うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

大感動

2008年10月26日 23時45分18秒 | catch
 昨日、国際人形劇フェスティバル2008に行ってきました☆大阪の中央公会堂で昨日から開催中です。世界や日本の人形劇がいっぱい集まってます。
 人形劇というより文楽に興味があるので主目的は、『義経千本桜』を観ること!『千本桜』観た後、文楽ワークショップを聴いて、シンポジウムも聴きました!他の人形劇には時間の関係もあり触れられていません。


 開場時間ジャストくらいに着いたら文楽を観る人の行列が50メートルくらいになってて驚いた。
 『義経千本桜』は、夏休みの集中講義で学んだから予習ばっちり。しかも上演された段も集中講義でとりあげたのとまったく同じ。語彙が乏しいのが残念ですが、感想は楽しかった!テンション上がった!驚かされた!ときめいた!この感動を伝えたいっ!誰かと分かち合いたい。やっぱり静御前がキレイ、可愛い。そして狐忠信のいろんな仕掛けや早がわりに目を奪われた。集中講義では舞台の背景がほとんどなかったけど、本日の舞台は桜満開で美しかったです。


 集中講義で学んでるので狐っぽい動きをしてるとか、この早がわりの裏ではどうやってるとか分かって嬉しかった☆こんなにちゃんと舞台の上での人形の動きを理解した上で観たのは初めてです。


 そして、静の鼓の音につられて狐が登場する場面の「鼓抜け」というケレンを観られたのが一番感動した!!!狐の登場の仕方にはいろんな仕掛けの種類があって、大夫さんの見台、額縁なんかから出てくるのもあります。「鼓抜け」は、鼓の皮を破って白狐が登場します。プログラムに鼓抜けって書いてあったから注視してました。本物の鼓を打った後に置いて布をかぶせてその間に皮が紙の鼓とすり替えるって授業で習ったけど、すり替えたのが全然分からんかった。


仕掛けでもう一つ大きかったのがラジコン狐。義経に狐だと正体がばれて鼓をもらって口に鼓をくわえて帰っていくラストで登場。この狐も授業で見せてもらったけど、実際に宙をワイヤーに沿って駆けていく狐に皆びっくりしてた。客席の上に斜めにワイヤーが横切ってて狐が首を振るたびに鼓から桜の花びらがはらはら舞う。このはらはら舞うのが素敵。


 大夫さんの語りは人形とは反対に字幕がなかったのであまり理解できなかった。話の筋は授業で学んだから話が分からんことはなかったけど、字幕のありがたさを痛感。三味線は、あんまり音色がどないやとか分かってないけど、学校に来てくれはった三味線弾きさんがいたから注視してました。


 文楽を鑑賞した後そのままワークショップも聴いた。大夫さん、三味線弾きさん、人形遣いさんがそれぞれ登場して簡単に解説して下さいました。そして人形遣い体験が最後にあってお客さんが3人遣いを体験。三味線の解説をして下さった三味線弾きさんの話が面白くて楽しかった。舞台では真剣に三味線弾いてはるからそれとのギャップがあって余計に面白かった。三業の中では三味線が一番よく分からないから楽しく学べた。


 シンポジウムは、事前にハガキを出して当たってたんやけどなんと最前列でした…(汗)。『世界無形遺産のふたつの人形劇・大阪での出会い』というテーマで文楽の人形遣いの桐竹勘十郎さんとイタリアの伝統人形劇PUPIのミンモさんと伝統芸能のこれからについて考えてはるカニタさんが意見をおっしゃってました。


 文楽とPUPIの共演が最初に少しあって一緒に悪を退治してました。騎士(盾を持ってて顔を覆えるマスクをつけてた)と侍が一緒に戦ってた。文楽では人形遣いさんは一切しゃべらないけど、台詞を話しながら忠信を遣ってはって不思議な感じがした。


 伝統芸能の継承や発展について行ってる取り組みについてなど熱い意見が交わされてました。

 印象に残ったのは、伝統を守り伝えることは新しいものをまったく拒否していくのではないということ。ミンモさんがこんなお話をされてました。鍛冶屋が鉄を鍛えるために毎日金槌を使う。毎日金槌を使ってると柄の部分が壊れてそれを取り替える。それでまた毎日鉄を鍛えてると今度は金槌の部分が壊れて取り替える。そういう風に部分的に変えることはかまわない。同じ行動をとり続けることが大事だ。とおっしゃいました。伝統の中でも変えずに守るべきところももちろんあるけど、伝統は時代によって形が変わるとおっしゃってました。情熱を持って若い人を養成することな大切さもまさに情熱的におっしゃってました。話してはる言葉はイタリア語やから通訳で内容を理解したけど、その語りぶりの熱い姿勢はよく伝わってきた。


 新しい娯楽がたくさん入ってきて人形劇の人気が低迷した時期が両方に共通してあって、それは大変だったという話をされてました。


 「不安」を常に抱えていてほしいと勘十郎さんがおっしゃってました。もうこれでいい。って思ってしまうとそこで止まってしまう。伝統の上にあぐらをかかないように。ともおっしゃってました。


 シンポジウムに関してはやや理解不足かもしれないけど、楽しい一日を過ごした。中でも『義経千本桜』に大感動でした!