世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●新潟知事選 花角リード、池田”反原発”鮮明で逆転可

2018年06月02日 | 日記
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●新潟知事選 花角リード、池田”反原発”鮮明で逆転可

投票日まで、まだ1週間以上あるので気が早いのだが、自民党が支援する前海上保安庁次長の花角英世候補と、野党6党・会派が統一候補として擁立した女性候補・池田千賀子候補という、実質保革一騎打ちの様相になってきた新潟知事選の話をしてみよう。新潟県は、全体的に見れば、保守の強い農業県だが、田中角栄の出現以降、必ずしも保守勢力が優勢な選挙区ではなくなっている。どちらかと言えば、“県民党”的な候補者が勝つ傾向のある選挙区になっている。

特に、前々任者の泉田知事、前任の米山知事は反原発サイドに立って、勝利をものにしてきた。今回は、自民党としては、3連敗はどうしても避けたい選挙戦になっている。女性の政治参加も積極的県でもあり、政治への関心の高い県である。田中真紀子を先頭に、森ゆうこ、菊田真紀子、西村智奈美など。

今回、どうして、1週間以上早く、県知事選を取り上げたかと云うと、安倍晋三の三選の雌雄を決する注目選挙と見られる為である。花角候補が勝てば、新潟知事選でも自公が勝てるのだから、来年の統一地方選、参議院選も安倍総理で十二分に戦えると、自民公明の地方組織も勢いづく結果となり、自民党内で燻っている“安倍下ろし”は姿を消すものと思われるからだ。

つまり、花角候補の勝利は、自公政権が当分続くと云う確度の高い予測となるわけで、安倍自民の固定票群が勢いづく結果になると云うことだ。逆に、反安倍勢力は意気消沈する可能性も含むだけに、国政政治と直結した、重大な選挙となるのは必至だ。現時点では、花角候補が一歩リードしている模様であるが、池田候補が逆転できないと云う差ではなく、伸びしろも多いと目されている。

花角候補は二階自民党幹事長の秘蔵っ子と言われる人物で海上保安庁長官確実と言われていた人物だ。経歴から言っても、コテコテ霞が関官僚で、原発再稼働賛成の勢力に属しているわけだ。しかし選挙戦では、その本質を消し去る選挙戦術に出ており、池田候補と同様、不用意な再稼働には慎重な立場を訴えている。そのため、一般の有権者にとっては、両候補の差別化が難しく、中央に直結する政治と云う魅力分、花角候補が一歩リードという情勢に繋がっているようだ。

本来であれば、池田候補が、腰の引けた原発再稼働慎重の立ち位置から、一歩進んで、明確な“反原発”に舵を切れば、逆転の可能性の方が高いのだが、同候補は、柏崎刈羽原子力発電所7棟を抱えている柏崎市出身であり、思いは複雑なようである。その池田候補の都合を有権者は理解しているため、必ずしも“反原発候補ではない”という印象があり、選挙戦を有利な展開に持って行けないようである。

池田候補を担ぎだしたのは、誰あろう、自身が知事選出馬を促された、元民進党で現在無所属の菊田真紀子衆院議員(新潟4区)だ。17年衆議院選挙で、自民党の金子恵美前議員を完膚なき敗北を味合わせた“女勝負師”なのである。その点で、池田候補の人がらに問題はないのだが、柏崎市出身のため、今ひとつ、東京電力柏崎原発再稼働に関して、花角候補との差別化に苦慮している面が見られる。池田候補は、小泉純一郎の応援も得たのだから、もう一歩、反原発色を出せれば、当選は近づくものと思われる。

かたや、花角候補は当初“県民党”と称して、二階自民党色を消す戦術に出たが、菊田真紀子議員推薦の池田候補の立候補で、 “エセ県民党候補”であり“自民党候補”がバレバレになっただけに、市民派の票は期待できず、保守票の票田固めに熱を入れている。表立って動けばマイナスに響くと考えている安倍官邸は、官房機密費経由で現ナマ作戦を展開しているものと思われるが、小泉進次郎が親父の向こうを張って、花角候補応援に入るかどうかもポイントになる。

自民党系の花角候補は、池田候補の、「今後最低3年」に延ばす知事選公約を発表。検証終了後に「県民投票など」で再稼働の是非を問う方針も明らかにしたのにたいして、検証後、再度知事選を行う方向を表明している。結果的に、原発を争点から隠そうとした二階氏の戦術はうまく機能せず、否が応にも「原発問題」が選挙終盤にかけて、争点化されてきている。

