徘徊老人のひとりごと

地球上を徘徊する75歳のボケ老人のひとりごと

徘徊老人世界放浪昼寝旅ールーマニア・ブカレストで頭に中が真っ白にー4月27日

2012年04月29日 | 東欧(東ヨーロッパ)
ブカレストの北駅に降り立ったワタシは声を掛けて来るタクシー運転手を無視し
両替所を探したのでした。

 両替所はすぐ見つかり、ブルガリアの通貨を両替しょようとしたところ
 アイスクリームを食べながら、おばちゃんは掲示板を指差した。
 掲示板には「ユーロ、USドル、その他2・3の通貨」が書かれていた。
 その中にはブルガリアの通貨もなければ、日本円もなかった。

  しょうがなく、「家主」(カミさん)からお餞別で貰ったユーロから
  50ユーロを出して両替した。交換比率は1:4.15だ。
  市中は4.33だから、駅とか空港は率が悪い。
  まあ、そういうことは置いといて・・・・。

 両替の時に提示した「パスポート」とか、両替した現金を数えて、
 ちゃんと仕舞い込み、忘れ物がないかどうかを確認する。

 ここまでは、ちゃんと「しっかり」した行動をとっていた。

 ブカレストでは「アパート式」ホテルに宿泊予定だ。
 ホテルではないので、住所しか分からないし、地図も持っていない。
 こうゆう時は、タクシーで行くしかない。

 駅前にはタクシーがならんで客待ちしていた。

 この中の客待ちタクシーの爺さん運転手に声を掛けようとしたところ
 他の若い運転手が駆けよって来て、
  英語で、「ワタシのタクシーに乗ってください。私は英語ができますから
  安心してください」とワタシからバックパックを奪い取ると
  さっさと自分のタクシーに持ち込んだ。

  ワタシは「しょうがね~~な~~」と心の中で思ったが
 言われるままにタクシーに乗り込み、行き先を書いたメモを渡した。

 運転手は「OK」と言って車をスタートさせたが、料金メーターが
 作動している気配がない。

 運転手に「メーターが動いてないじゃないか」と言うと
 「メーターでは行かないよ。シティーまでは100レウ貰うよ」と
 言うではありませんか!

  やられた! ボッタクリ運転手だった!

  多分、普通の10倍の値段だ。

  ブカレスト名物、スリとボッタクリ運転手とニセ警官。

 到着した日の客狙いの運転手に見事に引っかかったのだ。

  ワタシとしたことがだ!

  喧嘩しても始まらないから、諦めるしかない。

  で、ものの15分で目的地に到着した。

 ところが、予約したアパートの住所に、そのアパートがないのだ。

 建物は「アパート」らしいのだが、なんの看板も出ていないし
 アパートに入るには「鍵」が必要だ。
 まず、玄関のドアを鍵で開け、次に、またドアがあり、それも鍵で開け、
 それから自分の部屋に行くようになっているようだ。

 このアパートに入って行って、管理人がいたら訊こうとしたが、
 鍵がないので入ることもできない。

 予約票には電話番号が明記されているが、ワタシの携帯は、残金ゼロのため
 使用できない。

 時刻は午後8時を過ぎた。

 頭が真っ白になるとは、このことだ。

 途方に暮れて、どうしようか迷っている時に、若者がこの建物のドアを
 鍵で開けようとした。

 ワタシが声を掛けると、若者はワタシを中に入れてくれた。

 住所を見せると、確かにここだが、そんな名前の部屋はないと首をかしげる。

 携帯電話を持っているなら、ここに電話をしてくれないかと頼むと
 あいにく彼の携帯のバッテリーがないので使えないと言う。

 ワタシはあきらめて、彼に礼を言い、再び、外に出た。

 英語版のガイドブックは「ラフ」(おおざっぱ)なので、地図も小さく
 ワタシが立っている現住所さえ地図から探し出ことが出来ない。

  最終的には道行く人に一流ホテルの場所を訊くことにしよう。
 たとえば、ヒルトンとかインターコンチネンタルとかのホテルがあれば
 そこに飛び込めば良いだろう。
 たとえ、飛び込み客はお断りと言われても、そこでひと息入れて
 他を当たればよいことだ。
 ワタシはヒルトンのオーナーズ・クラブのメンバーだし
 インターコンだって・・・・
 一流ホテルだったらカード支払いだから、手持ちの現金が減ることもない。
 こう考えたら、気持ちが楽になった。

  なぜ、こんな時に安宿をと思わないかって?

