西日本大震災に備えよ (PHP新書) | |
鎌田 浩毅 | |
PHP研究所 |
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●お伽話な時事世論調査 が、しかし、民進党4.2%は本当だ
見出しの話の前に、「熊本地震」の話題。政府調査委員会とか云うものの見解では、二本の活断層によって生じた地震だとしている。要するに、地震大国日本においては、ごく普通の地震のパターンだと云うことのようだ。しかし、それにしても、震度5~6の余震が多過ぎやしないかと、懐疑的気分になる。必ずしも、地震のメカニズムの解明は道半ばであり、且つ想定外の連続なのだから、念のため、川内原発などは、一旦停めるのが常識なのではないかと思う。
≪ 熊本で震度6強、有明・八代海に津波注意報
16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする最大震度6強の地震があった。震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は 7.1と推定される。この地震で有明・八代海に津波注意報が出された。14日に熊本地方で震度7を観測して以降、津波注意報が発令されたのは初めて。 ≫(毎日新聞)
さて本題だが、あまり下世話な世論調査に反応しても意味はないが、時事通信の世論調査にビックリした。民進党の支持率が、民主党時の支持率5.6%を大幅に下回り、4.2%とに出たことに、まずビックリだ。そして、あろうことか、安倍内閣の支持率が、株価がボロボロになっていた11日の週の結果を受けても、2.7%増加して45.3%なのだと云う。こりゃあ、幾らなんでも、毒饅頭塗れの電通時事だとしても、盛りすぎだろう。NHKや北海道新聞の調査に対抗するために、明らかに世論誘導的臭いの強い調査結果を出している。
≪ 民進支持は4.2%=乏しい新党効果-時事世論調査
時事通信が8~11日に実施した4月の世論調査によると、旧民主、維新両党が合流して3月末に誕生した民進党の政党支持率は4.2%だった。3月調査では 旧民主5.6%、旧維新0.4%、計6.0%の支持率があったが、民進党への支持はこれを1.8ポイント下回り、新党に対する期待感の乏しさが浮き彫りとなった。 安倍内閣の支持率は、前月比2.7ポイント増の45.3%。3月調査は6カ月ぶりに下落したが、1カ月で上昇に転じた。不支持率は同2.1ポイント減の34.2%だった。
内閣を支持する理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」19.7%、「首相を信頼する」12.8%、「リーダーシップがある」10.7%などの順。 支持しない理由(同)は、「期待が持てない」17.7%、「政策が駄目」15.3%、「首相を信頼できない」14.4%などとなった。 政党支持率は、自民党が前月比0.8ポイント増の23.9%でトップ。民進が2位で、以下は公明党3.1%、共産党1.4%、おおさか維新の会0.8%、社民党0.8%など。支持政党なしは63.6%だった。
*安倍内閣支持率
*政党支持率
調査は全国の成年男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は63.4%。
≫(時事通信)
この電通時事の調査結果は、自民党や安倍シンパへの、虚しい応援歌なのだろうが、他のメディアとの調査結果が乖離し過ぎており、時事通信報道が北朝鮮報道に近似してきた証左なのだろう。報道言論の自由を奪われた国の報道と何ら変わらない。案外、悪手に手を出した感がある。日刊ゲンダイが、リーク報道の形を取り、“自民党解散総選挙で30議席減か”と報道した。実際には、40議席以上と云う噂が出ている。おそらく、北海道5区補選の風向きが、挽回不可能な領域まで突入した事がことの発端のようだ。
現実、安倍は4月17日に、北海道5区入りする予定らしい。16日土曜は災害プレゼンスで熊本、翌日、北海道の強行スケジュールだ。長谷川幸洋によると、大所高所の立場から、安倍首相は、二つの補選の結果に拘るほどチャチナ内閣総理大臣ではないそうだ。国家の大計である消費増税の先送りを、言を翻して実行するのであれば、国民に信を問うのは当然だと云う「王道」に徹しているから、W選は必至だと論を張っている。長谷川は、今井秘書官の広報係なので、今井の情報だろう。
筆者の見立ても、長谷川同様に、W選だろうと読んでいる。ただし、その解散総選挙を打つ、理由は「消費増税先送り」ではなく、憲法改正の発議に必要な、衆参議席2/3の確保に他ならない。これは、安倍にとって、宿願であり、日本経済がどうなろうと、知ったことではないほど重要な、ファクターだ。改憲発議が出来ないのなら、八百長閣議決定で改憲紛いを実行しただけの、ファシズムの典型政権として名を残すに過ぎない。これでは、爺様から、姑息な手段、日本男児にあるまじき、武士道精神にも劣る、と言われかねないわけだから、お得意の玉砕も厭わずということだ。
