世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●中立国家の構築は可能か “米中のケツ”からの脱皮

2018年12月26日 | 日記
ゴーン・ショック! 事件の背後にある国家戦略と世界経済の行方
クリエーター情報なし
徳間書店


●中立国家の構築は可能か “米中のケツ”からの脱皮 

無論、まだ日本は中国のケツは舐めていない。しかし、このままのアメリカであれば、30~50年後には中国がアメリカを凌ぐ国家になる可能性は濃厚だ。GDPと云う経済規模だけではなく、地上の軍事力も宇宙の支配力も中国が握る可能性が高いと見ている。政治への無関心層が増大した日本は、日和見的で、“空気”や“功利主義”に生き方を支配された人々に溢れることが、この流れだと想像できる。安倍首相の大の親友下村氏などが、教育勅語など持ちだしても、鼻で笑われるのがおちだろう。

いずれにしても、安倍政権は早晩終わるわけで、右へのネジまきも中途半端に終わるのだろうが、桜井よしこさんもご苦労なことである。日本社会を右巻きにも、左巻きにも、ネジを巻くことは残念ながら無理である。最近では、“空気”のことを、コミュ力と言い、“功利主義”のことを、合理主義と言い換える。まことに日本語は使い方一つで、その場をすり抜けるものである。仮の話だが、このまま日本にひっくり返るほどの社会的ショックが起きなければ、ごく当然のように、日本は親分をアメリカから中国に取り換えるに違いない。ふざけるなと言う人が多いのは理解出来る。しかし、30年50年後だ、我々の多くはあの世にいるわけで、手も足も出ないのだ。

個人的には、まずアメリカが嫌いだ。アメリカの文化は楽しめるしエキサイティングだ。もうあまり期待できないが、アメリカンドリームも魅力的だ。ただ、この国は方向性が複雑すぎて、常に政府的勢力が二つから三つある。どのこのアメリカの意向なのかを、常に吟味しないと、その正体を見損なう。これは、相当に疲れる観察で、政治外交経済等の分野で、常に担当者を悩ませ、同盟国をあらぬ方向に導く水先案内人が生まれてしまう。カウボーイのアメリカ人に、ユダヤ人が加わることで、戦略的と言うか、謀略的国家像が、強く印象づけられている。

要するに、指揮命令が、多方向から同盟国に向けて発動され、訳が分らなくなる国家権力なのである。日本人の多くは、いま現在も、日本はアジアではNO1の近代国家だと認識している人が、かなりいる。特に、その甘美な誤解にケチをつける気はないが、まったくの事実誤認だ。経済力も軍事力も中国が上である。ウッカリすると、中国は世界一の経済力と軍事力を獲得する可能性が濃厚だ。だからこそ、アメリカは、対中経済制裁を発動して、第二次大戦前の日本のように貿易で首を絞めようとしている。

中国が大衆をほおっておけば、第二の天安門事件が起きるかもしれないが、学ぶことの好きな現在の中国では、政治的には忍耐をおぼえた節が見うけられる。黙っていれば、いずれ我が世の春が来ると民衆が思いはじめている可能性も捨てきれない。つまり、将来の金持ちが喧嘩をする必要はないと思っているようだ。習近平は、しきりと覇権的行動を国際的に取るつもりはないと発言している。この言葉を額面通りに受け取ることは出来ないが、アメリカの多岐にわたる覇権主義よりは、共産党とのつき合いで済むぶん、外交安保は単純化できる。

個人的には、中国には冊封的支配を好む傾向は今でも残っているわけで、高圧と陰謀の両面から、日本を支配するアメリカよりはつき合い方は楽になると考えられる。正直、中国人の方が気の良い人は多い。口はウルサイし、飲めや歌えだが、笑って握手して裏切る人種ではない。その点、アングロサクソンやスラブ民族とは、相当に異なる。まぁ、好んで、中国の支配下に入る必要はないが、少なくとも、アメリカの支配にいるよりは楽になる。敗戦国なら、どこまでも、いつまでも支配し続けて、貪り食ってやるどう猛さはない。

