5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

我慢の限界

2020-05-21 21:50:42 | 社会

5月20日EST午後2時現在、194550人のNYC在住者がコロナのウイルス検査で陽性だというツイートを読んでいる。817万人の市の人口で割ると罹患率は2.38%となる。5月17日以降は毎日の陽性確認が1000件を切って来ている。州知事と市長の判断でロックダウンは延長されたが、さっそく、制限解除のアピールが声高に叫ばれているようだ。市民の義務として規制を続けよという安全派、個人の自由な権利をみとめよという解放派、入り乱れての侃々諤々状態といったところだろうか。

今日の中日夕刊「世界の街、海外レポート」でニューヨーク特派員は「自粛警察ここにも」という短文を載せている。

特派員氏はマンハッタンの隣に浮かぶ人口1万の島に住んでいるとある。緑豊かで車も少なく環境は申し分なかった。それも、コロナウイルスの感染による自己隔離をせよという行政命令が出るまでは。見えない敵への疑心暗鬼もあってか、住民同士が監視しあうようなギスギスした空気が漂っているのだという。

島内の情報サイトに二十数人の写真が掲載された。ジョッギングをする人、自転車に乗る人、買い物袋を提げて歩く人、、、。いつもならNYの典型的なシティライフの一コマというわけだが、写真の共通点はマスクを着けていないということ。それを非難する投稿者は「外出の際のマスクは必須だ」というのだが、行政の通達では「マスクが必須なのは公共の場で社会的距離(1.8m)を保てない場合」となっている。住宅地の路上や公園スペースなのだから、写真の人々がルール違反をしているようには見えない。「外で唾を吐く人も、クシャミをする人も見た」とも投稿者は付け加えたという。

そこはリベラルなニューヨーカーたち。さっそく「こんな写真でコミュニティの隣人を告げ口するのはきわめて不愉快だ」ときっぱり反論したとある。それを見た特派員氏は「我が意を得たり」とホッとしたと言う。

ウイルスに逼塞を強要された人々のイライラが昂じ、度の過ぎた監視と密告がはびこり、世知辛い。そう奥方に愚痴ったら、眼をつけられないよう気を付けてと釘を刺された。これで「ますます外出が遠のきそうだ」と半分あきらめ気味の特派員氏である。

自警意識はアメリカ大陸を開拓した先人のDNAから流れるもの。自粛で済んでいるうちはいいが、マンハッタンという大都会では凶器をつきつけられるリスクもきわめて高かろう。ここは奥方のいう通りかもしれない。

ところで、特派員氏が住んでいるのはイーストリバーに浮かぶルーズベルト島ではないのだろうか。ミッドマンハッタンから一跨ぎで行ける別天地。最近は開発も進んで超高級マンションの並ぶ第一等の住宅地のはずだ。もしそうなら、普通のサラリーマンでは住めない「申し分のない環境」に違いない。

 


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