オーディオ再開!レコードで音楽を楽しもう

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288物語、妄想編2

2019年03月20日 19時31分28秒 | オーディオ




ALTEC 288-16G励磁改良ドライバー

 


20000ガウスオーバーで、目標値達成しました

歴史あるALTEC288シリーズで最強を誇る16G

 

そのアルニコVマグネットを取り外して、

電磁石コイルに入れ替え、励磁方式に改良した288-16G/Fc

 

 


実は今から77年前には、これとはまったく逆の改良がおこなわれていたのです


そう288の前作は、Lansing287励磁型ドライバーだったのです




当時の花形産業、「映画音響機器」の熾烈なシェア争いを繰り広げながら

特許と膨大な利益が渦巻く、激戦産業の争いの場で


当時全盛を極めたWEの保守メンテナンスを引き継いだALTEC社

その社長キャリントン氏が



戦争の副産物で開発された恐ろしい武器を、音響業界に持ち込んだ


その名は、超強力な「アルニコ5型磁石」アルニコVである

この新兵器を見つけてきたキャリントン氏が、鼻息荒く


優秀なしもべに、神の一言が下った





キャリントン:

ここは利益を度外視して良い音を追及した、


エンジニアの楽園WEとは違うんだ


某WE594Aの様にいくら音は良くても、

神経質で低域とのつながりは悪く

全体のバランスが取れないような、

音の良いだけで売り物にならないコンプレッションドライバーではだめだ



この争いに勝たなければいけない、そのために俺の見つけてきた

この超高性能なアルニコVマグネットを使えば最強のスピーカーができて

激戦を制することができる

Field Coilなんと違って簡単に強力な磁場が作れる



しかも、電源もいらないし、ユニットは熱も持たない



だからボワンボワンな後面解放のオープンバック方式ではなく、

箱に入れて、迫力のあるバスレフや密閉方式にしても、火災の心配はない



まあ、アルニコVマグネットは音質はちょっと悪くなるが、



大丈夫!、

そんなことを気にするほんの一握りの奴らだけ、

一般の民衆はその違いなんか絶対に分かりっこない



時代は質より迫力!

この画期的なアルニコVマグネットが絶対に時代を変える!、

 

これを使って




もっとコストを下げて


もっと簡単にいっぱい作れて、


もっと誰でも簡単に調整ができて、


もっといっぱい売れて儲かる商品を作れ~~

注※と、言ったかどうかは私は知りません(笑)







この言葉に答えたのは、



技術的には優秀だが、経営がうまくいかず倒産の危機の会社を、



社員や施設丸ごとキャリントに買い取ってもらって、倒産の難を逃れた優秀なエンジニア

その名はJames B.Lansing





1942年、優秀な彼が、横暴な経営者の要望に応え、

ランシング自らが作った理想のコンプレッションドラーバー



287Field Coilを改良し、

パッカン・ぱっかん、と

マグネットを作れば大量生産が可能で




誰でも簡単に振動板交換などのメンテナンス調整ができ、

電気も食わず、熱も持たない、


画期的なコンプレッションドラーバーに生まれ変わった



これが技術的進化の名を借りた、

音の堕落の第一歩を踏み出した




記念すべき迷機288の誕生となった






同時に同じくランシングの傑作15インチウハー、

LANSING-415Field Coilも

ショッカーの改造人間のように、嫌がる415を、強引にマグネット方式に改良され



堕落の第二歩ALTEC515が誕生した




詳しくは「288物語・妄想編」をご参照ください



そんな技術的進化の名を借りたALTEC288と515は

オリジナルはまだしも、





時代の要望と進化の流れの中で、



音の退化を繰り返した




しっ、失礼しました、技術とコストの進化を繰り返しました







ランシングはWEの持つ最高の特許や、豊富な実験データを自由に使い


これらのユニットを使い、手軽で誰でも調整出来て電源いらずで特性も素晴らしい、






最高の劇場用音響機器VOTTシリーズに着手





ライバルで王者WEのように金額のよくわからない、

音は良くてもハイレベルなエンジニアを必要とし、

超高級な大型ホーンを使い、高額なレンタルではなく





未熟な技師でもメンテナンスが行なえ、手頃な金額の音響機器で、

必要最小限な機器だけを持ち歩き、各地で興行を行える画期的な音響機器








米国のどこでも安価で入手可能な、

米松合版で使い捨てのホーンやBOXを作れば、広いアメリカ国中で興業ができる





これは儲かる!


