acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

西穂高-奥穂高-槍ヶ岳縦走①

1999年07月30日 15時24分35秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

1999/7 西穂高-奥穂高-槍ヶ岳縦走①

 

夏山シ-ズン到来!梅雨も明けて すばらしい景色を期待しながら新穂高バスタ-ミナルに降り立つ。

登山計画書を提出し、新穂高ロ-プウェイ乗り場に急ぐ。 
さすが観光地。ずらり行列が並んでいる。20分待ちで第一ロ-プウェイ、15分待ちで第二ロ-プウェイに乗る。 このロ-プウェイ。第一はすごい傾斜、第二はすごいスピ-ドで登っていく。鉄塔通過するたびにユラユラゆれる(乗客大歓声!)

ロ-プウェイの終点は「千石平園地」になっており、すばらしい景色の中散策を楽しめる。


樹林と笹の登山道


展望を一通りカメラに納めたら、 背丈ほどのササ原を登山道へと入る。


何にしろ今日は西穂山荘までの行程だ。

意識しながら、思いきりゆ-っくりと みずみずしい樹林の道を歩く。

 

 

賑わう西穂山荘


1時間ほどで山荘が見えてきた。

ちょうど森林限界に立っている為、焼岳、上高地、笠が岳など 景色が良く嬉しい。

早速テン場の受付を済ませ、設営。受付の際に聞いたのだが、このあたりで クマの目撃情報が多いようである。今の所、被害はないが気をつけるよういわれた。


さて、後は気ままに過ごそうか。


賑わう山荘の片隅で本を読んだり、植物の写真を撮ったり、 独標手前のピ-クまで行ってみたり。

一気に高度を上げた影響でちょっと頭痛がしたけれど、日没の頃には治まった。

お花畑から西穂を望む
風がテントをたたいている。

ネボケ眼で外を見る。月明かりが眩しいくらいだ。
時間は2:30。出発予定が 4:00だからもう一眠りだ。


と気がつくともう4:20。慌てて朝食を摂りながらの 撤収。結局55分の遅れ。

しかし山道では慌てないよう言い聞かせながらいつものようにゆ-っくりと 歩き始める。

 

1時間ほどで独標に到着。

今日も好天かなと思いきや、西穂高岳より北は ガスがかかり始める。

 

ガスの出始めた西穂山頂


独標から1時間ほどで、西穂高岳に着く。

先ほどのガスは確実に近づいてきている。

山頂ではガスにたたられてしまった。

う-ん残念。ここで一休み。

さてこれから先が難所続きの稜線だ。

ここで帰るパ-ティ、先に進むパ-ティちょうど 3組ずつ。帰る方々に見送られながら、先に進む。


間の岳手前のガレ場を通る
ちょっと進むと向こうから誰かやってくる。 ???。

話を聞くと昨日、間ノ岳手前でビバ-クの末引き返してきたとの事。

元気で何よりだったが、それ以上に自分自身にその出来事を投影してしまう。

ここで更に気を引き締めさらに先へと進む。

 

間の岳山頂

間ノ岳へは西穂高岳から1時間20分かかった。

話で聞いてはいたが、山頂前後がかなりの悪場。

浮き石が多く、かなり 気を遣いながら一歩一歩どうにかたどり着いた。

さらにル-トが不明瞭な事、またル-トを少しでも外そうものなら 「蟻地獄」ならぬ「浮き石地獄」。

要注意区間である。

間の岳から見た逆層スラブ状岩壁

さあ、ガイドブックに必ず出てくる 「逆層スラブ状岩壁」が目前に迫る。 
逆層スラブ状岩壁を見上げる

確かに辛そうな岩壁であるが、クサリもあるので見た目以上に辛くない。

そこを登り切れば天狗岳山頂だ。

天狗岳山頂


天狗岳の前後で奥穂からの登山者と 擦れ違う事となる。

ちょうど中間点になるようだ。

しかし天狗岳を過ぎてから、しばらく岩壁と格闘するもその頂が見えてこない。

この頃から、常に3点確保を意識しながらの急登の為、下半身はともかく、 上半身が疲れてきた。

独標から強くなってきた風の影響もあるのだろう。 
ジャンダルムと思っていたロバの耳ようやく空が広くなり、頂に近い事を知ったのは天狗岳から2時間後の事だった。


平らな岩の頂に立つとガスの向こうに峻立する岩峰が・・・・・2つ。
 

瞬間、ガスが晴れる。この手前のピ-クが、ジャンダルムなのである。

しかし、致命的失敗!!!

「ジャンダルム」を「コブの頭」、「ロバの耳」を「ジャンダルム」と、とり違えて、 ジャンダルムの写真撮らずに来てしまった!!!(我ながら情けない・・・)

ウマノセ上部の稜線そうとも知らず「ジャンダルム」「ロバの耳」を慎重に慎重に通過、 奥穂高岳直下「ウマノセ」にしがみつく。

ほんとに切れそうなナイフエッジ を最後のひと踏ん張りで登るとそこが奥穂高岳山頂。 奥穂高岳山頂はもうそこだ

祠の石垣、「テレビで見るより小さいな」などと思いつつ記念撮影。

しっかりした踏み後の登山道を下ると穂高岳山荘。


西穂高岳で知り合った方が10分ほど後に到着。お互い顔を見合わせ笑みがこぼれる。
帯同したことで、気持ちが通じているのだ。


そして”熱い握手”。嬉しさがこみ上げてくる一瞬だ。
 
こんな人と人の心の交差点。これがある限り”山”は止められない。


sak


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。