スピーカーで良い音を表現するには、あまのじゃくな特性を持つ音の波を
「音圧」を使い表現することが大切と言うことを前回までのブログに書きましたが
覚えていますか?なんとなく今年はお勉強になりそうなブログ書いてるんですよ
天邪鬼な特性の音に音圧をかけて良い音を奏でるのは、ホーンスピーカーだけではなく
楽器も同じですよね、
人の吐き出す小さな息の音の圧力を
ホーンと云う原始的な拡声機能を通すことで、音を何倍にも大きく出来る「管楽器」
小さな振動板の小さな振幅を、大きな空気の波に変えるホーンスピーカー
共に原始的なラッパ形状のホーンですが
では何故この形状にすると音が大きくなるのでしょうか?
前回のブログの音の天邪鬼な特性では「反射」「屈折」「回廊」「干渉」を上げましたが
これらの特性だけで、これが「音が大きくなる特性」だとは言えないと思います
音の波がホーンスロートや管楽器をの中で「反射」を繰り返ただけで
音が大きくなるでしょうか?むしろ反射だけでは、素材にもよりますが「減衰」も招きますので
音圧の小さい音波だと波が消えちゃうような気もします
狭いところから広い出口に向かうホーン形状により
音の波が大きくなる現象は、「共振」によるものだと言われています
共振現象とは
物体の固有振動数と同じ周波数の振動を外部から受けると、静止していた物体が振動し始めるのが「共振」だそうです
よく振り子で表現されていますね、Aを揺らすとCが揺れだす現象が「共振」
「共振」は、同じ周波数の振動を繰り返し外部から加え続けると
「振幅が増し、振動はどんどん大きくなる」特性を持っているそうです
なるほど、ホーン状の筒に、連続して「息や」「音楽信号」を加え続けると共振現象で振幅が増し
音の波が大きくなる、これが音が大きくなる現象を起こす原理ですね
ちなみにこの共振現象を「音波」に置き換えたのが「共鳴」ですね
共振現象で起きる「共鳴」は勿論「音の波」ですから、「波の特性」で
波はぶつかり合うと消えたり、重なり合うとさらに大きくなったりする特性を持っています
殆どの楽器はこの共振、共鳴、振幅増進で音を大きくする現象を使って音を大きくしているとおもいます
バイオリンやアコースティックギターなどは、弦と胴体による弦共鳴
トランペットやホルンなどは、吹いた空気を「楽器の管」による管共鳴
共鳴はその振動周波数共鳴点が違いますので、楽器により形状も違ってきますが
アコースティックな楽器は殆ど共鳴を利用して音を大きくしていると思います
では管共鳴で、鳴らす帯域幅や構造により現れる「音色の違い」はなぜ出るのか?
音の高低差は管の長さで決まるとはおもいます
トランペット:約140cm
テナートロンボーン:約120cm
ホルン:約280~360cm
チューバ:約540cm
だいたい管の長さはこの違いだそうですが、
管の長さがだけが「音彩の違い」とは言えないと思います
前置きが長かったですが、今回の「オーディオの」主題に入りますね
音が大きくなるのは、音はその圧力を加え続ける事により
共振を繰り返し振幅増進し音が大きくなると言う事ですが
「音色は」楽器の「管や、ホーンスピーカーのスロートの」共振現象だけでは無いと思います
今回タイトルの比較に出したWE15Aホルンと、WE22Aトランペット
大きさも違いますが、
この二つの音の大きな違いは「スロート形状による音の違い」だと思っています
トランペットは、明るく繊細で華やかな音色で、しかもパワフル
ホルンは、柔らかく深みのあるしっとりとした、落ち着いた音色になりますよね
管の長さよりもその形状で大きく音は変わると思いますが、
トランペットは直管にカーブが付いたものですが
ホルンはなだらかなコイル状の管です、その形状の違いが音色の違いになります
何故スロート形状で音が変わるか
天邪鬼な音波は、「カーブでは音が反射し」、ストレートに近い形状では共振がおきる
のだと思っています
トロンボーンはこの共振点を変えることで音を変えているのではないでしょうか
直管が無く、渦巻きカーブばかりのホルンでは、管の内側で音がずっと「反射しあい」共鳴するので
だんだん角が取れていって、柔らかく独特な深みのある音になるのだとおもいます
トランペットは反射するカーブが少なく、音圧をそのままに奏でるので
力のある音が出るのだと思います
15Aと22Aの音の違いはそんな感じだと思いませんか
WE22Aでもスロートを渦巻き状のカールにしたものは
15Aのホルンサウンドに近いと思っています
WE22Aはトランペット状に「スロートをストレートとカーブ」で作ったから
あの強い音を奏でるのだと思います
オリジナルスロートカーブはとても大切ですね
それから楽器は共鳴で音が大きくなると書きましたが
その一番大きく作用した波を「倍音」と呼びます
音波の第一波(基音)、を基に波の特性で重なり合い大きくなる特性
この倍音を使い上手く増幅すると綺麗で大きな音を奏でます
無論この倍音の音波の増幅はスピーカーでも同じ現象が起きます
よく、パイプオルガンが鳴らなければだめだとか、マーラーの三番が鳴らなければとか書き込む人がいますが
この倍音を使えば16センチのP610でパイプオルガンやマーラーは簡単にならせます
また倍音の共振はもろ刃の刃でもあります、上手く倍音を使えば綺麗に大きな音になりますが
ちょっと誤れば、お寺の鐘のように、ぐわーんぐわーんとうねりこもった音の響きも加わります
ホーンスピーが嫌いだという人は、このうねり現象の音を挙げますよね
如何でしょうか?天邪鬼な特性、音圧、そしてスロート形状の音の違いの理論
スッキリはっきり音を奏でたければ直管ストレート
少しやわらげたければ反射と共振が程よい朝顔形ホーン
もっとやわらげたければ反射を繰り返す渦巻きスロートにすればいいのです
因みに私は10代の若いころは35FOURやGT38でも直管好みでした
注、その節はご近所の皆さまご迷惑をおかけしました
そうなんです、直管は周りに迷惑を掛けるほど煩いのです!
WEでも24や25は至近距離では強烈すぎます
直管に一つカーブを付けた
このホーンがなんだか一番いいような気が・・・・・、(笑)
それから
物体が持つ固有振動数を、同じ構造を持つ他の物体に加えると、その別の物体も振動を始める共振現象が起きると書きましたが
この「共振」をつかい「共鳴」させて音を出す方式を、私は採用しています
共振ツーター回路と呼ばれ、たぶん日本では私だけ、世界にも類を見ない方式ですが
WE597Aを並べてそのホーン部分を使い、音叉(おんさ)の如く響かせて
うっとりするような綺麗な音を奏でるのが
「狂信ツイーター」
これみよがしに597を二つ並べてホーンが共鳴しあい、なんとな~く、綺麗な音が出ているような気がする・・・・
いや、実際に振動板を動かすと、音が滲み煩いですが
音を出さないで飾っておき、その優越感と共に音が出ていると信じる
「狂信ツイーター」使用、エッヘン!
注、そんな回路は存在しませんので、口にすると笑われますよ
でも共振対策は必要です、天邪鬼な音をうまく響かせれば唯一無二となりますが
複数のスピーカーを、無駄に配置した部屋でスピーカーを鳴らすと
どれも同じような音になってしまい、音を濁すことにもなりますので、
共振するものはあまり部屋に置かないほうが良いですね