acc-j茨城 山岳会日記

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KAJITAX

2011年02月16日 22時28分21秒 | 会員日記
KAJITAX

カジタックスといえば、アイゼンやピッケルなどの山の金物ツ-ルの国内屈指メーカー。
創業は1961年。
「カジタックス」をそのまんま「カジタ」と呼んでいる方々も多いのではなかろうか?

sakも縁あって、カジタのアイゼン、ピッケルをいくつか所有している。
特にアイゼンには愛着があって、12本爪のXIは雪山を始めたときからのパ-トナ-である。
雪稜に雪壁。幾つ越えてきたであろうか。



カジタといえば、質実剛健。
この10年、不具合なし。手を入れたのはバンドの交換やビスの締めなおしくらいなものだ。
本当はもっと扱いよく持て成せばいいのだろうが、使いっぱなしでも今のところ問題ない。

代々引き継がれてきた鍛冶屋の技術(鍛造)を駆使し、ニッケルクロム鋼の焼入れ、焼戻し処理によって、軽くて高強度。
さまざまに酷使し続けてきたものの、ガタツキなし。基本構造がしっかりしている証拠である。
まさに創業者・梶田民雄氏の職人魂に触れるかのような逸品だ。

平成22年5月末日、カジタが廃業した。
1961年創業から49年。
「梶田民雄氏は73歳もの高齢となり後継者も居ない等で、この厳しい用具の製造に責任がもてなくなり廃業を決意」とあった。



「KAJITAX JAPAN」のバンドにはナショナリズムがある、といったら言い過ぎか。
「日本製」という言葉にどれだけの人々が誇りを持ってきたか。
果たして現代はいかがなものか。さびしい時代になりつつある。

思い立って、アンチスノプレ-トが入手できないか調べてみた。
現在、唯一の連絡先はメ-ル。( kajitaxtk@sky.plala.or.jp )

廃業からすでに10ヶ月。
ダメでもともととあきらめていたが、在庫ありの報せ。ありがたい。
これでしばらくは、職人技たる安心感と共に壁に取っつける。

そして続報。
モンベルがカジタの技術を引き継いで行くらしい。
手始めに「軽アイゼンRK-Ⅳ 発売」とあった。

全てが引き継がれるとは思いにくい。しかし「カジタックス」の名が残るのは一筋の希望でもある。
できることなら、質実剛健さが残ってもらいたいものだが。

雪山に入ったら、是非足元を見てほしい。
そして見届けていただきたい。
「KAJITAX JAPAN」の文字が何時まで受け継がれていくのか。

sak