ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

汚れた心

2012年09月27日 | 映画

第二次大戦で日本が負けたとき、ブラジルの日系移民の社会で起きた事件を題材にした映画である。情報が乏しい中、ポルトガル語もほとんど解さない移民たちの中には日本の敗戦を頑として受け入れない勢力があって「勝ち組」として、敗戦を認めた「負け組」と対立していたことは話には聞いていたが、フィクションを交えた映画とはいえ、これほど深刻な対立があったのかとあらためて驚いた。

原作も監督、スタッフもブラジル人によるブラジル映画のせいか、主演級の俳優は皆日本人なのに、映画のトーンが日本映画とはまったく違い、なんとなく落ち着かなく心のざわつきを感じながら観た。言葉ではうまくいえないが、日本人が作ったら映画全体を流れるトーンがこういう感じにはならないのではないかという思いがした。情緒的なものなのか、ブラジル人から見たという客観的な視点の違いだろうか。

日本の負けを認めないためには同胞を殺すことも厭わない狂信的、妄信的な元軍人ワタナベを演じた奥田瑛二の凄みに息苦しさを感じた作品だった。

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リアル・ジャパネスク

2012年09月25日 | その他

大阪に出たついでに国立国際美術館で「リアル・ジャパネスク」展を観る。ただタイトルだけでなんとなく日本的なものを想像していたがまったく違って前衛的な現代美術展だった。

「うーん、わからん」というのが正直な感想である。別にわかろうと思っているわけでもないが、できれば観ていて楽しいものがいいのだが、あまり楽しくもなかった。

平面、立体、映像など様々な作品があったが、なかには造ったオブジェにご飯を食べさせたり、一緒にお風呂に入ってお湯をかけてやるる映像なんかもあった。凡人には奇妙としか思えないが、造っている人は他人を楽しませようとしているわけではなく自己表現したいから造っているのだろうから、よほど趣味の合う人の作品でない限り観ている方としてはあまり楽しくない。

どの作者も経歴をみると芸大、美大などを出ているので、最初は真面目にデッサンなどして基礎を学んだあとにそれぞれの表現に行き着くのだろうが、前衛芸術なら別に基礎などどうでもよさそうな気がする。権威付けのためにやはり芸大、美大卒の学歴が必要なのだろうか。

企画展の他、所蔵品展も観たが、それなりのポリシーがあるだろうが美術館はどういう基準で買い上げ作品を決めているのかな・・・。

具象、写実の作品展に比べれば抽象的な作品展は入場者が少ないのは当然だから、採算など考えていたらとても企画できないとは思うが、入場者より職員の方が多そうな空間はなんとなく落ち着かなかった。

 

 

街の花屋の店先にも秋の花

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衝動買い

2012年09月20日 | 買物

  

要らないものは買わない、家の中のガラクタを増やしたくないと思いつつこんなものを買ってしまった。

 

六甲道のいつも古着を引き取ってもらっている古着屋さんの店先に置かれていた。American Bell社のプッシュフォンである。ずっしり重くてこれでも十分レトロ感ありだが、ロータリー式だったらさらによかった。値段が高かったら買わなかったと思うが、定価800円のところ、2割シニア割引で640円といわれると、つい手が出てしまうのであった。

中の機械部分をくり抜いて貯金箱にでもならないかな・・・。

 

 

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黒部の太陽

2012年09月16日 | 映画

1969年の封切り以後、あまり上映されずDVD化もされていなかったノーカット版の特別上映会に行ってきた。黒部ダム建設のため資材運搬用の関電トンネルを掘る難工事を描く物語。封切り時にも観ているが、山登りで何回も立山に行くようになったので改めて観てみたかった。

立山、黒部は電源開発される前は立山信仰のため人が入ることはあっても、山も谷も深く秘境といえる場所だったが、立山黒部アルペンルートの開通以来、現在は一大観光地になっている。映画の舞台となっているのはこのルートのうち扇沢と黒部ダムを結ぶ現在はトローリーバスが走っている区間のトンネル工事である。1956年の着工後、途中の鳴沢岳、赤沢岳間で破砕帯にぶつかり、大量の出水で工事は中断、水抜きトンネルを何本も掘ってようやく突破、ついにトンネルを貫通させた話が中心になっている。この間の工事犠牲者が171名というのが痛ましい。

