中之島香雪美術館で開催中の河鍋暁斎展を観てきた。
すべてを描くというだけあって、作品は美しいものから滑稽なもの、奇妙なもの、グロテスクなものまで様々。求めに応じて様々な題材に対応できたというからその心意気や。まさにプロの仕事師だった気がする。
中之島香雪美術館で開催中の河鍋暁斎展を観てきた。
すべてを描くというだけあって、作品は美しいものから滑稽なもの、奇妙なもの、グロテスクなものまで様々。求めに応じて様々な題材に対応できたというからその心意気や。まさにプロの仕事師だった気がする。
ここを訪れるのは3回目。今回は企画展の開催に合わせて常設展もついでに。
企画展は古い建具の修復に使われる様々なホゾの仕組みの展示。つい大きな建築物の修復に目がいくが、建物内部の建具にもいろいろな木組みのホゾが隠されているのがよくわかって建具師たちの腕のすごさには感心してしまう。
新幹線の線路のすぐ脇にあるとは思えない静謐な雰囲気で新緑も美しい
ここの展示を見ると日本独自の建築物に対する職人技の冴えに魅了されるが、同時に他の国にもこういった独自の技術もあってそれぞれに職人技があるのだろうと思える。つくづくモノづくりに携われる職人の世界がうらやましい。
大寒波到来。こんなときは早起きして六甲山に上って若干でも積もった雪道歩きに出かけたいところだが、なかなか布団が放してくれない。ということで今日も街活。梅田に出たついでに中之島香雪美術館に行く。
大原美術館所蔵の戦後アメリカ美術を集めたものとのこと。アートの素養のないものは精緻なものには感心してしまうが、こういう現代アートは正直よくわからない。それまでの油絵とは違い様々な表現方法が生み出された時代ということで、シルクスクリーンやリトグラフのものが多かったが、つい何枚刷られた内の何枚目という数字ばかり追ってしまい苦笑してしまう。
今日は街を歩いていても本当に寒かった。帰宅して濡れたタオルをベランダに出しておいたらあっという間に凍って床に立った!
神戸市立博物館で、南波松太郎が蒐集したという古地図を鑑賞。古地図は南波氏から寄贈され現在博物館の所蔵となっているとのこと。今回はその公開ということで日本のものが中心に展示されていた。
日本の古地図といえば伊能忠敬が有名だが、その前から各地でいろいろな地図が作られていたのは人間の飽くなき好奇心の賜物か。正確さはないが形がいびつな地図にはなんとなく愛嬌がある
なかには地図模様の絵皿や印籠なども
世の中には様々な物を集めるコレクターがいるが、このような後世に残るものは少なく、大半はガラクタになってしまう。それでも人は集めないと気が済まない動物のようだ。一応系統立てて集めるのはまだいいとしても、あれに手を出し、これに惹かれ、無秩序に集めるのは困ったものだが、それが本人の楽しみになっているのならいうことなし。残されたものはせめて敬意をもってゴミとして処理されるといいのだが・・・。
同時開催の銅版画はその細かい技法に感心しきり。木版の細かい細工にも驚くがこちらはさらに細かい細工ができている
大久保利通の肖像画
この顔のアップはといえば
版画展を観るときいつも思うのだが、展示されるのは印刷された紙がほとんどで彫り刻まれた木や胴の板の方はあまり観ることができない。できればそちらの方も観たいものだ。
年を越すと阪神淡路大震災から30年を迎える。それを前にいくつかのイベントが行われているが今日は六甲の神戸大学キャンパスで開催中の展示を観に行った。
神大のいくつかのキャンパスの一番上の神大正門を入ったところ
このキャンパスがもともとの大学の一番古いところらしい
展示は社会科学系図書館の2階で行われているとのことで図書館に。
階段を上がったところ。なかなか歴史を感じさせる内部だ
あの日の被害写真と復旧後の写真が並べられていて実際の場所がよくわかる
当時の私は大阪に通勤していて毎日不安定な交通手段で通勤することに懸命で、のちに写真では見ているが、直後の惨状はリアルタイムではあまり目にしていない。改めて当時の惨状が信じられない思いだ。
図書館を出て坂道を下って別のキャンパスの神戸大学百年記念館の展示も見せてもらう
こちらは震災で犠牲になった神大の学生、職員の追悼展示
神大では深江にあった旧商船大学在籍者を含め学生、教職員合わせて47人が犠牲になったとのこと。プロフィールを読むと出身地は全国、海外にも及んでいる。亡くなった方の遺族の方が語る当時の状況を読むと、崩れた建物の下になって圧死された方が多く文字通り胸の詰まる思いがした。さらには救出を救助隊員に頼んでも生存者優先ということで後回しにされたという記述も多く、当時のひっ迫した状況もよくわかったがなんとも切ない。
