「暗い低音は好きじゃない」故ダブルウーハーズ会長の遺された言葉ですが
仰る通りです!
目指す「躍動感演出の為に」選んだ我がユニットは
残念ながらオリジナルではなく、全てレプリカと改造品で構成されています(笑)
躍動感を演じるスピーカの音域で、最も重要なのは「低域」だと思っています
低域が明るく心地よく弾まないと、いくら高域の歯切れが良くても全体の音は、
暗く沈んだ音になってしまいます
トランジェントの良い、張りのある低音でありながら
聴きごたえのあるように、しっかり量感も得られるウーハーが重要になります
くすんだような、澱んだ低音でなく「透明感ある低音」にしなければならないのですが
実はこれがなかなか難しことなのです
一般的に低く量の出るウーハー素材は、塩ビやポリプロピレン、ケブラーや木製なんてのも使われていますが
当然これらの質量の重い素材の振動板で量を出せば、キレが悪くなり弾んだ音はなかなか奏でられなくなります
中高域に合わせて、金属振動板の低域コンプレッションドライバー+低域ホーンが奏でる綺麗な低音も魅力的で
これも素晴らしいと思いますが、私にはいまいち迫力が無いのです・・・・
量感が有ってキレて弾む低音を求めると
やはり「紙」の「コーン型の励磁」がベストだと私は思います
励磁型ウーハーの定番と言えば、WEの使ったTA-4181AやTA-4151Aが有名ですが
出会いの縁も有り、私が使っているのはWEではなくLansing415です
Lansig415とは、当時の映画産業で絶対的のシェアを誇ったWEの牙城を崩し
最高の栄誉である映画音楽アカデミー賞を奪った「シャラ―・ホーンシステム」で使われた
低域ユニット「15XS」ウーハーを改良したものです
ALTEC lansing社に買収される前のランシング・マニュ・ファクチャリング社時代のランシングが設計したものと言われています
WEご愛用の18インチTA4181、その凄まじいほどの勇逸無二の重く響く量感は素晴らしいのですが
正直言って一般家庭で聴くには「鈍い」が気になってしまい、キレの甘さが聴こえてしまいます
それと18インチの低音は中域のコンプレッションドライバーとの音の繋がりで、
その音色にかなり違和感を感じていました
13インチのTA-4151の方はこれはウーハーというよりフルレンジに近くて
とても反応が良く中域との繋がりも良いのですが、圧倒的に低域が出ないのが欠点です
それとこれは偏見かもしれませんが、電源付きの励磁ユニットは何故か音が粗く感じてあまり使う気になりませんでした
やはり一般家庭では15インチコーン型ユニットが最適だと思っています
他に手持ちのユニットはALTEC-515Eを励磁に改良したものを持っていますが、
515は初期の515A以外は
エッジに、ゆるゆるの布エッジにビスコロイドを塗ったモデルしかありません、
勿論ダンパーも布製です
励磁改良でかなりクリアーで反応の速い音になりますが
それが、求める張りのある躍動感を奏でる音かと言われると・・・・、
ゆるゆるダンパーゆるゆるエッジでは、やはり音もゆるゆる・・・
無理
やはりFIXエッジ、ベークライトダンパーを使ったウーハーを上手く鳴らした時の
ビシッ、バシッっと瞬発力の有る低音には、ぜんぜん届かないと感じました
そんな理由も有って出会ったご希望のFIXエッジ、ベークライト蝶ダンパー、励磁型15インチの理想的なユニットが
Lansing415なのです
後にアイコニックシステムでも使われ、後のアルニコ515に改良されたVC4インチのセンターキャップ穴あきの物や
VC2インチのセンターキャップ無しのモデルや、センターキャンプが有ったモデルなど幾つかのモデルが存在したようです
(4インチと2インチの違い、詳しい方是非教えて下さい)
私のはVC2インチ強の、センターキャップ有りのモデルをWEラボで復刻したユニットを使っています
そのスペックはField Coil:D.C.R 1600Ω D.C 220V 125mAで、消費電力はなんと35W
これは一回りデカい18インチのTA4181の30Wを上回る消費電力なのです
消費電力で言えば「最強の励磁型ウーハーLansing415」(笑)
4本使っていますからユニットだけで140W電気代1時間、約4円もかかる計算です
更に無駄は続き、その励磁型Lansing415で重要なのが、当然ながら「励磁電源」
5Z3整流管を使ったF820や、F-500、F501が標準でこれも素直でいい音なのですが
