レビュー一覧は、こちらから。
久しぶりのイム・シワンssi。こんなに美しかった
ヨルム=ソリョンさんは、人生に行き詰っていました。
会社では直属上司からのセクハラ、パワハラに見舞われ、先輩に自分の企画案を横取りされ・・・。
大学時代から交際してきた恋人とはうまくいかず、しばらく距離を置こうと一方的に言われてしまい・・・。
唯一の心の支えは、母。
なのに、ある日突然ヨルムに飛び込んできたのは、母の死の知らせ。
慌てて駆け付けた病院でヨルムが見たのは、霊安室の扉の向こうに寝かされた冷たい母の姿でした。
死ぬまで働きづめだった母。
ヨルムは頼りにならない兄の代わりに、お葬式を取り仕切りました。
恋人が駆け付けてくれ、優しい言葉をかけてくれたものの、一緒に付き添ってはくれませんでした。
あまりにも突然の事に、ヨルムは涙も出ませんでした。
ヨルムが泣けたのは、お葬式を終えて自分のアパートに帰った時でした。
母からの宅配荷物が届いていたのです。中には、母の手作りのたくさんのオカズが詰め込まれていました。
最近、ヨルムの声に元気がないことを、母は気づいていました。
だから、これを食べて元気を出してもらいたいと思ったのです。
オンマ・・・と声を上げてヨルムは泣きました。
ヨルムの中の感情が無くなったようです。
機械的に出社し、退社する、そんな日々を過ごしました。
世の中は何も変わらないけれど、自分だけが変わったと思いました。
1人になってしまった・・・と。
ある日、出勤する途中で、ちょっとしたアクシデントで電車に乗り遅れてしまいました。
途方に暮れたヨルムですが、その時、ふいに桜の花びらが舞うのを見たのです。
春なんだ・・・と思いました。
次の電車に乗ろうとしましたが、足が止まりました。
会社には行かない決心をしました。
行った事の無い方向に向かう電車に乗りました。
上司から何度も着信が入りましたが、無視しました。
何だか、心が浮き立ちました。
皆と逆の方向を行けば混みあってなくて静かで穏やかなのかも、今のように・・・と思いました。
何度目かの上司からの電話で、ヨルムは会社を辞めると告げました。
私物を整理に会社に行くと、上司は手のひらを返したようにヨルムを引き留めようとしました。
先輩も、あれこれ聞いて来ました。
要するに、この二人は、ヨルムに対して負い目があるってことです。
でも、ヨルムの決心は変わりませんでした。
立つ鳥後を思いっきり濁して、ヨルムは会社を辞めました。
ちょっとすっきりしたのは、私だけ
リュック一つ背負って、ヨルムはバスに乗りました。
桜並木を抜け、海岸に降り立ちました。
ヨルムは、上着を脱いで、裸足になって海に走り込みました。
これからは、自分のために時間を使おうと、思いました。
デボム=イム・シワンssiは、図書館司書らしいです。
ヨルムとデボムの出会いはまだです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます