世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

” 改革解放! ” ミヤンマーの話ではありません、我が国ジャパンの話です

2012年04月18日 | 日記
消費税は民意を問うべし ―自主課税なき処にデモクラシーなし―
クリエーター情報なし
ビジネス社



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” 改革解放! ” ミヤンマーの話ではありません、我が国ジャパンの話です


 民主主義体制の下、主権在民は我が国の憲法で保証されている。故に我が国は国民に主権があり、その選択(選挙)によって選ばれた国家議員が立法府(議会)を司り、その議会で選ばれた内閣総理大臣が内閣を組織し行政の長となる。民主主義で法治国家である我が国は、立法・行政とは独立した形でチャンと司法と云う組織を有する。三権分立は立派に出来あがっている。ミヤンマーや中国や北朝鮮とは話が違う。しかし、見た目は民主主義、法治国家なのだが、どうも実態は似て非なるものになっている。

 09年、小沢一郎への国策捜査以降、民主党への政権交代、そして鳩山由紀夫失脚の寸劇、政権政党内でのクーデター政権・菅直人、そして次なる野田佳彦に至っては、ついには自民党政権以上に国民を騙し、蔑にし、民主党が国民に約束した公約のすべてを捨て去った。捨てるだけならいざ知らず、国民生活を更に悪くする為だけの政策を嬉々として行う異常政権の体を成している。この3年近くをウォッチングしてきた筆者も、そして多くの人々も“我が国の何処かが狂っている”と思ったに違いない。この感想は、右翼も左翼もなく持ち得る感慨なのが重要だ。

 ところで、これ程までに我が国日本が駄目な民主主義国家である事、小室直樹が20年前の著書でズバリ指摘している。あらためて、小室の凄さを感じるとともに、この儘だと何十年経っても日本は近代国家にすらなれないと脱力感さえ憶える。「日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義」(*同著書「田中角栄の遺言」の復刊)である。同氏の薫陶を受けた宮台真司氏は「特捜検察や尖閣問題のデタラメは、なぜ生じるのか? 制度だけ輸入し、近代のエートスを知らないからだ。 民主主義への無理解が日本を滅ぼすことを完全論証」と評している。弟子が師の著書を褒めるのは当然だが、真っこと、20年前にも同じことが起きていた。(田中角栄ロッキード事件)実は、民主主義を理解していない国民が最大の癌なのだが、国民に民主主義的行動をさせない目に見えない力が作用している点も重要だ。(*日本民族に民主主義が不向きだと云う学説もある)

 その目に見えない力と云うのが、官僚機構を頂点とする、日本の統治機構に他ならない。この統治機構は、“見えざる手”、僅かな恩恵であるメザシを国民に餌のように投げ込んで、離れですき焼きどころか酒池肉林に興じているのである。知ろうと思えば知ることは可能だが、生活に追われる国民が、その“見えざる手”に気づくことは滅多にないのである。ただ、官僚を頂点とする垂直統合システムは、「富の再配分」を持って成立要件としている。ところが、これからの日本は「不利益の配分」をする近代国家の道を歩む段階に入ってきた。此処に200年以上続いた垂直統合システムの落とし穴があった。いま、それを糊塗せんが為に、財務省は必死の決死隊で増税を企み、なんとか「富の再配分」態勢の再来を画策しているが、取るべき相手が再配分の対象である国民と云う倒錯に嵌っている。ビジネス社が小室の著書の簡潔な感想を書いているので以下に紹介する。

