世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

参議院選後に横たわる過激な政治局面、権力は何処へ行く?

2010年06月08日 | 日記

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参議院選後に横たわる過激な政治局面、権力は何処へ行く?

菅新政権の船出は予想以上の順風である。マスメディアは捏造だか誘導だかしらないが、世論調査の支持率数値を大幅にかさ上げしたようだ。

会期延長の扱いや予算委員会の質疑で大ドジを踏まない限り、参議院選の単独過半数は相当現実味を帯びてきた。

兎に角、マスメディア・官僚・米軍産複合勢力はたった一人の敵・小沢一郎の政治生命を奪取するためなら、何でもやるんだという強い決意の結果なのはたしかだ。 マスメディアの論調に合わせ、政策を行うクリーンな民主党の長期政権のコアはマスメディアの力によるものだと、声高に主張している。

今夜の報道ステーションにおける古舘キャスターはゲストの枝野を掴めて、マスメディアの論調を滔々と年次政治要望を演説し、枝野に殆ど話をさせない有様だった。まさに米国の年次要望書を代弁するがごときであったのには唖然とした。(笑)

まさに政治家に政治をさせず、国民に真実を知らせず、米国隷属を国益とするメディアの権力の濫用であるが、それを真に受ける多くの国民が居るのも事実で、まともな政治家を抹殺すようなメディア、特にテレビへの対処は民主主義の原点かもしれない。革命政府がいち早く国営放送局を占拠する意味が良く理解できる。

まぁ参議院選の勝利の為に、小沢が幹事長を辞任したのは事実であり、参議院の勝利は小沢も望むところなので特に異論はない。この調子でドジを踏まず、参議院単独過半数を確保して貰いたいものである。枝野の口ぶりに小沢への配慮が出てきたのも面白い。おそらく、選挙の陣頭指揮に当たる現実的自信がないのであろう。結局、小沢及び小沢軍団の支援なくして、陣頭指揮を執る事が非現実的だと、薄々判ってきたのかもしれない。

気が早いようだが筆者の興味は既に参議院選後である。民主党が衆参両院を掌握した時点で起きる民主党内の権力闘争に焦点は移る。

半年前には、民主と自民の2大政党の話をしていた筈なのに、今は民主党内の2大勢力が2大政党制の核になりそうな話になっている。 菅政権は党も内閣も旧民主党なのが歴然とするものなのだが、民主党の残りの半分の勢力は旧自由党(小沢)及び社会党勢力なのである。

つまり小沢派が若干有利だが、餌に食いついて現政権勢力に寝返る議員も出て来るだろうから、9月の代表選の趨勢は予断を許さない。

仮に菅と小沢の間で意志の共有があるのなら、代表選は菅に譲り、菅総理、小沢副総理兼幹事長(兼外務大臣)と云う事も考えられる。小沢シンパとしては溜飲を下げきれない気分にもなるが、握っている関係がある以上、一気に菅を引きづり降ろすには無理があるだろう。菅が小沢を差し置いてと自重すれば別の話だが。それでも、実質小沢の改造計画は実行出来るだろう。勿論、仙谷・前原・枝野系議員の粛清は当然の成り行きだ。

しかし、菅と小沢が代表選でガチンコ対決になる可能性も50%あると考えた方が良い。はじめから、握りがなかったか、菅が途中で約束を忘れ、政権に味をしめて裏切るかもしれない。この時鳩山グループの去就がポイントになるが、現時点では判断がつかない。

小沢か菅か?この対決は血で血を洗う激しい攻防になるだろう。小沢が勝った場合、小沢の総理総裁が誕生するのは間違いない。この方が小沢シンパにとって、スッキリした体制が出来るのは事実だ。驚くような閣僚が各省庁ごとに配置されるであろう。亀井静香、鈴木宗男、田中康夫、田中真紀子等など官僚との全面対決姿勢を鮮明にするのだろう。

政策立案戦略室を官邸につくり、小沢と通じる官僚OB財界人学者弁護士らのホワイトハウス並の政策集団を作り、一気呵成に日本改造を行う事になる。

しかし、ここで注意が必要だ。敗れた旧民主党系勢力が大人しく引き下がるとは限らない。小沢派が敗れたら党を割る可能性があるのは想定内の話だが、実は旧民主党系が皮肉な話だが民主党を割る可能性も否定は出来ない。

落ちぶれた自民党清和会とみんなの党他ご一同で徒党を組む可能性も念頭に置くべきだ。右翼と左翼の徒党のように見えるが、隷米賛成と云う点で、この2勢力は一致できるような気がする。菅にはそもそも政治理念等と云うものはないのだから気楽である。小沢が代表選に敗れ、党を割る確率に比べ、菅らが党を割る確率は少ないが、ゼロではないだろう。一応押さえておくべき留意点である。

小沢が万が一代表選に敗れた場合は、小沢はきっと党を割るような気がする。割らないとしたら、それは引退を決意するという事かもしれない。「日本改造計画」の道筋をつける為なら、小沢は悪魔とでも手を組むと思う。逆にそれでこそ小沢一郎である。悪魔を改心させれば良いだけの事だ。(笑)その相手は落ちぶれた自民党であり、公明党であり、社民党であり、あらゆる新党かもしれない。

変節者と手を組むようだが、自民党・公明党との連立も経験済みで、手綱は緩めることなく締められる。民主党内の反小沢グループを扱うより楽な仕事だ。旧民主の議員には、教条主義者が多すぎる。

日本の保守を最低限守る自主独立を標榜すれば、一定の理念の一致は出来る。マキアベリズムは政治家には必要だ。筆者としては、大袈裟な真の独立よりも、小沢の言うところの「普通の国」になる方向性に非常に魅力を感じる。

勿論この場合、日本改造計画は多くの手直しを求められる事になる。3年でつく道筋が5年10年かかる欠点がある。しかし、最悪の場合それも選択肢だろう。政治は理路整然とは進まない。権力を握る事に8割のエネルギーを要し、政策実行パワーは2割しか残らないのが今までの政治だ。

日本で政治を理念を持って行う事は、至難な事である点は、前々日のコラムで語った通りである。 その原因が、米国・官僚・マスメディアにあることも常に語っている。

先ずは、マスメディアと官僚特に外務省・防衛省・財務省そして検察庁の改革が急務なのだろう。そこにメスを入れられるのなら、小沢一郎が悪魔と手を組もうと、筆者は応援する積りでいる。

正直、民主党の代表選で勝利することがベストである。小沢派は党員・サポーター集めでも既に抜きん出た実績を確保しているので、まず負ける心配はないが、心配性の筆者としては、万が一の想定もしたくなるのだが杞憂である事を望むのみだ。


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