2004/8~9月 沢と岩
八月・北岳
えへへへ。
今年も夏がやってきました
ここは北岳バットレス、四尾根。
イキナリではありますが、もうすでに核心は越えたのです
右手で耐えてコマいスタンスに乗りこめば左手がカンテに届きます
えへへへ。
なんでこんなだらしなく笑ってばかりかと言うと、とてつもなく快適なクライミングだからです
人生には大切な3つの「快」があるんです。
痛快、快適、爽快。
アラそうかい
そうして、御池に下れば宴会だからです
えへへへ。
そう、すでに私はヨッパです。
さかぼうの夏
最高の天気に恵まれ最高のクライミング、そして宴
むしろ核心は宴にアリ
もう食べられません。(笑)
翌朝、振り返れば一抹の寂しさと共に充実感が湧いてくる
また来るよ
そう言い残してさかぼうの夏は始まった
八月・サゴイ沢
えへっへぇ~。刺身ッスか~♪
もはや笑いは止まらんのです
この渓の透明度といい
よらよらと逃げる風でもないおさかなたちといい
いやな高巻きを強いられ、地蜂にこっ酷く痛めつけられ
まあ、ここまで来た甲斐はあったと言うものだ
おいしい沢旅のつくりかた
”行動食に岩魚の刺身を取り入れる”
モチロン焚き火の傍らはオカズがいっぱい
そうして夜は更け、普段にも増して杯は進み酩酊するがよし。です
クロマメの実
ネマガリのヤブコギで一時間みっちりしごかれると小さな池唐のほとりに出る
クロマメの実を見つけてむしっては食べ、むしっては食べしていると苗場の湿原が見たくなってきた
ちょっと遠回りだけどやっぱり癒し系なら〆は湿原でしょう。ほら、百名山だし。(笑)
ホントはあんまり期待などしてなかった
でも、デモね。
想像以上の癒し効果。やるのぉ~、苗場。恐れ入りました。
下山は赤湯へコロコロと
五つ星と言いたいところだけどね。ヤブコギが、ね。
なぁ~んてとってもゼ-タクなさかぼう
頚城・大海川大倉沢
初めての頚城は台風通過による増水で停滞模様
濁流と化した姫川は大岩をガッコンガッコンいわせながら飛沫を上げる
いやはや自然の猛威たるやスサマジイ
ということで翌日は小谷温泉から雨飾山の裾を流れる大海川・大倉沢をいく
地域研究を標榜する地元山岳会の面々と地質ヤさん、そして場違いなお気楽ム-ドのさかぼう
「雨飾山って百名山っスよねぇ」とさかぼう。
いや、ほんの軽いジャブです(笑)
硬派の証明
毛虫模様の続くところは入り口でⅢ級。あと行けども行けども両岸の切り立ったゴ-ロ。
なんていう困難もない。ウ-ム。
硬派を標榜するさかぼうとしては物足りないのだ
ゴルジュも終わりかけにツルツルのフェ-ス。Ⅳをリ-ド。
稜線への突き上げでⅣ-が一箇所。
あとはフリ-でも問題ない
丹念にホ-ルドを拾っていけば痛快なクライムが楽しめる
振り返ると雨飾山の姿
フトンビシの岩壁に登攀意欲を駈られるが、実情はボロボロらしい。
「やっぱり雨飾山は百名山っスよねぇ。」
夏の日差しがほんのひととき、翳った。さかぼうの夏であった。
大岩谷川一ノ倉・南稜
台風が九州に上陸したころ
さかぼうは一ノ倉南稜にいた
視界は悪い、岩はヌメッて快適とはいい難い
しかし、イケると判断した
この自信は今まで培ったものが何であるかを物語っていた
「ウワっ、悪。こんなとこ良く行ったねぇ」
お互いにそんなことをいいながら順調にザイルは伸びる
視界がないのは残念だけど、それはそれで楽しいんだからやっぱりイカレてるのかもしれない
しかし、これらはすべて自信へと繋がる
それを知っているから尚、そう感じるのだろう。
最終ピッチ
最終ピッチは不遜ながらリ-ドさせていただいた
密かに小さな念願かなってルンルン気分と言いたいところだけど、やっぱりここも濡れていた
信用の置けないスタンスにジンワリと乗り込んで最後のガバを掴めば登攀は終了
下降は六ルンゼ
視界の悪化に加え暴風模様。投げたザイルは風に戻され足元に落ちる始末。
仕方ないので後発に手繰ってもらい懸垂下降。一度ル-トロスや大岩のザイル回収に手間取ったけれど 冷静に対処できた。登攀よりむしろ下降のほうが緊張感に満ちていた。
思えばこの日は一ノ倉貸切。 ボンヤリ霞むその姿に再来を誓って背を向けた
夏のアルバム
いろいろな山にいろいろな楽しさ
硬派であったりお気楽であったり
癒やしであったり痛快であったり
結局どれがいいなんてのは自分が決めること
いや、自分ですら決めかねるのだから、困りモノだ
「今を楽しむ」
この夏のアルバムはそんな言葉と共に
そして秋を迎える
sak