  道行く人が安宿の場所を知っていることは案外少ないからだし、
 タクシーに乗れば、宿は紹介してくれるだろうが、
 また、タクシー代をぼったくられる可能性も考えられるからだ。

 ワタシは、建物の角にバックパックを置き、パソコンを開き
 改めて予約票を見た。

 そしたら、Important Notice として、
  「ブカレスト到着後、必ず、電話をしてください」と書かれていたのだ。

 もう一回、誰かにお願いして電話して貰って、それがダメならホテルにしようと
 考えて、道行く人の物色をした。

 スーツを来た中年の男性が来たので、話しかけた。
 英語が出来る人だった。事情を話すと快く電話を掛けてくれたが
 一度目は電話しても誰も出ないと言う。
 再度、トライしてもらうと、やっと、アパートの管理スタッフと電話が繋がった。
 ワタシが代わって電話で話しても、車の音などで良く言っていることが
 聞き取れないので、この男性に代わって話してもらった。

 アパートのスタッフが車で迎えに来るので、この場所で待っていてほしいと
 言う事だった。
 
 その親切な男性は、この場所から動かないこと、誰かに話しかけられても
 無視すること、治安があまり良くないから気を付けることを言い
 去ろうとした。

 ワタシは「Thank you very much for your kindness」と礼を言うと

 彼は「どういたしまして」と日本語で言ってニヤリと笑った。

 ワタシは「のけ反った」!(笑)

 ワタシは、その場所で1時間は待つことにして、そして1時間待っても
 来ない時には、ホテルに行こうと決心した。

 もう、暗くなっている。

 ひとりの薄汚い男が寄って来て「ホテルを探してるか?」と言ったが
 「ノー!」とひと言言うと去って行った。

 25分位経ったころ、一台の車が寄って来て、ワタシの名前を呼んだ。

 これが、今夜からのアパートメント・ホテルの車だった。

 この業者はアパート(マンション)の空き部屋を旅行者に貸すことを
 商売にしており、空室状況は日々変わるので電話連絡が必定だったのだ。

 ちゃんと「重要なお知らせ」にも書いてあるので、業者側の落ち度ではない。

 まあ、そう言われればそうかもしれないがね~~~。

 車の中で、街並みを解説しながら、ワタシが泊まるアパートまでの
 道案内をする。
  翌朝撮った写真だが
    
    これがアパートの全景だ。
    
    これがアパートの入口
    
    1階に「両替所」があるので、両替所が営業中は最初のドアは開いている。

   で、次のドアを鍵で開け
    
   小さな二人か三人くらいしか乗れないエレベーターに乗る。
   このドアを手前に開け
   
   乗り込んだら、この木のドアを閉めて、行き先ボタンを押す。

   そして5階で降り、27号室が、ワタシの宿泊する部屋だ。
   さて、この汚いアパートの外観からすると・・・・・・?
   
    イケヤのベッドか?(笑)
   
    キッチンには冷蔵庫、4個付きのガステーブル、
   
   電子レンジ、コーヒーメーカーに濾過紙まであり、

   テレビ、ビデオ装置、エアコン、インターネット・ケーブルまで
   ついている。

   クローゼットにはアイロンと折りたたみのアイロン台

   そして、バスタオルが2枚、フェースタオルが2枚 

   まるで、自分の家のように落ち着ける。

   やっと、ホッとして、アパートの隣のミニ・スーパーで
   ビールと食糧を買って、

   今日一日を振り返る。

   長い一日だった。

   ボッタクリにも会ったが、親切なルーマニア人にも会った。
    
    

     
 

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