この震災後も各地で地震、水害などが起き大勢の方が犠牲になっている。それでもそれらに巻き込まれず自分が生きていることは幸運であったからかもしれないが、喜んでばかりではいられない複雑な思いもするのだった。
年末はジャズ、ということでビルボード大阪でのナベサダのライブに行ってきた。
9月にも同じところでのライブに行ったが、ホールより小さいクラブで食事をしながら聴くスタイルも悪くないとまた来てしまった。
今回も時間は短かったが、もうそんなことは関係なく91歳の円熟の音色を楽しんだのだった。
こんな元気なジャズプレイヤーがいるのはうれしい限りだが、最近ネットで同じ渡辺姓のギタリスト渡辺香津美の近況が伝えられていたのが気にかかる。今年自宅で倒れたということは知っていたが、今は自宅でリハビリ療養中とのこと。病状は重く再起も難しそうと聞いて思わずため息が出てしまった。
昔社会人になって東京にいたころ、新進気鋭のジャズギタリストとして活躍し、渡辺貞夫のバンドにもいたことがある。その後長くライブには行っていなかったが何年か前に久しぶりに聴きに行ったときは髭の似合う渋いおじさんになっていたのだが・・・。
CDを聴きながら少しでも回復してほしいと願うのみ
県立芸術文化センター年末の恒例ジャズコンサートのひとつ、小曽根真のブラジリアン・ジャズ・ナイトを聴きに行った。
そのタイトルの通り、ブラジルのミュージシャンを迎えてのコンサートだった。ピアノデュオでパーカッションも加わっているので明るいノリのいいコンサートを楽しめた。ブラジルのピアニストアンドレ・メマーリは全く知らなかった。今回は小曽根真を前面に出して少々控えめな感じがしたが、あとで調べてみると作曲編曲はもちろん様々な楽器を弾きこなす才気あふれるミュージシャンのようだ。
アンコールでジョン・レノンのHappy Christmasが演奏されたが、War is over, if you want itという歌詞は今の時代に聴くと複雑な思いを持ってしまうのだった。
ついでに阪急ガーデンズの今年のクリスマスツリー
神戸市立博物館で開催中のデ・キリコ展を観に行った
自画像
コスプレ好き?
撮影OKの作品いろいろ
会場を移動するときに博物館の階段を上から覗くと、これも作品の一部のような気がしてきた
しばしば描かれる卵型の顔はマネキンを表しているらしい
ちょっと毛色の変わった作品
この他にルノアールばりの裸婦の作品もあったが撮影不可
作品解説に「形而上絵画」(metaphysical)という言葉が頻繁に出てくるが、これがよくわからない。意味としては形のないものということらしいが、「形、あるじゃん」と思ってしまう。シュールレアリスムとどう違うのかもよくわからない。本人はシュールレアリスムではないといっていたらしいが・・・。
ポスターにもよく取り上げられている卵型の頭、てっきり鉄仮面だと思っていたがマネキンだったとは。いろいろわからないことだらけのデ・キリコだった。
阪急電車のつり広告でなんとなくよさそうだったので、池田市の逸翁美術館で開催中の漆工・三砂良哉展を観に行ってきた。
美術館は小さいが落ち着いた建物だ
作家の三砂良哉は優れた技術を持っていたがこの世界では無名だったらしい。それでも小林一三など愛好家がいて、多くの作品が残っている。どれも趣向が凝らされた漆の塗り、螺鈿など精緻で美しかった。
あまり日常使いするようなものではないので、こういうものを愛でる世界があることが新鮮だった。
写真撮影OKの2点
入館時に中では静粛にといわれたが、一緒に行った友人と感想ぐらい言いながら観たいと時折ヒソヒソ声で話したのだが、それさえもあまり歓迎されない雰囲気だったのが残念。
美術館のなかの茶室。お点前が行われることもあるそうだ。
部屋の隅に置かれた茶釜は電気コードが付いた電気釜なのを発見
漆は英語でJAPANといわれるほど独特のものであることを再認識したのだった。
観終わってからは池田の街歩き
漆塗りではないけれどきれいなマンホール
四角のマンホールも
天気がいいのでついでに五月山にも上ってみた
街にはウォンバット推しの池田市らしいものも
8月の台風の影響で交通機関がストップしたため延期になったコンサートにやっと行くことができた
この2つのバンドの競演スタイルのコンサートを聴くのは3回目。懐かしのジャズとラテンのスタンダードナンバーは心が躍って何度聴いても飽きない。ジャズだけのコンサートもけっこう観客の年齢は高いが、これにラテンが加わるとさらに年齢が高くなる気がする。足元が危なそうな方もいらした。世代によって好まれる懐メロは人それぞれだが、このジャズとラテンもけっこうな固定ファンがいてなんとなく心強いのだった。