W選を決意している安倍首相の行動は、訪露、訪欧のセットがあることも、重要なポイントだ。15日、ロシア・ラブロフ外相が訪日、岸田外相と会談した。両外相の話の内容が表立つことはない。両国の外相が話し合い、5月に安倍首相が、ソチでプーチン大統領と会談する。この二つのセットだけでも、充分にプーチン大統領へのメッセージは伝達される。経済制裁にも限界があるし、米国もオバマの退陣が近いだけに、そろそろ、白地の外交状況を準備する必要に迫られているのだから、安倍にとっても、プーチンにとっても、男を上げるチャンスではある。ただ、選挙全体に、どの程度のインパクトを与える要因かは、不明だ。
≪ 日ロ首脳、5月6日会談 領土交渉が主題に 外相が会談
岸田文雄外相は15日、ロシアのラブロフ外相と都内の飯倉公館で会談した。安倍晋三首相が5月にロシアを訪れ、プーチン大統領と会談する準備を進めると確認。6日に南部のソチで実施する方向だ。外相間では首脳会談後に北方領土問題を含む事務レベルの平和条約締結交渉を速やかに開くことで合意。日本側は首脳対話で領土問題の前進をめざすが、溝は深い。
「今後の交渉に弾みを与えるような前向きな議論をした」。岸田外相は会談後の共同記者会見で、領土問題に前向きな兆候があったことをにじませた。2 年半ぶりに来日したラブロフ氏は従来の立場は変わらないとしたうえで「あらゆる環境の中で対話を継続する用意がある」と踏み込んだ。
外相会談は昨年9月と比べると、融和的なムード。前回は岸田氏が会見で「領土問題で突っ込んだ議論をした」と述べると、隣のラブロフ氏は「ロシア側は北方領土を議論していない」と反論した。今回、日本側は「極めて友好的な雰囲気の中で、実質的で中身の濃い議論が行われた」と説明。ロシア側に変化があったことを示唆している。
岸田氏は会談で「静かな交渉環境を維持するため、互いに配慮し相手の国民感情を傷つける言動を控えるべきだ」と働きかけ、ラブロフ氏も「そうすべきだ」と応じた。
安倍首相はプーチン大統領との対話を重ねて個人的な信頼関係を深め、停滞する北方領土交渉を進展させる糸口をつかみたい考え。首相の訪ロに続くプーチン氏の年内の来日について、岸田氏は「準備を引き続き行っていきたい」と強調した。
ウクライナ問題を巡るロシアと米欧の対立の中で、外相会談では接近ぶりを改めて際立たせた。プーチン氏は14日に「米国などパートナーの圧力にもかかわらず日本の友人は(ロシアとの)関係の維持に努めている」と日本側の対応を高く評価したが、ラブロフ氏は今回の会談でこの発言を何度も引用した。
ロシア側の期待も高い。ラブロフ外相は共同記者会見で、外相会談に関し「経済分野の協力に特に注意を払った」と述べた。貿易経済に関する日ロ政府間委員会を挙げ「投資分野などの協議を活発化することで一致した」と訴えた。
日米欧による経済制裁を念頭に「不自然な障壁を排除しなければならない」とも言及。ウクライナ問題を受け日本が米欧とともに踏み切った対ロ制裁について、緩和への協力に期待する。極東や中央アジアで勢力を伸ばす中国に対するけん制の狙いもある。
ただ、領土問題の進展につながるかどうかは予断を許さない。ラブロフ氏は15日の会見で「第2次世界大戦の結果を(日本側が)確認しなければならないというアプローチは変わらない」と強調。平和条約締結後に旧ソ連が歯舞、色丹両島を引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言の内容を重視する構えを訴えた。 日本は択捉、国後両島を含む4島の帰属問題を解決して平和条約を締結するのが基本方針。岸田氏は「歴史的、法的な立場に全く変わりはない」とし、認識の隔たりも改めて浮き彫りになった。 ≫(日経新聞)
異様に株価を切り下げておいて、今週は1000円ほど値を戻させ、補選への追い風を作ろうとしたようだが、少々着手が早すぎたように思われる。それにしても、選挙のためなら、此処までも頑張ると云う精神は、卑劣でお下品だが、見習うべき野党の存在も考えなければならない。時事通信の飛ばし記事とは言えども、民進党の支持率4.2%は、作り話であっても、流石に衝撃的だ。如何にもありそうなリアリティーがある点も笑える。筆者の感覚だが、野党と言えば、「共産・生活・社民と国民有志」と云う印象が強く、民進党は、昔の「みんなの党」みたいだ。それに、既得権益内で甘い汁を吸う「連合」の出先政党だろう、と云う印象が拭えていない。選挙で勝利するのは、候補者個人や「野党」の旗幟があるからで、「民進党」は、国民からエスタブリッシュ政党と看破されるだろう。
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