県立美術館に行ったが月曜だったのを忘れていて休館日だった。せっかく出てきたので近くの109シネマコンプレックスであまり期待もせず観たのだが、なかなかおもしろかった。
1979年のイラン革命のとき、アメリカがパーレビ国王を病気治療を名目に受け入れたことに怒ったイラン民衆がアメリカ大使館を占拠したときの話。占拠される直前に大使館員のうち6名が逃げ出しカナダ大使公邸にかくまわれたがそこへイラン側の探索が入り、見つかれば公開処刑されてしまうという緊迫した状況の中、救出のシナリオが考えられる。これが全く文字通りのシナリオだったというところがおもしろい。
考えられたのはカナダの映画製作のためのロケハンを装ってそのスタッフとして入国し、ロケハンを終えて出国するという案で、「アルゴ」というのがそのSF映画の題名である。ハリウッドの映画関係者を巻き込んでそれらしい台本やら宣伝ポスターまで作られ、脱出を手引きするのは作戦の発案者でもあるCIAの職員。彼を演じるベン・アフレックという俳優が監督も兼ねているがなかなか男前でいい面構えをしている。
6人を何とか空港まで連れ出すことには成功したが、ここでの出国手続きでイラン側に怪しまれ無事脱出なるか・・・。
その後残りの大使館員も解放され一件落着しているが、この6人の脱出劇はウソのような話だが実話だそうだ。アメリカ側の視点で描かれているがイラン側してみれば完全にコケにされたわけである。大使館占拠についてはそんなことがあったなぁという程度の認識しかなかった。こうして見るとアメリカというのは世界中のいろいろな国へ手を出して揉め事を収めているのだか、作っているのだか。
それでもこの事件の詳細は十数年後、クリントン大統領が機密を解き、公にしたことで知られるようになったとのこと。外交機密でも一定の期間を経れば公開するという原則が守られる国に比べて日本は・・・。