蝉の渓谷
「閑けさや 岩に染み入る 蝉の声」
西上州・南牧川の名勝、蝉の渓谷は夏の盛りにもってこいの1本。
芭蕉塚もあることからそれなりの所縁があるらしい。
ここでいう「蝉」は「狭水(せみ)」の転訛。
名に違わぬ狭谷はまさにゴルジュ。
戦闘服(ウエットス-ツ&ライジャケ)を用意して、幼少のころあこがれたヒ-ロ-戦隊ゴレンジャ-ならず、まさかゴルジャ-になるとは。
ゴルジュ突破といえばガストンさん。さすがに渋い所をチョイスしますなあ。
ネットで「蝉の渓谷」を検索してみるとやはりいるのだ。
遡行した方々が。
「山登魂」
「やはり!」というか「さすが!」というか。
素直に尊敬いたします。
直線距離でいえば300mほどの距離ですが、ポイントは2か所。
下部、狭い水路状の「蝉渕」そしてゴルジュの抜け口の滝(1m)。
そして何より、県道から丸見えというシチュエ-ション。一般的に見たら、おそらくは「奇特な」人達に映ることであろう。
つまり、蝉の渓谷にあたって必要なのは、そういった覚悟でもある。
駐車場から少し下って、遊歩道へ入る。橋を渡ったら南牧川へと下る。そこが蝉渕の入り口。
蝉渕は足が着くなら楽勝な場面であるが、残念ながら足はつかなかった。
意を決して泳ぎに入る。
半分までは何とか進むが途中、廊下の少し折れた所から流れが速くなる。
ザックを外してトライするがなかなかどうして進まない。
両岸もホ-ルド乏しくヤツメウナギも機能せず、力尽き、ガストンさんにバトンタッチ。
さすがガストンさん、屈曲部を超えロ-プは順調に引かれて行ったがその先でピタリと止まる。
窺い知れぬ状況に、こちらとしては手元の準備を進める。
次第に僅かながらロ-プが引かれ、60m(30m×2)がいっぱいになってsak自身も蝉渕の足の着くか着かないかという場所まで入ってホイッスルが鳴る。
距離でいえば70m位あったのだと思う。
あとはザックを浮袋にロ-プで引っ張られる。
屈曲部を過ぎてさらに左岸から小さな流れが入るとさらに流れが速い。
一瞬足が着いたが、すぐに深くなる。これはよほど泳ぎが達者でないと辛い。
ゴルジュ中ほどのゴ-ロ状で一休みして、しばらくは浸食した自然の造形を堪能しながらゴ-ロ状を歩く。
その先に出てくるのがゴルジュ抜け口の滝(1m)だ。
わずか1mと侮るなかれ。
まさに激流。
まずは試しにと取付いたガストンさん。
折れ曲がった先に滝を見るがこの屈曲部から先の水圧がすごい。
張り付いていた左岸の岩から引きはがされる。
あとはドンブラコ、ドンブラコと流されるほかない。
何度流されたことだろう。何度水を飲まされたことだろう。
しかし、その屈曲部から先の解決方法が見いだせない。
まさに「セミ」だ
ともかく、流れが強い、足が着かない、ホ-ルド乏しい、足元見えない。
想定して持ってきた装備を駆使し、あらゆる可能性にトライしてみる。
水線突破ラインに左岸カンテ人工突破ライン。
いろいろ試したがやはり水線突破に注力。
地道に一つずつパズルを解き明かしていく。
最後のム-ブはガストンさんの直感(さすが!)で、ダイナミックに。
やった-!水線突破-!