≪ 田中角栄裁判が、憲法違反の手続きで進められたか、のみならずデモクラシーの根幹を反故にするものであったか、そして田中角栄がいかにデモクラシーを体現した政治家であったか、を論じた、自由民主主義国家として日本が再生するためには日本国民必読の教科書である。
 本書の再刊にあたって、小室氏は編集者に「日本人にわかるかなあ…」漏らしたと言うが、現在の日本の政治家、官僚のみならず、庶民からマスコミに至るまで、本書の内容について知っている人、理解している人は砂漠の中の一粒の砂くらいしかいないのではないか…?
 日本人には汚職をデモクラシーのコストと考えるセンスがなかった。膨大なカネが掛かるものだということを国民が理解しなかった。 立憲政治の基礎(略)
 まず第一番目に、選挙公約は飽くまでも守らなくてはならない。守れないなら下野すべし。(略)
 第二番目に、対立政党の政策を勝手に盗んではいけない。
 第三番目に、君主の信任があるという理由だけでは、政治権力を持っていてはいけない (略)
 そして、一番大事なことは、議会における論争によって国策や政権党が決まること。 見事なくらい民主党政権はことごとくこれから外れている。
  最高の政治道徳とは無関係国民の経済生活を保障することである。良い経済政策を成功させることである。であれば、為政者の個人的な道義・道徳は問われるところではない。
 不況になって、世の中の人たちの給料が下がったり(略)人員整理に遭ったりすることは、一人一人の官僚にとって、本当は気分の悪くない話なのだ。
 役人の薄給は、世間の人たちの給料が下がることによって、相対的に上昇したことになる。心の底で、役人たちは景気の良くなることを望んではいないのである。
 だからバブルをつぶし、絶対にデフレ解消政策をとらず、消費税を上げたがるのか…。もちろん、これらは政治家の任務だが、本書で何度も指摘されているように、田中角栄以後の日本は官僚政治に堕している。
  「自由主義とは、政治の権力から国民の権利を守ること。民主主義とは政治権力に国民が参加すること」この二つは全然違うことである。
  「裁判とは手続きなり」(略)刑事裁判において、全て完全に合法的な手続きによって得られた証拠以外の「証拠」は、これを法廷に持ち出すことが出来ない。証拠とすることが出来ない。つまり、非合法な方法で得られた「証拠」は、証拠ではない。
 田中角栄(略)死に(略)よって日本政治は何を得たのか。
 政界は四分五裂の時代を迎え、議会で自由な議論を通じて国策を決定する気運は、最早見る影もない。立憲政治の終焉である。
 更に国権は政治家不在、官僚がこれを簒奪し、法律を作り、解釈し、施行するのは役人の一手販売と堕してしまった。デモクラシーの窒素である。
 又、絶対主権の所有者であるはずの国民はどうか。(略)公益・国益といったものの重要性、否、存在そのものを忘れ、「個人の原理」と「集団の原理」を同次元に説くマスコミの“無知”にまんまと乗せられ、私利・私益以外に、その関心を示すところが殆どない。
  約二十年前に現在の状況をズバリと予言しているではないか。≫(ビジネス社:Bookの感想)


 小室直樹氏の感慨「日本人にわかるかなあ…」は当時100%当たっている。しかし、今現在、40%くらいの日本人は小室氏の民主主義に対する警鐘を理解するようになっているのだと思う。僅かな期待くらい持たない事には、コラムなど書いてはいられない。しかし、それにしても野田民主党政権は酷過ぎる。今や完全に国民の敵となってしまった。おそらく、窮地に陥れば陥るほど、異常なほどの醜態を見せるに相違ない。最近では、逆張りを愉しんでいるかとも思える。是非、国民を巻き込まずに臨終を迎えて欲しいものである。

  今週中にも田中防衛大臣と前田国交大臣の問責が参議院で可決する按配だ。田中の問責にはやや無理がある、田中は無能なのだが、無能と云う判断は主観的で曖昧だ(笑)しかし、前田の場合は犯罪だからね、民主党内からも問責に賛成する議員が出ても良いくらいの話。この男だよね、建設省出身で八ッ場ダム建設中止方針を覆し、建設再開を決めた男だ。シロアリの政治家版の典型男。建設決定の日、群馬県知事や地元町長、自民党議員ら建設推進派に万歳三唱で迎えられニヤついていた男である。筆者も前田の問責に一票、田中の問責は欠席(笑)常識的に、この辺から野田政権はガタガタになって行く感じなのだが…。

 経団連のお抱え機関、21世紀政策研究所が、少子高齢化の本格化で日本は2030年代以降にマイナス成長に転じ、効果的な成長戦略を実施しなければ先進国から脱落しかねないとの見通しを示したそうだが、経済も3流になると云う事のようだが、それはある意味で良いことだ。バランスが取れている(笑)中身のない文明国などいらないのだ。見せかけの経済成長に浮かれただけで、資源もなく、軍事力もなく、外交交渉能力も欠ける、見せかけの世界第何位なんてのは、愚昧なプロパガンダに過ぎない。近代国家ではない日本に経済大国は相応しくなかったのだ。

