Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

「生きた文化財 とやま弁」~蓑島良二さん講演会

2011-05-28 | 富山

 元の職場の退職厚生会の総会があった。総会後講演会があるのだが、興味のある演題の時は出席するようにしている。昨年は「富山の巨木」、一昨年は「高岡城築城物語」だった。地元がテーマの内容にはやはり興味が湧く。

 今年は、「生きた文化財 とやま弁」、講師は、エッセイストで方言研究家の蓑島良二氏である。ラジオのパーソナリティも務めておられたそうで、よく話を聞いたと言う人もいるが、私は初めてで大変面白かった。レジメもなければ、映像もない。黒板さえも使われず、漢字を書いた紙を何枚か持って来られ、それを見せながらのお話。中身と話術で、次々と冨山弁を紹介された。メモを頼りに、一部を紹介します。

 まず、方言が持つ力:認知症で無気力だったお年寄りが、同郷の看護師と巡り合い、方言で喋るうちに心が癒され、元気を取り戻し、回復に向かって行った、と言う話をされた。

 冨山弁だけ(他の地方で使われる場合も)に残る表現
  *
「お」…大きい「お」、「を」…小さい「を」  これは、昔は「大川」を「おおかわ」、「小川」を「をがわ」と表記した。それが、今でも残っている。
  *富山では、歌の「一題目、二題目」…これは一般には、「一番目、二番目」と言う。
  *富山では、「校下」…これは、普通は「校区」と言う。確かにPCでは変換できない。

 冨山弁は、「西日本方言」。上方の言葉が富山で止まった。新潟、長野は、関東系方言。
  *関西では「なすび」、関東では「なす」。今は、「なす」が標準語。

 富山国体の時のエピソードから(選手の宿をした家で):
  *家族紹介で「うちのアンマですちゃ」 「いや、按摩は要りません」
      アンマは「兄者(あにじゃ)」から。
      オッジャは「乙者(おとじゃ)」から。「オッジャに生まれりゃおぞいもんでござる」
われた。
  *帰宅した選手が「3位ゲットしたよ!」とピースした。「え?げっとくそやった?」 げっとは「下種」「下司」から。げっとに「糞」までつけて使うのが可笑しい。

 上の例も、古語が冨山弁に残っている言葉だが、他にも、「あいの風」「こけ」「おちんちんかく」「おつくばい」「はしかい」「かかちになる」・・・まだまだたくさん元の漢字や出典を示しながら話された。方言の紹介や笑い話はよく聞くが、由来や歴史の話が面白かった。いつか、著書やエッセイや読んでみたい。


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6 コメント

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Unknown ()
2011-05-29 12:08:36
面白い公演でしたね。
とても興味があったのに、残念でした。
いくつか、知っていることもありましたが、「大川」「小川」の語源は知りませんでしたね。
ほかにも、目からうろこ の事が多々ありますね。
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Unknown (清姫)
2011-05-29 18:26:32
姫ちゃん
もっともっとたくさん例を紹介されました。
書ききれなくて…ね。
「おちんちんかく」なんて知ってました?「鎮」から来ているって。「静かにジッとしていること」です。
「かかちになる」”かかち”はほおずき。目がかかちになる=目が輝く だそうです。
それぞれ古語辞典や古典に出ていて、それが富山の方言になっているって。
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Unknown (よっしー)
2011-05-29 19:35:29
清姫さん
この先生 テレビにもよく出ておられますよね
木曜日のKNB放送夜9時~「ケンミンショー」って番組で富山代表がいつも柴田理恵さんなんですが「おちんちんかく」って紹介してましたよ。私は知らなかったけど・・・「はしかい」「おつくばい」はわかりますよ。呉西・呉東ではちょっと違うのね~旦那が転勤先でコーヒーおごってあげるのに「今日 俺だいてやるちゃ~」って言ったらびっくりされたらしいよ。「だら」って言ったら、なんのこっちゃですよね。
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Unknown (風子)
2011-05-30 10:49:13
清姫さん
方言は古語に由来する言葉がが多いようですね。
先日レーチェルにそのような話をしていたら
それを研究していらっしゃる人はいますか?
ときかれたのですが、多分いるとおもいます。
としか答えられませんでした。
方言はまさに生きた文化財ですね。
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Unknown (清姫)
2011-05-30 19:11:15
よっしーちゃん
やはりよくテレビに出ておられますか?
私は1度も見ていないのです。「ケンミンショー」も噂は聞くけど見たことがなくて…。今度見てみるね。
「おちんちんかく」は呉西では知らないよね。
「だいてやるちゃ」の話はされましたよ、大笑いでした。ダラの語源も説明されました。
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Unknown (清姫)
2011-05-30 19:23:02
風子さん
そうなのですね。
”おとみわずらい”(おとめかと思ってましたが)は「乙見患い」で下の子が生まれると上の子がぐずる。
「~られ」は古語の助動詞の命令形から来ているが、富山では、親しみを込めた愛情表現、優しさ表現として使っている、残していきたい方言だと言われました。
レイチェルは、方言に興味があるのですか。
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