界の知るところとなるように、自分たちにできることを全て行う。こ の悲劇は、全く受け入れられないものだ。全ての人々は、この悲劇からしかるべき結論を導き出す義務がある。全ての人に、起こったことに関する客観的な情報 が提供されなければならない」。
 現時点で、今回の悲劇の原因について複数の説が存在している。恐らくマレーシア機は撃墜された。ウクライナ政府は、義勇軍がマレーシア機を撃墜したとして非難した。だがマレーシア機は、高度1万500メートルを飛行していた。軍事専門家のアンドレイ・クリンツェヴィチ氏は、義勇軍が保有している大したことのない技術で、このような高度を速いスピードで飛行する対象を撃墜するためには、かなり真剣に努力しなければならないと指摘し、次のように語っている。
  「このような航空機を義勇軍が撃墜するのはほぼ不可能だ。飛行速度は非常に速い。決断を下すための時間は1分未満。訓練を受けていない者は、恐らく反応が間に合わないだろう。そのため、マレーシア機はテロ行為によって空中で分解したか、あるいは戦闘機または地対空ミサイルS200のような本格的なシステム によって撃墜されたと考えられる」。
  ウクライナ軍はS200で民間機を撃墜した過去を持っている。2001年、ウクライナ軍は演習中にテルアビブ発ノボシビルスク行きのシベリア航空のツポレ フ154を撃墜した。撃墜事件では乗客66人乗員12人の全員が死亡した。ウクライナ政府は長い間撃墜を否定していたが、その後、ウクライナ軍が誤射した ことを認めた。ウクライナ政府は現在、以前のシナリオで行動している。ウクライナ政府は、戦闘行為が行われている地域でこのような悲劇が起こった罪も、取り返しのつかない誤射の罪も認めようとしていない。だが、真実は必ず明らかになるだろう。マレーシア機の「ブラックボックス」が、良い状態で発見され、解析が行われている。また世界中の追跡システムが、地上からのミサイル発射を必ず探知している。すなわち、もしマレーシア機が撃墜されたならば、ミサイルの発射場所を特定するのは難しくはない。
 米情報機関筋はすでに、墜落現場の周辺地域で「地対空」クラスのミサイルが発射されたと発表した。またマレーシア機を担当したスペインの管制官は自身のツイッターで、マレーシア機がレーダーから消える数分前、その隣にウクライナの戦闘機2機が見られたと書き込んだ。
  国際航空委員会はすでに悲劇の調査を開始した。マレーシア機が墜落した地域を管理している南部・東部の義勇軍のリーダーたちは、国際的な調査団や欧州安全保障協力機構(OSCE)の監視員、ウクライナ政府の代表者などが墜落現場へ訪れる際の安全を保証し、ウクライナ政府に対して、捜索・救助活動が行われて いる間の停戦を宣言するよう提案した。 ≫(ロシアの声: ナターリヤ コワレンコ)


≪ ロシア国防省:いかなるロシアの兵器も国境を越えてウクライナへ運ばれてはいない
 ロシア国防省の報道官は、地対空ミサイルシステム「ブーク」も、ロシア軍のその他の種類の武器も、国境を越えてウクライナへ運ばれてはいないと発表した。
 報道官は、「これを密かに行うことは不可能だ」と指摘した。
 報道官は、キエフ政権が「ブーク」の「着弾監視員」とされるロシア人2人を拘束したと発表したことを受け、「ブーク」などの兵器を密かにウクライナへ運ぶことは不可能であり、着弾監視員は、地上の標的に対する兵器システムのみを使用しているため、原則的に、彼らが「ブーク」を使用することはできないと述べた。
 ウクライナ保安庁のナリバイチェンコ長官は18日、マレーシア航空のボーイング777が墜落する前、地対空ミサイルシステム「ブーク」と乗組員が、ロシアからウクライナ領土に入ったとする声明を表した。 ≫(ロシアの声:イタル・タス)

マックス・ウェーバーを読む (講談社現代新書)
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