てなわけで





ランシングの才能と最新の技術と、安価なだけで音響的にはメリットは無いが

とにかく安く国中でどこでも手に入る米松合版を、現地で組み立てて使うことによって、






WEとは比べ物にならない手軽で


しかも、音質は悪くても、音に迫力のある音響機器が生まれることになった



1945年、ランシングはALTECの看板商品となるVoice of the Theatreシリーズを完成させ






翌年1946年、ランシングは5年の刑期を終えて、ALTECを離れるのだが・・


このランシングが遺したVottシリーズのおかげで




ALTEC社は、業務用音響機器は、劇場も、スタジオモニターも全てのプロ用機器はALTECの独占となった












一方でALTECを離れたランシングは、


自分の溢れる才能で作り上げた技術が、全てALTEC社のものとなり

ALTECで作り上げた技術は自らが使うことができないことに気が付き




WEの特許の壁と、更に自ら作った高いALTEC壁と戦うことになってしまった






全ての技術や、

自分の才能を活かす業務用音響機器の場も失って






やむを得ず自分の培った技術を活かし、花形産業である業務用分野から離れ




コンシュマー、家庭用分野に活動の場を移したが






業務機器の音とデザインを、家庭に入れることは

当時のアメリカでは受け入れられなかったようだ





再び、ランシングは経営難に陥り、

 

今度は自らのを命を捧げて、

JBL社の窮地を脱するという、侍魂でその生涯に幕を下ろした


・・・・・、




この壮絶な意志を引き継ぎ

ビルトーマスの元、奮起した優秀な技術者が、

この後、次々と名作を開発していくことになるのだ、





1954年ランシングの死から5年後



WE594Aと同じ4inch振動板を使ったコンプレッションドライバーを

ロカンシーが作り上げるのだ



WE594Aは史上最高のコンプレッションドラーバー



勿論、劇場やホールで使うことを前提に作られている




この最高のドライバーを、こともあろうにロカンシーは、

音響レンズを付けて家庭用に使うことを決めた


ランシングが生きていたなんと言っただろうか・・・






劇場用でも7.1(288)㎝、家庭用なら4.4㎝で(175DLH)十分滑らかで艶やかな音を奏でることができていた

ランシングがこれを認めたであろうか?





だがロカンシーは、

ランシングの意志を引き継いで作るんだ‼︎
(※注、と言ったかどうか知りませんが)





WE594Aのマグネット版375を製作し、後に何故かこれがJBLの代名詞となっていくのだが



綺麗に滑らかに艶やかに音を圧縮して

ホーンを使って遠くへ音を飛ばす本来の技術と違って、






いかんせん至近距離の家庭用で使うことが前提なので、

金属で綺麗に響いて圧縮しすぎるフェイズプラグ




至近距離で使えるフェイズプラグにするために「新素材」で開発した





「力強い響きのいい音を、殺して、至近距離で聴く技術」


コンプレッションの要のフェイズプラグに、新素材のプラスチックを採用してきたのだ





しかも、594Aが行ったような10㎝の振動板で

高域まできれいに伸びる振動板を作るのは手間がかかるので


高音は別のユニット(075)を使うことを前提として





最強の磁力を使って


見せかけだけの鈍く動かない大きな振動板がで


至近距離でも聴きやすい中域の厚さと太さ

おまけに強さで勝負した



遠くへ飛ばすのではないから大きなホーンもいらない、



短いホーンでもなんとか拡散でき、

至近距離でも位相を合わせられるように音響レンズを出口に取り付けて

綺麗に響かなくていい、伸びやかでなくてもかまわない






至近距離でも聞き易い、最強のコンプレッションドライバー375を作り上げた
・・・・・・・
(注、私は375が好きではありません)








その後、JBLはハーマン傘下となり、ランシングのネームバリューと、

至近距離で聴けるドライバーを武器に

プロモニタースピーカーの分野で成功を収めるのだが・・・・









一方のWEを引き継ぎ、再び映画音響業界のトップに立ったALTECは、

至近距離視聴ではない





更に拡声器として遠くへ飛ばす技術を身につけて行った

(注、磨かれたフェイズプラグのJBLと、荒いつくりのALTEC、この違いは音にも表れていると思う)








ALTEC某経営者:
感動的な聞き易くすばらしい音質なんてもうどうでもいいんだ



ザラつこうが、歪もうが、割れようが、構わない

劇場の一番後ろの席の客にもセリフが聞こえるように


音を飛ばせばいい



だれだ~!、こんな滑らかにフェイズプラグを磨いた奴は

うちはJBLじゃないんだ

フェイズプラグの面を綺麗に磨くから、音が良くなって、音が飛んでいかないんだ!