黒部にはこの関電トンネルの他、ダムから黒四発電所を経て欅平に到る黒部トンネルもあるが、途中の阿曽原付近の高熱帯に阻まれる「高熱隧道」の話も悲惨である。 

戦後10数年経った昭和30年代、関西の電力不足を補うための一大工事だったということで、完成後は電力事情が改善され、その後の高度成長時代を大いに支えたのだろう。日本の国の元気がなくなった今観るといろいろ感慨深いものがある。観客もその頃を知っている中高年がほとんどであった。

この黒四のような巨大な水力発電所を造ることは膨大な費用もかかり自然保護の問題もあり、電力会社は初期費用の安い原発にシフトさせていって、昨年の3.11が起きた。事故の重大性は当然だが、事故がなかったとしても、核のゴミの後処理方法の難しさからもとても原発維持を支持できない。ならばどうしたらいいのか。日本の英知を集めて克服する物語を将来映画として観てみたい。

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虫食い桜

2012年09月15日 | 散歩

  

散歩の途中、桜の木の下を通ったら葉っぱが色づいていたが、みんな虫に食われて落ちてしまっている。穴のあき方が見ようによっては、これはこれでなかなかきれい

 

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七兵衛山でお昼ご飯

2012年09月13日 | ちょっと裏山

岡本に行ったついでにちょっと八幡谷を上って七兵衛山でお昼ご飯を食べた。まだまだ暑くて滝のような汗をかいたが、それでも木陰で風が吹いていると気持ちのいい秋を感じる。

谷筋の登山道は今はこれが満開だったが、なんという花だろう

 

小さな秋も

 

 

 

今日の七兵衛山は女性が1人、先客としていらした。昼ごはんを食べながら1時間ほど山の話ができた。食事後保久良山を経て下りてくる。今日はいつもの場所にいつものお熱いイノシシのカップルがいなくて少々寂しい。別のイノ君たちがいたが、どれもまだ若いイノシシのようだ。この辺りでは見慣れた光景とはいえ、こんな住宅街の真ん中でイノシシがブラブラ、ゴロゴロしている神戸の街ってちょっと変!?

 

 

 

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あなたへ

2012年09月10日 | 映画

高倉健の6年ぶりの映画「あなたへ」を観た。

刑務所の技官である健さんが田中裕子演じる妻を病気で亡くす。その遺言は2通あって、そのうち1通は遺骨を散骨してほしいとの内容、もう1通は故郷の長崎の平戸の郵便局留めになっているのでそれを受取るために、富山から長崎までを車で旅し、そこで出会う人との交流を描く典型的なロードムービー。

昔任侠映画に出ていたころの高倉健の作品はほとんど観たことがないが、それ以降の作品ではどれも寡黙で不器用な役どころを演じている。それは今回も同じ。こんなにイメージの固まった俳優も珍しい気がする。観る方も皆それを期待しているのだろうか。私としてはもう少し違った役どころも観てみたい。81歳という年齢の割には確かに若いが、今回の役は見た目としてはぎりぎりのところに思える。今後はどんな役を演じるのだろうか。

劇中の局留めになっていた妻の遺言はちょっと意外な内容だったが、言葉少ない夫にはよく似合っているのかもしれない。こんなあっさりした遺言も悪くないかもしれない。言葉で語りつくせることもあれば語りつくせないこともある。

いわなくてもわかる、いわなきゃわからない、いってもわからない。

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電子本

2012年09月06日 | その他

スマホもタブレット端末も持たず、生活しているが特に不自由を感じることはない。考えてみると久しく電気製品も買っていない。そんなときちょっと気になるものが出てきた。それは電子書籍。普段は断然「本は紙に決まっているじゃないの派」なのだが、山で寝付けないとき、ライトなしで読めたら便利かなとそんな気がしてきた。

いろいろなメーカーから出ているが、PCでダウンロードしたものを端末に転送するタイプが多いなか、ソニーのREADERではWi-Fiか3Gでネットにつながり月額580円というタイプがあるらしい。これは見てみないとと大阪のソニーの直営店まで行ってきた。

確かにネットに繋がるが画面は白黒。それでも旅先でちょっとした調べものをするには便利そう。ただ致命的なのはバックライトがないので暗いところで読むにはライトが必要という点。それじゃ紙と同じじゃないかとも思える。ただ1日30分ほど読むとして7週間ほど充電不要、重さも185gと軽い。価格は14800円。これは高いのか安いのか・・・。今日も思い悩んでいる。

 

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