ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

ひつじ村の兄弟

2016年02月17日 | 映画

以前観た「馬々と人間たち」という映画の舞台となったアイスランドという国がなかなかおもしろかったので今回また、アイスランド映画を観てしまった。今回はヒツジをめぐるお話。

グミーとキディの兄弟、歳は70歳ぐらいか、兄弟とも堂々たる体格とヒゲの持ち主。隣同士の牧場で2人とも羊を飼っているが仲が悪く40年間、口をきいていない。何か連絡があるときは牧羊犬に手紙を持たせて使いに出している。

そんな2人だが、羊への愛情、情熱は強く、羊の品質を争うコンテストでも1位、2位を分け合っている。ところがコンテストで優勝した兄の優秀な羊が病気にかかっていることがわかる。そのままでは村中の羊に感染が広がる恐れがあるため村中の羊の殺処分が行われる。しかし弟の方は密かに何頭かの羊を地下室に隠し飼育を続けるがある日そのことに兄が気づく。そのとき仲の悪い兄弟が取った行動とは・・・。結末が気になってけっこう一生懸命観ていたら「これで終わり?」という終わり方をしてしまったのが少々物足りなかった。

クリスマスに弟のグミーがきちんとネクタイをして、部屋にはキャンドルを灯して自分で料理した夕食を一人で食べるシーンがある。ごく一部の人を除いて商業的なクリスマスにしか縁のない日本とは違い、なんとも宗教的で素朴なクリスマスの祝い方があるのだとあらためて気づかされた。ヒツジの殺処分という重いテーマで羊飼いたちの苦悩や戸惑いが描かれるなか、少しホッとして暖かい気持ちになれた印象的なシーンだった。

 

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仙山線

2016年02月10日 | 山旅

山形駅前の像。倒れているのではなく寝ているのが正解

 

山形名物芋煮ベンチ。座れば誰でも具になれる

 

山形、仙台を結ぶJR仙山線は山間部を走るので、冬はその雪景色が期待できそうで楽しみにしていた。ところが仙台から乗ったときは天気がよすぎて木々を纏う雪はすでになくがっかり。しかし仙台に戻る帰りの道中は一転、前夜降った雪が木々を覆い気温も低いので融けずに残り素晴らしい景観を見せていた。

特に山寺駅周辺はまるで水墨画のような景観の中を走り、思わずうっとりするほどだ。動く電車からはなかなか写真がうまく撮れなかったのが残念だが、これは一見の価値ありだと思う。車中は地元の人がほとんどだったので、私一人興奮して右へ左へと座席を移動してしまい少々恥ずかしかった

山寺駅から山寺方面

 

仙台に近づくにつれて雪はなくなり、列車からの雪見鑑賞ツアーはおしまい。もう一度戻って観たいくらい素晴らしい眺めだった。

姫神山からの岩手山、蔵王、そして仙山線の沿線など、今回いくつも雪の絶景を見ることができた。ひとくちに雪景色といってもそれぞれ成り立ちが違うのでまったく別のものだが、モノトーンの美しさであることは共通している。秋の賑やかな色彩も美しいが、モノトーンも捨てがたい。来年も東北の冬を深堀してみたい。

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遅筆堂文庫

2016年02月09日 | 山旅

以前から山形県の川西町の図書館の一角にある遅筆堂文庫に行ってみたかった。ここでは、川西町になる前の小松町出身だったことが縁で、作家の井上ひさしが生前から寄付していた蔵書をまとめて保管、展示している。主宰していた劇団こまつ座もこの町にあった芝居小屋の名前に由来している。

山形からは米沢を経由して米坂線に乗って最寄り駅の羽前小松に向かう。この辺りは米どころであるらしく、今の季節は雪に被われた広大な水田が広がり真っ白の光景。列車からの雪景色では飯山線や大糸線もすばらしいがどちらも比較的人家が近い里の風景だが、ここは人家が遠くただただ広い。

 

眺めを楽しむうちに羽前小松駅に到着

 

 

マンホールはシンプル

 

井上ひさしの出身小学校やら小松座跡なども観て図書館へ。劇場も併設した施設はなかなか立派なものだ

 

遅筆堂文庫では作者がお出迎え

 

