うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

バーグ、バーグ、ハンバーグ

2012年03月17日 19時59分20秒 | 2012 (25)
今日は、ハンバーグ作った。
わりと大きいサイズで。
小さいサイズも作りました。冷凍してお弁当に入れるのだ。


そういう指示が母親から出ました。小さいの作って、ジップロック入れといてって。



やっぱり、ハンバーグは美味しいね。

妹からも高評価。やったね。

『少女は卒業しない』朝井リョウ

2012年03月17日 11時34分25秒 | book
青春小説を読んだので、この流れでもう1冊青春小説を読みたいなと思って、この小説を読みました。今、私の中で一押し作家の朝井さんの最新刊。

発売日の前に本屋さんにあったのでゲットしていたんだけど、読むのが少し遅くなりました。


卒業シーズンにぴったりです。連作短編集で、卒業式の一日に起こるそれぞれのエピソードが描かれてる。しかも時間軸に沿って並んでるので、それぞれが独立した話だけど、前から読むのがいいです。一番最初に入ってる話は、卒業式の朝の話で、一番最後の話は、卒業式が終わった後の真夜中の話。もちろん間には、卒業式の最中の話や、卒業式が終わった後の話もあります。

卒業式という事象に加え、高校自体がなくなるというのも大きな要素かなと思います。在校生にとっても卒業式の日がこの校舎へ通う最後の日。通常、卒業式の後も在校生はまだ学校に通うけど、校舎が取り壊しということで卒業式の日程が遅く組まれている。


「やっぱり朝井さんの文章好きだな」とまず思いました。前は言葉の選び方のセンスが良いのかなと感じたけど、今回は、「文章」が好きだなと思いました。
あ、例えがうまいんですよ!!!今、ひらめいてちょっとすっきり。言葉の選び方というよりもっと具体的に言うと、例え方が上手いんだと思います。

私の好きな青春小説というジャンルだし、最高です(笑)


きらきらした感じ満載!!こういう感じ好きー。


最初、順調に読み進めてたんだけど、卒業式の後にライブをやるのが恒例で、そのライブを描いた話「四拍子をもう一度」でつまづいた。
登場人物が多くて、誰がどこのバンドでっていうのがこんがらがって、しかも語り手の女の子の位置がよくわかんなくって・・・。
たまにそういうことある。人物相関図書かなきゃ分からんっていう時。読み進めていくとなんとか、理解できるようになりました。誰がどのバンドでどういう関係なのか。

この話の展開が一番予想外だったかなと思います。クールな女の子のかわいい一面が見られるお話でした。実はあの人のこと好きだったんだってばれる所がかわいい。

この話でスピードは遅くなったけど、一気読みです。

どの話も心に残るけど、実際あったら面白いなと思ったのが、「在校生代表」という話。
いわゆる在校生代表の子がする送辞のあいさつです。

送辞の内容が小説。彼女の語る長い送辞。しかも大好きな先輩への告白なんです。かなりの度胸がいるけど、かっこいいなと思った。そして、それを事前に先生に話して、許可もらってるっていうね。送辞が長くなると、式のタイムスケジュールが遅れちゃうけど、そこを先生に許可とってる。
ちなみに送辞を読むくらいだから、彼女は生徒会に入っていて、それも思いを寄せる先輩が生徒会長だったから近づきたくて入るっていう行動力のある子です。でも、全然したたかさとかなくってまっすぐで潔いんだな。

許可してくれた先生のあだ名がザビエルで笑えた。そういう先生いそうだもん。頭のてっぺんはげてるからザビエル。しかも送辞の中でもザビエルって呼ばれてて、面白かった。


恋する女の子の健気な感じが良かったのは、「エンドロールが始まる」

先生に片思いだったのです。それだけでも切ないんだけど、先生は奥さんがいて、だけどその先生に会いたくて毎週先生のいる曜日に本読むの好きじゃないけど、図書室に通って本をかりる。一途だなと思いました。

あと、女子的ポイントとしては、髪の毛というか髪型を作るのに一生懸命で、どうして筆者は男の子なのに女子の髪の毛にかける思いがこんなに分かるんだろう?と思いました。

一度偶然見た女の人の写真、おそらくは先生の奥さん。それに近づくために髪の毛を伸ばして、コテの使い方も友達に教えてもらって、真剣な手つきで髪の毛を巻く。時間に遅れそうでも髪が優先。シュシュで片側にまとめた髪は、彼女の思いそのもの。

卒業式の朝、先生にかりた本を返すために早めに学校に先生を呼び出すんだけど、また告白が切なすぎる。詳しくはぜひ読んでください。
 
先生が穏やかで、憎めない!!そこがまたきゅんとくる。



一番青春っぽい感じがしたのは、「屋上は青」

卒業式が始まっちゃって、なんと卒業式をサボる。それも道を踏み外すなんてできない真面目な女の子が。

立ち入り禁止の屋上でおさななじみと語り合う。ピュアな感じがした。青という色の効果もあるのかもしれない。空の青、とおさななじみの男の子のシャツの青。

恋という関係ではないんだけど、別々の道に進む2人の2人だけのお別れの時間。
私が泣き出しちゃだめだって懸命に涙をこらえるところは、妙に臨場感があって、その「静」の部分と、見てほしいって言ってダンスを踊るおさななじみの男の子の対比がよけいに胸に刺さりました。泣きながら踊ってる。


他の話も面白いけど、特に印象に残った話の感想を書きました。

「寺田の足の甲はキャベツ」も面白いタイトルだし、「在校生代表」の送辞の彼女も出てきて、楽しめます。卒業して距離が遠くなるから別れを選ぶ2人の話。別れるのは距離だけじゃないんだけど、この話も切ない。


どの話も面白いので、おすすめです。

『ハッピー☆アイスクリーム』加藤千恵

2012年03月17日 11時33分51秒 | book
短歌と短編集が入ったお得な作品です。
短歌集とは別に、小説の中にも短歌が時折入っていて、その場の空気というか心情を表してくれる。珍しいスタイルになってます。古文とかだと話の中で和歌が挟まれたりするよね。

装丁のアイスを食べてる女の子の装丁がキュートです。


青春小説なんだけど、色に例えると少し暗めの色なのかなと思う。きらきらしてるというより切ないの方が勝ってる感じ。もちろん高校生の考え方とかものの感じ方、空気がぎゅっと詰まってて、きらきら感がまったくない訳ではないんだけど。

現役高校生が読んだら共感度100%ではないかしら?すでにこういう感じあったなとか思う私は、共感というより懐かしいと思った。

どの話も面白いというか高校生の恋とか友情とかいろいろ詰まってて面白かった。

『十八歳で夏』が一番好きかな。あえて選べばだけど。歩道橋に登って景色を眺めるシーンがあるんだけど、そこが印象的だった。そして、そこで挟まれる短歌!!

    歩道橋に立って遠くを眺めてた 空は近くて遠くは遠い

P47から引用



少ない数の言葉でぐっと人をひきつけてしまう短歌の力ってすごいなと改めて感じました。

歩道橋、小学生の時は毎日登ってて、大人になってから登ってみると、なんか不思議というか、こんなに周りの手すりというか柵?低かったっけとか、電線近いなとか、そこから眺める景色が変な感じで。けっこう自分の生活の中でそういう体験があったから印象に残った。

青春小説、そして短歌も楽しめる素敵な本でした!!!