ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

八方尾根から唐松岳 ②

2012年03月30日 | 山旅

  

朝、風の音で目が覚める。カーテンを開けると外は風で雪も舞っている。昨日の快晴はほんとうにありがたかった。リフトが動くのは8時半なのでゆっくり朝食を食べる

 

   8時を過ぎても風は収まらず、このままではリフトが動きそうにない。待っていては電車に間に合わないかもしれないので、あわてていったんしまったスパッツを引っ張り出し、歩いて下山する。リフトに沿って下りるが、ツボ足では膝までもぐって難渋する。ひとつ下のリフトは動いていたので乗ることができやれやれである。さらにゴンドラに乗り継いで八方到着。

いつ見てもきれいな白馬村のマンホール

 

バスを待たず八方から駅まで歩いていると白馬岳遭難対策センターの横に碑が建っている

 

  白馬山系で遭難した人の碑である。よく見ると最後の方に八方尾根で昭和55年12月に遭難した4名の10代の若者の名がある。帰ってきてから調べてみると逗子開成高校の遭難事故だった。八方尾根を登っていて天候悪化のため、第2ケルンの辺りでルートを見失い方向違いの谷に下りてしまって教諭と生徒4人が亡くなっている。

  本当に山はお天気次第で天国と地獄である。今回私は天候に恵まれ天国だったことをつくづく感謝しなければならない。

少々しんみりして歩いているとこんな看板が。信州には野生のブタがいるって、ほんまかいな

 

 白馬の駅には前にはなかった立派なストーブが設置されていた。どっしりして一見薪ストーブだが、残念ながら電気コードがついている。

  1004時発の大糸線に乗り、昨日の余韻を楽しんでいると、昨日擦りむいた手の甲の傷がひりひりと痛む。登山中の傷なら名誉の負傷といえなくもないが、駅前でこけて擦りむいたのでは自慢にもならない。そこで今回の教訓。山には危険がいっぱい、街にもいっぱい。 

 

 

 

 

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八方尾根から唐松岳 ①

2012年03月29日 | 山旅

  

  天気予報どおり今日は全国的に高気圧に覆われ快晴。絶好の登山日和である。目指す唐松岳(2,696M)へは2年前の3月にもトライしたが、そのときも快晴だった。ただ風が強く途中の丸山ケルンで撤退したので今日こそは頂上まで行きたい。捲土重来である。

6時発の大糸線始発に乗って白馬駅へ向かう。今の時期、進行方向左側には常念岳から始まり、雪を被った北アルプスの峰々が次々と姿を現し、見飽きることがない

信濃大町付近からの爺ヶ岳

 

昨夜から未明にかけての降雪で覆われ、青木湖の辺りの平野部もほんとうに美しく、この雪景色を見るためだけに始発電車に乗っても決して惜しくないと思える

 

  雪景色を堪能し、白馬駅で下車。勇躍八方行きのバスに乗ろうと足を踏み出したのだが、思わぬ災難が待っていた。駅前は除雪のための水が撒かれていたのだが、早朝で気温が低く一部が凍結していて水との境目に気づかず、見事にすべって転倒してしまった。「何でもないもんね」と平静を装いバスに乗ってから手の甲が出血しているのに気づいた。足は大丈夫だったので登るのには支障はなさそうでホッとする。

  八方からゴンドラとリフトを乗り継いで終点の八方池山荘前で装備を整え0915時登り始める。このお天気なので早朝からスキー、ボーダー、登山者と多くが上っていてトレースがはっきり

 

    初めはツボ足だったが、やはりすぐにもぐり始めたのでスノーシューを履いて快調に登っていく。五竜岳と鹿島槍が見えてきた。

 

 不帰の險も

 

 1130時丸山ケルン到着。ケルンの後に白馬三山

 

ちょっと大きくして左から鑓、杓子、白馬

 

ここまでは無風で手袋もいらなかったが、さすがにここからは風が出てきたので手袋をはめ、ヤッケを着る。前回のような強烈な風ではないのでなんとか先へ進めそうだ。

高度が上がり、唐松岳が見えてきた

 

唐松頂上山荘手前が少しエッジになっているので慎重に登る

 

1235時山荘到着。ここでやっと劔岳が見える。感激!