独特のタイポグラフィーで書かれたご挨拶

 

内部は撮影できないが、作品を生み出すための資料を中心に幅広い蔵書が当時の付箋、書き込みなどもそのまま並べられ、館内では自由に読むことができる。没後こういったものが散逸せずにまとめられていることは本人、家族、ファン、地元の人、それぞれに意味がある気がする。さらには芝居の公演、講演会なども定期的に開かれていて文化的な活動もされているようだ。

雪深く不便なところなので今の時期は訪れる人も少なそうだが、町として維持、管理、活用を続けられるように願うのみ。

書かれたものには共感するところも多いし人間的にも惹かれるのだが、WIKIで書かれた情報を信じるなら、家庭的にはかなり問題があった人物でもあったようだ。この雪深い田舎町で育ち、のちには一時孤児院で育った経歴などを含めつい私的なことにも関心があっての今回の訪問となった。

帰途に着くが途中から雪が激しく降ってくる。それもかなりのボタン雪。雪のないところに住む者としてはこの雪の大きさにびっくり、飽かずに眺めてしまう

 

石川啄木も井上ひさしも人間的に問題を抱えた人物であったようだが、人の記憶に残るすばらしいものを残している。人はそれぞれの成した仕事だけで評価されればいいのかもしれないが、何の実績もない国会議員の最近の品行の悪さにはあきれるばかり。

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蔵王のモンスター

2016年02月08日 | 山旅

今日は盛岡から山形へ移動、蔵王の樹氷を観に行くことにする。

蔵王温泉町マンホール。細かい雪の結晶模様がなかなか凝っている

 

ロープウェイで標高差900Mを一気に上っていくと

 

お天気は最高。眺めもよし。以前訪れたときは少し時期が遅く半分くらいはげ落ちていたが、今回は見頃を迎えている

 

 

見事な樹氷の数々

 

 

 

スキー場の樹氷コースの端をスノーシューで降りていく。スキーなら一瞬で通り過ぎてしまうだろうが、歩いていくとじっくり樹氷の雪原を楽しめる。空の青さと雪の白さのベストコンビ

 

 

 

2時間ほどかけてゆっくり鑑賞しながら下の温泉まで下りていく。様々な気象条件が重なってできる自然の造形の美しさに魅了された1日だった

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姫神山

2016年02月07日 | 山旅

網張から盛岡に戻り、今日は姫神山に登る。朝のいわて銀河鉄道で好摩まで行き、タクシーを奮発して一本杉登山口へ

標高差で600Mほど。日曜日で車で来ている人がけっこういて、しっかりしたトレースが付いているのでツボ足で登り始める。

この辺りから少し傾斜が出てくる。何を懺悔して登るべきか

 

長靴で軽快に登る地元の人、ガッチリアイゼンを履く人、それぞれの技量に合わせて皆楽しそうに登っていく。頂上近くは岩場だが今は雪上を歩いていく

 

2時間40分で頂上(1123M)着

 

 大地にそびえる岩手山。写真では大きさが伝わらないが広い平野に威風堂々と立つ岩手山は絶景だ

 

少しアップで

 

頂上で出会った地元の人によればこの季節にこんなにはっきりきれいに見えることは珍しいとのことなのでこの幸運に感謝

風もほとんどないので頂上で昼食をとり下山。下りはアイゼンを履いてもいいのだが、滑落して死ぬようなところはないし、転んでも雪があるので大して問題なし。そのままツボ足で駆け下りる。この爽快感、スキーよりやっぱり性に合っている。六甲山にもこれくらい雪があれば楽しいのになぁ

登山口に戻ってタクシーを呼んで近くの渋民まで行ってもらう。渋民村といえば夭折の歌人石川啄木が通い代用教員をしていた小学校のあるところ。記念館があり当時の小学校も隣に移築されているというので観に行く。

玄関でお出迎えの啄木君

 

左が小学校、右は代用教員時代寄宿していた家

 

小学校内部

 

囲炉裏があって「男子用いろり」とある。こんなところまで男女は席を同じにしなかったのだろうか

 