ちょっと物足りない(笑)
私は更に強化して、超高圧・小負荷電流のWE705Aを使った、無駄飯ぐらいの半波整流器
を使った電源で、下部の415ユニットを動かし
キセノンガスを使った3B22整流管を使った電源で、上部の415ユニットを動かしています
3B22の電源は一旦320Wの出力を出し、それをコイル五個連ねて220Wに落とした
浪費型(笑)励磁電源で強烈な音を出しています、
これは強い制動がかかり、下ユニットとは違う動きが目で見ても触ってもわかります
言わずと知れた事で、励磁スピーカーはその電源で音が大きく左右されます
電源がセコイ整流器だと、痩せたセコイ音しか出ません
どうせ時代錯誤なんだから、大量電力消費の、大食いスピーカに更に輪をかけた
「大量電力浪費型」の励磁電源をお勧めします、
非効率に浪費すればするほど音が良くなるようにも感じます(笑)
35Wの大ぐらいスピーカー4個を、信号はシリーズ配線で同じ帯域を奏でますが
上下のユニットに傾向がちょっと違った電源を使う事で、同じ帯域ながら
違ったVCの動きで、ちょっと異なる音を奏で、迫力ある音の演出しています
更にこの消費電力最強のスピーカーにコンプレッションボードを付けて
圧縮して、強烈な音圧を加えています(これも上下で多少違いが有ります)
※低域コンプレッションは必要かと言われる方が時々いますが
中高域にコンプレッションドライバーを使う場合は、音色を合わせるより
前回も書きましたが、音圧を合わせなければバランスの良い音は奏でません
音の違いは振動板の違いも有りますが、圧力の違いで音の違いによる違和感が生じます
低域コンプレッション方式は様々な方式がありますが
これが一番手軽で効果的なコンプレッション方式だと思っています
圧の掛かった音をディフェーザーに当て
バッフルで反射してロードの掛かった音を出しています
ですが
ボード穴幅を狭くして「コンプレッションをかければ」掛けるほど「量」は減ります
そこで今度は量を求めるために、設置方法も悪戦苦闘の試行錯誤
最終的に本来は後面開放の使い方が基本のTA7396バッフルなのですが
これを私は後ろの壁に押し付けた「コーナー設置」方式を行っています
しかもバッフル上面と両サイドは完全に密閉していて塞ぎ
ユニット後方の背圧の音はバッフル下部からのみ前に出てきます
WEでもケープで高域と低域が混ざらないように覆いをしていたようですが
至近距離で聴く場合は通常の後面開放で聴くよりも
悪戦苦闘を繰り返し、何らかの方法で音が混ざらないように工夫したほうがいいです
量感も有りながらスッキリした、キレの良い音を目指すのに
低音をどこまで求めるかも大切な基準です
私はウッドベースを弾く音が出ている事が大切だと感じています
クラシックをメインで聴くにはパイプオルガンが上手く奏でられる事も大切だと思いますし
ホール感を出すには確かに、緩やかで豊かな低域が有ったほうが良い場合も有ります
弾む超低域をなんとかうまく鳴らそうと、
手持ちのヤマハのスーパーウーハーのユニットをJBLに変えたり
二台のスーパーウーハーを30度くらいの角度でぶつけ合い
通常よりトランジェントの良い低音域を加えたことがあるのですが
不思議と超低域が上手く鳴ると、先程のウッドベースを弾く音感が消えてしまう
その帯域の音はちゃんと出ているのですが弾ける音が聞こえなくなる
超低域の波形に喰われてしまうと言えばいいのかな?、結局超低域を求めるのはやめました
何処まで低域の量を求めるかはそのオーナーの聞き方次第ですね
オーディオマニアとして圧倒的な量も求めますが
私は躍動感が感じられる「弾む低音」が感じられる量迄ですね
それから能率の高く、高音圧の劇場用スピーカーをそのまま家庭に持ち込んで音を出すと
その音の魅力よりも先に音の粗のほうが目立ってしまう事が多いです
魅力的な劇場用スピーカーを、家庭で自分の好みの音で奏でる場合は
そのメリットデメリットをはっきりと見極めて使い熟す工夫が必要だと思います
大きな声では言えませんが、大昔に劇場でやっていた方式をそのまま家庭に持ち込んでも
ボワンボワンの滲みと乱れで膨らんだ音で上手く奏でません
ホーンらしいビシッと引き締まったホーン本来のサウンドを奏でるには
試行錯誤、悪戦苦闘、で
トライ、トライ、トライ!(笑)
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