 

白馬への稜線パノラマ

 

パンをかじりお茶を飲んで一息入れてから、スノーシューとストックをアイゼンとピッケルに持ち替え、頂上を目指す。下りてきた人一人

 

1320時唐松岳頂上着。2年越しの本望達成!

 

劒方面パノラマ

 

堂々の五竜

 

白馬方面

 

見下ろせば小屋明けを待つ唐松頂上山荘

 

自分の写真を撮ってもらいたいと誰か来ないかしばらく待っていたが誰も現れない。去るのが惜しいような眺望だが1330時下山開始。トラバース気味のルートなので慎重に下りる。

りっぱな雪庇

 

 岩から生える氷の爪

 

 尾根の狭いところは慎重に

 

振り返れば唐松と不帰の險

 

登るのは大変だが、下りはあっけないほど早い。2時間ほどで第1ケルンまで下りてきた。だだっ広い尾根はガスに撒かれると方向がわからなくなるが今日のように午後になっても視界のいい日は安心していられる。

 

影も長くなってきて1550時下山完了。今日は八方池山荘に泊まる

 

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八ヶ岳 2日目

2012年03月28日 | 山旅

  

  昨夜は星空がきれいだったが、今日は昨日ほどの天気は望めず、午後からは突風、雷という予報なので早立ちのため小屋の朝食はキャンセルし、手持ちのパンをかじって6時に出発。行者小屋の手前の中山展望台からは今のところ周囲が見渡せるが、すでに雲行きは怪しい

 

 

眼下に行者小屋とテントひとつ

 

   行者小屋から文三郎尾根経由で赤岳頂上を目指すが、あっという間に風と雪で視界が悪くなり、稜線は見えなくなってしまった。風が冷たく顔が凍りつく。強風の中、バラクーバをつける余裕もなくひたすら下って行者小屋に戻る。ここまで来れば風は収まりホッとできる。

 

単独行の雪山初心者としては、強風で視界もない稜線に上るような大胆さはなく、早々に撤退を決め、南沢を下ることにする。

一部氷の滑り台状態の南沢。アイゼンをつけて注意深く下る

 

 

美濃戸から美濃戸口への道は緩やかな下りだが、アイゼンをはずしてしまうと轍を歩いても、真ん中を歩いてもけっこう滑りやすく歩きにくい

 

美濃戸口からバスでまた茅野へ戻って昼食を食べながら明日の策を練る。天気予報では明日は天気がいいらしい。松本へ出て1泊し、早朝の大糸線で白馬へ行き八方尾根を唐松岳まで登ることに決める。

今日のところは松本で時間つぶし。駅前で草間弥生の水玉バス発見!目がチカチカする

 

中町通りは蔵シック通り

 

 

松本は水に恵まれ、街のいたるところに湧き水が出ていて、おいしい水が飲めてうらやましい

 

ショーウィンドーの張りぼてネコ

 

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八ヶ岳 初日

2012年03月27日 | 山旅

  

  3月も終盤、山の雪も締まってきて、あまりもぐらず歩ける季節になってきた。お天気をにらんでどこへ行くか思案の結果、とりあえず八ヶ岳に出かけることにする。八ヶ岳の玄関口、茅野駅で美濃戸口行きのバスを待つ。

駅前にあるこれは何?この辺りの特産品寒天だそうだ。なかなかリアルだがもう少し透明感がほしいところ

 

今日は朝から快晴。バスからも八ヶ岳連峰がくっきり見える。明日は午後低気圧の通過があるらしい。一日出遅れたかもしれない

 

美濃戸口から北沢を歩いていく。沢の水はまだ部分的に凍っている

 

夕方になってもお天気は上々。今年はまだまだ雪が多く硫黄岳と赤岩も真っ白だ

 

気温が低いせいかこの時間になってもきれいに雪がついている

 

2時間半ほど歩いて17時過ぎ赤岳鉱泉着。右の氷の塊は赤岳鉱泉名物、通称「アイスキャンディー」。アイスクライミング用の人工の登攀壁だ

 

