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ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第3話 「隊ノ一日・梨旺走ル」 感想

2010-01-20 00:03:59 | ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
やっぱりこの作品好きだなぁ、と改めて思った第3話。

ド派手なアクションや、奇想天外なストーリー展開を見せるわけではなく、静かに、美しく、そしてどことなく哀しい感じのある、それでいてどこか温かくて、とても丁寧な、そういう作品なんだよね。
世の中的なセールスとか、そういうのを抜きにして、個人的にはとても好きな良作だと思うんですよね。

第2話ではクレハの心の内側と、カナタが小隊に改めて迎え入れられるエピソードでしたが、今回は天真爛漫で楽観的のようなカナタだけれども、やっぱり新しい環境に馴染むためにどこか無理をしていたり、自分は「味噌っかす」だから、余計に頑張らないといけない、という社会人になって最初の新人さんが経験してしまう、少しだけ繊細で、それによって縮まる距離がある、そんなお話。

また、カナタという存在は多分、周りの人を巻き込んで、人の気持ちを素直にさせてしまう効果を持った存在なのかもしれないですね。
第2話のクレハ、第3話のリオ、どちらも図らずも自分が隠してきた胸の奥にある感情をアクシデントを通じながらも、いつの間にか吐露してしまう。

吐露することによって、何かを乗り越えて、少し気持ちが楽になる。

カナタという存在は、そういう緩衝材なのかもしれないですね。

リオの場合、おそらくお母さんを病気で亡くしていて、そのときの怪しげな宗教?に頼ったことで救えなかったという苦いトラウマのような経験があって、それがカナタの病状とかぶってフラッシュバックしちゃう。

それが教会のフォーチュンクッキーを嫌がるバックグラウンドだったわけだけど、目の前で苦しむカナタを救うには、そういうトラウマを乗り越えて、教会に助けを求める、というリオ自身の救いにもなっていた、そんなちょっと素敵なお話。

多分、みんなどこか哀しい過去を心に秘めているんだろうけど、それをカナタが加わった日常を通して、わだかまりが溶けていくのかもしれないですね。

また、リオの師匠とカナタがあこがれた人は同一人物だということが判明したわけですが、これもまた運命的。

リオが一番幸せだったときの記憶とそれに連なる音楽が「アメージング・グレイス」だったんでしょうね。

たぶんその師匠とのお話がまたキーポイントとして今後出てくるんでしょうけれども、それは楽しみに取っておきたいと思います。

あと、リオのお父さんのお話はまた後で出てくるんだろうなぁ。


「味噌っかす」というお話と、戦車小隊の各隊員の話、そして音楽。

これが「アメージング・グレイス」というリオ・カナタにとって想い出の曲として収斂するところが非常に美しい。
※また旧世代のテクノロジーを満載した動かない戦車が、今は高価なミュージック・プレイヤーとして存在しているところもポイント。


多分12~13話構成になると思うので、小隊の日常をノエルと小隊長まで含めて描いて、後半に転換点が来ると思いますが、その後半を考えるに、この日常描写はとても大事なんだろうなぁ、という予感。

河に眠る(おそらく)旧世代の遺物、超・破壊兵器?の復活を目論んで、隣国が国境に攻め込んでくる、という展開も考えられるので、そのとき、伝説のように火の乙女として5人が犠牲になるのか?それともその伝説を乗り越えていくのか?というような妄想も膨らむところです。

静かに、そして丁寧に描かれる物語。

ちょっと楽しみです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
泣けました (こばやし)
2010-01-20 22:22:32
「アメージング・グレイス」で泣けました。

エウレカの4期OPで、アレンジされて使われていたので、私には思い出深い曲です。いろいろつながって、感動が倍増。泣けました。本当に良作ですね。

ひさびさに、燕。さんの壮大な妄想が読めて楽しいです。ファフナー形式で「平和な日常を丁寧に描くことで際立つ戦争」という図式は、つらくなるからやだなあ。このまま平和に終わっても、結構いいです。
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ラストでかかって欲しい曲 (燕。@管理人)
2010-03-17 22:45:33
■こばやしさんへ
アメージング・グレイスはエウレカファンにとっては非常に思い入れのある曲ですよね。
そしてこの作中でも非常に上手く使われていますよね。泣かせます。
脚本の吉野さんが、女の子を日常を丁寧に描くために作った、とも言っていたので、この日常はとても意味があるんだと思いますよ。
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