現時点では、米国支配も致し方ないだろうが、何時かは、中国がアメリアを追い抜く日が来る。その時、日本はどうするのかだ。対米追随を続けるのか、日米同盟を解消し、一旦は中立のポジションを取るのか、ジワジワと中国寄りの国家になるのか、そろそろビジョンを考えても良い頃だが、今の安倍政権では、大日本主義なのだから、手がつけられない。やれやれ、株価でも大暴落して、1万5千円を割り込み、来年から就職氷河期が到来、反自民党の若者が増えれば、政治も変化するのだろうか。


 ≪中国vs“ファイブ・アイズ” 5G覇権巡り対立鮮明に  
【北京・浦松丈二】中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を巡る一連の問題では、「ファイブ・アイズ」と呼ばれる機密情報収集ネットワークを築く米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国対中国の対立構図が鮮明になってきた。背景には、次世代通信システム「5G」を巡るハイテク覇権争いがあるとみられている。
 「中国は長期にわたり米国のサイバーセキュリティーを破壊している、と米国やその盟友から非難されてきた。だが、米国が盗っ人たけだけしい自作自演をしていたことが明らかになった」
 中国外務省の華春瑩(かしゅんえい)副報道局長は24日の定例記者会見で、内部告発サイト「ウィキリークス」が多くの在外米大使館による盗聴機器の大量購入を暴露したことに関連し、米国と同盟国を批判した。
 現行の約100倍の通信速度であらゆるモノを結べる5G導入の動きは、ハイテク覇権争いを招いた。中国で5G開発を主導するファーウェイや中興通訊(ZTE)の製品を導入すると、機密情報が中国側に流れる危険がある――と米国側は主張、中国側は「事実無根」と反論する。
 豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューによると、ファイブ・アイズの情報機関は7月、カナダの首都オタワで会議を開き、中国を戦略的な脅威と認識し、その懸念を表明する時間を増やすと決めた。これを受け豪州は8月、5Gからファーウェイ排除を発表。ニュージーランドと英国が続き、カナダも近く発表する見込みだ。
 米国はファーウェイ製品を多く使っている日本やドイツ、イタリアなどへの説得も開始。日本は政府調達から事実上、ファーウェイ製品を排除する方針を決め、ファイブ・アイズに歩調を合わせる。
 米国は8月、ファーウェイ首脳に詐欺容疑で逮捕状を出し、米国の依頼を受けたカナダ当局が今月1日に身柄を拘束。中国も「国家の安全に危害を与える行為」の容疑でカナダ人2人を拘束して「人質」を取り合う展開になった。
 中国側は米国との通商協議を損なわないため、米国よりもカナダを強く批判。同盟にくさびを打ち込む作戦とみられるが、逆にファイブ・アイズの結束を促す結果を招いている。米当局が20日に中国を拠点に活動するハッカー集団「APT10」の中国人メンバー2人を情報を盗んだ罪で起訴したと発表した後、5カ国に加えて日本がAPT10への非難声明を出した。
 また、カナダが21日に「恣意(しい)的な拘束だ」としてカナダ人2人の即時解放を求め、同調する国が広がっている。華氏は25日の定例記者会見で、仏政府の懸念表明を受け「なぜフランス人はカナダ人だけを心配し、中国人を心配しないのか?」と不快感を示した。

注:ファイブ・アイズ
 英語で「五つの目」を意味する米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国の情報収集ネットワークの通称。第二次大戦中にドイツの暗号解読などで協力した米英に、戦後はアングロサクソン諸国を加えて協定を締結。加盟国間で傍受した盗聴情報や設備を共同利用する一方、互いの盗聴を禁じている。2015年には米国家安全保障局(NSA)がドイツや日本の要人を盗聴していたことがウィキリークスで暴露された。
 ≫【毎日新聞】

 

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