夕食はステーキという山小屋らしからぬメニュー

   食事に不満はないのだが、この時期の平日、泊り客は少なく部屋はがら空きなのに暖房の経済性優先か、狭い部屋に男女も分けず、グループと個人もいっしょに押し込まれて足の踏み場もないのには閉口する。

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古本市

2012年03月23日 | その他

  

  三宮に出たついでに、サンボーホールで開かれている古本市をのぞいてみる。最近、店主が女の人だったりして扱う本も他の店とは少し違う新しいタイプの古本店も登場している。今回、そんな店も出店している。

本以外にポスターなども

 

 

昔の鉄道会社主催のハイキングの栞。こんなものも古くなれば値段がつくんだと感心してしまう

家にある本の処分が先決だと思いつつ、また何冊か買ってしまった。 

 

 

 

 

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曲面絵画

2012年03月16日 | その他

  滋賀県在住の画家ブライアン・ウィリアムズの絵を観てきた。曲面絵画という手法は耳慣れないが、ことばどおり曲面をつけて曲げた合板などがキャンバスの替わりになっている。カーブがついているので観た角度で印象が異なりおもしろい。  

  地元滋賀県の風景が多いが、私が観たかったのはヒマラヤを描いた大作。雄大で素晴らしい作品だった。展覧会の会場は滋賀県守山市にある佐川美術館。その名のとおり佐川急便が公益財団法人として運営している。佐川急便といえば、かって政界汚職事件もあったところであまりイメージがよくなかったが、こんなこともしているのかと少々意外だった。

  美術館の敷地からは木の間越しに琵琶湖の対岸の先日行った蓬莱山の稜線が見える

 

 美術館の建物は水に囲まれたシンプルで美しいデザイン。内部の調度もなかなか凝っている。

  今回のウィリアムズ展は企画展だが、常設としては平山郁夫の日本画と佐藤忠良の彫刻が主な収蔵品のようだ。なかはゆったりとした居心地のいい空間になっていてレストランもある。

  アイスクリームを食べようとメニューを見たら、「ふなずしアイス」なるものがあった。滋賀県の名産ふなずしの発酵したクリームチーズのような風味を生かしたものらしいが、食べる勇気はなく抹茶アイスをいただく

   美術館に隣接して陸上競技場があるがこれも佐川急便のものらしい。そういえば先日決まったオリンピック男子マラソン代表の一人は佐川の陸上部所属だった。競技場の後の趣味の悪い建物はラブホテル。芸術をスポーツの環境に恵まれたこのエリアのすぐ隣がラブホテル街とは、滋賀県の環境条例はどうなっているのだろうかと思ってしまう。

  美術館としてはすばらしく再訪したいところだが、神戸からは少々遠い。こういった私企業運営の美術館は他にもあってみな社会貢献の一環としての事業なのだろうが、それにしても財力があるなぁと思ってしまう。

 

 

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蓬莱山

2012年03月14日 | ちょっと遠出の山

今日はバリバリの高気圧張り出し日。この3日ぐらい寒い日が続いていたのでまだまだ湖西の山は雪が多いはず。蓬莱山に登ることにする。

琵琶湖バレイの山麓駅から金毘羅峠を目指す。期待通り登山道入り口付近からしっかり雪がある。

 

平日なので先行者はなくトレースがない。登山道を入って夏道のつもりで歩いていたが、こんなところに出てしまう。左はかなり落ち込んでいてちょっと危なそう。これが道とは思えない。読めないなりに地図を出してみると明らかに方向が違う。やむなく引き返すが結局入り口からすぐのところで間違えていた。もっと早く地図を見るべきだった。30分くらいロスをしてしまう

 

あらためて登り出す。けっこう鹿の足跡が多いが、これは何だろう。まさかクマ!?