 アジテーター石原がアメリカで「尖閣俺が買う!いや都民の税金で…」と外務省をぼろ糞に腐す。外務官僚が藤村ガマガエルに御説明、メッセンジャー官房長官は「国で買おうかな?」ホント只の馬鹿ですね。尖閣を弄り回していると、ウッカリすると、中国海軍が暴走する可能性があること忘れないでおいて欲しいものだ。防衛力に自信もない国家が戦略もなく手出しは無用だ。現に尖閣は実効支配しているのだから。都知事が言っている分には、そんな事言っていましたなで済むのだが、官房長官の発言となると、国家間の諍いを助長する。

 茨城沖のヒラメが放射能汚染で出荷停止。ふーん、厚生労働省の調べで160ベクレル?国民の多くはCOOPやスーパー各社の放射能情報の方しか信用していない。謂わば税金の無駄遣い検査と云うものだ。国、福島県の調査データは、もう無用の長物、やめなはれ!未だに福島原発放射能、海にダダ漏れなのだろうな~、それでも再稼働か。再稼働しないと、日本人の集団自殺?仙谷ってのは欲の皮突っ張り過ぎだよね。良い死に方はせんだろう。党内の(笑)

 エネルギープロジェクトチーム(PT、座長・大畠章宏元経済産業相)と原発事故収束対策PT(座長・荒井聡元国家戦略担当相)などの合同会議。約100人 が集まる中、仙谷氏は批判の矢面に立たされたようだが、攻撃の急先鋒山田元農相に口撃に最後は「サイレント・マジョリティーは発言しないからな」と捨て台詞。メジャーな小沢を暗に非難したようだが、野田・仙谷含め、この政権は長くはないだろうな。

 大飯原発再稼働問題で、福井県の関西電力からの寄付金漬け原子力安全委員会が最大限のポーズを見せている。しかし、喉から手が出るほど待ち望む再稼働に、生唾ごっくん!「電力が不足だからといって、見切り発車は問題だ」、「現場がどうなっているか自分の目で見ないと判断できない」等と勿体をつけているが、あげ膳据え膳の大名視察で現地調査が関の山、今季の寄付金の額で聞きに行くのだろう(笑)

 維新の会から民主党の「大阪都構想案」蚊帳の外。自公共同提案に好感、前原虚しく袖にされる。そりゃそうだ、一応政権与党ともなれば、官僚様のご説明、チェック後の案。野党のフリーハンド無責任案が優位になるのは当たり前。官僚が噛んだら、改革なんて一歩も進まんのだ。

 今さらなんだ!今から行政改革懇談会?おい岡田、今まで何をしていたのだ。懇談会は、岡田氏や政府の行政刷新会議の民間議員、有識者で構成。国家公務員総人件費の削減、国有資産売却などを検討するらしいが、いくらなんでも「土光臨調」に模すとはあまりにもあまり、冗談は顔だけにしておけ!しかし、懇談会とは行革も馬鹿にされたものだね(笑) 

 増税法案だけは強引に法案化したが、肝心の社会保障改革は総崩れのようだ。 年金改革ダメ、後期高齢者医療制度見直しダメ。行革含め、野田がしようとしているのは増税だけ。岡田のしているものは、すべて頓挫。イオン岡田家も頭の痛い息子を持ったものだが、色々国の払い下げ物件とか、天下りで情報キャッチとか、役にも立っているのだろう。(笑)

 あの物々しい鳴り物入りで3艘のイージス艦を東シナ海、日本海に展開した海上自衛隊だったが、結局北のミサイルだか衛星だかを探知できなかったと云う。破壊措置の地点に配備したため、追尾が出来なかったそうである。PAC3も、その機能が如何なるものか見てみたかったが、これもかなわず。ただの馬鹿騒ぎに過ぎなかったと云う、笑うにはあまりにも馬鹿げた騒動であった。悪口ばかり書いていると、肩がこる。時には晴れがましいコラムを書いてみたいものである。


日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー
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