acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

八ヶ岳西面・赤岳主稜

2004年03月15日 15時12分51秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2004/3中旬 八ヶ岳西面・赤岳主稜

晴れ男

見上げるとそこには青空が広がっていた 
またもこの好機をヒットした 
なんということか!俺って晴れ男かも 
と、調子に乗るとなんだか後が怖いので今日は今日もでひとまず感謝。 
「全国の晴れ男、晴れ女の皆さん、ありがとう」

さらに見上げると目指す主稜も「ここまでおいで」と言っている 
まあ、まあ。焦りなさんな

まずは今宵の宿を建ててから。そして秘蔵のつまみと「プシュ」っていうやつを天然冷蔵庫に入れてから 
疲れた体に鞭打って、少し重い荷物ぐらい頑張ってしまうわなぁ。 
アット-的に楽しいんだもの。どうしたってうれしいんだもの 

 

取付き

主稜の取り付きはイヤというほど予習してきた 
その甲斐あってかというか、これほど顕著なというか・・・。 
ここはひとまず視界があることに感謝 
1ピッチ目、チョックスト-ン 
ぎこちなくラインを引かせていただく

普段寡黙な、いや寡黙だと思っているさかぼうが饒舌になるには、山と一献あれば充分すぎる 
座を囲み、聞き、笑い、語る 
こんな時間はこの上ないシアワセ 
無心に登攀をしながら今宵の至高に想いを馳せる 
 

しばらくは雪面をガシガシ登る 
上の展望、下の展望、ともに開けて絶好の撮影ポイントだ

ひと仕事こなせばもうすでにビ-ルの旨い頃合い 
あの一口が喉を鳴らして沁みるあたりがなんともいえない 
くわえて、誰も言い出しやしないけど酒の肴はきっと豪華な筈 
少なくともさかぼうはそれを期待しているのですよ

幕場に帰るなり「フフフ」と不敵な笑みを浮かべながらブツを取り出せば一様に「ほほぅ」と唸る 
そんな一幕を期待して後半の登攀にも気合が入るのです


後半は形状を失いつつある尾根から左の尾根へと乗り移る 
おおむねホ-ルドは安定しており快適なピッチである

一緒に山に登るということ 
寝食共にするということ 
訥々と語り合うこと 
ザイルを共にするということ 
それがどうなどと口にすればたちまち陳腐になってしまう

この瞬間、きっと忘れない 
トップはただ寡黙にラインを引いていつの間にか岩陰に隠れる 
綱はまるで生き物のように微妙な動きでたちまち「あと十」となる 
綱の動きは彼の意思 
不思議と彼の姿が見えてくる 
 

肴と綱と喜びと

晴天の下、歓喜の瞬間を迎えた 
さかぼうにとってそれはただの登攀では無くなっていた 
巧く言えないんだけど不思議とそんな気がした 
またしても新しい発見に目からウロコな思いでイッパイだ。 しかしそんな発見がまたうれしい

下山は文三郎を行く 
肴と綱と喜びと 
胸いっぱいに膨らませて


sak