 

高度が上がるにつれて雪が深くなってきて膝下ぐらいになってくるのでカンジキを履く。800Mくらいのところでロープウェイの山頂駅が見えてくる。この辺りからまた道がわからなくなってくるが尾根を忠実に詰めていく

 

2時間半ほどで金毘羅峠着

 

ここからが急で時々踏み抜き大穴に嵌る。カンジキで嵌るとなかなか抜けなくて困る。

 

かなり斜面が崩壊しているところがあるので要注意。時々崩壊して土砂が落ちていくする音がして不気味である

 

快晴無風!琵琶湖が見えてくる

 

何かの巣穴かな

 

きれいなウサギの足跡

 

やっとスキー場ゲレンデの稜線に出た

 

右は落ち込んでいるのでなるべくゲレンデの淵を歩く

 

ひときわ白いのは武奈ヶ岳か

 

下山はキタダカ道を下るがここも上部はけっこう雪が多くて何回踏み抜いたかわからない。今回はカンジキを使ったがやはり接地面積の広いスノーシューの方がよかったかもしれない

 

2時間ほどで志賀の町に出る。マンホールはしゃくなげとヨット

膝の高さとはいえやはりもぐると消耗し、久々にしんどい上りだったが、天気は上々、雪山歩きの楽しさと大変さをあらためて実感した充実の一日だった。

 

 

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鎮魂の日

2012年03月11日 | その他

  風は冷たいがいいお天気。山へでも行きたいところだが、震災1年目ぐらいは何か別のことをということで大阪中ノ島に出かける。脱原発の集会とデモ。特にグループに属しているわけでもないのでいろいろな団体の混成部隊に適当に付いて歩くことにする。

先ずは中ノ島公会堂での集会。中へ入るのは初めてだが、外観どおり中もなかなかクラッシック。オペラハウスのような雰囲気

 

関西電力本社の前でシュプレヒコール

 

西梅田で解散

 

梅田ハービスの辺りの春

 

 

 東北の春はまだまだ

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おとなのけんか

2012年03月08日 | 映画

  

   ロマン・ポランスキー監督の映画「おとなのけんか」を観た。もともとは舞台劇だったもので、登場人物は夫婦2組のみ、場所は片方の夫婦の住むアパートの一室という設定。

   発端は両夫婦の子供同士のけんかで一方が怪我をしたこと。双方ともそこそこ中流階級の知的な夫婦なので、最初はその解決策を前向きに話し合うはずだったのが、お互いのあてこすりに始まり次第に、まったく関係のないハムスターの話とか、携帯電話の話などがからんで果ては夫婦喧嘩にまで発展していく。

   罵詈雑言、ののしりあい、ことばの暴力などまったく反吐の出そうな(というより実際に出るのだが)様相を呈していく。ジョディ・フォスター演じるリベラルな妻の形相が怖ろしいものに変化していくのが怖い。そんな果てしない醜い争いをよそにこどもたちは・・・。

   ことばはいたわりの道具、話し合えばわかる、前向きの議論等々肯定的な面もあるが、一方、行動に比べればことばなどむなしいもの、ことばの暴力は凶器にもなりうるという側面もある。こんな映画を観ると「沈黙は金」「不言実行」ということばに肩入れしたくなってしまう。

   そこで思ったのだが、震災後あちこちで使われる「絆」ということば。時には陳腐で気恥ずかしく感じてしまうのは私だけだろうか。

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雨天中止

2012年03月05日 | 山旅

  

木曽駒ヶ岳の北にある坊主岳という標高2000M 弱の山に登りに行く。お天気はよくないことはわかったいたが、ツアー参加だったのでやむなく出かける。

途中列車の窓から見えた伊吹山の辺りもどんよりして、雪もすでにハゲハゲ状態

 

夜の天気予報では2000M付近ではかろうじて雪になりそうとのことだったので、宿のおんたけ休暇村で夕食など食べ、

 

 

早めに寝たのだが、朝になってみると思ったより気温が高く、雪ではなく雨。雨で緩んだ雪でなだれのおそれもありということで土壇場で中止決定。スゴスゴと帰る。めったにツアーには参加しない私のせいで雨が降ったのかも。

戻ってきた新大阪駅に500系の新幹線車両が止まっていた。こんなに鼻筋が通っていたんだとあらためて知った。開業当時のだんご鼻の車両が懐かしい

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