左岸カンテを人工で行ったならば、ちょっと微妙な空気が流れたかもしれないが、何とか水線を突破できたのは素直にうれしい。
初突破の山登魂パ-ティ-も「後続の楽しみを奪ってしまうわけにも参るまい。だから、正解を明かしはしない」と語った。
その意向に沿ってというか、そもそも蝉の渓谷はこのパズルを解き明かしていくのが楽しい、そういう所なんだと思うし、突破ラインはそれぞれ違うものだろう。
実際、今回のラインは山登魂ラインとはやはり違うものであったと思う。
激闘二時間半。この僅か1m滝でこれだけの激闘ぶり。
一ケ所、コパ-ヘッドの残置をしました。山登魂の記録にある残置ハ-ケンもなくなっていたので、おそらくはいずれ増水で流されてしまうことでしょう。
ここはそれだけ激流地点であるということが物語ってます。
あとは開けた場所にある滝を右でも左でも思い思いに行って県道に上がれば終了。
しかし、蝉の渓谷。
覚悟に値するゴルジュ。
突破後に待っていたのは、今まで激流の轟音にかき消されていた蝉の声だった。
sak
「閑けさや 岩に染み入る 蝉の声」
西上州・南牧川の名勝、蝉の渓谷は夏の盛りにもってこいの1本。
芭蕉塚もあることからそれなりの所縁があるらしい。
ここでいう「蝉」は「狭水(せみ)」の転訛。
名に違わぬ狭谷はまさにゴルジュ。
戦闘服(ウエットス-ツ&ライジャケ)を用意して、幼少のころあこがれたヒ-ロ-戦隊ゴレンジャ-ならず、まさかゴルジャ-になるとは。
ゴルジュ突破といえばガストンさん。さすがに渋い所をチョイスしますなあ。
ネットで「蝉の渓谷」を検索してみるとやはりいるのだ。
遡行した方々が。
「山登魂」
「やはり!」というか「さすが!」というか。
素直に尊敬いたします。
直線距離でいえば300mほどの距離ですが、ポイントは2か所。
下部、狭い水路状の「蝉渕」そしてゴルジュの抜け口の滝(1m)。
そして何より、県道から丸見えというシチュエ-ション。一般的に見たら、おそらくは「奇特な」人達に映ることであろう。
つまり、蝉の渓谷にあたって必要なのは、そういった覚悟でもある。
駐車場から少し下って、遊歩道へ入る。橋を渡ったら南牧川へと下る。そこが蝉渕の入り口。
蝉渕は足が着くなら楽勝な場面であるが、残念ながら足はつかなかった。
意を決して泳ぎに入る。
半分までは何とか進むが途中、廊下の少し折れた所から流れが速くなる。
ザックを外してトライするがなかなかどうして進まない。
両岸もホ-ルド乏しくヤツメウナギも機能せず、力尽き、ガストンさんにバトンタッチ。
さすがガストンさん、屈曲部を超えロ-プは順調に引かれて行ったがその先でピタリと止まる。
窺い知れぬ状況に、こちらとしては手元の準備を進める。
次第に僅かながらロ-プが引かれ、60m(30m×2)がいっぱいになってsak自身も蝉渕の足の着くか着かないかという場所まで入ってホイッスルが鳴る。
距離でいえば70m位あったのだと思う。
あとはザックを浮袋にロ-プで引っ張られる。
屈曲部を過ぎてさらに左岸から小さな流れが入るとさらに流れが速い。
一瞬足が着いたが、すぐに深くなる。これはよほど泳ぎが達者でないと辛い。
ゴルジュ中ほどのゴ-ロ状で一休みして、しばらくは浸食した自然の造形を堪能しながらゴ-ロ状を歩く。
その先に出てくるのがゴルジュ抜け口の滝(1m)だ。
わずか1mと侮るなかれ。
まさに激流。
まずは試しにと取付いたガストンさん。
折れ曲がった先に滝を見るがこの屈曲部から先の水圧がすごい。
張り付いていた左岸の岩から引きはがされる。
あとはドンブラコ、ドンブラコと流されるほかない。
何度流されたことだろう。何度水を飲まされたことだろう。
しかし、その屈曲部から先の解決方法が見いだせない。
まさに「セミ」だ
ともかく、流れが強い、足が着かない、ホ-ルド乏しい、足元見えない。
想定して持ってきた装備を駆使し、あらゆる可能性にトライしてみる。
水線突破ラインに左岸カンテ人工突破ライン。
いろいろ試したがやはり水線突破に注力。
地道に一つずつパズルを解き明かしていく。
最後のム-ブはガストンさんの直感(さすが!)で、ダイナミックに。
やった-!水線突破-!
左岸カンテを人工で行ったならば、ちょっと微妙な空気が流れたかもしれないが、何とか水線を突破できたのは素直にうれしい。
初突破の山登魂パ-ティ-も「後続の楽しみを奪ってしまうわけにも参るまい。だから、正解を明かしはしない」と語った。
その意向に沿ってというか、そもそも蝉の渓谷はこのパズルを解き明かしていくのが楽しい、そういう所なんだと思うし、突破ラインはそれぞれ違うものだろう。
実際、今回のラインは山登魂ラインとはやはり違うものであったと思う。
激闘二時間半。この僅か1m滝でこれだけの激闘ぶり。
一ケ所、コパ-ヘッドの残置をしました。山登魂の記録にある残置ハ-ケンもなくなっていたので、おそらくはいずれ増水で流されてしまうことでしょう。
ここはそれだけ激流地点であるということが物語ってます。
あとは開けた場所にある滝を右でも左でも思い思いに行って県道に上がれば終了。
しかし、蝉の渓谷。
覚悟に値するゴルジュ。
突破後に待っていたのは、今まで激流の轟音にかき消されていた蝉の声だった。
sak