池田候補は、腹を決めて、ここ一週間で、反原発色を出せるか。花角候補の方は、小泉進次郎集票マシンの応援演説をさせられるか、奇妙な要因になるが、選挙と云うもの、そんなものである。池田候補のウルトラCとしては、文春砲で痛い目に遭ったが、潔く辞任したことで、好感を持たれ、同情住民も多いだけに、米山前知事の応援演説と云う手もある。ただ、この勝負手が、吉と出るか凶と出るか、微妙な面もあるだろう。花角候補の方は小泉進次郎応援演説くらいが上積みなので、最後の一週間は、池田候補の追い上げの糊代の方が優勢だ。


≪新潟県知事選 「原発」再び争点 自民、あいまいに 野党、検証「延長を」
 新潟県の米山隆一前知事の辞任に伴う知事選が24日告示される。自民党が支援する前海上保安庁次長と野党6党・会派が統一候補として擁立した女性県議との事実上の一騎打ちとなる見通し。注目される原発政策では、野党が再稼働の判断を仰ぐ県民投票をちらつかせ脱原発色を強めているのに対し、自民党は原発を争点にしないよう腐心している。【竹内望、堀祐馬、南茂芽育】
 知事選には前海保次長で元副知事の花角英世氏(60)、社民党系県議の池田千賀子氏(57)が立候補を表明している。花角氏は自民党が全面支援し、池田氏は、立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の5党と衆院会派「無所属の会」が推薦し、与野党対決の構図となっている。6月10日に投開票される。
 「政府の原子力政策に流されるのではなく、県民の意に沿う検証を行う候補が必要だ」。今月8日に出馬表明した池田氏は、原発の安全性に関する県独自の検証作業が終わるまで東京電力柏崎刈羽原発の再稼働論議に応じない意向を示し、米山前知事の路線を継承する姿勢を強調した。
 2016年前回知事選で米山氏は、早期再稼働に反対する方針を掲げて立候補。共産、社民、生活の各党や民進党(当時)有志の支援を受け、自公系候補に競り勝った経緯がある。
 自民党は選挙戦で原発の再稼働に前向きな姿勢を示すのは得策ではないと判断。泉田裕彦元知事時代に副知事を務めた花角氏を擁立した。海保の元幹部である花角氏は「防犯防災の強化」を掲げ、起業を支援するなど経済再生に取り組む姿勢を強調。原発では、米山氏の路線を否定しないことで、池田氏との違いをあいまいにし原発問題の「争点外し」を狙う。花角氏は15日の出馬記者会見で「将来的には原発のない社会を目指す」と言及。県の原発検証結果が出るまで、再稼働を認めない考えも示した。
 花角氏のこうした姿勢を警戒した池田氏は米山氏が「2~3年」としてきた県独自の検証期間を「今後最低3年」に延ばす知事選公約を発表。検証終了後に「県民投票など」で再稼働の是非を問う方針も明らかにした。
 与野党幹部もこうした両陣営の方針を反映。池田氏を支援する立憲の枝野幸男代表は20日の新潟市内での街頭演説で「原発がいや応なく争点になる知事選だ」と強調したのに対し、自民党の二階俊博幹事長は21日の記者会見で「原発は選挙の争点には必ずしもならない」と述べた。 自公にすれ違い  新潟県知事選で、公明党は花角氏の「支援」を検討したが、「自主投票」とした。選挙協力を巡る地元での自公両党のすれ違いが原因だが、接戦が予想されており、自民党は「勝敗を左右しかねない」と気をもむ。
 公明党関係者によると、自民党県連と公明党の支持母体・創価学会の幹部が今月、県内で会談した。その際、自民党側が近年の国政選挙で創価学会側から十分な支援を得られなかったと不満を漏らし、両者の関係がこじれたという。
 花角氏陣営も党派色を薄めた「県民党」を掲げる考えで、自公両党とは一定の距離を置く方向だ。公明党関係者は「自主投票は仕方がないが、政党色を消しても、裏で組織をフル回転させなくて、どうやって勝つのだろうか」と自民側の対応に疑問を呈した。
 花角氏は自民党の二階俊博幹事長の運輸相時代の秘書官で、自民党は推薦を出さない場合でも全面支援する意向だ。二階氏は21日、首相官邸であった政府・与党連絡会議で「今後の重要な選挙としては新潟県知事選がある。必勝を期して全力で頑張りたい」と強調した。
 ≫【毎日新聞】


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