世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●官房長官の悪魔の舌先 福島・沖縄知事選に暗雲漂う

2014年09月17日 | 日記
複雑化する世界、単純化する欲望 核戦争と破滅に向かう環境世界
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●官房長官の悪魔の舌先 福島・沖縄知事選に暗雲漂う

 福島知事選は、現職佐藤雄平知事が出馬せず、副知事の内堀雅雄を後継指名する形で一件落着した。今までの流れから、民主、社民は内堀候補一転に絞っていたが、自民党本部も相乗りと云う選択肢で、福島県知事選を亡きものにする戦術に出てきた。自民県連が党本部の公認を求めていた元日銀福島支店長・鉢村健氏は日銀を退職したと云うのだから、同氏に対しては、自民党は然るべき大学講師、教授等の職の斡旋を確約したのだろう。

 これで、福島県は無風なのかと思っているが、現在の佐藤雄平知事の原発への様々な対応に不満のある反原発な考えの人々の民意の受け皿とはなっていない問題は深刻だ。その問題の受け皿として、既に立候補を表明していた、前岩手県宮古市長の熊坂義裕を宇都宮応援団、細川応援団が支援する態勢で臨もうとしていた。しかし、ここに来て、「美味しんぼう」等で存在感を示していた、双葉町の井戸川克隆・前町長が出馬するとあって、話はだいぶ複雑になってきた。熊坂氏は十二分に政治的キャリアはあるのだが、地元性では些か弱すぎる。井戸川氏は、地元性は十二分だが、政治キャリアになると、些か心細い。最悪なのは、反原発系が、またまた陣容が変わるのだが、分裂模様になっている。この勝負、掛け率は1:9な感じだが、現実はどのようになるのか、筆者は皆目見当がつかない。

 ただ、佐藤雄平の原発事故処理等々の姿勢を踏襲すると云うことは、福島県行政区温存のために、かなり乱暴で強引な県政を行っていただけに、棄民原発事故処理が続くわけで、反原発派の敗北的印象は拭えない。そういう意味では、内堀雅雄候補が民自公相乗りだから、引き分けと云う安直な答えではなく、反原発派の敗北という評価がなされるだろう。その意味では、負け戦を、引き分けに持ち込み、実質勝利する自民党の戦術は、現時点では、ツボに嵌っている。

 ≪ 前双葉町長の井戸川氏、福島知事選に出馬表明
 10月9日告示の福島県知事選で、同県双葉町の井戸川克隆・前町長(68)が16日、無所属で立候補する意向を表明した。一方、脱原発弁護団全国 連絡会代表を務める弁護士の河合弘之氏らが、立候補表明している前岩手県宮古市長の熊坂義裕氏(62)を支援する勝手連をつくることになった。
 井戸川氏は記者会見で「放射線量を正確に測り直し、県民を被曝(ひばく)させない環境をつくる」と述べた。東日本大震災前の2005年12月から昨年2月まで町長を務め、現在は埼玉県加須市で避難生活を送っている。
 また、熊坂氏を支援する勝手連は17日に東京で記者会見を開く。設立趣意書では「脱原発を明確にし『原発に頼らない経済社会』を公約に掲げる熊坂さんを勝手に応援することに決めた」としている。
 代表世話人には河合氏のほか、東電株主代表訴訟原告団の木村結事務局長、弁護士の海渡雄一氏らが名を連ねている。今年2月の東京都知事選で河合氏は細川護熙元首相を、海渡氏は日本弁護士連合会元会長の宇都宮健児氏を支援した。
 これまで福島県知事選には前副知事の内堀雅雄氏(50)ら計5人が立候補を表明している。 ≫(朝日新聞)


 植草氏の以下のコラム(抜粋)でも触れているが、どうも沖縄県知事選の動きがきな臭くなってきている。正直者から眺めれば、「悪漢・辺野古賛成・仲井真弘田vs善玉・辺野古反対・翁長雄志」の選挙構図なのだか、どうも奇妙な空気が流れている。下地が立候補したことで、嫌な予感はあったが、ここに来て、菅官房長官が内閣改造で、火中の栗“沖縄基地負担軽減担当相”等というポジションをわざわざ用意して兼務した点も、酷く不気味だ。そして、一昨日の植草氏の疑念の提示である。以下は、その部分の抜粋。

