蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

劇場版 空の境界 第2章「殺人考察(前)」 感想

2008-01-12 03:03:50 | 空の境界
劇場版 空の境界 第1章「俯瞰風景」に続き、第2章「殺人考察(前)」を観て来ました。

Webのチケット予約では全然予約が取れないので、ここは当日券狙いでと思い立ち、急遽本日会社終了後、ダッシュで新宿へ。
21:15の回は既に立ち見だったので、22:30の回のチケットを購入。
それでも上映時は22:30の回も立ち見になっていたので、またしても結構な混雑ぶり。

ちょっと今あまり頭が回っていない状態なんですけれども、それでも観た当日の印象は大事にしておかないと、ということで、短いけれど感想を。
ひょっとしたら追記するかもしれないし、しないかもしれないし(笑)。


それでは第2章「殺人考察(前)」のインプレッション。


僕が初めて空の境界を読み終わったときの感想が、この物語は式と幹也の純愛の物語なんだ、でした。
その感想は何度も読み返している今も全く変わることがないのだけれども、今回の劇場版 空の境界では、その辺の純愛表現部分に結構クローズアップしているんではないかと思うんですよね。

そしてこの第2章「殺人考察(前)」は、小説でもそうでしたが、それにも増して式と幹也のピュアラブストーリーにスポットを当てている、そういう感じを強く受けました。
#ピュアと言うには非常に周囲の状況はアレなんだけれども、逆にそういう舞台装置だからこそ、この二人のピュアラブストーリーが浮かび上がってくるのでしょう。


今回は1995年。
式と幹也が初めて出会い(実際はもう少し前なのだけれども)、識が登場し、あの事件が起きる。
第1章「俯瞰風景」から3年前の物語。


ここは実は読めば読むほど、式と識の関係性を知れば知るほど、切ない物語になっていて、この劇場版でも(もちろんその切なさを小説版で知っているのが前提にはなるんだけれども)、発揮されていました。

切ねー。

特に、これまで人間が嫌いだった式が、幹也と触れ合うことによって、苦悩していく姿というのは、非常に切ない。
その集大成が、ラストの幹也に襲い掛かる式の儚げな笑顔に収斂されてくるわけで、そこがまた切ないんだよなぁ。

幹也と居ることで、自分の異常性を自覚してしまう、式と識が居る、その異常性が際立ってしまう。
出会わなければ、きっと式も識も壊れずにすんだのではないか、というほどに。

だから自分を、式と識を守るために、式は自分の気持ち(識)を殺す。
ずっとそうしてきたはずなのに・・・。

自分の蓋を開けようとするものを全て殺してしまいたくなる。

自分を守るために。

自分が壊れるか、それともそれを開けるものを壊すか。

普通に生きるという幻想(夢)なんて持たずに生きていければよかったのに―――。


肯定する式と、否定する識。


その葛藤から、幹也を殺す、という選択。


そして儚げな笑顔。


……やっぱり切ないなぁ。

「殺人考察(前)」では描かれず、最後は車が通った音だけが残るわけだけど、そのタイミングで起こる事件で識は式を生かすために、式と幹也のために識は居なくなってしまう、というのがまた切ないんだよなぁ。


と、終始二人(三人)のピュアラブストーリーに徹した第2章「殺人考察(前)」でした。

第1章「俯瞰風景」よりは原作に忠実に、というイメージ。

派手なアクションは無く、ただ淡々と。けれども切なく。

そういう中で、坂本真綾さんが演じた「式」と「識」は良かった。
1995年の「式」と「識」は、1998年の「式」とも違っていて、坂本真綾さんはこの時点で3つの「式」を演じていることになるんですよね。
#たぶん最終的には4つの「式」になるんだろうけども。

うーん、良かった。

特に「識」と幹也のデートシーンなんかは凄く良かったなぁ。

やっぱり「識」という否定の存在も、愛すべき存在なんだよな、と再認識。


エンディングテロップが流れつつ、音楽は「Oblivious」がかかるのかと思ったら、「君が光に変えて行く」だったんだね。
1章ごとにテーマ曲が変わっていくのか、凄いな。
これがプロジェクト「Kalafina」というわけね。


そして最後に(第1章を観てる人は既に理解していて、まだ言葉を発していない声優さんの名前がテロップに出るわけだ、第1章ではちなみにそれは鮮花だった)、この人の台詞で締め。


中田譲治。

そうこの人こそ、荒耶宗蓮。


用意された駒は三つ。

死に依存して浮遊する二重身体者。

死に接触して快楽する存在不適合者。

死に逃避して自我する起源覚醒者。

いずれ。

互いに絡み合いながら相克する螺旋で君を待つ。



かっこいー。

つか、どう聞いてもこれはマーボー神父の人だ(笑)。

第3章は「痛覚残留」。

これは内容も濃いぃけど、アクションも凄そうな気配がビシビシと。

チケット取るのは大変だけど、また楽しみです。

ああ、もう一回読もう。
#帰りの電車で読もうと思ったら文庫版の中巻を持ってきてた。
#「殺人考察(前)」は上巻だよ!!

参考:劇場版 空の境界 第1章「俯瞰風景」感想

劇場版 空の境界 公式HP

文庫版 空の境界 上


文庫版 空の境界 中


文庫版 空の境界 下


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。