年譜を見ると啄木は26歳で亡くなっている。その間渋民から北海道、東京へと転居、結婚し2子をなし、嫁姑問題に悩み、漱石、与謝野鉄幹、晶子、金田一京介などとも交わるなど目まぐるしい人生を送っている。女遊びのために借金を重ねるなど必ずしも清廉な人生ではなかったようだが、今でも多くの人に読まれ親しまれている歌は美しく暖かい

 

渋民村マンホール

 

観終わって渋民の駅まで歩いていく。今日は下からも岩手山がクッキリ

 

さっき登った姫神山も

 

 

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岩手網張温泉 ③

2016年02月04日 | 山旅

今日朝一番にリフトに乗っていたらトイレに行きたくなってしまった。悪いことに一番長いリフトに乗ってしまったのであせる。リフトを下りたところにトイレはないのでとりあえず下まで下りねばならない。直滑降で降りれば速いのだがそんな大胆なことは出来ない。転んでいては起き上がる時間がもったいないので転ばぬよう、かつ自分の技量で一番速く下りられるように滑って下までなんとか下りきる。

気を取り直してまたリフトに乗る。ここ網張スキー場は空いていて、滑っている人も皆ある程度滑れる人が多い。私などは一番下手な方だ。平日ということもあって同年代の中高年のスキーヤーが多く、派手なスキーウェアに身を包み颯爽と滑り降りてくるのだが、リフト乗り場に着くと東北訛りで話ていたりして、やっぱりここは東北なんだとなんとなく和む。

昨日登った鎌倉森

 

リフトに乗っていたら視線を感じて、見ると物憂げな顔を発見

1400時頃にはスキーは終了。考えてみると今日はトイレをめがけて滑ったあの1本が快心の滑りだった気がする。火事場の馬鹿力か。

 

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岩手網張温泉 ②

2016年02月03日 | 山旅

今日は天気がよさそうなのでスキー場の東にある鎌倉の森に登ってみる。スキー場からは標高差にして500Mほど、登山道はなく夏は藪山で登るのは大変そうだが今の季節なら尾根をたどって枯れた木々の間を上っていけば行けそうだ。

ヤマレコの山行記録ではキャンプ場当たりから上っているようなのでそこからスタート。昨夜は雪が積もって新雪になっているが朝行ってみるとバックカントリー目当てのスキーで登っているトレースがあるのでそれを拝借。

やっぱり下手なスキーより森の中を歩く方がずっと気持ちがいい。

キツツキさんのお宅拝見

 

1時間ほどで少し平らなところに出るがそこからは傾斜が急になる。直登したいところだがスノーシューでは限界があるのでトラバースを繰り返して上っていくがスノーシューだとけっこう上りにくい

右の雪庇に近づかないよう慎重に上っていく

 

2時間半ほどで鎌倉森(1316M)到着。リボンを結んだトドマツ?の木が頂上の印のようだ

 

岩手山本峰は雲の中

 

犬倉山方面

 

できれば犬倉山に上りスキー場のゲレンデを下りたかったのだが、そのためにはいったん下って上り返ししないといけないし、時折強風が吹いてくるのでこのまま来た道を戻る。下りはトレースも無視して新雪の中をバホバホ歩いていく。これが雪山の楽しみ。1時間もかからずあっという間に出発点に戻る。

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岩手網張温泉 ①

2016年02月02日 | 山旅

スキーをしつつ、山にも上ってみたいと岩手まで遠征。飛行機ではなく新幹線でのんびりと行く。大阪東京間が3時間、東京盛岡間がやはり3時間程度だが列車の旅は快適で飽きることがない。

途中東京駅の構内を見て歩く。昔の殺風景な駅とは違い今はお土産や弁当の店がひしめき合っている。そして人の多いこと。

盛岡に着くと駅からは岩手山がドカーンと目に入ってくる

 

宿の窓から見える屋根に垂れ下がった雪とツララ。雪のないところの人間には雪国では当たり前の光景が珍しくてウキウキ。

 

スキー初日は終日小雪交じりの天気だったが風がないのが救い。昨年の乗鞍の拷問のようなリフト乗りにはならなくてよかったが、スキーの方は進歩なし。去年冬やっと会得した段階より下手になっていて転びまくる。体のあちこちがパキパキと痛い。いかに無駄な力を入れていることか。

 

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