〝出会い酵素〟阪大発見
不妊治療開発に期待
精子が卵管を通り、受精のために卵子と出
会うのに必要なタンパク質を作る酵素を、大
阪大のチームがマウスで突き止め、20日付の
米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
伊川正大大阪大鹿教授は「人間の不妊は原因不明
なことが多いが、この酵素が異常となっている可
能性がある。
治療や診断薬を開発できるかもしれない」として
いる。
チームの徳弘圭造大阪大特任研究員らは、精子の
もととなる精細胞で働き、他のタンパク質の立体
構造を作る酵素「PDILT」に着目した。
遺伝子操作でこの酵素を持たないマウスを作製
したところ、精子が他の細胞とくっつくのに必要な
タンパク質「ADAM3」ができなくなった。
このマウスは正常に交尾し、精子の見た目や運動
性に異常はなかった。
だが精子は雌の卵管を通れず、4匹の雄を計31回交
尾させても一度も妊娠しなかった。
通常のマウスの妊娠率は90%以上。卵管の卵子
付近に精子を直接注入すると妊娠した。
精子が卵管の壁にくっつけないため通れなくなったと
みられる。
PDILTの働きを抑える薬ができれば、人口爆発が
問題となっているアフリカや、ペットなどで避妊にも
役立つ可能性があるという。
以上。
不妊については、当人は大変深刻なようだ。
しかし、どうしてまた、このようなことが分かるよう
になるのか、人間の知恵の進歩というのは、これまた
不思議でしようがない。