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滅亡は、かつて人間と同じ行動をして、混じりたいと思ったこともありました。
人間の様に食べ、眠り、哀れみ、愛したいと思いました。
しかし、それは無理でした。人間と同じようには生きられません。
人間には向かう場所があります。しかし、滅亡にはありません。
滅亡が立ち寄った食堂は、店を閉めてしまいました。滅亡したのです。
その時、滅亡は悟りました。
行く当てもなく生き続ける自分は決して人間にはなれないんだと。
自分がすべきことは、いつまでも人間を見守ることなんだと。
一方、突然訪ねてきたヒョンギュを見て立ち尽くしてしまったジナ。
我に返ると、ヒョンギュの鼻先でドアを閉めました。
1階で待ってて・・・とドアの内側から声をかけました。
ジュイクに、少し間をおいてから部屋を出てくれと言い、慌ててヒョンギュを追いました。
会いたかったから来た・・・とヒョンギュ。
いつも自分勝手ねと、ジナ。
まぁね、そう言われても仕方が無いヒョンギュの行動でしたね。
9年前に来るべきだったとジナは言いました。もう遅い・・と。
ジナはヒョンギュと付き合っている間、いつも胸が苦しかったようです。湿っぽかったとジナは表現しました。
もう、あの時の気持ちに戻りたくないと。
でも、ヒョンギュは幸せだったと言いました。
ドンギョンの叔母スジャは、ソンギョンから全て報告を受けていました。
滅亡の事も、恋人だと聞いていました。
決して泣いたり責めたりしませんでした。ただ、ありったけの愛情を示しました。
いつまで遠慮してるの?いつまで私の人生の客でいるわけ?・・・とスジャ。
スーツケースから出て来たのは、たくさんのドンギョンの服。ドンギョンを思い出してはスジャが買い貯めていたモノでした。
夏のワンピースもあるわ・・・とスジャ。
もうドンギョンが着ることが出来ないかもしれない、夏の服です。
全部着てね、そのつもりで来たからとスジャが言いました。
普通なら、泣くよね、こんなシーン。
でもね、ドンギョンは泣かないんです。心にスジャの思いが沁みて来ています。
それでも、泣かないのです。泣くのは一人であの海岸で・・・と決めてますから。
ヒョンギュがひょんなこと事から、ジュイクとジナが知り合い・・・それも親しい間柄だと気付いてしまいました。
帰宅した時、ジュイクの携帯にジナからメールの着信が入ったのを、見てしまったからです。
でも、何も言いませんでした。
ドンギョンは、滅亡に頼み、スジャに医師として病気についての説明をしてもらいました。
滅亡の姿が、ドンギョン以外の人には全く別の容貌に見える事を利用し、スジャにこれ以上心配させないよう、嘘をついてもらったのです。
臨床研究中の薬があり、ドンギョンも待機中なんだと。効果は期待できると。
神は毎回病気で一生苦しみながら死ぬ人間としてこの世に生まれるそうです。
「それが、あいつが世界を保つ方法だ。全ての罪を背負い苦しむこと。それが神の役割だ。」
と、滅亡が言いました。
自分が一番哀れだと思ってたけど、そうじゃないのね・・・とドンギョンは言いました。
じっとしてろ・・・と滅亡が言って、ドンギョンを見つめました。
何?と、ドンギョンもじっと滅亡を見つめました。
「今の一秒間は何一つ滅亡しなかった。お前が望む世界だったよ。」
ドンギョンはその一秒が永遠なモノに感じました。
ドンギョンはある日、滅亡を呼び出しました。
初めて思いっきりお金を使うから、付き合って・・・とドンギョン。
ソンギョンの靴を4足。ジナのための万年筆。スジャのためにはバッグを。
そして、滅亡とツーショット写真を撮りました。
その中からお気に入りの一枚を滅亡の携帯の待ち受け画面に入れました。
滅亡はドンギョンにステキな夢を見せてあげました。
スジャとジナとソンギョンも加わって、素敵なレストランで食事をする夢です。
目が覚めても、ドンギョンの部屋に3人がいました。スジャが作った朝ごはんを和気あいあいと食べました。
もしかしたら、これも・・・夢
「今まで言う事を聞かず、ごめん。」
と、滅亡が少女神に言いました。休戦交渉じゃなく、降伏だ・・・と。
「あんたの心配事が起きないよう努力する。あいつに世界を捨てさせたりしない。」
そして、続けて言いました。
「俺はあんたのことが哀れだった。恨むより哀れんだ時間の方が長い。創ってくれてありがとう。」
この時、少女神は一度も滅亡に姿を見せませんでした。
何故なら、少女の体は、もう滅亡の淵に立っていたからでした。
ドンギョンが担当していた作家たちが、こぞって再契約を拒否して来ました。
理由は、担当がドンギョンじゃないということ。つまり、ドンギョンじゃなければ、契約しないと言う事です。
社長は慌ててジュイクにドンギョンを呼び戻せと命令。
しかし、社長の社員を人とも思わないようなこき使い方に不満を持っていた社員たちは、ジュイクを含めて全員がその命令を無視。
社長自ら動くよう要求しました。
ジュイクは、ヒョンギュがジナと自分の事に気が付いたと察しました。
メールを見たと気付いたのです。
ヒョンギュと話をしようとしました。でも、ヒョンギュは避けました。
ヒョンギュはまずジナに話を聞こうとしました。
ジナは嘘をつかないと分かってるからでしょうね。
恋人は?と聞くと、いないと即答。
「好きな人がいてもやり直そう。」
好きな人がいたとしても、俺が先に付き合ったし、俺が先に好きになったし、今もお前が好きだから・・・と。
もしも、私がもっと生きたいと願ったら、叶えてくれる?と、ドンギョンが滅亡に尋ねました。
「いや。俺には無理だ。滅亡だから。」
だよね・・・とドンギョン。
ドンギョンは、皆の本心が分かっていました。
スジャもソンギョンもジナも、ドンギョンの前では笑っていても、心の中では物凄く苦しんでいることを。
あなたには見えてるよね?と、聞くと、滅亡は、うん・・・と頷きました。
あなたは?私を見ながら何を考えてる?と、ドンギョンが滅亡に聞きました。
滅亡はいつも、生きろとドンギョンに向かって繰り返していると、気づいていました。
それを見る私の気持ちが分かる・・・と言いました。
「最初に考えてたとおりにすればいい。簡単だ。」
と、滅亡は言いました。
それは、死ぬ前に世界の滅亡を願うと言う契約を果たさなければ良いと言う事でしょうか?そしたら、その時ドンギョンが最も愛する者が死ぬということですよね。
滅亡はこれまで消えゆくものたちを見守るのが仕事だと思って来ました。
自分が消えることは怖くありませんでした。しかし、消えることでドンギョンに会えなくなるのが怖いと思いました。
ドンギョンの余命はあとわずか。
と言うことは、滅亡自身に残された時間もわずかだと、気づきました。
「愛してる。」
ドンギョン元に駆けて行き、そう告げました。
“Dー50”
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