教えただろう音を飛ばすには、

ザラつかせ、間引いて、

少し減らして、量を落として飛ばすのが一番なんだ



よく見ろこのフェイズプラグを

JBLみたいにきれいに磨くなよ、

 

そうすれば音は多少割れるが、よく飛ぶ

セリフを、人の声を、より遠くまで届けるのが第一なんだよ

 

緻密で奇麗?、重低音や伸びやかな高域?

そんなのいらんいらん

 

良い音より、声を飛ばすことが大切なんだ、

だから余分な帯域は切り捨てるしかないんだよ




大きな声じゃ言えないけど

うちのアンプだってそのコンセプトで作ってんだから

・・・・

 

 


大丈夫アンプなんてそれで充分なんだよ、


かつてのWE91Bアンプなんかその最たるものだ

低音なんか全然出ないし

 

それに音の質の良い良質なコンデンサーなんか使ってないだろ

多少質が落しても仕方ない、たっぷりNFB掛けて


ケミコンを連ねて使って、あれも多少間引いて音を飛ばす工夫をしたんだ



音のいい86アンプじゃダメなんだ、飛んでくる91Bじゃないと・・・・・

注、いつもの妄想です、が、ほんとに91Bは低音がありません











まあ、確かに今の客は1930年代の昔の客とは違って多少は高域が無くてはダメだ




ちがうちがう、おまえのテーマは違う、


まだわからないのか「聞き易く奇麗な高音じゃない」






沢山売るには性能が特性が大切なんだ、

ボイスコイルをこんなめんどくさく作るから手間もコストもかかるんだ、

エッジと一体にすれば、もっとぜんぜん簡単に作れて

しかも動きが鈍くなって歪んでちょうどいいんだよ






ほら、このほうが数値上の特性は上がったじゃないか

なに?せっかくジェームスが低域とスムーズにつながる様に工夫した、

素晴らしいタンジャンシャルエッジの動きが悪くなるだって~





ばかやろ、


時代が違うんだ、そんな大昔の話してるんじゃね~、

こんな手間のかかる作り方なんていらないんだよ、


これでいいんだよ、そうだ売れるために見栄えがいいように、

振動板にマークも印刷しておこう、


音には関係ないけど








なに?磁力をあげれば、もっと高域もでる?



ならばもっとでっかく強力にすればいい、

 

あっ、売れるには見たくれも大切なんだよ


我が288が、あの375より性能でも、見た目でも劣ってはいけない




だからマグネットケースは375よりでかくしよう、

いいんだよ中身は見られないんだから、

 

ケースだけ大きければスッカスカで中身は小さくても





あっちだって見せかけ倒しで、ぜんぜん動かない振動板使ってるんだから、

いいんだよ見た目と、特性だけ良ければ

こっちは一応タンジェンシャルエッジで良く動く、

音のいい振動板はそのまま使うんだから







いいんだよ、



カタログデーターで高域まで伸びていれば、

 

高い数値が出てればいいんだ


 


こうしてできたのが最強の288-16G?なのでしょうか









より遠くへ強く音を飛ばすために



フェイズプラグは金属だが、ギザギザにざらざらに仕上げ

 

音の質はどんどん落ちて行ったようにも感じた





数々の栄光を手にした黄金時代のALTEC社が、

1970年代以降にどのような戦略を描き

どう先の時代を読んだかはもちろん分かりません




その後288Hなどはフェイズプラグを

375のようにプラスチック製に変えたり、形状を変えたり様々な改良を行ったが




1980年代に入りALTECは急速に衰えていった

 





一方、どん底で社長が自らの命をと引き換えに息を吹き返し

至近距離でも聞き易くをテーマに、最高の家庭用を目指し始まったJBLは

家庭でもプロ分野でも、時代にも受け入れられトップメーカーとして今日にまで至るが



ALTEC衰退の理由はどこにあったのか?



スピーカーの歴史100年を読みながら




77年前と全く逆の改良を施しながら

ランシングや当時のエンジニアたちの理想を思い描き




今日もレコードを聴き、音楽を楽しんでいます




男のロマンたっぷりなオーディオ

楽しいもんですね

 





あっ、

ちなみに全て私の妄想ですから、このブログに真実は何一つ書かれていません


だから、嘘書くな!とか、もっと勉強しろとか、コメント書いてこないでくださいね