上高地を6時に出て岳沢を目指す。今日は午後から天気が崩れそうなのでなるべく早く着きたい。とりあえず出発時の天気は良好、河童橋からも穂高の峰々がよく見えている。
岳沢への道はすでに雪はなく、樹林帯を気持ちよく歩ける。1時間半ほどで木の間から西標の峰が見えてくる。
乗鞍方面も
このとんがりは六百山か
2000Mを越える頃から雪道になり最後は雪切りのしてある道をトラバースすれば岳沢小屋が見えてくる。
2時間30分ほどで小屋到着。一息入れていると早くも小雨が降りだす。前穂にはこの時期の夏道はまだ出ていないので、奥明神沢を詰めて行くことになる。とりあえず合羽を着てアイゼンとダブルストックで登っていくが初めは広い沢も途中から狭くなり傾斜も急になる。
1時間ほど登って2450M地点までくると沢が分かれていて、左に進路を採るのだが、上部にはガスがかかってしまう。ここから前穂の頂上まではまだ600Mほど登らなければならない。
雪の急斜面なのでザックを下ろす場所を選んで小休止、上に行くか撤退するか考える。昨日の乗鞍とは比べものにならないほど傾斜は急なので、やはり躊躇する。「今日はこのくらいにしておいてやる」と負け惜しみしつつ撤退を決める。
振り返ってみれば稜線はやはりガスっている。一面新雪に覆われる時期の山は当然きれいだが、雪が解け始めまだらになった今の時期の山も春山らしくていいものだ。
下りはあっけなく20分ほどで小屋に戻り、昼食には山小屋らしからぬこれを食べる。明日天気がよければ再挑戦しようかなどと未練がましく思ったりもするが、今年の岳沢小屋は増設工事中でまだ宿泊できないので、雨のなか上高地へ下る。
山は逃げない、もう少し雪山の経験を積んで再挑戦したいと思いつつ帰路につく。
帰ってからのお楽しみは松本で買った栗おこわ。おかずは漬物だけだがとっても美味