検察側と弁護側の丁々発止のやり取りが楽しめる法廷ものの映画。今回はその中に父と子の反目、和解を入れた人情ものとしても楽しめた。
都会で金持ち相手の弁護士として成功しているハンクは母の訃報で故郷の田舎町に帰る。故郷にはその町で40年以上判事をしている父が住んでいるが、若いころ父に反感を持って町を離れたハンクは今でも父親としっくりいっていない。そんななか父親が車である男を轢き殺した罪で逮捕される。ハンクは、父親がガンに侵されていることを初めて知り、その薬の影響で記憶があいまいな父親の弁護を引き受ける羽目になる。
轢かれた男はかって父親が裁いた忌まわしい事件の被告で、物的証拠は明らかに父親の犯行を思わせる。本当に父親の犯行だとしたらなにがそうさせたのか。そこに至るには決定的な理由とは。かっての事件を通して父親が語る息子への思いとは。なかなか見ごたえのある法廷劇だった。
陪審員制度をとっているアメリカ映画らしく、弁護側が陪審員候補者を忌避する場面でのユニークな方法など陪審員制度がしっかり根付いているのだと感心させられた。