 ≪…… 立地自治体の住民による意思表示を目前に控えて、公約違反の埋立申請承認に突き進んだ仲井真弘多氏の行動こそ、万死に値するものである。 このような不正と欺瞞行為がまかり通るようでは、日本の民主主義の死と言わざるを得ない。 その仲井真弘多氏が、のうのうと知事選に立候補するというのだから驚きである。 仲井真氏はこの選挙での勝利を念頭に置いていないのではないかと思われる。 知事選を、表向き、辺野古基地建設賛成派と反対派による選挙に仕立てるために、役者として出馬するのではないか。 その疑いが存在する。 どういうことか。 辺野古基地建設反対を唱える人々は、元自民党の翁長雄志氏を支持する方針を示している。 基地建設に反対する団体は、基地建設反対を訴えて立候補する候補者について、 「埋立承認を撤回し、政府に事業中止を求める」ことを条件に掲げた。 ところが、この表現が修正されたのである。 新たな文言は次の通りである。 「新しい知事は承認撤回を求める県民の声を尊重し、辺野古基地を造らせない」 何が変化したのかというと、 「埋立承認撤回」の確約が取り除かれているのである。 菅氏が明確な言質を与えたように、辺野古基地建設を明確に阻止するために、何よりも重要なツールは、「埋立承認撤回」である。 「埋立承認撤回」を新知事が断行することにより、辺野古基地建設は止まる。 「埋立申請承認を撤回せずに辺野古に基地を造らせない」ことを担保する明確な根拠がない。 現に安倍政権は、辺野古の海にフロートを設置して、市民が海に立ち入るのを強制排除し、さらに、フロートが設置されている外側の海にいる市民に不当な暴力行為を働いているのである。 埋立申請を撤回することこそ、「辺野古に基地を造らせない」具体的な第一ステップなのだ。 このまま進めば、翁長氏が新知事に選出されても、基地建設強行が止まらない可能性が高い。このことをあらかじめ前提として、いわば、「やらせの知事選」が実施されているとの見立てを否定することができないのである。……。 ≫(植草一秀の知られざる真実より抜粋)


 筆者などは、仲井真弘多の立候補は冗談かとさえ思ったくらいだから、立候補自体からして奇妙なわけである。仲井真は立候補する前から、知事選敗北は承知していたような気がする。現在までに入っている情報を整理してみると、翁長候補がWスコアー以上で圧勝すると言われている。菅官房長官も、憎き翁長雄志、共産党からまで支持される保守などいるわけがないと、悪しざまなほど対立関係を醸し出している。しかし、絶対有利に思われている翁長候補への攻撃というより、自民党・保守の敵呼ばわりを敢えてしているように見えてしまう。何故かというと、完全に翁長候補が勝つ知事選だったのに、翁長候補が「埋立承認撤回」を明言しない立候補表明に至ったことで、“HATENA?”という空気が沖縄県民の間に広まりつつある問題を重視した可能性がある。その為の、対立構図の再構築なのではないか、という疑念でもある。

 ここまで、ファシズム態勢を抑制する世間の空気がなくなると、何でも出来てしまう、何でも起きてしまう、という奇怪な世の中が出現する可能性もあるだろう。また、筆者のように、見えているモノを何ひとつ信用しないような懐疑的思考が強くなる時代でもあるだろう。一人や二人、懐疑的なら、ひねくれ者だけで済むのだが、3割くらいのひねくれ者が醸成される土壌が出来上がることは、決して健全な社会ではなくなる。テロやテロに賛同する勢力が生まれたり、言論の自由も、封殺か自己規制に走ることになり、矢鱈面倒な世の中になりそうだ。

 たしかに、政治家が、あまりにも多くの約束を「公約」とすることで、政治の実務上、フリーハンドが奪われ、硬直した為政に走らざるを得ないジレンマを抱えたくない、という気持ちも理解はできる。しかし、やはり沖縄県知事選の翁長候補断然有利が命取り。翁長候補と菅官房長官の阿吽な寸劇である疑念はどうしても拭えない。枯れ尾花にも腰を抜かすような、政治の世界は、本当に疲れる。ここまで、裏切りや歪曲で強弁で、物事が進んでいくと、良心なんてものも、どこかに置き忘れたような気分になる。嫌な世の中になったのか、菅官房長官がここまで厭味な奴なのか、その辺はまだわからない(笑)。

福島原発事故 被災者支援政策の欺瞞 (岩波新書)
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1 コメント

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沖縄知事然り福島然り (夢想正宗(胴田貫))
2014-09-17 23:03:29
沖縄知事然り福島然り
私も あいばのの殿に同感だ 非常におかしい 猿芝居のような気がして来た そもそも 元自民党と言うのが怪しい しかし それに乗っかる共産党も怪しい こんな分かりきった構図 一体 政界は どうなっているのか? 共産党まで信用出来なくなって来た ただ反対で金儲けしてるだけだとしたら
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